藤本義一『商人道』日経ビジネス人文庫
運というのは、待っていてもやって来んということや。自分で足や頭を運んで行って、掴むものや。
印鑑の一番大切な部分は、捺すところよりも軸にあるというところを忘れてはいかん。
商人は低姿勢で感情を抑えて客に対応する必要がある。
商いの三法。始末、算用、才覚である。始末とは書いて字の如く、最初(始)と結果(末)をきっちりと合わす節約のことである。帳尻を合わすことが第一義ということだ。収支決算を合わせることである。毎日毎日の決算の変動をチェックして、その間の微妙な変り方に注目せよということである。算用とは算盤である。ソロバンに合うというのは、損をしていないかを自問自答することである。逆境は会社発展のチャンス。リスクに挑戦してこそ会社発展のチャンス。リスクを熟考すれば、それを上回るメリットをつかむチャンスが生まれる。
倉庫で商品を眠らせておく商人は愚かである。
健康については、予知、予防、管理の順序が正しい。
なんでもこなせる人間なんて一人もこの世にはいない。万能人間などはいるわけがない。だから、一人づつの雇用者をよく観察して、性格、行動力、知識を分析して、上の者が適所に配してやれば、思いがけない戦力になる。
貯めるのはカネ、使うのはゼニ。
商人というのは株とは無縁。
大学で習った学問がすぐに役立つのは学校の先生以外にはない。
下女丁稚を使ひ者と侮ることなかれ。別して心付、それぞれ致すべし。
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