堀之内九一郎『どん底からの成功法則』サンマーク出版
髪を長くしている生徒に対し、バリカンを手にした先生は「これでオレの頭を刈れ」と、まず自分を丸坊主にさせてから、「よし、今度はお前らの番だ。オレも切ったんだからおまえらも切れ」と全員丸刈りにしてしまったこともありました。
テストの前になると「カンニングしていいぞ」と言い出すのです。「いまから配る紙だけは持ち込んでいいから、これを持ってこい」と。私たちは喜んでその髪に公式だの解法だの、何だの細かくびっしり書いて、裏も表もすき間なく字を埋めました。ところが、いざ試験に臨むと、カンニングペーパーなんかまったく必要ないではありませんか。「問一、何々ついて知っていることを述べよ」、これだけなのです。おまけに採点もしないのです。「テストなんかどうでもいいんだよ」と言いたかったにちがいないのですが、ところがみんな必死にカンニングペーパーを作ったものだから、公式から何から全部鮮明に覚えているのです。破天荒でハチャメチャなその先生からは、勉強よりも本当に学ぶとはどういうことか、生きるとはどういうことかを教わったように思います。
「マネーの虎」で最も印象に残っているのは、足の不自由なパイロットの志望の女の子のことです。しかも、アクロバットをやりたいと言うのです。
夜逃げした家の家財道具を何万円かで買い取り、ランドセルを背負った女の子に頑張れよと五千円札を一枚、お小遣いをあげて帰りました。
どん底から這い上がるための絶対法則「とことん反省し絶望を受け止め、そしてすべてを捨てて身軽になること」。
「マネーの虎」で私が出資するかしないかの条件はきわめて単純です。第一印象で、その志望者を自分は好きになれるかどうか。
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