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2017年2月22日 (水)

小谷野敦『宗教に関心がなければいけないのか』ちくま新書

そもそも、最近はやっている「反知性主義」というのは、米国で、知識人の専制を批判する思想のことであり、・・・

池内は、・・・「反知性主義」などと言って他人を罵倒する人のものを読まないことが反知性主義に陥らないための第一歩だと述べている。

仏僧は、泥棒に入られても警察に届けてはいけない、という話がある。

『積木くずし』・・・・・相談に乗った警視庁少年課の心理鑑別技師が、門限を過ぎて帰ってこなかったら決して家に入れないでくださいと言い、もしそれで死んだら、それは寿命です、と言ったのだ。

芥川龍之介と太宰治が、キリスト教に影響を受けていることは知られている。

ニーチェは、道徳をキリスト教の産物と考え、これを批判した。ルサンチマンというニーチェの用語は、能力もない者が能力のある者を恨む感情のことで、ニーチェはこれもキリスト教の生み出したものとして批判した。しかし、マックス・シェーラーは、ルサンチマン批判には同意しつつ、それはキリスト教というより、近代の民主主義が生み出したものではないかとした。

2017年2月14日 (火)

塚崎公義『よくわかる日本経済入門』朝日新書

経済復興のために鉄や石炭といった重点産業の回復を最優先とする政策(傾斜生産方式)

小泉内閣が推進した不良債権処理にも、新古典派の考え方が反映されています。

プライムレートでは貸せない相手への貸出という意味で、サブプライム・ローンと呼びます。

核家族化が進んだのは、高度成長期に農村から都会に出てきた若者が、親と離れた都会で結婚する例が増えたからです。

消費者物価が安定している主因は、人件費が上がっていないことにあります。

デフレを解消するのは大変ですが、インフレを抑制するのは伝統的な財政金融政策によって比較的簡単に行えるからです。

農地は洪水防止機能も有していますから、・・・

原油は輸入の9割弱を中東に依存していますが、その多くはホルムズ海峡という細い海峡を通過します。

日銀が銀行に供給した金額をマネタリーベース、世の中に出回っている資金の量をマネーストック

景気を予測する際には、個人消費はあまり注目されません。

景気予測で最も重要なものは、輸出と公共投資と設備投資です。

ケインズは「不況期には穴を掘れ」と言っているわけです。

現在の景気がどうなっているかを知るための一番簡単な方法は、内閣府の月例経済報告の最初の部分を見ることです。

 

2017年2月13日 (月)

沼上幹『ゼロからの経営戦略』ミネルヴァ書房

ホワイトヘッドが言うように、何かを学ぶにはまず初めにロマンスが必要である。

「ファミリーレストラン」というのは、すかいらーく横川兄弟が作った言葉である。

伊丹敬之は、「経営」とはつまるところ「他の人に仕事をしてらうこと」だと指摘している。

クリステンセンのフレームワークは優れた理論である。優れた理論は、その一つでさまざまな事象の解明に援用可能である。

 

2017年1月19日 (木)

牟田太陽『幾代もの繁栄を築く 後継社長の実務と戦略』PHP

経営は原理原則が八割、時事的なモノが二割だ。

可愛い社員は何があっても全力で守る。それが牟田學の「社長としての姿勢」である。

会社というのは、社長の器より大きくなることはない。

「社長として四つの○が描けるかどうか」である。「四つの○」とは、事業発展計画書を構成する四大体系で、何のために事業をやっているのかという「経営理念」、儲かるための方向性を決める「戦略」、この一年どのように戦うのかという「戦術」、「経営目標」を数字で表してもらったもので、我々は「四つの○」と呼んでいる。

役職者が多いということは、それだけ情報が上に伝わるのが遅くなるということだ。情報の滞留が起きるからだ。できる限りフラットな組織が望ましい。

「文化」とは、衣・食・住などの生活様式のことである。

「文明」とは、・・・・・生活様式も文明の一部である。それに加えて、政治であったり、宗教であったり、哲学であったり、思想であったり、全てを含んだものを文明という。この文明も実は十年単位で変化が起きている。・・・・・これらの変化はどうして起きるのかというと、それは「交通網」と「情報網」の変化からである。

自社は、「効率重視の経営」でいくのか、「人のつながり重視の経営」でいくのか。何事も二極化する時代に中途半端ではいけない。

会社を筋肉質にせよ。

業種にもよるだろうが、借金は年商の四分の一くらいの額にしておきたいところだ。

会社というのは、結局、社長が思い描いた以上にはならない。全て必然なのである。自分の会社をどうしたいのか。それを社長の頭の中だけにしまっていては、そこに到達することは難しい。言葉にして、文字にして、絶えず社員に伝える努力をしてもらいたい。

男性というのは、四十歳を過ぎると冒険心がなくなり、その後は同じブランドの日用品を使い続ける。女性は最初に使ったブランドの生理用品をずっと使い続ける。

「交通網の変化」で人の流れが一変するからだ。

コンクリートでできた田舎に帰りたいと思う者はいない。

「牟田式経営」の原理原則はまず受注事業と見込み事業への理解。

 

栢野克己『小さな会社の稼ぐ技術 竹田式ランチェスター経営「弱者の戦略」の徹底活用法』日経BP社

僕がみなさんに伝えたいことを一枚で示すと、ランチェスターの法則と孫子の兵法です(孫正義)。

商売には成功する正しいやり方がある(岩田芳弘社長)。

自分の会社の商品やサービスを選んでもらえるようになるためには、自社の「商品・地域・客層」を、「自社・顧客・競争相手」の3方向から客観的に分析し、「自社が勝てる部分=顧客から選ばれるポジション」はどこかを知る必要があります。

昔から「中小企業と屏風は広げると倒れる」と言われます。

人には無限の可能性がある。でも、たった1つしか選べない(河原成美社長)。

その業界の中で単価が低く、カッコ悪く、手作り・面倒くさい系の仕事はないか、という視点でもう一度見回してみてください。

やずやは通信販売を昔から通心販売と言っていますが、・・・・・

健康を売りにする商品は、プラセボ効果を含め、商品そのものの成分や効能以外に、電話での会話やハガキなど、まさに接客サービスが大事な商品なんですね。

ニトリの社長でさえ、経営コンサルタントの渥美俊一さんとの出逢いで人生が変わったとテレビや新聞で激白していました。

 

経営計画の導入を推進する税理士の会『事業を継続させる経営計画の立て方・活かし方』あさ出版

経営計画書をつくる→使う→不具合を見つける→修正する→経営計画書を改訂する→使う→不具合を見つける→修正する→経営計画書を再改訂する→使う→不具合を見つける・・・・・。この繰り返しをするうちに、あなたの会社にふさわしいオリジナルの経営計画書になっていきます。

私たちが考える経営計画書は次のような構成となっています。

  • 経営ビジョン
  • 経営理念
  • 経営基本方針
  • 個別方針
  • 中長期計画
  • 当期経営目標
  • 当期数値目標

経営計画は社長と社員が一緒になってつくることに価値があります。

私たちは、「人件費は経費ではない」と考えています。・・・・・そもそも経営の目的を、利益を得るためと考えるからそうなるのです。考え方を逆転させてください。人件費を稼ぐことが経営の目的であり、むしろ、利益の方が経費なのです。・・・・・利益とは最後に残ったものではなく、会社にとっては「事業の存続に欠かせないお金」という意味での経費の一つなのです。(運転資金のプールや借入金の返済)

会社全体の数値目標としては、「まずは経常利益から決める」と覚えてください。

経常利益=(借入金の当年返済額-減価償却費)×

 

2017年1月17日 (火)

出口汪『出口汪の「最強!」の論理的に考える技術』水王舎

人は主観的にしかものを見ることができない。

日本の文章は江戸時代で大きく変わるんだ。なぜなら、活版印刷が発達したので、作者は不特定多数の読み手に対して、筋道を立てて書かなければならなくなる。だから、現代文に近い、論理的な文章が生まれてくることになるのだから、まさに文章革命が起こったんだ。

「コインは丸い」・・・・・そこで、あえて「コインは長方形」と表現を変えてみる。表現を変えるということは、同じものでも別の角度で眺めるということに他ならない。その結果、今まで見ていなかったことが見えてくる。これがレトリック感覚なんだ。

2017年1月16日 (月)

ティモシー・テイラー『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編』かんき出版

この本では、GDPの減少が景気後退つまり不景気と説明されていますが、日本では、かならずしもそういう用語の使われ方はしていません。経済の潜在成長率(本来の成長する力)を下回っているだけで、景気後退や不況と呼ばれます。つまり、GDPが減少する場合だけでなく、増加していても、それが期待ほどではないと、日本では不況と呼ばれるのです。

デフレによってもたらされた不況には、金融政策がうまく効かないのです。

マクロ経済政策の4つの目標は、次のとおりです。

  • 経済成長
  • 失業率の低下
  • インフレ率の低下
  • 持続可能な国際収支

GDPの欠点は、売買されたものの総額で経済を測るので、売買の対象とならないものについては把握できないということです。

もっとも有名なインフレ指標は消費者物価指数

経済学的にいうと、経常赤字とは、国が外国に借金をしている状態です。

セイの法則および新古典派経済学には弱点があります。それは景気後退についてうまく説明できないということです。

ケインズ派は短期的、新古典派は長期的な動きを重視する。

 

2017年1月 9日 (月)

小谷野敦『文章読本X』中央公論新社

削る時に、一番削るべきものは、副詞である。

紫式部のあとに紫式部なく、シェイクスピアのあとにシェイクスピアなしで、あるジャンルで頂点に達した作家がいると、そのジャンルではそのあとしばらく、天才は現れない。

志賀直哉の小説「焚火」は、芥川龍之介が衝撃を受けた作品であり、・・・

ルネッサンス期に、それまではラテン語が公用語だったのを、ダンテがイタリア語で、チョーサーが英語で、ロンサールがフランス語で、・・・

なお、自嘲的に、日本は米国の属国だとか、五十一番目の州だとか言う人がいる。これも敗戦後、連合国軍の占領下で久米正雄が、やや諧謔的に、米国の州になればいい、と書いたのに端を発しているが、・・・

洋の東西を問わず、近代以前においては、文学の一等偉いものは詩であった。アリストテレスの『詩学』も、・・・

けだし、というのは、色々考えた結果、といった意味で接続詞的に使われる。

『卍(まんじ)』は、私の推定では、ドイツのポルノ小説『ある歌姫の回想』がネタ本だが、・・・

丸谷は・・・・・たとえば「天皇は神聖にして侵すべからず」というのを意味不明だとしているが、これは過去のフランス憲法やバイエルン憲法にあったものをまねたものだ。

ぼかすのでは森鷗外が有名である。

「奇跡の人」というのはヘレン・ケラーではなくてサリヴァン先生のことなのだが、・・・

 

2016年12月27日 (火)

ルソー『エミール(下)』岩波文庫

プラトンは「国家篇」のなかで、女にも男と同じ訓練をさせている。・・・・・かれの国家では個々の家族を廃止してしまったので、婦人をどうしたらいいかわからなくなったプラトンは、女を男にしなければならなくなったのだ。

気ちがい男を愛する女は、気ちがい女でなければならない。

算術で計算しなければおやつの桜んぼをもらえないとしたら、女の子はすぐに計算を覚えることになる、それは保証してもいい。

女の子はおせじを言い、ごまかし、はやくから仮面をかぶることを知っているからだ。

服装のことをよく知っている女性は、よいものを選んで、いつでもそれをもちいている。

カトリックの国にくらべてプロテスタントの国ではいっそう家庭に愛着がもたれ、いっそう尊敬すべき妻、やさしい心をもった母が見うけられるような気がする。

ヘロドトスには、かれの歴史は考察というより物語なのだが、・・・

タキトゥスは、どんな作家がこんにちのドイツ人について記述しているよりもよく、・・・

ルソー『エミール(中)』岩波文庫

「どうして子どもはできるの」「女の人はおしっこをするようにして子どもを生むんですよ。それはとても痛くてね、そのために死ぬこともあるんですよ。」・・・・・賢い人は、これ以上に分別のある、目的にかなった解答がほかにみあたるかどうか考えてみるがいい。

容貌は性格を示すものとわたしは考える。

子どもは、喜びと苦しみという、はっきりわかる二つの感情しかもたない。

歴史の大きな欠点の一つは、人間をよい面からよりも、はるかに多く悪い面から描いていることだ。歴史は革命とか大騒動とかいうことがなければ興味がないので、温和な政治が行なわれてなにごともない状態のうちに国民の人口がふえ、国が栄えているあいだは歴史はなにも語らない。

トゥキュディデスは、わたしの考えでは、歴史家の真の模範である。かれは判断せずに事実をつたえている。

人間をいちばんよく知っているのは哲学者ではない。哲学者は哲学の偏見を通して人間をみているにすぎない。あんなに多くの偏見をもっている連中をわたしはほかに知らないと言っていいくらいだ。未開人は哲学者が判断するよりももっと健全にわたしたちを判断している。

人間はいちばん安い品物だ。・・・・・人権はいつでもあらゆる権利のなかでいちばんとるにたりないものだ。

宗教というものをいっさい忘れてしまうとやがては人間の義務を忘れることになる。

宇宙を動かし、万物に秩序をあたえている存在者、この存在者をわたしは神と呼ぶ。

フランス語をよく知るためにはラテン語を学ばなければならない。

勝負ごとは金持ちのする遊びではない。それはなんにもすることがない人間のなぐさみごとだ。

2016年12月26日 (月)

戸塚隆将『世界のエリートはなぜ、この基本を大事にするのか?』朝日新聞出版

実は、HBSでは、教授は学生の一人ひとりの名前と顔、そしてバックグランドを覚えることに、大変な時間と労力を投入しています。

名前をファーストネームで呼び合うことが、人間関係の根底にあるという根強い考え方があります。

❝Excuse me❞❝I'm sorry❞は、本当に謝罪が必要な時だけです。

サンキューが9割に大して、エクスキューズミーが1割。9対1のルールを心がけています。

2016年12月25日 (日)

三條慶八『誰も教えてくれない あなたの会社のお金の残し方、回し方』フォレスト出版

銀行は信用創造機能を持っていますから、預貸率が100%を大きく超えていなければ、本来の姿とは言えません。

信用金庫の預貸率は、実は114行の平均よりもさらに悪い結果が出ています。

銀行は、借りて返した実績に対してお金を貸します。

経営改善計画と謳われているものの、よく見ると、内容はただの借入金返済計画です。

会社の返済能力は、次のように求めます。

年間減価償却金額+利益-税金=返済金額の上限

ふだん大ざっぱに会社の返済能力を把握しておくには、減価償却費プラス利益の約60%と考えておく方法があります。

 

竹田青嗣『人間の未来―ヘーゲル哲学と現代資本主義』ちくま新書

ヘーゲルは「近代社会」の理念のもっとも本質的な完成者、マルクスは「近代社会」の現実のもっとも根底的な批判者

宗教の基本方法は「物語=神話」を使う点にある。

錬金術への可能性は、金が合成されえない単一の元素であるという「原理」が見出されることによって終焉する。

ホッブズは王権論者であり、専制を擁護している、暴力を肯定し人間性悪説である。

巨大建造物は、権威、権力、財の集中がなければ不可能だからだ。

ルソーの『社会契約論』が全体主義の理論的源泉となったという意見は、・・・

世界史的には、大きな国家(帝国)の栄えるところ、必ず商業の繁栄が見られる。

近代以前の社会では、善はただ一つ(=真理)でなければならない。キリスト教会が何度も宗教会議を開いたり、アキナスのような学者が巨大な『神学大全』を書いて、教義を統一しようとしたのはそのためだ。

ホッブズが普遍闘争の原理を提示し、ロックが人民主権国家の可能性を示し、ルソーがその思想的「原理」を明示したとき、人類は、およそ一万数千年続いた絶対的支配と隷属の構造から抜け出す「可能性の原理」をはじめてつかんだ。

 

2016年12月12日 (月)

大塚愛子『フェミニズム入門』ちくま新書

十八世紀欧米で形成された近代自由主義思想の申し子として生まれたフェミニズムの歴史は、・・・

クリトリス・オーガズムから膣オーガズムへの快楽の移行を女性の性的成熟と論じたフロイトの性理論が、・・・

ラディカル・フェミニストは、レイプを、男性のコントロールのきかない性欲の突発的発動などではなく、男性の女性憎悪に基づく暴力的支配欲に由来すると捉える。

心理学は、生物学とともに女性抑圧の正当化のために利用され続けてきた。なかでも最も問題が多いとされたのが、フロイト理論である。

メアリ・デイリは、神=父と掲げる父権一神教を西洋家父長制の原点とみなしている。

男性は性を買うと称して、実際は恣意的な性暴力を行使する権利を得ようとしているのである。

和辻哲郎以来の日本の倫理学は、人権意識を欠落した美学的色彩の強いものである。

 

2016年12月 5日 (月)

ロルフ・ドベリ『なぜ、間違えたのか? 誰もがハマる52の思考の落とし穴』サンマーク出版

わたしたちは、自分の知識を過小評価するよりも過大評価することのほうがはるかに多い。

プロの水泳選手の肉体が完璧な形をしているのは、とことんトレーニングを積んだからではなく、もともと体格がいいから泳ぎがうまくなったのである。

旧約聖書の中のアダムとイブの逸話は、「偉大な権威に背くとどうなるか」という話である。そう、楽園から追放されてしまうのだ。

ナチスは「ユダヤ人問題」という言葉を何度くり返したことだろう。その結果、ドイツの民衆は、そこに重大な問題があると信じてしまった。

わたしたちは簡単に調達できるデータと対策に飛びつく傾向がある。

「意味」はあとからでっちあげられるからだ。

人間は、ものごとを科学的に考えるようになる以前から、世の中について物語で説明しようとしていた、という点だ。神話学の歴史は哲学よりも古い。

あなたは自分の才能がどこにあるのかを見つけ出さなければならない。自分の能力を超えたところで成功しようとすると、みじめな人生を送る羽目になるだろう。それはほぼ間違いない。

わたしたちは起きている時間の90%は他者のことを考え、ほかのことを考えるために使っている時間は10%しかない。

人間の不幸は、部屋でじっとしていられないから起こるのだ(パスカル)。

ブラックスワン(確率論や知識や経験をもとにしても予測不可能なことで、実際に発生すると社会に大打撃を与える事象。白鳥は白いものだと信じられてきたことが、オーストラリアで黒い白鳥が発見され、それまでの常識が一気に覆された出来事に由来する呼び方)

 

田中威明『取引先の倒産を予知する「決算書分析」の極意』経営者新書

売上不振や業績不振は、それだけでは倒産の徴候と見ることはできないのです。逆に、売上が増収で、黒字を継続していても安心とは言えないのです。

手形取引であれば、資金難による不渡りはすぐに知れ渡って倒産になります。しかし、手形を使わない取引では、資金難は単なる支払いの遅延として、内密に処理されます。

倒産予知を行うためには、次の5つの指標を参照したうえで、全体的な支払い能力を評価するのが効果的であると私は考えています。

  • 売上債権回転期間
  • 棚卸資産回転期間
  • 借入金月商倍率
  • 運転資金月商倍率
  • 現預金月商倍率

つまり、企業の経営・営業活動の結果はすべてBSに表れるのです。

経常収支比率という財務指標は銀行や信用金庫などでは非常によく使われている財務指標です。

流動比率には、以下のような欠点があるからです。

  • 流動部分(1年分)しか評価しないこと
  • 負債には支払い義務がないものも含まれていること
  • 粉飾の危険を検討していないこと

私は決算書は「成績表」ではなく「報告書」であると考えています。

「粉飾」を見抜きたい時は「売上」「売上債権」「棚卸資産」「仕入債務」の4つのバランスを時系列で比較してみましょう。

末松義章『不正経理処理の実態分析-粉飾決算のメカニズムと発生の抑止方法』によれば、売上債権、仕入債務、棚卸資産という3つの指標、つまり運転資金を使った粉飾は、決算書における「粉飾」のうち84.3%にもなるそうです。

中沢孝夫他『ものづくりの反撃』ちくま新書

日本は、戦後に有沢広巳先生の二重構造論などのマルクス経済学の理屈が流通し、「中そ小企業はかわいそうな存在でなければならない」という通念ができあがり、1963年に中小企業基本法が立ち上がったときには、「前近代的な領域としての中小企業」という前提があったがために、近代化法ができてしまった。近代化法とはつまり、中小企業は前近代的な存在だから近代化しなければならないという理屈です。

イギリスの経済学者マーシャルが百年ほど前に「サイエンスを産業に持ち込んだのはドイツだ」といっていますが、まさにそのとおりで、昔も今も、産業をサイエンスする知力では彼らは圧倒的です。

 

2016年11月30日 (水)

原田勉『イノベーションを巻き起こす「ダイナミック組織」戦略』日本実業出版社

競争優位とは、競合他社と比較した超過利益率のことを意味する。理論的には、「価格-コスト」という基本利益単位において比較対象となるべき競合他社よりも上回っている場合、その企業は競争優位を獲得していることになる。

ポーターは競争優位をabove average returnsと言い換えている。すなわち、平均的な利益率を上回ることを指す。したがって、市場シェアや売上額、利益額などは競争優位を示す指標にはならない。

ポーターの競争戦略論は、時間割引率がきわめて高い企業ないしはその利害関係者にとっては、非常に有益なフレームワークとなる。

企業組織は明らかに機能集団でありゲゼルシャフトである。

家族は目的を達成するための手段でもなければ利害関係のみから構成されるものでもない。そこでは目的達成ではなく、一体感、帰属意識が重視されるのである。テンニースはこのような共同体を「ゲマインシャフト」と名づけた。

欧米社会では、企業とはゲゼルシャフトであり、ゲマインシャフト、すなわち共同体ではない。

米国では共同体は家族であって、所属する企業はゲゼルシャフトであり生活の手段にすぎない。それとは対照的に日本では、家族だけではなく企業もまた共同体であり、ビジネスパーソンは二つの共同体に属していることになる。

整理とは「捨てること=戦略」であり、整頓とは「そろえること=戦術」だという。したがって、モノの整理整頓は、業務の客観的かつ体系的な把握や業務マネジメントへとつながっていく。

イノベーションは偶然の結果として生じた場合が大半だということだ。

イノベーション戦略は、行動の範囲、すなわちドメインを規定するものであり、行動の中身に言及するものではない。

芝蘭友『死ぬまでに一度は読みたい ビジネス名著280の言葉』かんき出版

組織の目的は、凡人をして非凡なことを行わせることにある。天才に頼ることはできない。天才はまれである。

町おこしやイノベーションが生まれる現場にはたいてい3種類の人間がいるといわれる。よく知られているのは、「よそ者」「若者」「バカ者」である。違う業界の視点を取りいれられる者、古いしきたりや枠を取り外して動ける者、ひたすら真剣に打ち込める者である。

人は厳しく損益を問われない限り、経営者として育つことはない。

かつて「難問は分解せよ」と哲学者のデカルトは言ったが、問題解決とは分解することである。

ジョエル・パーカー『パラダイムの魔力』はパラダイム・シフトを起こす人間を4タイプに分けている。1つ目は研修を終えたばかりの新人、2つ目は違う分野から来た経験豊富な人、3つ目は一匹狼、4つ目はよろずいじくりまわし屋である。

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