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2009年3月 7日 (土)

畑村洋太郎『失敗学のすすめ』講談社

大事なことは、ひとつには学ぶ人間が自分自身で実際に「痛い目」にあうこと、もうひとつは自分で体験しないまでも、人が「痛い目」にあった体験を正しい知識とともに伝えることです。

失敗とは、人間が関わって行うひとつの行為が、はじめに定めた目的を達成できないこと。別の表現を使えば、人間が関わってひとつの行為を行ったとき、望ましくない、予期せぬ結果が生じること。「人間が関わっている」と「望ましくない結果」のふたつがキーワードです。

小さな失敗を不用意に避けることは、将来起こりうる大きな失敗の準備をしていることだ。

放っておくと失敗は成長する。防止策が打てなければ、失敗はさらに大きな形で現れ、まわりに多大な被害を与える致命的失敗へ成長するというのが、まさに、失敗のハインリッヒの法則、の考え方です。

大きな失敗が発生するときには、必ず予兆となる現象が現れます。

初代が苦労しながら経済的基盤をつくった商売は、その姿を間近で見てきた二代目によって保持されます。ところが、先々代の苦労や失敗を知らない恵まれた環境で育った三代目になると、簡単に身代を潰してしまうことがよくある。先々代の苦労や失敗をまったく知らないために商いの道にはうとく、そのくせ使えない知識だけは持っている。

地震がきたらまず振動が収まるのを待って、それからすぐに火を消せ。

失敗情報はローカル化しやすい。ひとつの場所で起こった失敗は、ほかの場所へは容易に伝わらない。

失敗情報は組織内を上下動しない。

優秀なメーカーの営業マンの条件のひとつに、「自分の会社のものの流れをよく把握していること」というのがあります。

BSの負債の部に「潜在失敗」というのを加えてはどうか。

失敗の法律上の扱いは、日本はアメリカに学ぶべき点が多いように思います。

単純な理由で致命的な失敗がおこる原因、①技術が成熟していること、②大増産、もしくはコストダウン対策やリストラ策がはかられているところ、大きくはこのふたつです。

局所最適と全体最悪

QC活動のような管理強化の最大のメリットのひとつに、徹底したマニュアル化によって作業者に選択肢をあたえず、最大効率、品質保持を実現できる点があります。

「せんみつ」などといわれるように、新しいことに挑戦するときには、千のものを手がければ、そのうちの三つ程度がかろうじてうまくいくといわれます。

会議の目的は、本来は議論により結論を得ることと、決められたことを連絡する場合の二種類に大別できます。

労働災害の専門家によれば、企業のトップが安全管理に意識して取り組んでいるか否かで、罹災率は三倍ちがってくるそうです。

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