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2009年3月

2009年3月31日 (火)

板坂元『考える技術・書く技術』講談社現代新書

「いつも」「みんな」はタブーで、「自分の調べたかぎりでは」とか「与えられた条件下では」などとして、情報・資料の限界を示す。

詠んでいくうちに、そろそろしるしをつけるところが来そうだ、という予感がするのは、日本語の本よりは英語の本の方が的中しやすい。

本や雑誌から書き抜くとき、この場合はページ数をさきに書く。

人生の98%までは、これまでの社会によってつくり上げられた文化・考え方のつみ重ねであろう。そして、個々人が勝負をするのは、けっきょく、残り2%のところなのである。

岩﨑哲夫『どんな仕事も2割増しでやりなさい』かんき出版

人材は量でなく質です。一人でも二人でもすごい人材を確保できれば、百万の見方を得たようなもの。

マイナス予測は多めに、プラスの予測は控えめに。

ゲイリー・ハメル『経営の未来』日本経済新聞出版社

あなたの会社は、20世紀初頭に「近代」経営管理のルールや慣行を生み出した人びと、とうの昔に亡くなった少数の思想家や実務家によって、今現在もほとんど動かれているのである。

近代経営管理の重要なツールや技法のほとんどは、19世紀の、南北戦争が終わって間もないころに生まれた人びとによって発明されたのだ。

目指すべきは、危機とは関係なく継続的に自らをリニューアルできる組織を築くことだ。抜本的変革を自動的なプロセスに近づけること、危機に見舞われなくても継続的な自己変革を行うことのできる組織を築くこと。目指すべきはこれなのだ。

歴史の示すところでは、イノベーションは必ずといっていいほど予想外の方面から生まれる。

すべての社員が自分の最高の力を出す企業を築く。

デイル・ドーテン『仕事は楽しいかね?②』きこ書房

最も優れた英知とは、「私は愚かだった!」と言って笑うことなのかもしれない。

試してみることに、失敗はない。

きみに必要なのは、“最高の逸材”、つまり独創的な考え方をする人、独立独歩のできる人だ。同僚はもちろん上司のことも向上させる人。新たな行動規範を打ち立てる人。そういう人材を手放すのは間抜けな上司だけだ。

何をすべきか、こちらから指示するつもりはない。きみたちから教わるために雇うのだから。

ビジネスの哲学は、“手助け”というたった一つの言葉の中に凝縮されている。

この間、本屋に行って、レジの女の子に「自立のための本はどこにありますか?」と尋ねた。すると女の子が答えた。「それを教えたら、自立にならないじゃない」。

優れた部下というのは、目立ちたがり屋なんだ。自分の能力の高さを知っていて、それを証明するチャンスをねらっている。力を試せる場に出たいと思っている。どうすれば部下にそういうチャンスを与えられるのか、考え出すのは容易ではない。容易ではないが、彼らの起業家的なエネルギーを活用する方法をなんとかして見つけなくてはいけない。無論、新たに会社を起こさせるのでなく、だよ。

緒方知行『二人の流通革命』日経BP社

学習院大学の田島義博教授は「イノベーションなき規模の拡大は膨張であって成長ではない」と、ビッグストアがこぞって業績不振に陥ることをずいぶん前から予言していた。

2009年3月30日 (月)

ロイ・H・ウィリアムズ『広告の天才たちが気づいている51の法則』きこ書房

過去の世代の頭を占拠していたのは、テクノロジーよりも人そのものだった。昔の書籍を五分間も読めば、昨今書店に並べられた書籍が紹介している最新の人間行動の研究成果など、実は先人が何世紀にもわたって伝えてきた知識の再発見にすぎない、ということがわかるはずだ。

歴史は繰り返す。なぜなら、われわれは歴史に着目してみようという姿勢をろくに取ろうとしないからだ。

最高に頭のよい人に限ってどこかおかしなところがあるとは言えないだろうか。天才と狂気は紙一重だからだ。狂っている人たちは周りにいてくれると役に立つ存在だ。なぜなら、こうした人たちはわれわれ凡人とはものごとに対する視点が違っているからだ。その目には、凡人には気がつかないものごとのつながりが見えている。人類にとって最も重要な発見が生まれてきたのはすべて、一見関係のなさそうな着想やアイデア同士の間のつながりがわかるという、そうした非凡な能力のおかげだろう。

クストーの天才的才能は、どんな場合にも、そのカメラを海底の洞窟やサメ、難破船に向けて撮影し、決して自分を被写体にしなかったことだ。

優秀な知的広告はまず、ずばりここだという落としどころを提示する。

広告とは遠くかけ離れた分野では昔から、事実を完璧な正確さで伝えるよりも、それをほんの少し誇張して表現するという独創的な才能の方が力を発揮してきた。例えば、ミュロンの「円盤を投げる人」は、このフォームを取るとすれば、どんな選手でも投げられる距離はせいぜい数メートルに終わってしまうだろう。ロダンの「考える人」は、右手のヒジを、左ヒザの上に置いている。永遠のダビデの頭部を胴体に対して過度に大きく表現している。

独身時代のガールフレンドをみんな連れ出して、一晩一緒に過ごしてみたら、昔の甘いイメージとはほど遠い。なぜなら、どんなものでも現実の姿がはっきり見えるほど、見栄えが悪くなるからだ。

発掘されないままの才能はどこにでもある。才能はおそらく、世界で最も豊かに存在する資源ではないかと私は考えている。見つけるのが難しいのは、カーテンの後ろにいる人物の方だ。

モノを売るという芸術は、他のどんな芸術にも負けず劣らず、身につけるのが難しい。

ディズニーは若いころ、「スケッチの才能がこれほどお粗末なのも珍しい」という理由から、広告代理店をクビになっている。

デイル・ドーテン『仕事は楽しいかね?』きこ書房

人生とは、くだらないことが一つまた一つと続いていくのではない。一つのくだらないことが<何度も>繰りかえされていくのだよ。

試してみることに失敗はない。

成功するというのはね、右に倣えをしないっていうことなんだ。

ものごとを見事にやることだよ。もう一回それを見るためならお金だって払う、と言われるくらい見事に。

自分が受け持っている優秀な学生たちが高得点を取るために何をしているか。答案用紙というのは見た目も重要なんだ。数字をきちんとまっすぐに並べて書けば、間違いは減るってこと。

井上富紀子他『リッツ・カールトン20の秘密』オータパブリケイションズ

モットー

   “We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentlemen.”

お客さまに感動していただくには何をしなければならないか・・・・・リッツ・カールトンのマーケティングやオペレーションのコンセプトは、マニュアルや戦略ありきではなく、はじめに“心”があった。

紳士淑女とは「いつなんどきであっても、まわりの人々を心地よくさせる人」である。

2009年3月29日 (日)

世阿弥『花伝書(風姿花伝)』講談社文庫

この時期の稽古では、たとえ、うしろ指をさして人に笑われても、それを気にしないで、「おれの一生の分かれ目はここだ」と、一生涯にかけて能を捨てない決心を固める以外に、稽古の方法はない。

自分の芸の実力の程度を十分に承知していれば、その実力程度の花は一生涯無くならない。自己の実力以上に上手いとうぬぼれると、元来持っていた実力から生まれる花も無くなってしまう。(渡部)

人間にはだれでも生まれつきすぐれた持ちまえがあるものである。

上手な者にも悪いところがあり、下手な者にも善いところは必ずあるものだ。それをはたで気がつく者もないし、当人も知らない。上手はうまいという名声をそら頼みにし、芸達者におおわれて、悪いところに気が付かない。下手は、元来工夫ということがないから、悪いところをも知らぬ代りに、稀に善いところがあるのも気が付かない。そこで、上手も下手も、互いに他人に悪いところをたずねるがよい。しかしながら、実力をそなえ、それを発揮する工夫を究めたような者は、みずから反省してこれを知るであろう。どんなに変てこりんなシテでも、もし善いところがあると思ったならば、上手な者もこれをまねするがよい。これが上達する第一の方法だ。

しばらくたって見るから、また珍しくも思うのである。その上に人の好みも色々で、謡・所作・物まねなど、ところによってとりどりだから、どの風体でもやってなくては、駄目なのだ。

花というのは、見る人の心に珍しいと感じるのが花である。

くれぐれも初心を忘れてはならぬ。

能をやる時に、万事に抜け目なく心を配ることが大切である。

秘すればこそ花になる。秘せねば花とはならぬというわけだ。

人の心に思いもよらぬ感動を催させるやり方、それが花というものだ。

秘事として、何か一つを各自専門の家々では人に知らせず残しておくのだ。ここでもう一つ考えておかなければならぬことは、たとえ、現さなくとも、こんな秘密を知っている人間だということさえも、他人に知られてはならない。

わが家の秘事として他人に知らせないことが、一生涯咲き続く花の主になる花というものだ。秘すればこそ花になる。秘さねば花とならぬ。

世の中は一切みな因果の関係である。

一人っ子であろうとも、才能の無い者には伝えてはならぬ。

2009年3月28日 (土)

野口吉昭『セルフコンサルティング』PHP研究所

社内に、どれだけETを有することができるか。異質な意見をもつものや、異文化を有するものとの共生ができるか。

日本企業に社内ETと従来型マジョリティとのシナジー効果の期待できる共生などは、先ず不可能と断言できる。

マーケティングのABC

  1. マーケティングの定義
  2. マーケティング・ミックス(4P)
  3. マーケティングとセールスの違い
  4. 競争戦略上の四つのポジショニング
  5. ターゲット・セグメンテーション
  6. AIDMAの法則/AMTULの法則
  7. プロダクト・ライフサイクル(PLC)
  8. ランチェスター戦略
  9. クープマンの目標値の相対的安定シェア
  10. サービスマーケティングと物財マーケティング
  11. プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)
  12. SWOT分析
  13. マーケティング・リサーチ

中内氏の「物の値段は下げるのではない、下がるのだ」という言葉は、重みがある。

「人を動かす」ということは、「相手を自分のファン」にしてしまうことである。

誰かが自分を信じ認めてくれているのだと知ることは、その人に大きな力を与える。逆に能力を見下されていると知れば、彼はいかに能力があろうとも絶対にその能力以上の実績はあげられなくなる。何故なら一気に“やろうとする気力”がうせるからである。

一瞬の出会いを大切にし、全力投球すること。

できるヤツの口グセ「概念」「定義」「基軸」。

できるヤツは、仕事の仕方、頭の使い方、時間の配分、モノの見方・・・が人と違う。できない人々は、人と同じことを平均以下にしかやらない。

できるヤツの頭の中は、「本質は何か」「新しさとは何か」「どうすれば他の人は楽しくなるか」「自分を高めるにはどうすればよいか」「自分は何がしたいのか」・・・でいっぱいである。

藤本篤志『御社の営業がダメな理由』新潮新書

センスは掛け算、知識は足し算。

2009年3月27日 (金)

ジョー・ジラード『私に売れないモノはない!』フォレスト出版

スパゲティを壁に投げつけたら、そのうち何本かは壁にくっつくはずだ。

私はスポーツ観戦中に、盛りあがる場面で名刺をばらまくことでも知られている。

重要なのは、そこに人間がいる限り、見込み客はいる、ということだ。

私は自分が平均より頭がよいわけではないのはわかっている。

私は誰に対しても慎重に対応し、相手の信用レベルがたとえ最低でもその姿勢を変えない。

人は、親身なサービスを望んでいるということだ。自分のことを気にかけているように振舞う人間から買う方がいいと思っているのだ。欲しいものが入荷したら連絡をくれる人、誕生日や趣味を覚えていてくれる人、自分だけに宛てて手紙を送ってくれる人から買いたいのだ。

私にできたことは、あなたにもできる。私が保証する(I guarantee you)。

2009年3月26日 (木)

渡部昇一『ものを考える人考えない人』

読書は充実した人間をつくり、会話は機転のきく人間をつくり、書くことは正確な人間をつくる(ベーコン)。

一般的に本をたくさん読んでいる人は、話を聞いていても面白い。

ただのバカはいいが、学問のあるバカは困る。

もしも運命というものがなかったならば、人の未来はすべて数学的に予測できるであろう。

まず何よりも肝心なのは、思い切ってやり始めることである。

中断のない真夜中に頭脳を大いに使うべきではないか。サラリーマンの場合でも、翌日が休みの日であれば「いつ寝床についてもかまわない」という伸びやかな気持ちが、知的作業を最高のレベルに維持する余裕を、心に与えることにもなるだろう。

「坊や。時計を見てはいけないよ」(エジソン)、これは物事に熱中することが大切だということを諭したのだった。

補助の井戸とは、一つの専門分野のほかに、それに関連した分野をもう一つ追求し、自分のものにしてしまうことである。

お金があってこそ、凡人も知的生活を楽しめるのである。

田島義博『商いの春秋』日本経済新聞社

ショップはワークショップつまり製造小売りを指し、ストアはもともと商品を在庫する意味で、再販売を目的とする純粋な小売店のことである。

問屋が発達した最大の理由は、いろいろな形の独占だと私は考えている。

日本人同士でも、ウチの人とソトの人を区別する傾向がつよいことは否定できない。内輪同士でかたまって、外部から入ってこようとする者を排除しようとする傾向は、昔から日本にあったことを、多くの学者が指摘している。集団指向とか秩序指向とか呼ばれているが、そのおこりは中世の座や近世の株仲間にあるように思われる。

どんな商売でも、成長するかしないかは、結局人できまる。『日本永代蔵』という、日本で初めての経済小説を書いた井原西鶴は、「分限はよき手代あること第一なり」と書いている。大商人として成功するには、いい従業員がいなければならないというわけだ。

ドラッカーはまぎれもなく、米国の流通を批判したのである。

スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ショッピングセンターなどは、みな米国で生まれて、世界にひろまった。

会社が大きくなるのに二通りある。一つは成長で、もう一つは膨張だ。

米国の終身懲役囚の愛読書は一に聖書、二にシアーズのカタログと言われている。

「君子は日に三省す」などといって、えらい人は毎日、三度も反省したそうである。

日本文化はもともと曖昧な点が特徴である。源氏物語の「もののあはれ」というのも、実体がもう一つわからないし、「わび」とか「さび」とか幽玄の美というのもそうだ。世阿弥の花伝書など、その極致といえる。

日本の企業はコペルニクス的な発想転換が必要な時期なのだが、日本の企業は本当に変わっていない。これを変わらせるには、下から稟議をいくら上げてもダメであって、経営者の肝っ玉ひとつである。

戦前の日本には、期末感謝金などは別として、今のようなリベート制度はなかったらしい。

堀之内九一郎『野良犬の成功法則』サンマーク出版

人に不愉快な思いをさせない、人と会ったら挨拶するといった、簡単ではあるけれどなかなか守りきれないこと、つまり人としての原点です。商売をしているかぎり、客の中に一人でもそれを不愉快に感じる人がいたとしたら、すぐにやめたほうがいい。

人間、吠えるとロクなことはない。

税理士、会計士の仕事は本来会社を発展させることが目的ですから、多少の節税をすることに能力を使うより、節税した金が本当にプラスになるのかを考えたほういいように思うのです。

「マネーの虎」でその人に出資するかしないかの基準は、「その事業が失敗したとき、こいつはどうするのか」、それだけです。ですから、金を出す基準はどうしても、「この人だったら一生付き合えるな、つき合いたいな」と、人物中心になります。

2009年3月24日 (火)

田中靖浩『数字は見るな!』日本実業出版社

ゲーテが『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』で簿記をほめている登場人物というのが主人公ではなくて、その友人なのです。しかもどちらかというとイヤミな奴。で、簿記をほめる友人に対して主人公は、「しかし君たちは、足し算だの、収支決算だのに目を奪われて、肝腎要の人生の総計額をどうやら忘れているようだね」。さすがゲーテ、言うことがちがうぜ!。

「故に商売に一大緊要なるは、平日の帳合を精密にして、棚卸の期を誤らざるの一事なり」(福沢諭吉)。

「商売は甚だ不得手である・・・・・・・自分に手を着けて売買貸借は何分ウルサクて面倒臭くてやる気がない」(福沢諭吉)。別の箇所には、簿記について、「面倒くさいから、やる気がしない。最終的な結果だけ見ればいい」と言っています。大事なポイントだけは承知しておいて、あとの細かい作業は誰かにやらせる、この大胆さ、合理性。

中国で経理といえば、会計担当者ではなくいわゆるマネージャーを指します。総経理は経理部長ではなく、社長の意味。

「税金を取る側」の論理によって作られている法人税法では、利益を多く計上する行為には寛容だけど、利益を小さくする行為には厳しい。法人税法は粉飾(利益の過大計上)に優しいワケ。

社内の数字を前年比で見ていること自体、前の年と同じことをやっているという証拠、仕事の中身が変化していない証拠です。前年比の%より「おカネについての絶対的な感覚」を持っておいたほうがいいと思うのです。

岡本吏郎『「マネ」するマーケティング』あさ出版

お金と女は集まるところに集まる。これは複雑系を知り尽くした男が言い切る複雑系を駆使した大法則です。モテる人はモテるのです。

私は「戦略」を「ライバルにやられたら”イヤだな~”と思うこと」と定義しています。

堀川哲『エピソードで読む西洋哲学史』

人生はある意味では時間つぶしである。いったん始まった人生はそれを続けていくしかない。生きている以上は何かしなければならない。

ホッブスが言いたいことは、この世には自分の生命を賭けるに値するようなものなんかない、という哲学である。あんなおっさん死んでしまえばいいと思っている、そういうおっさんのために命を賭けて戦うということだ。おかしいではないか。そして、私に向かって国家のために死ね、という人間たちは、たいていは自分では戦場に行かない人間たちなのである。彼らは命令だけして、自分とその家族は安全な場所にいるのだ。どうしてそんな連中のために私が死ななきゃならないのか?おかしいではないか!。

悩みがあるとき、いちばんいいことは、ルーティーン・ワークをすることなのである。

語りえないものについて人は沈黙しなければならない、のである。これが『論理哲学論考』の結論となる。

ロックにとっては、必要なものは「絶対に確実な真理」ではない。生きていくために必要な知恵、それが知るに値するすべてである。

息子を外国にやっておけば、父親は、職もなく、ひとから相手にされず、自分の目の前で破滅してゆく息子などという、なんともやり切れぬしろものを、少なくともしばらくのあいだ見ずにすむ(国富論)。

「神さま、私はどう生きればいいのでしょう?」と聞いても、神はただ「あんた、誰?」と答えるだけなのである。スピノザの神とは、そういう神である。

2009年3月23日 (月)

樋口泰行『変人力』ダイヤモンド社

社員が本当に腹落ちした形で進めなければ、改革は決して成功しない。

組織の内側に身を置いていると、昨日の風景も今日の風景も同じに見えるかも知れない。しかし実際には、その間にも組織はどんどん硬直化していくものだ。社内の論理と世間の常識にどんどんギャップが生じていく。縦割り組織のセクショナリズム(部門偏重主義)が横行し、客観的な視点を欠くようになる。社内文化にどっぷり浸るあまり、自分たちがズレていることにも気づかなくなる。これでは、どれほど素晴らしい戦略を立てても、社内の人的資源がボトルネックになってしまう。

実際に働き始めてみると、内部の活力低下は予想以上に深刻だった。組織全体に流れていた、何とも言えない停滞感である。

他部門のことには口を出さないのが暗黙の了解となっていた。

まずは「当たり前のこと」を当たり前にできる組織に変えなければならない。ビジネスパーソンとしての基本動作、小売業としての基本動作を周知徹底することが、再生の第一歩となる。

企業にとって最も重要なものは、売上ではなく利益である。小売の場合は販売管理費に占める固定費の割合が高いため、営業利益は粗利が出た段階でほぼ決まる。

顧客志向が実践されない理由として、社員が日常性の中に埋没してしまうことが上げられる。たとえば、ある部屋にずっと住み続けていると、その部屋が世間的に見るとしだいに古臭くなっていることに気づかなくなってしまう。それと同じことが、店舗や営業の現場では頻繁に起こっている。

お客様の視点に立って売り場を見ることができなくなってしまうのである。売り場が汚れているのにそれを感じなくなったり、売れ筋の商品を置いていなくても気づかなくなっていく。

実際、私が社長に就任した当時のダイエーは、基本動作が徹底されているとは言いがたい状況だった。現場では、お客様とすれ違ったら「いらっしゃいませ」と笑顔でお辞儀をする。品切れを見つけたら、すぐに商品を補充する。作業をしながらでもお客様に注意を払い、商品を探すお客様がいたらその売り場にご案内する。こうしたお客様の視点に立った当たり前の売り場づくりが小売りの基本動作であることは明らかだ。しかし、残念ながら、当時のダイエーではそれが当たり前にはなっていなかった。

小売業は、商圏内の人口規模で市場の大きさが決まるといっても過言ではない。

「一番効くのは、豆腐、野菜、鮮魚、精肉など何でもいいから、競合店との比較を価格とか商品などで毎日毎日、徹底的にやることです。結局、お客様は比較競争力があれば買いに来てくださる、お店に定着してくださる。いろいろ言われますけど、これがすべてです。10年かかって、やっとわかったことなんですよ」。この言葉の重みを、私は今でも噛みしめている。この経営者の方が10年かかってわかったとすると、私は10年分の時間を短縮することができるということだ。

世阿弥は「修破離」という知恵を残したが、つまり、習いたての頃は師匠の教えを徹底的に吸収して型を覚える。やがてその型を破り、さらに修行を積んで自分独自の型を創りあげていく。

誰に何と言われようが自分流を貫くがゆえに、結果的に、周囲の多数派からは「変人」というレッテルを貼られてしまう。とくに、閉鎖的な集団の中にこうした人物が入り込むと、両者は「水と油」のごとく相容れない関係となる。あいつは変わり者だ、協調性がない、非常識なやつだ・・・そんな陰口を叩かれることも当たり前のように起こっている。ただ、むしろ非常識なのは多数派の人たちで、後になって考えてみると変人こそが正しかったということは実に多い。

ドラッカー『チェンジ・リーダーの条件』ダイヤモンド社

コンサルタントとは内部化したアウトサイダーである。

2009年3月22日 (日)

チップ・R・ベル他『サービス・リーダーシップ8つの法則』ダイヤモンド社

良い人々を雇い、彼らが辞めないように懸命に努力すること。“惚れられる”サービスはそこから始まる。

人材の引留めは利益を生む。獲得した後は、あなたは死にもの狂いで彼らを引き留めなければならない。

今日ではただ聞くだけでは不十分だ。あなたが聞いているというインパクトを顧客に感じさせなければならない。

細部に気を配るということは、細かなことが「真実の瞬間」の核心であることを忘れないことである。

最高のサービスを生み出すには、当たり前のことを最高のやり方で行う以外にはない。

通常の恋愛と同じだけの「人間的魅力」を持たないものに、顧客は決して惚れ込んだりはしない。すなわち自分が「本気」であることを示し得ない企業は、恋愛の対象にはならないのである。

石原武政『「論理的」思考のすすめ』有斐閣

相手が話していることについて、こちらが知っていると思わせるようなメッセージは出さないほうがいい。ヒアリングをするときには早分かりをしてはいけない。絶えず、なぜ、どうしてそうなるのですか、といった質問を発し続けることが大切だ。新しいものを見つけた子どものように、無心になって、なぜ、なぜ、と聞き続けることだ。ヒアリングは相手の話をできるだけ聞き出すことに意味があるのであって、こちらが意見を言ったり、知ったかぶりをするために行っているわけではない。この当たり前のことを改めて確認することとなった。

考えてみれば、私自身が行ってきた抽象的な議論は、すでに先人が開発した抽象的な概念の上に成り立っている。

「私は、商品はそれをつくった者が販売するのが本来であると考えます」。私はそのとき、あれっ、風呂勉先生は自分で考えたことをしゃべっているのだ、と受け止めた。

2009年3月21日 (土)

ジョー・ジラード『世界一の「売る!」技術』フォレスト出版

クロージングできなかったら、最大の目的は果たされていない。

この本を読めばわかるが、優秀なセールスマンならどんな商品でも売れる。なぜかといえば、これは人間相手の商売で、人間は所詮人間だからだ。人は商品を買うのではなく、人を買う。

往々にして、アイデアは別の人の頭に移植されたときのほうが、アイデアが生まれた場所にとどまるよりも良く育つものだ。

自動車の値引き交渉はアメリカの商慣習の一つなのだ。値切るのは性に合わないなどと言っていたら確実にぼられるだろう。

顧客に「プロフェッショナルで知識が豊富な感じのいい人間」と思われるような雰囲気を作ることだ。脅され、だまされると思っていた客をどれだけ安心させることか。

商品を人に売り込むには、その前に自分が100パーセントその商品に惚れ込まなければならない。それでなければ自信をもって売り込むことができず、いくら取り繕っても見破られてしまう。

金のことしか眼中にないセールスマンが成功することはめったにない。顧客にはセールスマンの目や顔一面にドルマークが書かれているのが見えるのだ。顧客の利益を第一に考えなければならない。自分の利益は二の次だ。金のことは忘れよう。顧客を大事にすれば大きなコミッションは自ずとついてくるものだ。

いいレストランはどうやって生まれるかご存知だろうか。答えは、口コミだ。客は経営者によくしてもらったら人に話すからだ。評判のよい店というものは料理だけでなく愛と心づかいでもてなすものだ。

客がタバコを持ってくるのを忘れたら、棚から銘柄の違うタバコを10箱取り出す。そしてたばこと私の名前入りのマッチ箱も客のポケットに入れる。私は何をしていたか? 彼に恩を売っていたのだ!。

お勧めしたいのは、「~と思いませんか」という言い方を頻繁に使うよう習慣づけることだ。

神は人間に口を一つしか与えなかったが、耳は二つ与えた。つまり、神は人間が話すことの倍、聞くことを望んでいるのだ。

相手の話をよく聞き、時折メモを取って見せることだ。相手の自尊心を大いにくすぐらせる。

今日の市場では、誰もがプロと取引したがっている。だから一度プロと認めたセールスマンの話には、顧客は安心して耳を傾ける。

セールスプレゼンテーションに二つと同じものはない。

クロージングテクニックのストックを持たなければならない。

すぐに買わなければ恐ろしい目に遭うと思わせることが必要だ。救命ボートのセールスマンは、沈みゆくタイタニックの船長になら難なくその場で商品を買わせることができただろう。

顧客にはいい買い物をしたと必ず言ってあげなければならない。繰り返すが「必ずだ」。すでに言ったように、多くの顧客が分不相応な買い物だったのではないかと思い返し、不安になっている。そうではないことを保証する必要がある。だから、言ってあげるのだ。

ここに来る前に店を回ってきて、100ドル安く買えるところもあったが、君が気に入ったから、君から買うことにしよう。このように言われることが私にとって一番の褒め言葉だ。リピートセールは、最初に売ったときに比べれば非常に楽で労力もほとんどかからない。

たとえ客が悪くても、客を満足させるのがセールスマンの仕事だ。たとえ自腹を切ることになっても。これが賢いビジネスのやり方だ。新規の顧客を捕まえるのにいくらかかるかわかっているならなおさらだ。とにかく、新しい顧客の獲得には既存の顧客をつなぎ止めておくのにかかるコストの何倍ものコストがかかる。

私が顧客との関係強化によく行っているのは、定期的に郵便物を送ることだ。

ジョー・ジラードから車を買ったら最後、国を出ない限りあの男から逃れることはできない。

顧客は質の高いサービスを喜び、それを提供してくるセールスマンの元へ繰り返し戻ってくる。それだけでなく、別の顧客も連れてきてくれる。こうして雪だるま式に顧客は増える。

忘れないようにもう一度言っておこう。とことんサービスすることだ。顧客がよそと取引することを考えただけで後ろめたくなるほどサービスすることだ!。

私のやり方を自分流にアレンジし、私以上にうまく使いこなしてほしい。さあ、お手並み拝見だ!。

2009年3月20日 (金)

イーダスハイム『マッキンゼーをつくった男マービン・バウワー』ダイヤモンド社

私は経営者ではない。プロフェッショナルだ。

自分たちにない知識を持っている人間、自分たちよりすぐれた能力を持っている人間を雇う。

提供した価値の対価を請求すべきだ。利益は、買い手に価値を提供した見返りについてくるものである。

クライアントの手元にたくさんの報告書がある場合、どれがマッキンゼーのものかすぐに見分けられるようにする。

クライアントに信用してもらいたかったら、無難な格好にしておきたまえ。コンサルタントのネクタイに注目するようなことは厳に慎むべきだ。

大切なのは、思っていることをどしどし言える雰囲気をつくることだ。

若松義人『トヨタの社員は机で仕事をしない』PHP新書

資料をつくったつもりが資料にならず、紙量や死量になっていないか。

レクサスの販売店を立ち上げるとき、リッツカールトンからずいぶん学んだ。

2009年3月19日 (木)

小山政彦『へえ、儲かる会社はこんなことをやっているんだ!』三笠書房

われわれコンサルタントは、一種の情報提供業です。

私の場合は意識的に脳の引出しを2つに分けて、情報を管理するようにしています。ひとつは「すぐに取り出して使うための引出し」、もうひとつは「いつか何かのときに思い出すための引出し」といった具合です。

数千年にわたって培われてきたユダヤ商法。その財産づくりの基本は、財産3分法だ。「現金」「不動産・貴金属」「事業」という3つに資力を分散しておき、チャンスとみればそれらを活用してさらに増すわけである。

人件費は固定経費ではなく、設備投資なのである。

知らないことは、知っている人に聞くのがいちばんはやい。迷う者は道を聞かず-なのである。わからなかったら聞けばよい、調べればよい!それが情報収集の極意である。

セブン-イレブンでは、「販売中止」の指示が出るや、わずか20分で全国1万店舗からアイスモナカが消えたそうである。このはやさがすごい。セブン-イレブン躍進の原動力のひとつは、このような情報のスピードなのである。

恋人の寿命は、1358日だという。

お客様を倍にすること。倍にすれば、法則上ルート2、つまり1.4倍程度は、本来売ろうと思っている商品の売上も伸びてくるものなのだ。お客様を増やすには売れないメロンを店先に置くより、売れるジャガイモを店先に置く方がいいに決まっているのだ。

立地がいいか悪いかは、店前通行量が多いかどうかで決まる。それがすべてだといってもいい。

製品に客の心をつかむ要素を乗じたものが商品。ブラン力や情報、企業の哲学や理念、サービス力をより多く兼ね備えたものが商品なのである。

立看板は、カーブ沿いがベストポジション。色は青でも緑でも赤でもなく、黄色基調のものがいちばん印象に残っているはずである。

チラシはどうか。最初に左上に視線がいき、その流れで右上の端までたどりついたところで、再び左に移り、そこからまた右に移動し、そこが終わったら、再度左にいくというのがパターンだ。ちょうど、ローマ字の「Z」を描くような視線の動きが一般的である。

チラシを分類すると、「自己満足チラシ」、「目玉型チラシ」、「価格帯別チラシ」、「グレード別チラシ」、「客層別グレードチラシ」。

地域一番店を目指そうとするならば、①商圏内での自店・自社での扱い商品のシェアを高め、②商圏人口を拡大し、③一番商品数を増やす、という手順で進む。あるいは、一番商品をつくろうとすれば、以下のようなことに全力で取り組む。①商圏内で26%のシェアをとっている、②伸び率が一番である、③売れ筋商品である、④競合店と比較して、アイテム数、価格で優っている、⑤競合店にはなく、しかも一定のお客様がついている。つねに一番化を志し、一番を多く持つこと-それが成功の方程式なのだ。

小山政彦『「素顔」で1億円稼ぐ仕事塾』ビジネス社

外資系コンサルティング会社は大企業を相手に「経営戦略」を売っており、経営戦略の妥当性をクライアントに納得させられるかどうか、までが仕事。

アメリカには、日本でそこそこ売れたギタリストとは桁違いの実力と才能を持つ人たちが山ほどいて、彼らは、起きている間中ずっとギターを弾き続けている。

どうやったら天才になれるのですか?。誰でもなれないから天才なんだよ。

経営コンサルタントの仕事とは、100のうちから3つの使えるアイデアを見つけ出すことなのだ。

初めてのクライアント先に行ったら、まずその会社の長所を探します。

専門用語はなるべく日常語に翻訳。

何も今日買っていただかなくてもいいから、お客様のご都合やお気持ちを大事にする接客に徹し、ともかくお店に対して好感を抱いていただくことを最優先せよ(ノードストローム)。

企業人としての心に「我」を入れてはいけない。

経営に際しては、現場に関わるすべての人の英知を借りなければならない。

優秀な社員の長期雇用ができていて、十年もその売り場に立っているような人が必要なのです。

最近のウォルマートやノードストロームを見ていると昔の日本の商売をアメリカに学びにいくようなものだね。

セス・ゴーディン『「紫の牛」を売れ!』ダイヤモンド社

製品やサービスそのものが常識破り(remarkable)でなかったら人の目には入らない。

本書で私がめざしているのは、危険を冒すほうが安全だということをわかってもらうことである。

目立つ人はどうしても批判にさらされる。「厳しい批判にさらされたい!」と言う人はいない。だが、常識破りな存在になれば、そうならざるをえない。

目立たないのは存在しないも同じ。

突出した点を狙え。

スターバックスは、一杯のコーヒーの意味を定義し直した。

低価格は、名案の考え出せない商品開発者やマーケターの最後の手段である。

宮崎哲弥『新書365冊』朝日新書

カントの定言命法「道徳的に善い行いをせよ!」は、現実世界に生きる私たちの「良心」を引き裂く。「良心」に基づく行為は、常にどこかで見返りを期待している。従って、それは善とはいえない。最高善は「この世」のものではないのだ。留保なしの善の命令に「良心」を打ち砕かれることによってのみ、そして「善く生きる」ことの不可能性を思い知ることによってのみ、私達は道徳的存在になり得る。

2009年3月18日 (水)

楢山直樹『経営をよくする会計』

在庫には、「財庫」、「在庫」、「罪庫」の3種類あります。

パチオリは「取引相手の存在」を念頭において、「その取引相手と自分の間でどのように移動したお金なのか」という観点から簿記を創案したのです。

フィル・ローゼンツワイグ『なぜビジネス書は間違うのか』日経BP社

ハロー効果とは、企業の全体的な業績を見て、それをもとにその企業の文化やリーダーシップや価値観などを評価する傾向のことである。一般に企業パフォーマンスを決定づける要因だといわれている多くの事柄は、たんに業績から跡づけた理由にすぎない。

癪に障るのは哲学者ではない。彼らの尊大ぶりなのだ。せめて謙遜ということを知っていてくれたらね!「私はこう考えるが、フォン・ライプツィヒはああいうふうに考えている。なかなかのものじゃないか」といってくれたら。そして、これは自分が精いっぱい考えた結果なのだときちんと説明してくれたらいいんだが(ファインマン)。

ファインマンは、科学を「こうしたらどうなるかというかたちに変換できる疑問に答えるための手段」と定義した。科学は、美や真実、正義、分別、倫理とは関係のない、きわめて実際的な学問である。

ファインマンは「基本はとにかく試してみること。そして、それによって得られた膨大な情報を考えあわせること」だと述べている。言い換えれば、実験し、集めた情報を系統的にまとめて、その減少を引き起こす法則、正確な予測をそこから導きだせるような規則性を引き出すのである。

一般的にいって、好況のときは企業の長所が誇張される傾向にあると思う。

経営者も記者も大学教授もコンサルタントも含めて、私たちが企業パフォーマンスを決定する要因だと思っている多くの事柄は、業績を知ってそこに理由を帰した特徴にすぎないのである。

トム・ピーターズ、ロバート・ウォーターマン、ジェームズ・コリンズ、ジェリー・ポラスには共通の強みがある。四人ともとびきりのストーリーテラーなのだ。

15年間にわたって市場平均を上まわるというコリンズの選択基準に合ったのは、期せずして、タバコやカミソリやトイレットペーパーなどの消費者製品、ドラッグストアなどの小売、リテールバンクや住宅ローンなどの金融サービスの企業だった。選択基準が「15年連続して好業績をあげた」ということなら、安定した業界の企業だけが偉大な企業になれるといったほうが正確だろう。

データにハロー効果が含まれているなら、どれほど多くのデータを集めても、どれほど厳密な分析に見えても、意味はない。

成功は私たちが望むほど長続きしない。永続する成功とは、結果が出てから好ましい事実だけをつなぎあわせてつくりあげられた妄想である。

ビジネスは私たちが考える以上に、そして成功した経営者が認める以上に、運に大きく左右される。

マイ・フェア・レディの台詞

神田昌典『非常識な成功法則』フォレスト出版

マーケティングとは「優良な見込み客を、営業マンの目の前に連れてくる」こと。それに対してセールスとは「その見込み客を、営業マンが成約する」こと。つまり、マーケティングで集めてから、セールスで切る、というのが原則だ。

世の中の役に立とうと一生懸命がんばっている人はごまんといる。でもほとんどの場合、永遠にお金に恵まれない。

お金はあるところに集まる。これがお金の習性なんだ。

「机を挟んで賢者と交わす一回の会話は、一ヶ月かけて本を読むのに値する」という中国の諺がある。自分のレベルを超えた人に出会うことで、まるでクリックされたかのように目の前の世界が変わる。それを実現できるかどうかというのは、手紙を出す、メールを出すという一瞬の行動、そして「私は成功者と肩を並べるに値する」という自覚で決まっている。

2009年3月17日 (火)

横山悟一『決算書の使い方』総合法令

『顧客がどのような商売で利益を得ているのか?。顧客がどのように利益をあげているのか?』。顧客のビジネスモデルすらわからないような企業が売上高を増やそうとしても、実現できるわけがありません。

荘司雅彦『嘘を見破る質問力』日本実業出版社

人間というものは、一度証言した事柄と矛盾した行動をとることを嫌う(一貫性)。

ビジネスシーンの多くの場合では、「実をとる」ほうが圧倒的に有利でしょうから、トラブルが起こったときには、常に最小限の被害で食い止めることに留意すべきでしょう。

人間の記憶というものは、きわめて信用できないものなのです。

ビジネスや私的な人間関係においては、いかに気持ちよく相手に間違いに気づいてもらうかが、今後のことを考えるときわめて重要な配慮といえます。

女性は嘘をつくときに相手と目を合わせる傾向が強い。一緒にいる男性に関心がある場合、女性の瞳孔は大きくなります。

第三者の目で自分を見ることを、メタ認知。

持っている情報量が偏っていること(情報の非対称性)。

われわれ弁護士は、依頼人が「右」と言えば「右」という結論があって、「右」であるための理屈を考えます。実は、裁判官の多くも、最初に結論ありきで、裁判文の「理由」は、結論をもっともらしくするための「理屈」にすぎないのです。「まあ、裁判なんて結論はカンみたいなものでして、それをもっともらしくするために理由があるようなものなのです」。

法律家の論理は、「まず結論ありき、そして、それを支える理屈を立てる」というのが大原則なのです。

積極的理由は「かくかくしかじかの理由を積み重ねると、この結論に達するのが理論的である」というもの、消極的理由は「この結論を採用しないと、かくかくしかじかのような不都合がまかり通ってしまう」というもの。

ルーティーン的な事柄は、どんどん前例で処理していくのが効率的。

上原春男『「抜く」技術』サンマーク出版

「安全なもの」「丈夫なもの」には、かならずあそびというすき間が用意されているものです。

「お金を使わない人はお金を稼げない」という金銭哲学。

文句や苦情を言われたら、いいことを聞いた、ありがたやと内心で感謝しながら、その場はすみませんでしたと引き下がり、つぎに、その文句や苦情を解消するプランやアイデアをもっていけば、相手は納得するほかありません。

天才というのは、破天荒で愛嬌があって、そしてどこか「抜けて」います。一つのことに信じられないくらいの集中力で没頭してしまうので、他のことがおろそかになったり、とんちんかんな振る舞いをしてしまうのでしょう。

腹が立ったら、十数えよ。それでも収まらないときは、ひと晩眠ってから考えよ。

急ぎの仕事をこなすときの要諦がここから二点ほど導けます。一つは分散すること。もう一つは、さしあたって拙速でよい部分はスピード優先でやること。

汗や涙を流したからこそ達成したときの喜びも大きい。その喜びこそが仕事の楽しさの正体です。

利益とは経費の節約によって絞り出すものではなく、経費の適切な投下によって「創造」するものなのです。

よき細工師は少し鈍き刀を使う。

何でもあるがほしいものがない。

晩年のピカソが幼児みたいな絵を描いたように、あるいは還暦で人間は赤ん坊に戻るといわれるように、成長の最終段階である悟りの時期、人間は再びこの世にやってきたときと同じ「裸」の状態に戻るのです。

仏教では、物事の本質や究極は「空」「無」にあるとしています。

パスカルも『パンセ』の中で、自分はみんなと水際で戯れている子どものような存在だといっています。

百回やってダメなことでも、百一回やれば成功することがある。まして数回やっただけで、事の成否を判断するなという点です。

機械を壊したことが失敗なんじゃない。その失敗のデータをとらなかったことが失敗なんだ。

若いときには身分不相応なぜいたくもして、芸術や品物など一流のものにたくさんふれてみることが大切です。

2009年3月16日 (月)

安田佳生『千円札は拾うな。』サンマーク出版

仕事のやり方を見直すことなく、単に仕事のスピードアップを目指して頑張るのはムダな努力だ。

「頑張らないで成果を上げる」やり方を見つける努力をしなければならないと私は思うのだ。

今は、人と違う結果を出すためにはどうすればいいのかについて、新しいやり方を考え、実行することが「勤勉」であり、最も短い時間で成果を出すための工夫をすることが「努力」である。

仕事時間を大幅に削減しながら、成果を維持するには、何かを「劇的に変える」ことが必要となる。その「仕事のやり方を劇的に変える方法」を見つけることが、成長である。それを考えるためにも、休まなければならない。

あなたが経営者で会社の業績を飛躍的に伸ばしたいと思うなら、優秀な人にあまりたくさんの仕事をさせてはいけない。優秀な人にたくさんの仕事をさせてしまうと、その人が持つ最も大切な能力が発揮されなくなってしまうからだ。その最も大切な能力とは、「新しいものを生み出す能力」である。優秀な人というのは、暇な時間ができると、意識的に、あるいは無意識のうちに、それを「考える時間」にあて、そして実際、必ず何か新しいものを生み出す。優秀な人に暇を与えれば、新しいものが生まれてくることだけは間違いない。優秀な人に「自由な時間」を与えるほど効率のいい戦略はない。せっかく優秀な人材をとったのに業績を伸ばすことができない会社は、このことがわかっていない。優秀な人材は目の前の仕事をこなすことに追われ、新しいものを生み出すことができなくなってしまう。せっかく優秀な人材を採っておきながら、これでは宝の持ち腐れだ。優秀な人材には、優秀な人にしかできない仕事を任すことが望ましい。その仕事とは、「長期戦略を立てる」ということだ。彼らにその「三手先で利益を出す仕組み」を生み出してもらうためには、適度に仕事を減らし、考える時間を充分に与えることが必要なのだ。

鍛えられた本郷猛では、ショッカーの戦闘員には勝てても「怪人」を倒すことはできない。怪人を倒すためには、仮面ライダーに変身すること、つまり劇的な変化が必要なのだ。

ビジネスでは「移動手段」は限定されていない。どうしたらあと0.01秒縮めることができるのかと考えるのではなく、五秒で百メートル移動するために、車を使うのか、ジェット機を使うのか、という「走るのとは全く別の方法」を考えること、それがビジネスでの商売を決める。全く別の新しい方法を生み出すために最初にしなければいけないのは、「無謀なほど高い目標」を掲げることだ。ちょっとした目標、実現可能に思える目標をいくら掲げても、大きな変化は生まれない。その目標を達成させられる手段が何かあるはずだと信じて考え続けない限り、永遠に答えは出てこない。考える前に「不可能だ」と決めてしまっては何も思いつかない。

短期の結果を優先するあまりに、長期の戦略を後回しにする癖がつくからである。

「本当にいいもの」は、常に市場が放っておかない。

自分が成長し、自分がその仕事のキーマンになったら、次はメンバーを育てて、自分がいなくてもできる状態を作ることが必要なのだ。その「自分がいなくてもいい状態」、つまり自分が不要な状態を作ること、これこそが「給料を下げる努力」である。だが実際には、自分の給料を下げる努力をした人の給料は、さらに上がってしまうのである。なぜなら、成果を出した上にメンバーまで育てるような人材を会社が放っておくわけがないからだ。そんな人には、必ずさらに大きな仕事が回ってくる。

2009年3月15日 (日)

勝間和代『起きていることはすべて正しい』ダイヤモンド社

ラテラルシンキングは、「水平思考」や「Out of the Box Solution」(想定した範囲以外から出てきた解)と呼ばれる。新しいビジネスアイデアを発想するには、ロジカルシンキングだけでは行き詰ってしまう。そのときに、MECEでしっかり分解してから、問題設定自体を疑い、ラテラルシンキングで「軸ずらし」をすると、思わぬアイデアが浮かぶことがある。

大橋禅太郎『すごい会議』大和書房

燃料タンクに漏斗を落としてしまった。どうしていいいかわからなかった。展望をもって、「選択」と「覚悟」ができれば、あとはそれを実行に移すだけだ。僕は漏斗のことをベネズエラ人のセルジオに打ち明けた。「心配するな。もう一本入っている」。

「サンタが街にやってくる」という歌があるが、「彼は誰が良い子で悪い子か、リストをつくって二度チェックしている」という部分がお気に入りだ。

遠藤功『現場力を鍛える』東洋経済新報社

ヒューレットパッカードの創業者の一人、デービット・パッカードは、現場の持つ責任感を象徴する体験をした。ある工場の視察に出向いたパッカードがプラスチック型の表面をぬぐった途端、機械工が「俺の型に触るな」と叫んだ。パッカードはビックリすると同時に、非常に喜んだという。

効率化を考える前に、「その業務をやめることができないか」を問い直すことが肝心である。ドラッカーはこう指摘する。「本来やるべきではない業務を効率化しようとすることほど非効率なことはない」。

2009年3月14日 (土)

勝間和代『ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』ディスカヴァー

MECEとは、Mutually Exclusive(相互に排他的で)、Collectively Exhaustive(全体としても漏れがない)、要するに、漏れなく、ダブりなく、という概念。

ヒューリスティックとは、経験則を使って無理やり詭弁的な判断をし、論理があるように当てはめられてしまうこと。

測定できないものは管理できない。

その調査を百回行ったときに九十九回までがほぼ同じ結果が出るというのであれば、「一%有意水準」。

偶然のチャンスというのは、十分に準備をしたなかではじめて出てきて、そこで偶然に、「ああこういうことなのか」と、答えが向こうからやってくる。

堀之内九一郎『どん底からの成功法則』サンマーク出版

髪を長くしている生徒に対し、バリカンを手にした先生は「これでオレの頭を刈れ」と、まず自分を丸坊主にさせてから、「よし、今度はお前らの番だ。オレも切ったんだからおまえらも切れ」と全員丸刈りにしてしまったこともありました。

テストの前になると「カンニングしていいぞ」と言い出すのです。「いまから配る紙だけは持ち込んでいいから、これを持ってこい」と。私たちは喜んでその髪に公式だの解法だの、何だの細かくびっしり書いて、裏も表もすき間なく字を埋めました。ところが、いざ試験に臨むと、カンニングペーパーなんかまったく必要ないではありませんか。「問一、何々ついて知っていることを述べよ」、これだけなのです。おまけに採点もしないのです。「テストなんかどうでもいいんだよ」と言いたかったにちがいないのですが、ところがみんな必死にカンニングペーパーを作ったものだから、公式から何から全部鮮明に覚えているのです。破天荒でハチャメチャなその先生からは、勉強よりも本当に学ぶとはどういうことか、生きるとはどういうことかを教わったように思います。

「マネーの虎」で最も印象に残っているのは、足の不自由なパイロットの志望の女の子のことです。しかも、アクロバットをやりたいと言うのです。

夜逃げした家の家財道具を何万円かで買い取り、ランドセルを背負った女の子に頑張れよと五千円札を一枚、お小遣いをあげて帰りました。

どん底から這い上がるための絶対法則「とことん反省し絶望を受け止め、そしてすべてを捨てて身軽になること」。

「マネーの虎」で私が出資するかしないかの条件はきわめて単純です。第一印象で、その志望者を自分は好きになれるかどうか。

デイヴィッド・クンツ『ほんとの自分にもどる115のヒント』主婦の友社

競争社会の悪い点は、いくら競争に勝っても、その社会から抜け出せないことだ。

自然に浮かんでくる思いつきは、とても貴重な考えの場合が多い。

本当に自分の時間といえるのは、ひとりでいるときだけだ。それ以外は・・・・・他人の時間だ。

敵に注目したほうがいい。あなたのミスを最初に見つけるのは、彼らだからだ。

自分をいちばん嫌っている人が、自分の弱点をいちばんよく知っている。

これは本当に不思議なことだが、有意義に生きる方法は、何もしていないとき、行動をやめたときにつかむことができるのである。つまり、「立ち止まったとき」にこそ、人生の広がりが発見でき、愛情の深さ、人づきあいの楽しさがわかるようになるのだ。

何もしないで毎日を過ごしていても、まったくかまわない。休みたければ、理由は次のことだけで十分だ。つまり、「落ち着いて周囲のことに注目するため。そして、自分自身がもっとも必要としていること、自分の生活にいちばん欠けているものを思い出すため」である。

なぜなら、何もしないでいると、人生でもっとも重要なことや困難なことが見えてくるからだ。つまり、自分の生きがいや自分の価値がわかってくるのである。

一貫性というのは、想像力に乏しい人が最後に頼る砦だ(オスカー・ワイルド)。

2009年3月13日 (金)

秋庭道博『1時間の仕事を20分で終わらせる』かんき出版

任せたら途中で口を出さない。

みずから学ぶことや、情報を集めることも大切ですが、聞けば簡単にわかることまで自分で考える必要はないのです。「そんなことも知らないのか」と思われるのが恥ずかしいなどというのは、自分が小さな殻のなかに閉じこもっているからです。人間は誰でも、知っていることより知らないことのほうが多いものです。

望月護『ドラッカーの実践経営哲学』PHP

ドラッカーが支持される理由は「企業は人間の集団であり、人間をやる気にさせなければ企業は発展しない」という本質が伝わるからである。

マネジメント(経営管理)は、外部に対応することが目的であって内部に対応することが目的ではない。

売上が落ちた時は街に出て、そこに行き交う人を見る。その人たちがどんなものに興味を示すか、どんなものを手にとって見るか観察する。街は情報源であり、羅針盤だ(伊藤雅俊)。

とかく二代目は先代と変わったことをやりたがるが、お客さんは変わったことを望んでいるわけではない(中坊公平)。

幹部は自ら直接お客を回って本当の情報をつかんで、売れ行き不振の原因を探る以外に方法はないのである。アポイントもとらず、お供も連れずに一人で外に出かけて行って、問屋や代理店を回るのではなく、末端の小売店を回って話を聞いたり、お客と話をする以外に本当の原因は分からない。そうしてはじめて不振の本当の原因をつかむことができるのである。

どうすれば付加価値(粗利益)を増やすことができるのだろうか。

  1. 一つは、生産性をあげることによって粗利益を増やす方法である。三人でやっている仕事を二人にして一人当たりの売上を増やしたり、一坪当たりの売上を増やしたり、機械一台当たりの売上を増やしたり、トラック一時間当たりの売上を増やしたり、小売店の陳列棚当たりの売上を増やすのがこれである。
  2. 二つは、外部に払う費用を減らして粗利益を増やす方法である。ウォルマートは仕入先のメーカーに店ごと、製品ごとの売れ行き情報を知らせている。売れ行き情報を知らせることによって、一つ一つ指示せずにメーカーから店舗に製品を自動的に補充させて外部に払う費用を減らしているのである。
  3. 三つは、回転率を高めて粗利益を増やす方法である。「高く売るより早く売れ」である。一カ月一つ売れるのと三日で一つ売れるのでは粗利益は十倍違うのだ。アパレルメーカーが小売店を経営しているのは回転率を高めるためである。売れ残り品はバーゲンで売り切ってしまう。
  4. 四つは、在庫を減らして粗利益を増やす方法である。トヨタは店頭まで納入する時間から逆算して、後工程が前工程へ必要な部品を取りに行く方法で在庫を最少に抑えている。デルコンピュータは注文を受けてから組み立てるしくみを作り、ライバルメーカーの在庫の十分の一以下に在庫を抑えている。
  5. 以上の方法はすでにお客が存在していることを前提にして社内を中心にしてできることである。しかしこれらの方法だけでは価格競争から逃れることはできない。最後の方法は、生き残るためにも、企業の責任としても、取り組まなければならない方法である。イノベーションとマーケティングによって、新製品を開発して売上を増やし利益をつくりだす方法である。

ウォルトンは、他人と同じ事をしていて成功するわけがないという。「逆流へ向かって泳げ」という有名なコトバを残しているが、「すべての固定概念、すべての常識を破れ」という意味だ。

コトラーは「利益を上げることがマーケティングの目標だ」と言い、マーケティングの手順を次のように挙げている。

  1. 狙うお客つまり市場を決める
  2. 何を売り物にするか、高級品を売り物にするのか、安全性を売り物にするのか決める
  3. 売り物に見合った価格をつける
  4. お客が買わなければならない理由と意味を考える
  5. どこで買えるか、品切れを起こさないようにするか、流通戦略を決める
  6. 最も安いコストでお客に届ける方法を決める

企業には主な活動が四つある。販売、開発、現業、管理の四つである。一番大事な活動は販売活動である。販売活動が活発でなければ、今日の利益を得ることはできないからである。

  • 販売活動は今日の利益を上げる活動であり
  • 開発活動は明日の利益を上げる活動であり
  • 現業活動は日常の繰返し仕事を行う活動であり
  • 管理活動は日常の繰返し仕事を管理する活動である

サム・ウォルトンが観察したところによれば、万引きを防ぐ簡単な方法は、やさしそうな年配の女性を雇って挨拶させれば誰も盗みを働かなくなるという。こういうことを並の人間は気がつかない。

会社が小さかった時には、○○が出たらその場でみんなで叩きつぶしたが、会社が大きくなると、

  • ○○とはどういう生物かを研究し調査する
  • ○○を退治するためにどういう方法があるか、方法論を比較検討する
  • ○○退治のために実行委員会を設ける、という手順を踏む

この間に三年位かかり、いつの間にか部屋中が○○だらけになって、誰も退治することができなくなる(GMのステンペル)。

阿片戦争に敗れた当時の清国の宰相曽国藩は、国が滅びる時には三つの兆しが顕れると言っている。

  1. 情実人事が罷り通ってでたらめな人たちがやりたい放題のでたらめをやり、善良な人たちがおし黙る
  2. 外部から非難されることをおそれて情報をみんなで隠すから、とり繕ったきれいごとの報告しかされなくなる
  3. 倫理観が頽廃して、何が正しいことで、何が悪いことか、誰にも分からなくなる

分からない話にはウラがある。新聞記者やコンサルタントの書いたことをそのまま鵜呑みにするな。数字を鵜呑みにするな。

高橋昭男『すぐに使える!ビジネス文書の書き方』PHPビジネス新書

ヒヤリハットは事故である。

比較には棒グラフ。構成要素の内訳を示すには円グラフ。推移や変化をとらえるには線グラフ。

箇条書きのルール

  • 1文で一つの事柄を書く(一文一事)
  • 箇条書きの文には(。)をつけない
  • 文ごとに改行する
  • 文体が「ですます体」の場合でも、箇条書きの部分は「である体」で表記する

官公庁では、特定の対象者に出す文書は「である体」、不特定多数の人たちを対象とする文書は「ですます体」で書くように指導している。

「である体」の文書→①学術論文・小論文・社内論文などの論文類、②報告書(定型の用紙に書き込む場合)、③リファレンス・マニュアル(参照型)

「ですます体」の文書→①プロポーザル(企画提案書)、②報告書(上司、客先に提出する場合)、③マニュアル(学習型、初心者向け、入門編)、④顧客を対象にした営業資料全般

「ように+否定形」は典型的なあいまい文。(例)わが社はA社のように、余剰在庫を置きません。

息継ぎのための読点のルール

  1. 主語のつぎには原則として打つ
  2. 文を2つ並べる場合、その間に打つ
  3. 文の始めにくる副詞、接続詞、または副詞句などのつぎに打つ
  4. いくつかのものを並べる場合に、各々のことばの間に打つ
  5. 文を明確にするために打つ
  6. 一つの文の中に述語が2つあるとき、その間に打つ

数字と名詞を並べて使うときは、名詞+数字の形にすること

2009年3月12日 (木)

岡本吏郎『裏帳簿のススメ』アスコム

「細部に神宿る」というように、経理では大勢に影響しないものを軽視してしまうと、とたんに仕事が荒れる。そして、致命的なことが将来起こるようになっている。

「非効率の向こうにある効率」というものが企業経営ではかなり重要なものだということは言っておきたい。

上原春男『成長するものだけが生き残る』

欧米のモノマネでなく、独自の創造的な研究開発をしようとすると、どうしても既成の権威からの反発や批判が起こります。

成長とは、創造性の総和である。

「たった1%」をおろそかにしたり、油断したりすると、それまで積み上げてきた99がゼロになってしまう。反対に、その1%に全力を傾けることで、1%を100に変えることもできるのです。

教えることは、二度学ぶことだ。

企業の売上予測や生産計画なども線形思考のもとに行うと、とんでもないことになります。

固定観念が会社を滅ぼす。

人を動かすには、自分の好みでなく人の好みを優先させること。

すぐれた発想を生む思考法

  1. 問題解決法。問題点や不備を見つけて、それを解消しようとするところから新しい発想、創造が生まれるのです。
  2. 水平思考。丸いものを四角にしたり、大きいものを小さくしてみることです。「ウォークマン」は後者から生まれたものです。
  3. 組み合わせ法。ラジオとカセットを組み合わせてラジカセにすることなどですが、その組み合わせを行うためには、その前に要素を分解して、それぞれの機能やプロセスを洗い直してみる過程が不可欠です。このことからも、「分離・再結合の原理」が創造と成長に欠かせない必須条件であるのが明らかだと思います。

川田孝行『講義のきき方・講義のし方』

■講義のきき方・講義のし方

  1. どの講義もただ1つの主要点(山場)をつくるべきである
  2. 講義時間を延長してはいけない
  3. 講義を聴く人に関連づける
  4. 今日、家にもちかえるものは何か・・・講演者は自分の話をきいてくれる人に、その日なにか家にもってかえっていくものを与えるべきである
  5. 自分の誤りを気にするな
  6. ファインマンの方法をつかえ・・・いつもいつも心のなかに自分の好きな問題をもつこと、12ほどもつこと

■社会人の心得

  1. good humor
  2. moderate diet
  3. rest after job

加納孝彦『問題解決6つの力』ビジネス社

誰かと実際に会ったときに出てくる「生の情報」は、ネット上にはあまりないと思ったほうがいい。

多くの会社を見てきたが、「いいところの全くない会社」というのはほとんどない。会社というのは製品ではなく、人の集合体である。同じものは二つとしてない。

ダイエーの中内氏は、天気だけで売上予測ができたという。

どんな相手であっても、その人から話を聞くときに忘れてならないのは「教えてもらう」という姿勢である。

「いま自分が勤めている会社は、業界でどんな位置にあるのか?」、「別の資本が入ってきたとき、果たして自分は生き残れるだろうか?」、「いまの自分は、果たして他の世界(業界)で、どのくらい通用する人物なのか?」。一人ひとりがそんな視点で「いま」を分析すべきなのだ。

リッツ・カールトンホテルや、サウスウエスト・エアラインといった企業ともなれば、企業理念もさることながら、現場で顧客に接する従業員の「パフォーマンス」自体が大きな資産となる。

ヤクルト本社という会社も、本来は販売員さん個々によるパフォーマンスが見えない価値となり、会社を支えているのである。残念なことにデリバティブ取引でトップが暴走し、その価値をないがしろにしたことで会社の財務内容が少しおかしくなり、経営が大きく揺れた。

ブランドが死ぬときは「変わらないものを、変えてしまった」ことに敗因がある。

トム・マーカート『外資のオキテ』ディスカヴァー

悪いニュースの予兆を感じたら、すぐに知らせること。

身だしなみをおろそかにすれば、昇進はないと思いたまえ。

竹内一郎『人は見た目が9割』新潮新書

私が行きつけの飲み屋の女将は、「お客さんがどういう人かは、一目見れば大体判りますよ」という。こういう人は言葉に騙されない。というより、たくさん騙されて、人を見る目を養ったのである。

マンガ家は、映画でいうなら、演出の他にカメラマンの仕事もできなければならないのである。

日本の代表的知識人に、わかりやすい文章を目指していない人のなんと多いことか。

キリスト教の伝統のなかでは、永遠こそが大事であって、瞬間というのはそれほど重大な意味をもたない。しかし、日本では瞬間というものがもつ意味は大きい。

渡部昇一『知的生活の方法』講談社現代新書

『吾輩は猫である』で交される会話は、漱石の客間で寺田寅彦などを相手にして、実際に漱石がしゃべっていたのと同一水準の話である。

あなたは繰りかえして読む本を何冊ぐらい持っているだろうか。あなたの古典がないならば、あなたはいくら本を広く、多く読んでも私は読書家とは考えたくない。

トルストイは『戦争と平和』を書くために、小さな図書館ぐらいのナポレオン戦争の資料を集めて手許に置いたという。

矢部正秋『プロ弁護士の思考術』PHP新書

天の邪鬼は小うるさく扱いにくいが、みずからの目で時代を分析する創造性と可能性をはらむ。

具体的に何が起きるかは予測できないが、「何かがある」の心構えが柔軟対応を可能にする。人知を超える「マサカ」に備え、二重三重の対策を怠ってはならない。ところが人は、火の用心をふれて回る町内会の老人より、火事場で活躍する消防士に感謝する。自己を予防する助言者より、事故が起こってしまったから処理をする人に金を出したがる。

憂鬱な人に言いたいことはただ一つ。「遠くをごらんなさい」。憂鬱な人はほとんどみんな、読みすぎなのだ。

2009年3月11日 (水)

マクスウェル『その他大勢から抜け出す成功法則』三笠書房

人の行動は、その人の考えをもっともよく伝える(ロック)。

牛を乗りこなす秘訣は、身体が痛みに耐えられる限りは、できるだけたくさんの牛に乗ることだ。

上司に質問の答えを出すだけではなく、たぶん上司が思いつきもしなかったアイデアや意見や見通しを三つ、四つ披露してやるのです。

書くことを学ぶことは、考えることを学ぶことである。文章として書いてみるまで、自分の考えをはっきりとつかむことはできない。

ときには答えよりも、質問のほうが大切なこともある。

大きな成果を上げるには、“一人の頭”では少なすぎる。

人生の価値は時間の長さではなく、その使い方で決まる。長生きをしてもむなしい人もいる。

集中力は、偉業の達成には欠かせない能力だ(ラッセル)。

知識は、どの部分が重要でないかがわかって初めて力を発揮する(リンド)。

結論とは、もういやになるまで考え抜いた状態だ。

人の一歩先を行くには、次のアイデアを舞台の袖で待たせておけ。

退屈な男は常に確信に満ちており、確信に満ちた男は常に退屈だ(メンケン)。創造的な人は不確実性を一掃しようとはせず、人生のあらゆる矛盾や機微を理解している。そしてそうした部分を探索し、想像力でそれを埋めることに喜びを感じる。

創造性豊かな人と変人とは相関関係にある。だから、われわれは変人とも喜んでつき合わなければならない。

創造性は、人から馬鹿だと思われることもいとわない姿勢を必要とする(フランケル)。

同じ場所を深く掘り続けても、別の場所に穴を掘ることはできない。

もし職場が創造性を目の敵にするようなところで、自分に職場環境を変えるだけの力がない場合、考えられるのは転職である。

謙遜する人は自分のことを低く見ているわけではなく、自分のことはあまり考えないだけなのである。

齋藤孝『質問力』筑摩書房

「お前が神の子なら、石がパンになるように命じてみろ」→「人はパンのみにて生きるものにあらず」、「お前が神の子なら、この塔の上から飛びおりてみろ(飛びおりても無事なはずだ)」→「神を試みてはならない」、「お前が私にひれ伏すなら、この世のすべての栄華を与えよう」→「ただ神のみ仕えよ」。

力強い聡明な悪魔が荒野で実際にキリストに呈した三つの質問に、深みや力からいって匹敵できるようなものを何かしら考えだせるとでも、お前は思うのか?。

悪魔が出した3つの問いがキリストの本性、あるいは人類の未来のすべてを要約してしまった。そういう3つの問いを誰が考え出せるであろうか。その問い自体がすばらしいと言っている。キリストの答えも見事だが、キリストの回答能力以上に、ドストエフスキーは悪魔の「質問力」を評価しているのだ。まさに究極の質問である。

岡本吏郎『稼ぐ20超思考法』フォレスト出版

「初心忘れるべからず」ということわざがありますが、こんな言葉を考えた人は無責任極まりないとまで思います。「初心」なんて絶対に思い出すことはできません。どんなに仕事をはじめた頃の純真なエネルギーを取り戻そうとしたって、既に経験値と実績を積んでしまった者には無理なことです。

三品さんは、現在儲かっている企業は、ジャンルがあいまいな企業であることをたくさんのデータから分析。

マークトゥエインは「20年もたてば、したことよりも、しなかったことを嘆くようになる」といっています。

2009年3月10日 (火)

レナード・ムロディナウ『ファインマンさん最後の授業』メディアファクトリー

なぜデカルトは、虹を研究したと思う?

  虹を美しいと思ったからだよ。

鷲田小彌太『人生くねくね道の歩き方』サンマーク出版

人はだれでも能力があり、それを発揮できる場さえ与えられれば頑張るものなのです。

ローン返済でいえば猶予してもらっていたようなもの。だからそれを、後から十年払うようにすればいいのです。無理をするのではなく、人より十年長く働けばよい。こう考えれば、気がうんと楽になるはずです。

運が来ないときは、待つしかありません。どうあがいたって、運が飛び込んで来るわけがありません。とはいえ、ただ黙して待つのではあまりに能がありません。黙って投資せよ、とぼくはいいたい。仕事もお金も、です。

「残念でした。今晩はいい女とイタメシ食うことになっているからダメ。チャオ!」なんていわれれば、ぼくだって許してあげます。

こいつは、俺達にないものを持っているかどうかだけ(芥川賞の選考委員だった開高健)。

鳥居祐一『学校で教えない億万長者の授業』中経出版

長い人生において、教育ほど高い配当をもたらす投資はありません。教育は確かに高くつきますが、無知はもっと高くつくことを知っておいてください。

よい本の条件。①気づきある、②繰り返し読める。読むたびに新しい発見や思い当たるできごとが想起されたり、励まされるフレーズがあったり、何度読んでも得るところのある本が、「よい本」だと思っています。

折口雅博『プロ経営者の条件』徳間書店

5分後には泥で汚れるとわかっている靴やバックルを、顔が映るほどピカピカに磨かなければならない不合理さ。どんなに不合理で理不尽に思えるものでも、素直にうけいれなければなりませんでした。軍隊の長年の経験で、周到な準備がいかに大切かということを体にたたきこむ必要があったからだと知ったのは、ずいぶん後のことでした。

ハイブロー武蔵『学ぶ力』総合法令

競争に勝つための究極の武器は、学習する能力と、学習したことを取り入れてすばやく行動に移す能力だ。

新しく学習したことをすぐに身につけて活用しなければ意味がない。

眠っている才能をたたき起こすのは、自分自身の仕事である。

2009年3月 9日 (月)

向谷匡史『ホストの実戦心理術』KKベストセラーズ

対象物に心を奪われたときに、瞳孔が開く。

賢者は聞き、愚者は語る(ソロモン)。

たたで動くのは地震だけ。

日野上輝夫『社長!金を借りずに時間を借りなさい』

経営には「借りない、貸さない、判つかない(保証人にならない)」が原則。

高田里惠子『グロテスクな教養』ちくま新書

ヘーゲル風に言えば、自分自身は他者の承認によってしか確認できない。

専門論文の平均読者数は一・五人で、そのうちの一人は執筆者本人。

万巻の読書もやっぱり人格を育てない。

もう先に死しかないということこそ、無償なる教養の最大の推進者であった。

『構造と力』浅田彰

鈴木敏夫『仕事道楽』岩波新書

終わったものは終わったものであり、いま動いているこの瞬間が大事である。

昔の話はしたことがない。いつも「いま」です。しゃべっていることは、いまやらなければいけないこと、そして一年くらい先のことについてです。

忘れてしまう記憶などは大したことないんだ。

新商品の宣伝費は十億が必要で、ものの名前を覚えてもらうのに五億、それが何か知ってもらうのに五億。

ものを作ることに関係している人間にとっては、いまやっているやつがいちばんおもしろいに決まっているじゃないですか。

仕事をさせていないふりをして、仕事をさせる。あおっていないふりをして、あおっている。

トトロは全国のこどもたちの心に住みつき、こどもたちは木々を見ればトトロがひそんでいることを感じる。こんな素晴らしいことはめったにない。

齋藤孝『座右のゲーテ』光文社新書

ゲーテの主張は、どんなものでも、先人たちの影響なしにつくったものなどないということだ。偉大な先駆者たちの作品をしっかりと模倣し、継承したという意識を持つのがむしろ正統である。それを自分の独創性だと考えるのは思い上がりというものだと指摘する。

「モナリザ」は徹底した明暗だけで描かれている。そのため、あの絵には輪郭線がない。

考え詰めて行き詰ったときには、一回寝かせてから再度取りかかるようにするといい。他のものをあれこれめぐってきた後に初めてみえるものもあるからだ。バートランド・ラッセルも「考え詰めたら一回地下に行け」という意味の言葉を残している。地下に行けというのは、アイディアを寝かせろということと同義語だ。

「この人には何か計り知れないところがあるな」と思ったときに相手にグググッとのめり込んでしまうものだ。

2009年3月 8日 (日)

中島義道『カントの人間学』講談社現代新書

カントは自分自身以外ほとんど誰をも理解できないようになってしまいました。

およそ幸福な人に不幸な人の気持ちがわかるのは、この世で最も難しいことなのである。失明した人の「気持ちがわかる」ことと、失明して生き続けることとは天と地ほど違うのである。

親友はあるが真友はない。

処女作は作家のすべてを語る。

自然は人類の傑出した人物にはその品位の印章をはっきり刻するため、子どもにもそれが見分けられるのだ。

次の一言によってカントを葬り去ることは間違いない。「女性は男性より多く失うように見える。なぜなら、女性の美しい性質はなくなるが、男性の高貴な性質はなくならないからである。年取った女性はもはや何事にも役立たないように見える」。

向谷匡史『ヤクザ式ビジネスの「土壇場」で心理戦に負けない技術』情報センター出版局

「書ければいい」と考えるのは、ボールペンを単に筆記用具としてしか見ていないからだ。百円のボールペンを出すのと、モンブランやクロスのボールペンを出すのとでは、相手はどう感じるのだろうか。

論理は感情に支配される。

西舘恵子『国際線スチュワーデス恋物語』講談社

教官が口がすっぱくなるほど、言っていたんですね。「飛びはじめると、本当に月日の経つのが速いから、大事に自分の時間を使わないと、あっという間に、三年、五年、十年と経ってしまいますよ」と。まわりの友人たちも、大体三十歳前後ですが、彼女たちが口を揃えて言うことは、「あの若い時期をやり直したい」なんです。恥ずかしい話ですが、今、私も含めて彼女たちが悩み、探し求めているのは、自己実現なのです。

人はより多くの幸せを望むものだし、より向上したいと思っているのだから、日常とかけ離れた、何かほかの確固たる資格が欲しくなってしまう。スチュワーデス暦何年という資格よりも、履歴書の欄に、能力として堂々と書き込めるだけのものを欲するようになるのだ。

父はあの仕事は、accumulationがないって言うんです。つまり、スチュワーデスの仕事は蓄積するものがないって言うんです。

各国のさまざまな場所で、どれだけ私は仕事に形を求め、それが、形にならないというジレンマに悩んだものだろうか。

航空業界を選んだいちばんの理由には、仕事で海外に行けるからだそうだが、そんな考えでは、いつの間にか人生に雲泥の差ができてしまうことを、わかってくれただろうか。

2009年3月 7日 (土)

野口吉昭『コンサルタントの「質問力」』PHPビジネス新書

鳥の目とは、大空を飛ぶ鳥のように、高い視点から物事を俯瞰する目。また虫の目とは、対象物に近づき、細部にまで視点を行き届かせる目のことである。

「ニーズをシーズでウォンツに!」。ニーズとは、人々の間ですでに顕在化されている要求のこと。一方ウォンツとは、人々がまだ気がついていない潜在的な欲求のこと。シーズとは、自分たちの持っている知恵や技術のことをいう。

創発とは、複雑系研究の分野で生まれた用語だ。多様な専門領域や思考を持った人たちが、お互いに影響しあっているうちに、新しい価値が化学反応的に内側から創出されることをいう。

ソムリエの最初の大切な仕事とは、「観察」すること。

本質力とは、事象の「見える化」を通して、わかりやすく「論理的に組み立て」、重要なことに「絞り込む」能力である。

畑村洋太郎『失敗学のすすめ』講談社

大事なことは、ひとつには学ぶ人間が自分自身で実際に「痛い目」にあうこと、もうひとつは自分で体験しないまでも、人が「痛い目」にあった体験を正しい知識とともに伝えることです。

失敗とは、人間が関わって行うひとつの行為が、はじめに定めた目的を達成できないこと。別の表現を使えば、人間が関わってひとつの行為を行ったとき、望ましくない、予期せぬ結果が生じること。「人間が関わっている」と「望ましくない結果」のふたつがキーワードです。

小さな失敗を不用意に避けることは、将来起こりうる大きな失敗の準備をしていることだ。

放っておくと失敗は成長する。防止策が打てなければ、失敗はさらに大きな形で現れ、まわりに多大な被害を与える致命的失敗へ成長するというのが、まさに、失敗のハインリッヒの法則、の考え方です。

大きな失敗が発生するときには、必ず予兆となる現象が現れます。

初代が苦労しながら経済的基盤をつくった商売は、その姿を間近で見てきた二代目によって保持されます。ところが、先々代の苦労や失敗を知らない恵まれた環境で育った三代目になると、簡単に身代を潰してしまうことがよくある。先々代の苦労や失敗をまったく知らないために商いの道にはうとく、そのくせ使えない知識だけは持っている。

地震がきたらまず振動が収まるのを待って、それからすぐに火を消せ。

失敗情報はローカル化しやすい。ひとつの場所で起こった失敗は、ほかの場所へは容易に伝わらない。

失敗情報は組織内を上下動しない。

優秀なメーカーの営業マンの条件のひとつに、「自分の会社のものの流れをよく把握していること」というのがあります。

BSの負債の部に「潜在失敗」というのを加えてはどうか。

失敗の法律上の扱いは、日本はアメリカに学ぶべき点が多いように思います。

単純な理由で致命的な失敗がおこる原因、①技術が成熟していること、②大増産、もしくはコストダウン対策やリストラ策がはかられているところ、大きくはこのふたつです。

局所最適と全体最悪

QC活動のような管理強化の最大のメリットのひとつに、徹底したマニュアル化によって作業者に選択肢をあたえず、最大効率、品質保持を実現できる点があります。

「せんみつ」などといわれるように、新しいことに挑戦するときには、千のものを手がければ、そのうちの三つ程度がかろうじてうまくいくといわれます。

会議の目的は、本来は議論により結論を得ることと、決められたことを連絡する場合の二種類に大別できます。

労働災害の専門家によれば、企業のトップが安全管理に意識して取り組んでいるか否かで、罹災率は三倍ちがってくるそうです。

金井壽宏『組織変革のビジョン』光文社新書

トップが大きな絵を描き、人びとを巻き込み、ミドルがその絵と両立する自分なりの絵を描き、さらに若手を巻き込んでエンパワー(元気づけ)する。そこで、顧客との接点である現場で顧客が喜んでくれる真実の瞬間が起こり、それが上にフィードバックされて会社もトップも元気になる。

テイラー以前には「標準」というものを、測定し設定するという発想すらなかった。

組織に所属するものは、インコンピテエンス(無能)レベルまで昇進する。

ある世界の頂上で有能であっても、別の社会へ横滑りを繰り返せばやがて無能レベルに達する。

ひとを束ねているけれど、与えられたことをきちんと皆にやってもらうマネジャーに移行するステップがあり、さらに自分で絵を描いて(権限に基づいてではなく)、変革のシナリオを練り上げてそれを実行するリーダー・レベルへの筋道がある。

ゲーテの名作『ファウスト』の「悲劇第一部」は、「いやはや、これまで哲学も、法律学も、医学も、むだとは知りつつ神学まで、営々辛苦、究めつくした」ではじまっている。

一生懸命考えている人ほど、即効薬や万能薬がないことを知っている。

会社をよくする特効薬はない。もしあったらよい会社ばかりになる。

同じ開発の仕事でも、立ち上げの段階から、あとでかかわってくるひとに頭を突っ込んでおいてもらったほうがいい。

大きな原則は変えてはならない。

安定こそ不安定であり、不安定が安定である。

企業が困難に直面するのは、いつもその企業自身に原因があります。もちろん経済環境も無関係ではありませんが、問題の根源はつねに企業自身にあるのです(ゴーン)。

組織変革で臨床心理学アプローチが意味を持つ最大の理由は、個人が変わらなければ組織は変わらないという点にある。

組織変革が失敗に終わる八つのつまずきの石(コッター)

  1. 現状満足を容認してしまって十分な危機感がない
  2. 変革を進めるのに必要な強力な連帯を築くことを怠る
  3. ビジョンやミッションの重要性を過小評価する
  4. 従業員にビジョンを十分にコミュニケートしない
  5. 新しいビジョンに立ちはだかる障害の発生を放置してしまう
  6. 区切りごとに成果、進捗を確認することを怠る
  7. あまりに早急に勝利を宣言する
  8. 変革を企業文化に定着させることを怠る

野口吉昭『コンサルタントの「現場力」』PHPビジネス新書

ドラッカーも、もともとマーケティングというのは非営利組織から始まった、と言っている。

ダイエーの現場力とは、商品の品揃え力であり、顧客対応力であったはずだ。しかし、オーナーの顔ばかり見るような社内志向の悪玉遺伝子に満ち満ちてしまっていた。

相手に言いにくいことを言うコツ。あなたの会社の強みはこれとこれであり、だから成長したんだと、成功要因はこれだったということを、最初に言ってあげるのだ。

男性は執着する。だから争いも起こったりもする。過去に、女性の指導者が起こした戦争はほとんどない。

いくらいい戦略を立てたところで、実行してもらわなくてはどうしようもない。

カーネーギーの不朽のベストセラー『人を動かす』。これは裏を返せば、多くのアメリカ人がそうはできていない、ということにもなるだろう。

学級崩壊を起こしている先生を調べたところ、共通することとして、声が教室の後ろまで通らないということがあったという。

2009年3月 6日 (金)

若松義人『トヨタの上司は現場で何を伝えているのか』PHP新書

相手を「一〇メートル離す」ではなく「一周遅れ」にする発想でゆけ。

失敗の記録をつけておけ。失敗をただでは片づけない。みんなが共有し、代々受け継ぐ「財産」とする。

「なぜ見つからないかわかるか」。「そんなものは簡単だ。見つかるまで探していないからだ」。

どれほどすばらしい理論やシステムも、定着のためには自社なりの改善が必要である。

自分がスコアを伸ばしたと思っても、ライバルたちはもっと伸ばしてくる(宮里藍)。

停滞は後退と同義語だ。

恐れずに失敗するためには、いくつかのルールがある。①失敗したら自分で直す、②同じ失敗は二度としない、③失敗を記録しておく。

クレームは一格上が顔を出せ。

止まったんではない、止めたんです。

どうすればラクになるか考えろ-提案をクセにする。

大前研一『下剋上の時代を生き抜く即戦力の磨き方』PHPビジネス新書

キャノンはパソコン事業を切り捨て周辺機器に資源を集中したことが、現在の成功の要因だろう。その大英断を下せる人間が、トップにいたことが重要なのである。

ナイキというのは、誰が見てもこれぞ真のプロというアスリートしかスポンサードしない。

四十歳を過ぎてまだ頭角を現さないなら、その人が今後いまの会社で、突然ブレイクする可能性はほとんどない。

名札(MBA)と値札(マッキンゼー)。

ローンを組む場合も、金額の目安は年収の五倍までに抑える。

即戦力というのはあくまで、まったく新しい環境に放り込まれても、冷静に本質を見極め、正確な判断や意思決定のできる、プロフェッショナルのことなのだ。

勝ち組の発想、思考回路は、間違えたらどうしようなんてことは考えない。まず動いてみて、そこから修正を繰り返し、自分なりの方法論をつくっていく。

日々爪を研ぎ、即戦力としての実力を身につけ、自分の人生設計だけはアウトソースしないで、職場では虎視眈々と出番をうかがっていればいいのである。

2009年3月 5日 (木)

ゆうきとも『人はなぜ簡単に騙されるのか』新潮新書

表が出ればボクの勝ち、裏が出ればキミの負け。

マルチプル・アウト

信実と誠実なくしては、礼儀は茶番であり芝居である。

金井壽宏『リーダーシップ入門』日経文庫

会社では名部長といわれたのに、自治会長としてはだめだったひとは、リーダーシップという点では反省したほうがいい。何の権限も肩書も関係ないのに、「町内会の祭りといえば、みんなあの八百屋のおやじの言うことを自然と聞くんだよな」という状態であれば、より純然たる自然発生的リーダーという点では、この八百屋の店主にも入門したほうがいい。

ピーコ『センスを磨く心をみがく』幻冬舎

お葬式の香典のお金はピン札は×、もし新しいのしかなかったら1回折りたたんでから香典袋に入れなさい。服装も香典のお礼も、訃報を聞いて、取る物も取りあえず急いで来ましたということを表すのです。

佐藤可士和『佐藤可士和の超整理術』日本経済新聞出版社

モノの定位置を決めると、把握しやすくなる。

仮説を立てて、恐れず相手にぶつけてみること。相手の言っていることがある程度まとまったら、「それって、こういうことですか?」と、自分なりの言葉に置き換えて投げ返してみてください。

本田直之『レバレッジ・リーディング』東洋経済新報社

わたしのしてきたことは、ほとんどが誰かのまねだ(ウォルマートのサム・ウォルトン)。

同じことを10人の著者が主張していたら、それはもう原理原則と呼べるのではないか。

カラーバス効果。

2009年3月 4日 (水)

トム・ピーターズ『トム・ピーターズの経営破壊』TBSブリタニカ

すべての組織が、あらゆるものを廃棄する覚悟をしなければならない。

市場で優位な立場を保持するには、次々に新たな挑戦をして、競争相手を出し抜くしかない。さもなければ相手に蹴落とされる。

本当に「けったいなヤツ」とは、六歳だろうが六十六歳だろうが、いつでもトラブルを起こしているような人間を指すのではないだろうか。

経理でも製作部門でも、私がいちばんキラリと光っていると思う人間は、かならず組織に溶け込めずにひどく苦労する。

一般に天才と呼ばれる人びとは社会の周縁に生きていて(いつもありきたりの常識とその売り込み屋を疑ってかかり)、何歳になっても子どものように「知的な無邪気さ」をもちつづけるという。

才能ある人は、自分の好きなように振る舞う。それが才能のある人間と月並みな人間の違いだ。

まず第一にしなければいけないことは、「おもしろい企業」をめざすこと。もう、「やるっきゃない」のである。

本当に「突飛な変わり者」をつかまえたら、法外なカネを払ってでも、また取引銀行が真っ青になろうと組織が混乱しようと、構わずに採用すべきだ。

あなたの製品カタログを16歳の娘さんに点検してもらうべきだ。

「クレージー」かもしれないが、それが「まともなもの」なのだ。

『エクセレント・カンパニー』を書いたとき、「エクセレント」の度合いを測る尺度として、企業の長期的な財務状態を挙げた。今思えば、考えが足りなかったと思う。

人びとがどうしても買いたくなって店まで出かけていくような、何かわくわくする魅力がなくてはだめだ。

履歴書に何の空白もなかったり、二つ三つの事故がないような人間は雇うなかれ。どうだろう、あなたにもそうする勇気が湧いただろうか。無理かな、とも思う。だがそれなら、今後もありふれた製品・サービスを提供するだけの会社で甘んじるしかない。

樺旦純『人を動かせる暗示トリック』青春出版社

世の中でもっとも耳に響く音楽は、自分の名前の響きである(D.カーネギー)。

ファミレスでは、客がきたら、外から見える窓際のテーブルから順に案内するよう、従業員マニュアルに書かれている。

コンビニの雑誌売り場が必ず窓際にあるのは、店内に客が常にいるという状態をつくっておくことが集客に大きく貢献するからだ。

人には、はじめに与えられた情報のほうを信じやすいという傾向がある(初頭効果)。

人は、ある人物を評価するとき、その人の背後や周囲に何があるのかを重視する傾向が強い(ハロー効果:後光効果)。

結婚詐欺の被害者は、被害にあったことを認めず、「普通の恋愛であった」と言い張る人が少なくない(認知的不協和)。

アーノルド・ベネット『自分を最高に生きる』三笠書房

この男が幸福でないのは、人生の目的を達成してしまった今、他にこれといって興味をひかれるものがないからであり、また、すっかり身にしみついてしまった習慣の奴隷になって抜け出せなくなってしまったからである。半世紀の間、周囲の平凡な世間との交わりを避けてきたが、今はその仲間に入れてもらわなくてはならない。しかし、疎外されているように感じてしまう。そして彼の人生は容赦なく終局へと近づいている。「人生をやり直したい。でも、もう駄目だ」。

経済的自立の点でいえば、平均的な家庭の主婦はほとんどお先まっくらな状態であると言っていい。

同姓である男たちから嫌われている男には気をつけたほうがよい。この手の男は、えてして女性を喜ばせるのがうまい。女性のハートをしっかりとつかんでしまう。まるで催眠術でも心得ているかのように女性をうっとりとさせ、甘い言葉で恍惚状態にさせてしまう。だが、これも長くは続かない。たいていは苦渋を飲まされたあげく、彼の仲間の男性たちの判断のほうが正しかったと悟るときが必ずやってくるからだ。これには例外もあるだろうが、少なくとも私はいまだにそんな例外にお目にかかったことがない。

鏡に映しだされるおぞましい真実-道行く人の何げないばかにしたような視線が物語る事実-に、女性が人知れず悩んでいることに、一般に男性はあまりにも無関心すぎるということも、心にとめておきたいものである。

子供っぽいというのは偉い男の特徴だと言われている。

ロバート・スレーター『ウェルチの戦略ノート』

組織の内外を問わず、新しいアイデアを積極的に探す。

業界のイベントに顔を出して、次の革新的アイデアを生み出す可能性のある業界の仲間と親しく交歓する。

友好関係のある企業で最も親しい10社に電話をかけ、そのビジネスに取り入れた細心のアイデアを必ず聞きだす。

毎週1時間から2時間、競合相手のウェブサイトをあたって、そこから何か学習するものがないかどうか注意深く検討する。

非常に革新的な経営のアイデアを取り上げた雑誌の特集記事を見落とさない。

最新のビジネス書から目を離さないこと。特にイノベーションと最先端のテクノロジーに関する書籍をはずしてはいけない。

2009年3月 3日 (火)

山田玲司『非属の才能』光文社新書

二十四時間三百六十五日、魚のことばかり考えているさかなクンに、四〇歳まで自分が何者なのか悩み続けたのっぽさん。彼らは、群れの掟に従えば、人と違う自分だけの感覚、自分だけの才能がすり減ることを知っていた。

俳句の感想まで誰かと同じにすることはご勘弁願いたかった。

「まだ結婚しないんですか?」みたいな感覚まで他人様と合わせろとなると、それはもはや協調を求められているのではなく、同調を求められているのだ。協調はしても同調してはいけないのだ。

失敗したのではない。一万回うまくゆかない方法を見つけたのだ。

ムラの掟と場の空気を最優先し、とりあえず無難に生きた人間が歴史を変えることなどあり得ない。

医者や弁護士になる試験はあっても、ブルース・リーになる試験はない。

あまり苦労せずに安定した人生が送れるという親心。つまりこれは、自分の子どもの背中に「私は凡人」というタグを貼りつけているのと同じことだ。

伝説的番組『できるかな』の「のっぽさん」は、子どもを一度として未完成な人間として扱ったことはないという。子どもは「小さな人」なだけで、すでに立派な個人だと言う。

王道は大渋滞しているのだ。

本当に魅力的なものは、そもそも道のないところにあるのだろう。

人生を変えた出会いはたいてい「なんとなく直感」で決めたときに訪れることが多い。

実際には、そういった変わり者がやがて群れ全体の流れを変え、いつしか彼らは「ヒーロー」と呼ばれる存在になる。

変わり者のいない群れは、多数決と同じでいつも同じ思考・行動をくり返し、環境や時代の変化に対応できず、やがて群れごと淘汰されてしまう。停滞した群れの未来はたいがい変わり者の「迫害されがちな才能」にかかっている。変わり者は一利なしどころか、百利を生む可能性を秘めているのだ。

「みんなが昼に行動するなら、私はそのあいだ寝てますよ」みたいな戦略も、生存競争では有効な戦略なのだ。

あえて崖の上で暮らすことを選んだヤマユリやドールシープ、まさかの超深海生物に、灼熱の砂漠に住み着いた変わり者までいる。

一度失踪してしまうとそのまま会社を辞めてしまう人間が多い。これでは、せっかくの一皮剥けた貴重な人材が会社に残らない。というのも、失踪して戻ってきた者は、失踪しなかった者よりクリエイティブな仕事をする可能性が高いからだ。会社という小さな属から一度外れて物事を見た経験は、必ずプラスに働く。だったら、事前に失踪権さえ与えておけばいいだけの話だろう。日本人は、群れから一度はみ出した者を二度と群れに受け入れないことがほとんどだ。それでは非属の才能の持ち主を孤立させるだけで、群れ自体の利益にも結びつかない。

情報が少なければ少ないほど、制約が多ければ多いほど想像力は豊かになるといって言い。

危うい価値観に支配された群れのなかから発される人の言うことは99%聞くな。

彼らにとって「引きこもる」ということは、おのれの内なる宇宙に耳を傾けるための最低条件なのだ。

和をもって属さず。

新しいことにチャレンジすれば、結果は必ず“失敗”である。

何かを本気で三回すすめられたら、絶対にそれを試してみることにしている。

メスの遺伝子ははるかに優秀で、何が人間にとっての価値かということを見抜いてしまう。

本田直之『レバレッジ・シンキング』東洋経済新報社

部屋の片づけでも、壊れているものを修理に出すでもかまいせん。自分の身近にある、少し面倒くさいと感じる問題を毎日少しずつ解決するようにしましょう(築山節)。

一握りの天才を除いたほとんどの人は、誰か成功した人のやり方を学んで、そこに自分なりの応用を加えるのが成功の近道です。

向谷匡史『人はカネで9割動く』ダイヤモンド社

プレゼント三割返し。

お礼の電話はキリのいい時間にする。

第一印象は持続する。

チップはその日にサービスを受けたいと思えば、先に渡すこと。

人間関係は、いったん上下がついてしまえば、容易にはひっくり返らない。

小規模のパーティーでは奮発すること。結婚披露宴などお祝い事では、誰がいくら包んできたか、主催者は何年たっても覚えているのだ。

限られたお金を投ずるなら、小物にかけるべし。カバン、名刺入れ、筆記用具。

私という大事な客に、しみったれた姿を見られてカッコ悪いと思わないのか。

外まで見送っても、わずか数歩。このわずか数歩が大きな富を運んでくることに気づくかどうか。

割り勘は絶対に避けること。

小爺を殺すなら、自尊心をくすぐること。

お礼の品物は、頂いた品物に合うもの。

2009年3月 2日 (月)

大前研一『大チャンス到来!ビジネス力の磨き方』PHPビジネス新書

松下幸之助は、部品は安いところから買えというルールをつくり、市場原理よりグループのつながりを優先することを認めなかった。これもまた勇気である。その結果、松下はグループ全体の競争力を高めることに成功した。この逆をやった会社は全部失敗している。

ジャック・ウェルチ氏は、私を見つけると「ケン、ワッツ・ニュー」と声をかけてくる。なんでもいいから最近気になっていることや、考えていることを教えろというのだ。

自分の考えや意見を積極的に人に伝えたいときは、相手にふさわしい伝え方を選ぶ。

自分の専門分野だったら、対象に合わせてとっさに差し替えが利くくらいの話のストックは、日ごろから用意しておくべきなのだ。

聴衆を納得させ、同時に完成度の高い講演だったと思わせるには、話を始める前に、最後の一分間で何をいうかを決めておくのだ。

とにかく、私の返事が遅くて動けないという人がいないということが、私にとっては重要なのである。上司になったら自分だけではなく、部下の効率をいかに上げるかも同時に考えなければならないのは常識だが、ここに気づいていないマネジャーが日本には多い。仕事は下流に行くほど広がるから、組織の上にいる人ほど、素早く判断を下さなければ全体の効率は上がらないのだ。だから私は、いかに自分がチームのボトルネックにならないかを、最優先に考えることにしているのである。

日本の優先課題は、中国やベトナムに行っても見つからないほど優れた能力をもったプロフェッショナルを育てることだ。それも大量にではなく、たった一人でもよい。

世紀の偉業の裏には、このような周到な準備と努力が隠されていたというわけだ。

2009年3月 1日 (日)

遠藤功『ビジネスの”常識”を疑え!』PHPビジネス新書

フレームワークというのは、いってみれば企業活動を平面的にとらえたものにすぎない。つまり、ダイナミックに行われている企業活動をそうした既製の枠組みにはめ込んで把握しようと思っても、もともと無理な相談なのだ。

企業の環境分析にツールやフレームワークを用いるなら、出来合いのものをありがたがって使うのではなく、どういう項目で分析する必要があるのかという評価軸から自分たちで考え、独自のフレームワークをつくるところから始めなければならない。

既存の商品や店舗が低迷しているから、そこは放っておいて新商品や新店舗に活路を見出そうというやり方では、一度や二度はうまくいっても、遅かれ早かれ行き詰まるのは目に見えている。いまある商品や店舗の売り上げを着実に伸ばす工夫をきちんとやって、そのうえで余裕があれば、新商品や店舗のことを考えるというのが、昔もいまもビジネスの基本であることに変わりはない。

POSデータはあくまで、現在の顧客層を対象にした実績管理であると理解しておくこと。つまり、どんなお客様がどのような商品を好んで購入しているのかといったことはよくわかるのだが、そこから外れる顧客の嗜好や傾向は、いくらPOSデータを眺めても、決して見えてこないのである。「明日の顧客」に届く商品はなにか。それはPOSに頼っていてもわからない。POS以外の市場調査などを通じて、自分たちで考えるほかないのである。

真に優秀な人間とは、自分がいなくなっても業務の品質が下がらないような仕組みをつくり上げた人のこと。

「仏作って魂入れず」では、内部統制はいつまでたっても実現できない。

セブンイレブンの鈴木会長が「他店見学厳禁」を社員に徹底しているのも、安易なベンチマーキングは百害あって一利なしであることを知っているからである。

内藤誼人『人を操るブラック洗脳術』ぶんか社

場の徳を用いて、場の勝ちを得る(『五輪書』)。武蔵は、勝つための条件をあらかじめ勝負の中に作っておくことの大切さを述べている。

ピグマリオン効果とは、周りかの期待や励ましで成績などが上昇することです。

人は、自分の力以上にたくさんのお金をもらうと、「こんなにしてくるなら、俺も実力以上の力をださなきゃならんな」と発奮してくれるものなのだ。

相手の話がさっぱりわからなくても理解する。

自分が他人にした施しは覚えているが、他人から受けた施しはほとんど覚えていない。

有名な理論を使って経営をやっていると、雑誌などマスコミで大きく扱ってもらえる、という効果はあった。つまりパブリシティ効果だけは認められたわけだ。

たくさんの本を読み、他人の経験を自分の経験であるかのように“代理経験”しておけば、いざというときにもはるかにうまくやれるのである。

世の中はおおむね16%の人に動かされている。

新しいことをやろうとすると、たいてい古い勢力の抵抗を食らう。

人間の行動が習慣化するまでには最低20日かかる。

知らないことでも、知っているように堂々と語れ。

一般常識ほど、アテにならないものはない。

クラフォルツ他『ザ・キャッシュ・マシーン』ダイヤモンド社

TOCの目的は企業マネジメントをアートからサイエンスに変えることにある。つまり、複製したり他の者に委譲することが不可能な個人の才能に多くを頼る活動から、組織的に構築され、複製も可能、また誰にでも学習、理解が可能な一定の法則やルールによって治められた何かへと変換するというのだ。

TOCは、システム全体のパフォーマンスは、実は、数少ないいくつかの制約条件によってのみ左右されると唱えている。

一つの生産ラインにボトルネックは二つはない。一つしかないんだ。だから、ボトルネックは一つずつ解消していかないといけない。一つ解消できたら、また新たに発生したボトルネックを探していくんだ。

経営はアートではない、サイエンスだ。TOCの目的は、企業マネジメントを「アートからサイエンス」に変換させること。

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