ロイ・H・ウィリアムズ『広告の天才たちが気づいている51の法則』きこ書房
過去の世代の頭を占拠していたのは、テクノロジーよりも人そのものだった。昔の書籍を五分間も読めば、昨今書店に並べられた書籍が紹介している最新の人間行動の研究成果など、実は先人が何世紀にもわたって伝えてきた知識の再発見にすぎない、ということがわかるはずだ。
歴史は繰り返す。なぜなら、われわれは歴史に着目してみようという姿勢をろくに取ろうとしないからだ。
最高に頭のよい人に限ってどこかおかしなところがあるとは言えないだろうか。天才と狂気は紙一重だからだ。狂っている人たちは周りにいてくれると役に立つ存在だ。なぜなら、こうした人たちはわれわれ凡人とはものごとに対する視点が違っているからだ。その目には、凡人には気がつかないものごとのつながりが見えている。人類にとって最も重要な発見が生まれてきたのはすべて、一見関係のなさそうな着想やアイデア同士の間のつながりがわかるという、そうした非凡な能力のおかげだろう。
クストーの天才的才能は、どんな場合にも、そのカメラを海底の洞窟やサメ、難破船に向けて撮影し、決して自分を被写体にしなかったことだ。
優秀な知的広告はまず、ずばりここだという落としどころを提示する。
広告とは遠くかけ離れた分野では昔から、事実を完璧な正確さで伝えるよりも、それをほんの少し誇張して表現するという独創的な才能の方が力を発揮してきた。例えば、ミュロンの「円盤を投げる人」は、このフォームを取るとすれば、どんな選手でも投げられる距離はせいぜい数メートルに終わってしまうだろう。ロダンの「考える人」は、右手のヒジを、左ヒザの上に置いている。永遠のダビデの頭部を胴体に対して過度に大きく表現している。
独身時代のガールフレンドをみんな連れ出して、一晩一緒に過ごしてみたら、昔の甘いイメージとはほど遠い。なぜなら、どんなものでも現実の姿がはっきり見えるほど、見栄えが悪くなるからだ。
発掘されないままの才能はどこにでもある。才能はおそらく、世界で最も豊かに存在する資源ではないかと私は考えている。見つけるのが難しいのは、カーテンの後ろにいる人物の方だ。
モノを売るという芸術は、他のどんな芸術にも負けず劣らず、身につけるのが難しい。
ディズニーは若いころ、「スケッチの才能がこれほどお粗末なのも珍しい」という理由から、広告代理店をクビになっている。
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