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2017年9月22日 (金)

井上章一&関西性欲研究会『性の用語集』講談社現代新書

この「性」概念は、東アジア思想史上の大事件である十二世紀の朱子の登場で、大きな意味を与えられた。

存在論でいえば、朱子学は「気」を素材的な基体とする。

日本では、助平な言葉が、カタカナへおきかえられやすくなっている。

風俗という言葉の起源は、奈良時代にまで遡れる。

身体障害者や民族的マイノリティは笑い物にしてはいけないが、同性愛者や性別越境者のような性的マイノリティだけは、笑い物にしてもいいという、歪んだ社会認識が存在するのである。

売春防止法は男性による売春行為を想定していないので、男性の売春は十八歳以上である限りにおいてイリーガルではない。

小便の場合は、ごくあたりまえであるはずの姿を、立小便とよぶ。

招き猫は、生殖器の代替品だったと、言ってよい。

勃起していても平然としていることを「乃木神話」という。

「からゆきさん」は基本的に外国で外国人を相手にする人々を指すから、海外の戦地で日本人を相手にするようになった場合は「からゆきさん」と呼ぶことはできない。

「慰安婦」に「従軍」をくみあわせたのは千田であることを本人は否定していない。

アメリカのショー・ビジネスが第三世界のブラジルを見下し、道化じみた名前を黒人レスラーにおしつける。それも、ブラジル人に、ではない。ボボ・ブラジルはカナダ生まれの黒人であった。

その悪行によって神の怒りを受け滅ぼされた都市ソドムに由来するソドミー概念は、ひろくは「自然に反する罪」を意味していたが、その主たる内容は同性間の性行為にあった。

2017年9月18日 (月)

高橋洋一×ぐっちーさん『勇敢な日本経済論』講談社現代新書

ウォートン・スクールは、計量経済学が有名なところ。

アメリカ人って、最後は必ず「ディールしようぜ」と言うよね。取引しようというか、話し合おうというか。最終的にはディールで決まるんだから、最初はどんな球を投げてもいいんだよ。

トランプって大統領令が好きだよね。

ヒラリーに比べるとトランプの英語って、小学生が使うような言葉だから、日本人にも理解しやすい。

マクロ経済政策で見るべき指標はふたつしかない。GDPと失業率。

失業率が下がったとき、変化がもっとも鮮明に表れるのが新卒者の就職なんだ。

2017年9月16日 (土)

竹田青嗣『世界という背理 小林秀雄と吉本隆明』講談社学術文庫

フローベールはモーパッサンに「世に一つとして同じ樹はない石はない」と教えた。これは自然の無限、豊富さを尊敬せよということだが、・・・・・

「私は懐疑派ではない」とデカルトは言っている。懐疑派はただ疑うためにのみ論議をはじめるだけだと。

「他人をダシにして」自分自身を語ることを批評の本道とみなした小林の批評の道にとって、・・・

秋成の議論の眼目は、学者としての宣長がはじめから「皇国を万国の上に置」いて「日本魂」を強調することの偏りに、反省を促すところにあった。

小林は・・・・・「源氏物語」から「物のあはれを知る心」を読みとった宣長の視線をとおして、・・・

「物のあはれ」という中心テーマには芸術上の美の本質を照らすものが含まれており、しかも紫式部はそのことを極めて明瞭に自覚していた〝思想家〟でもあった。

小林はむしろ、美の根拠は人間の生活の中での情(こころ)の動き以外にはどこにもないと、大胆に言い切っている。

宗教の発想の核心は、・・・・・〝信ずるものは救われる〟ということに尽きる。

2017年9月15日 (金)

50セント+ロバート・グリーン『恐怖を克服すれば野望は現実のものとなる ~50セント成り上がりの法則~』TRANSWORLD JAPAN INC.

ナポレオンは膨大な量の情報を細部まで吸収し、それらを組織化する能力に長けていた。

困難な状況に対して文句を言うな。

かつてのアメリカは現実主義と実用主義の国だった。それは、環境の厳しさやフロンティアでの危機的状況から生まれたもので、生き残るためには様々なことに対して敏感でなければならなかった。

問題の根源を知らずして、いかなる解決策も意味がない。

必要なものは、求めるではなく奪う。

人間は、「自己利益を一番に考えている」という本質を忘れがちなのだ。

他人の下で働くことの問題点は、「早く過ぎてほしい」と思うような無駄な時間、つまり自分のものではない時間を過ごさねばならないことだ。

人生において重要視すべきはオーナーシップであり、金ではない。

自分を取り巻くすべてをチャンスとして捉える。

すでに持っているものを最大限に活かさねばならない。

道教の教えでは、自ら屈服し受け入れる柔軟性があれば、結果的に強くなれるとされている。

人生に分野など存在せず、それは私たちが無分別に守ろうとする単なる習慣にすぎない。

自分自身を定期的に改革する。

自分自身の奥深くにある攻撃的な一面を強化し、動揺などしてはならない。そして、自分に対する尊敬を他人に強いるのだ。

「決して超えてはならない一線があること」を示し、「ふざけた行動を取れば報いが待っている」ことを知らしめるのだ。

歴史上の偉大なリーダーは、愛されるよりも、恐れられ、尊敬される方が好ましい。

ストア哲学の核は死に方を学ぶことであり、・・・

2017年9月11日 (月)

薬師寺仁志『ポピュリズム 世界を覆い尽くす「魔物」の正体』新潮新書

『ワシントン・ポスト』紙が共和党寄りであれ、・・・

近代的な意味での国民主権や人民主権は、フランスで生まれた統治原理なのである。

プラトンが批判したのは、この何でもありの人民主権であった。

ポピュリストの真似をして、事態を単純化してはならない。それよりも、事態を深く知ることが肝要なのだ。

現代のポピュリストたちは、批判を浴びれば浴びるほど、人民の敵たるエリート層との闘いを演出し易くなる。

全体主義を産み出したのは、民主的な手続きなのである。

どのような国でも、誰かが最も単純で最も賃金の低い労働を担わなければならない。問題は、そうした人々が社会に必要な人間として尊重されるか否かという点にある。

いわゆる〈極右〉勢力は、国籍取得に関して、出生地主義を血統主義に変更することを強く訴えている。国民戦線のルペン氏こそ、その典型なのである。

ポピュリズムは、議会制民主主義の破壊でもある。

ポピュリズムが人々の心を蝕んでしまうと、民主政治は終わる。

佐藤優『獄中記』岩波現代文庫

戦後は、政治犯は存在しないという建前となっているので、政治犯罪を経済犯罪に転換するという作業が必要になる。それで贈収賄、背任、偽計業務妨害のような犯罪がつくられていくのだ。

独房には時計がないので時間がわからない。

ハーバーマスの本では、17世紀末から18世紀に、コーヒー、ココアを飲む習慣がヨーロッパの有産階級に普及し、それとともに喫茶店文化ができ、喫茶店を中心に政治について論じる空間ができたとの考察が面白いです。

ハーバーマスやカントにとって国家や法は究極的に道徳によって基礎づけられているという解釈をとっている、と佐藤は理解している。

プロテスタントの世界で「善」とされていたことが、カトリックの見方では「悪」となってしまうのがとても興味深いです。

プロテスタントから見れば、ルター、カルバンは英雄ですが、カトリックから見れば極悪人です。

日本の外交官が、ロシアで(恐らくはヨーロッパ全域で)良好な人脈を構築できない要因の一つが、教養の不足にあります。

国家とは、学術的に見るならば想像の政治的共同体、すなわち、人為的産物であることに間違いありません。

自由主義的保守主義というのが、私の基本的な考え方です。

シモーヌ・ベイユのように苦悩とは物理的にも共有しなくてはならない。

苦難を頭だけで理解するというのでは不十分で、身をもって共有することが不可欠というのがベイユの思想です。

北朝鮮のような国との交渉では、諜報チャネルを用いた「密室外交」がまさに必要なのです。

私自身が『太平記』の中でいちばん感情移入できるのは僧侶たちです。

足利義満は、明という超大国に日本が吞み込まれてしまわないようにするために、・・・

『太平記』の中で行動規範として引用されているのはすべて中国の古典からです。

チェチェンには「血の掟」という独自の「仇討ちの掟」があります。

プラグマティズムの考え方・・・・・つまり、人間の理性は同じなのだから、十分な時間と条件さえあれば、誰もが共通の結論を見出すことがきるという了解があります。

ナチズムがドイツ人の病理現象であったということについては、ほとんどの知識人の間で共通認識が得られています。

ヒトラーはルターを崇拝していました。

カント的アプローチを用いた方がナショナリズムの欠陥をより的確に説明することができます。

旧約聖書に書かれているユダヤ人の知恵が役に立つかということを実感しました。

イスラーム世界では、ムハンマドがネコをたいへんに愛したという伝承が多く残されているので、・・・

立川流を押さえておけば、日本の新興宗教やカルト集団の土壌を理解することができると思う。

人間の活動において、道具は決定的に重要である。

物事を考察するときに方法論は死活的に重要である。方法論が異なると、同じ出来事が全く異なった姿に見えてくる。

資本主義システムの強さは、その強靭な生き残り能力にある。

ナショナリズムには、「自民族の受けた痛みについては敏感だが、他民族に与えた痛みには鈍感である」という非合理的な認識構造が存在する。

ユダヤ・キリスト教的な直線的時間理解、要するに初めがあって、終わりがあるという構造を持っている。

ルターには狂気に近いものがある。ヒトラーが最も尊敬していた偉人はルターで、・・・

韓国ではイエス教と言うのに対し、北朝鮮ではキリスト教という傾向が強い。

韓国のクリスチャンの多くは、朝鮮戦争で北から逃れてきた人々である。

自己の安楽、家族の利益を超えたところで、日本国家について考える幹部外交官がいないと国家は滅びる。

規則というものは、それを破るような現実があるから制定されるというのは神学的理解だ。

フーコーによれば、監獄は近代になってから生まれた制度で、近代の軍隊も病院も学校も向上も役所も、構造は監獄と同じだという。

官僚による「世直し」は、国家の暴力的機能を強化する傾向にあることを忘れてはいけない。

2017年9月 5日 (火)

伊藤祐靖『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動』文春新書

軍隊というものは、自己完結型の組織である。

軍隊の中でも、敵陣に入り込み、孤立無援の状態でも自己完結して、作戦行動をとることができる部隊がある。それが特殊部隊である。

レンジャー行動(山間部の徒歩での近接)

この身を捨てるに値する何が日本という祖国にあるというのか

工作母船には必ず、自爆装置が装備されている。

海上警備行動が発令されない限り、警察官職務執行法が適用されない自衛官には、工作母船に乗り込む権限はないのだ。

特殊部隊員に必要なのは、覚悟でも犠牲的精神でもない。任務完遂に己の命より大切なものを感じ、そこに喜びを見いだせる人生観だ。

なぜ、米海軍特殊部隊がそう教えたのかを、君がその場で確認してこい。

国家理念も、戦術思想も、国民性もまるで違う他国の舞台にそのまま使えるものなどあるわけがない。

米軍の特徴は、兵員の業務を分割し、個人の負担を小さくして、それをシステマティックに動かすことで、強大な力を作りだす仕組みにある。それは、個人の能力に頼っていないので、交代要員を幾らでも量産できるシステムでもある。さらに、個人の負担が少ないので持久力がある。これが、米軍が最強でありえる大きな理由だ。

日本という国は、何に関してもトップのレベルに特出したものがない。ところが、どういうわけか、ボトムのレベルが他国に比べると非常に高い。

軍隊には、その国の底辺に近い者が多く集まってくるものなのだ。だから戦争というのは、オリンピックやワールカップのようにその国のエース同士が勝負する戦いではない。

私を含む一部の日本人は、最初は純粋な我慢だが、途中から心の中で「もっとやれ、もっとやれ」と思っている場合もある。

訓練死のない訓練は、戦死のない戦闘と同じで、芝居と同様である(ロンメル)。

訓練死を覚悟した、芝居でない訓練を実施せよ。

松本佐保『熱狂する「神の国」アメリカ 大統領とキリスト教』文春新書

プロテスタントはいくつもの宗派に分裂しているため、アメリカ国内の宗派としては、カトリックが最大規模であり、また最大の浮動票で、カトリックを制する者が大統領選で勝利するとまでいわれている。

ヒスパニックとは、メキシコやキューバなどの隣接のスペイン語を母語とするラテン・アメリカ諸国出身でアメリカに移民した人々、あるいはその子孫を総称

原理主義という言葉は聖書に書かれていることを絶対視し、この通りに実行することが真の救いの道であり、正しいキリスト教徒であると信じる態度で、元々はキリスト教からおこっている。

カトリックとプロテスタントの大きな違いに、聖書と聖職者に対する態度がある。この違いが歴史的に、両派を分け隔ててきた大きな要因の一つである。

「福音」とはGood Newsのことで、イエス・キリストの言葉を意味する。

プロテスタントは大きく主流派と福音派に分かれて、それぞれがまた複数の派を抱えているのに対し、カトリックにはローマ教皇を頂点とする高度に組織化されたグローバルなネットワークがあるからだ。

ティーパーティーは保守とはいえ孤立主義的で対外介入戦争を嫌う、アメリカの伝統的な外交的態度モンロー主義の傾向があるので、中東などへの介入戦争には消極的である。

バチカンは1929年にラテラノ条約でイタリア王国と和解してバチカン市国と・・・・・

ヨハネの黙示録に記されている千年王国論で、世界の終わりにキリストによって最後の審判が下される前に悔い改めれば千年王国、つまりは「神の王国」に入れるという考え方である。

1917年のバルフォア宣言は、パレスティナにアラブ人国家を創立すると約束したフサイン=マクマホン協定と矛盾して、イギリスの第一次世界大戦中の三枚舌外交の創立を約束していたのである。

2017年9月 3日 (日)

大村大次郎『お金の流れで探る「世界の今」が驚くほどよくわかる現代権力史』KADOKAWA

イギリスはどうやってスペインをしのぐほどの強国になったのか? 簡単に言えば、〝国を挙げての海賊行為〟である。

現在の世界中の多くの中央銀行は、このイングランド銀行をモデルとしている。

アメリカの急成長は、イギリスの投資なくしてはあり得なかったのである。イギリスはアメリカという国の「株主」とさえいえる存在だったのだ。

アメリカは、第二次世界大戦後すぐに、ヨーロッパ諸国に対し、莫大な経済援助を行った。いわゆるマーシャル・プランである。

イギリスは、ユダヤ人のお金が欲しかったために、パレスチナをユダヤ人に与えるという約束をしてしまったのだ。

ユダヤ人が世界でもっとも多く住んでいる国は、イスラエルではない。アメリカなのである。

アメリカのユダヤ人団体がイスラエルに寄付金を送るときには、税金はかからない。

IMFとは、・・・・・アメリカが最大の出資国であり、アメリカを中心につくられた機関である。

現在、中国はアメリカ国債の最大の保有者である。

タックス・ヘイブンを実質的に運営してきたのは、実はイギリスなのである。

「貧しい」ということは、「伸びしろがまだまだ大きい」ということである。

2017年8月30日 (水)

岡本茂樹『反省させると犯罪者になります』新潮新書

ただ反省させることを繰り返すと、ますます内面の問題が分からなくなるばかりか、かえって大きな犯罪を起こすリスクを高めてしまいます。

最初に頭に浮かんでくる思いや感情は、たいていは「後悔」なのです。

自分自身が内面と向き合った結果として、自然と心の底から湧きあがってくる「罪の意識」こそ、本当の「反省」なのです。

受刑者が自分の問題と向き合うためには、支援者の存在が不可欠です。

アルコールやギャンブル、セックスや違法薬物である大麻や覚醒剤にはまり込んでいく背景には、人に頼れなくなった過去があるのです。

日本の少年や成人による殺人事件の件数は、先進国のなかでは断トツに低く、一向に増加していません。

日本人は「人を殺さないこと」で有名なのです。

2017年8月17日 (木)

大貫隆『聖書の読み方』岩波新書

聖書には非科学的なことがたくさん書いてある。

信仰者の使う言語は、非信仰者にとっては、理解困難な「外国語」なのである。

聖書全体があくまで神を主語として話が進む書物・・・・・

古典の本文そのものには近づかない。古典は本気で読まれることが少ないのである。

創世記の冒頭には、相異なる天地創造の物語が二つ並んでいるわけである。

サタンは旧約聖書ではヨブ記に初めて登場する。しかし、そこでのサタンはまだ悪の権化ではない。

旧新約聖書は、・・・・・その文書配列の順番からして、初読者にはきわめて不親切な書物なのである。単純に初めから終りに向かって通読する試みは、やめた方がよい。

ルターはヘブライ人への手紙、ヤコブの手紙、ユダの手紙、ヨハネの黙示録の四書を価値の低い「付録」として扱い、巻末に並べている。

聖書の文書配列は、・・・・・誰もが文句なく認めるような目次は最初から存在しなかったわけである。

旧約聖書も新約聖書も、礼拝の場で使うことを主たる目的として編まれた。

実際の処刑に先立ってペトロは、くりかえしイエスを知らないと否認していた。

イエスの死後の数十年間は、イエスの発言、行動、最後は口頭で言い伝えられた。

グノーシス主義とは人間即神也の思想なのである。

2017年8月14日 (月)

藤森徹『あの会社はこうして潰れた』日経プレミアシリーズ

公共事業の採算で会社の行く末が決まる。この構図は、都市部より地方のほうがより鮮明になる。

破産は債務者が自ら申し立てをする「自己破産」が多いが、債権者による破産申し立ても可能なのだ。

京都で「先の戦争で・・・・・」と言えば、1467年の応仁の乱のことを指す。

「のれん」の果たす役割の1つに「保証」がある。

老舗といわれる「業歴100年企業」には3つの特徴があることが分かっている

  1. 事業承継(社長の交代)の重要性
  2. 取引先との友好な関係
  3. 番頭の存在

登記の確認に加えて励行したい基本動作は相手の会社への直接訪問だ。

急成長している会社と取引するときに注意したいのは、基本的なことではあるが、一般的に企業の経営状態は関係会社を含めてみなければならないということだ。

2017年8月12日 (土)

堀紘一『戦略の本質―相手を知り、動きを読み、弱みを突く―』PHP

大和銀行は普通銀行と信託銀行を併営していた唯一の銀行で、りそな銀行の虎ノ門支店の地下に日本最大級の貸金庫があるのは、その名残である。

「三」という数字は不思議なもので、あらゆるところに登場する。

どんな業界でも上位三社は生き残れる。もっとも不況時のナンバー三は、収益がトントンにまで落ちるが。

セールスというのは、エゴ×エンパシーで成り立つ。以上。・・・・・要するに、自分が何をしたいかがはっきりしていて、相手の気持ちがわかれば、セールスはできるというのである。

商売を長く続けたければ、おいしいものをつくって、馴染みのお客さんに喜んでもらうのが基本である。

2017年8月10日 (木)

小熊英二『社会を変えるには』講談社現代新書

1965年から1993年、だいたい「東京オリンピックからバブル崩壊まで」が、日本が工業中心の「ものづくりの国」だった時代といえます。

大型道路を作れば作るほど、幹線沿いに大型郊外店が建ち、都市へ人は出て行って、かえって地方の衰退が進みました。

フランスは核兵器によるアメリカからの自立に熱意があるので、採算を度外視しても、原発とプルトニウム抽出は進める路線を続けています。

ドイツ、イタリア、スイスなど、核兵器を持たない国は、すでに原発からの撤退を決めました。

災害がおきると、弱っていた産業の衰退が一気に進む・・・・・

災害がおきるとその社会が抱えていた問題が露呈するというのも、原発事故にあてはまります。

韓国やロシアのように国営公社が原発を作る・・・・・

原発のコストは、じつは大部分が安全コストです。

ライフスタイルとライフサイクルが均質化したのが、工業化社会の特徴です。

1960年代のアメリカの女性運動は、郊外の住宅に住んで生活に不自由はないけど、心の空しさを抱えているという専業主婦の悩みを書いた本から、大きく広がりました。

日本共産党は、文芸評論家が党のトップになったという、世界でも珍しい党でした。

1955年に始まった「春闘」は、・・・・・

「セクト」というのは、もともとカトリックに対抗して分裂したプロテスタント諸派の教団のことです。

全学連は共同体の集まり、全共闘は「自由な個人」の集まり

もともとセクトはマルクス主義の党派ですから、・・・・・

社会運動があるテーマで広がるときには、そのテーマが社会のなかで構造的にたまっている不満や感情の表現手段になった場合です。

女性や子どもに参政権がなかったのは、一家の意見は家長に代表される、という考え方があったからです。

日経平均株価が一般新聞の経済面以外に載りはじめたのは、1990年代末になってからです。

『往生要集』によると、八大地獄の一つである「集熱地獄」に落ちれば、人間界の時間でいえば五京四五六八兆九六〇〇億年は転生できないそうです。

聖書の俗語訳が印刷されたことは、異端の続出という事態を招きました。

『古事記』で大和王朝の領土とされている「大八洲」には、北海道も沖縄も入っていません。

快楽計算という考え方は、プラトンが『国家』に書いていたものです。

日本でも警察が外国人登録証の形態義務違反を厳しく検挙する方針をとれば、いきなり外国人の犯罪件数が増えたりします。

マルクスが人間の関係という場合の第一は、生産関係です。

19世紀のドイツでは、近代化の反動からロマン主義が台頭し、共同体へ帰れ、自然に帰れ、といった運動がありました。

ギデンズはマルクスにも影響を受けています。

ウェールズのように「パブリック・セクター」が雇用の三分の一という社会もありますが、・・・・・

世界のどこでも、移民排斥などを掲げるポピュリズムが台頭しています。インドのような「先進国」とは分類されない国でも、90年代以降の経済自由化とともに、急激にイスラム教徒排撃を唱えるヒンドゥー右派が台頭しました。

プラトンの『国家』によれば、国家のなかで役割や居場所を失った人が、既得権批判を掲げる僭主を支持します。

権力者が広めた文化が主導的立場を築いていることを「ヘゲモニー」といいますが、・・・・・

マルクス自身は、自分はマルクス主義者ではない、と言っていたのは有名です。

べ平連三原則

  • やりたいことをやれ
  • 言い出したら自分でやれ
  • 他人の批判はするな(それなら自分でやれ)

デモで歩いたら、隣の人と話さないのは損です。

アダム・スミスは、人間の能力に大差はなく、分業の結果として役割や職業ができるにすぎないと論じました。

2017年8月 4日 (金)

岩崎育夫『入門 東南アジア近現代史』講談社現代新書

インド神話のなかに登場する神の鳥で、インドネシアの国章でもあるガルーダが・・・

東南アジアの呼称は、第二次世界大戦中の1943年に連合国軍がスリランカのコロンボに「東南アジア総司令部」を置いたことから、それ以降広く使われるようになったもので、外部世界がつけた地理的要素が強い「他称」である。これに対して、1967年に東南アジアの五ヵ国が創ったASEANは、自ら創った「自称」といえる。

仏教の分派は大きく、在家信者でも救われるとする大乗仏教と、一定期間、僧院で修行を積むことを要求する上座部仏教の二つがある。

東南アジアで唯一「中華世界」に属していたベトナム(北部)は、・・・

ある国が一つや二つの一時産品に特化した経済構造は「モノカルチャー」と呼ばれる。

日本軍が快進撃できた一因は、東南アジアのヨーロッパ植民地宗主国がドイツに占領されるか(フランスとオランダ)、防戦を強いられて(イギリス)、東南アジアを防衛する軍隊を派遣できないことにあった。

現代でも、世襲制を原理にするアジアの国はブルネイ、それに北朝鮮である。

インドネシアとマレーシアはムスリムが多数を占める国だが、・・・

上田二郎『国税局査察部24時』講談社現代新書

売り上げの把握が難しい現金商売(水商売など)は売り上げをごまかし、売り上げをごまかすことが難しい業種(建設業界など)は、経費をごまかす。

IT化によってスイカやパスモなどの交通系電子マネーが登場し、尾行もだいぶ楽になった。

手形は、代金の支払い機能と信用取引という二つの機能を持っていることとなる。

裏書が続いている手形での注意すべき点は、その繋がりが正しく連続していないといけないということだ。

「外―外取引」とは国税内部で使われる言葉で、脱税の手段が国外にあって、その果実(タマリ)が国外にある取引のこと。

個人や中小企業がタックス・ヘイブンを利用する主目的は、ずばり資金洗浄と脱税で、所得の移転とは区分して考えるべき問題だ。

OECDが悪質なタックス・ヘイブンの基準を策定した。

2017年8月 2日 (水)

伊藤元重『経済大変動』PHPビジネス新書

モノのインターネットの広がりなどもあって、世界で動いているコンピューターサーバーで使われている電力の量は、日本の総電力利用量を超える規模だという。それだけの情報処理が行われているのだ。

安倍内閣が2020年までの目標とするGDP600兆円の達成は、賃金上昇の実現にかかっている。

国の財政の深刻さは、GDPに対する公的債務の割合で判断される。

少子高齢化が進むということは、選挙で投票する人の中でシニアの割合が増えるということだ。

日本の国債を持っているのはほとんどが日本人であるのだ。

デフレの時代は、価格破壊がビジネスの成功の秘訣であった。安い労働力を使いこなすことで、事業を拡大することができた。そうした時代はもう終わった。

なぜ多くの成功する小売業は地方から出てくるのか。

価格を下げていくのは、ある意味では簡単なことだ。徹底した効率を追求すればよいからだ。しかし下げた価格をまた上げるのは大変なことだ。顧客の納得を得る必要がある。

日本は主要国の中で突出して食料品の価格が高い。コメや肉や乳製品などが特に高い。

アマゾンはカテゴリーキラーのキラーと呼ばれる。品ぞろえと低価格で他の店を潰してきた大型量販店はカテゴリーキラーと呼ばれるが、・・・・・

2017年7月28日 (金)

若狭勝『嘘の見抜き方』新潮新書

取調べは、まさに嘘と向き合い、嘘を見抜き、真実をあぶり出す作業なのです。

怒られれば怒られるほど被疑者の防御本能は強まり、心を閉ざしたままで、真実が語られる機会は失われてしまう。

自らにやましい部分があり、その疑いをかけられたとき、真実を全てありのままに話すことができる人はまずいない。

自分は騙されまい、噓を暴いてやる、自白させてやると必死になればなるほど、その気持ちが表情や言葉に出てしまい、相手にも察せられます。

怒りの表情の「持続時間」です。無実の人間は、自分が疑われているということに本当に怒っているので、それがずっと持続する傾向にあります。

事実を聞け。評価は最後の最後に聞け。

2017年7月23日 (日)

野田稔『実はおもしろい経営戦略の話』SB新書

低コスト化より差別化のほうが、マーケット(市場)は狭くなります。低コスト化は市場全体での競争優位性がありますが、差別化は一部(ニッチ)でのみ競争優位性が発揮されるので市場が限定的になるからです。

戦略と戦術をはっきりと分けたのは、クラウゼヴィッツ

ドラッカーは何も証明していないから

アップルが変えたのはドメイン(事業領域)なのです。

リデル=ハートは、クラウゼヴィッツより孫子に近い考えを持っていたようです。

BMWの経営戦略の象徴は、エンジン音にあります。

どうせ就職するなら、どんな小さな業界でもいいから、業界トップの会社に入ったほうがいい・・・・・特に大きな市場で万年2番手の企業は、トップの企業に負け続けている何らかの要因があるから、やめておいたほうがいい。

2017年7月21日 (金)

熊野純彦『西洋哲学史 古代から中世へ』岩波新書

哲学の起源はふつう、ギリシア本土から見て東方にあたるエーゲ海対岸のイオニアと、現在の地理的表象にそくして語るならば南イタリアに位置する、ギリシアの植民都市の双方にもとめられる。

タレスが偉大なのは、世界すべての原理はなにかという、かつてない問いを発したこと自体にある。

輪廻をめぐる思考は、オルフェウスの教えのうちにすでにふくまれている。

カントによれば、世界は有限でも無限でもないからである。

デモクリトスとエピクロスの「差異」に注目したのは、学位論文を執筆した若きマルクスであった。

ソクラテスがしたがう「神」は、なぜか単数形である。

教えることで報酬をとった最初の人間が、プロタゴラスであるむねを、プラトンが証言している。

クサンティッペが悪妻であったのは、たぶんない。ソクラテスが好色かつ酒好きな道楽者で、無能のひとだったのである。

アレクサンドロスは、もしじぶんが大王でなければ、ディオゲネスであることを望んだであろうと語ったといわれる。

哲学史は確実に哲学そのものです。テクストとともに思考を継続することなしに、それぞれの哲学者が考えたこと(思想)を理解することは不可能であるからです。

«呉智英・宮崎哲弥『放談の王道』時事通信社

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