三品和広『経営戦略の実践2 企業成長の仕込み方』東洋経済新報社
ポーターの『競争の戦略』も、実はハーバードMBAの1年次に向けたものであり、「業界と競合の分析手法」という副題が示唆するように、分析に焦点を合わせている。・・・・・ハーバードMBAの2年次用に書かれた『競争優位の戦略』は「より高い業績の出し方と保ち方」と副題に掲げるが、当時は30代のポーターがHOWまで書き切ったとは言い難く、前作ほど活用されていない。
このシリーズは帰納法を採用する。
産業組織の経済学に基づいて演繹法を採用したポーターは、自らの理論を例証するためにケース一握りを都合よく引用した。その点は『エクセレント・カンパニー』と『ビジョナリー・カンパニー』も同じで、建前上は帰納法を採りながら全優良企業に共通する特徴に拘泥したので組織文化しか語ることができなくなってしまい、その組織文化をもってしても全ケースの説明には窮したので一部ケースの誇張に終始したものと思われる。
新規事業で問うべきは、世の中が待ち焦がれていた事業なのか否かである。
エリート中のエリートが自制するのは、売上の足しになる隣接地が利益を生まない荒れ地であることを経営者が見抜いているからである。
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