ジョー・ジラード『世界一の「売る!」技術』フォレスト出版
クロージングできなかったら、最大の目的は果たされていない。
この本を読めばわかるが、優秀なセールスマンならどんな商品でも売れる。なぜかといえば、これは人間相手の商売で、人間は所詮人間だからだ。人は商品を買うのではなく、人を買う。
往々にして、アイデアは別の人の頭に移植されたときのほうが、アイデアが生まれた場所にとどまるよりも良く育つものだ。
自動車の値引き交渉はアメリカの商慣習の一つなのだ。値切るのは性に合わないなどと言っていたら確実にぼられるだろう。
顧客に「プロフェッショナルで知識が豊富な感じのいい人間」と思われるような雰囲気を作ることだ。脅され、だまされると思っていた客をどれだけ安心させることか。
商品を人に売り込むには、その前に自分が100パーセントその商品に惚れ込まなければならない。それでなければ自信をもって売り込むことができず、いくら取り繕っても見破られてしまう。
金のことしか眼中にないセールスマンが成功することはめったにない。顧客にはセールスマンの目や顔一面にドルマークが書かれているのが見えるのだ。顧客の利益を第一に考えなければならない。自分の利益は二の次だ。金のことは忘れよう。顧客を大事にすれば大きなコミッションは自ずとついてくるものだ。
いいレストランはどうやって生まれるかご存知だろうか。答えは、口コミだ。客は経営者によくしてもらったら人に話すからだ。評判のよい店というものは料理だけでなく愛と心づかいでもてなすものだ。
客がタバコを持ってくるのを忘れたら、棚から銘柄の違うタバコを10箱取り出す。そしてたばこと私の名前入りのマッチ箱も客のポケットに入れる。私は何をしていたか? 彼に恩を売っていたのだ!。
お勧めしたいのは、「~と思いませんか」という言い方を頻繁に使うよう習慣づけることだ。
神は人間に口を一つしか与えなかったが、耳は二つ与えた。つまり、神は人間が話すことの倍、聞くことを望んでいるのだ。
相手の話をよく聞き、時折メモを取って見せることだ。相手の自尊心を大いにくすぐらせる。
今日の市場では、誰もがプロと取引したがっている。だから一度プロと認めたセールスマンの話には、顧客は安心して耳を傾ける。
セールスプレゼンテーションに二つと同じものはない。
クロージングテクニックのストックを持たなければならない。
すぐに買わなければ恐ろしい目に遭うと思わせることが必要だ。救命ボートのセールスマンは、沈みゆくタイタニックの船長になら難なくその場で商品を買わせることができただろう。
顧客にはいい買い物をしたと必ず言ってあげなければならない。繰り返すが「必ずだ」。すでに言ったように、多くの顧客が分不相応な買い物だったのではないかと思い返し、不安になっている。そうではないことを保証する必要がある。だから、言ってあげるのだ。
ここに来る前に店を回ってきて、100ドル安く買えるところもあったが、君が気に入ったから、君から買うことにしよう。このように言われることが私にとって一番の褒め言葉だ。リピートセールは、最初に売ったときに比べれば非常に楽で労力もほとんどかからない。
たとえ客が悪くても、客を満足させるのがセールスマンの仕事だ。たとえ自腹を切ることになっても。これが賢いビジネスのやり方だ。新規の顧客を捕まえるのにいくらかかるかわかっているならなおさらだ。とにかく、新しい顧客の獲得には既存の顧客をつなぎ止めておくのにかかるコストの何倍ものコストがかかる。
私が顧客との関係強化によく行っているのは、定期的に郵便物を送ることだ。
ジョー・ジラードから車を買ったら最後、国を出ない限りあの男から逃れることはできない。
顧客は質の高いサービスを喜び、それを提供してくるセールスマンの元へ繰り返し戻ってくる。それだけでなく、別の顧客も連れてきてくれる。こうして雪だるま式に顧客は増える。
忘れないようにもう一度言っておこう。とことんサービスすることだ。顧客がよそと取引することを考えただけで後ろめたくなるほどサービスすることだ!。
私のやり方を自分流にアレンジし、私以上にうまく使いこなしてほしい。さあ、お手並み拝見だ!。
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