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2009年5月

2009年5月29日 (金)

ブルー・オーシャン戦略

■競争しない

青い海とは、まだ存在しない市場を象徴している。すなわち、知られざるマーケット・スペースであり、手垢のついていない市場である。

■コスト・リーダーシップと差別化を両立させる

初めからコスト・リーダーシップと差別化を同時に実現することが、ブルー・オーシャン戦略の核心であり、これによって新たな需要を創造するようなバリュー・プロポジション(提供価値)が生まれてくる。その結果、多くの場合、競争のない市場が開けてくる。

■ブルー・オーシャン戦略とレッド・オーシャン戦略の違い

ブルー・オーシャン戦略

  • 競争のない市場をつくり出す、あるいは見つけ出す
  • 競争しない
  • 新規需要を創造する
  • 低コスト化と差別化の同時実現
  • デマンド・サイド
  • 収穫逓の法則

レッド・オーシャン戦略

  • 既存市場を対象とする
  • 競争する
  • 既存需要を奪い合う
  • 低コスト化か、差別化の二者択一
  • サプライ・サイド
  • 収穫逓の法則

■4つのチェックリスト

ブルー・オーシャン戦略の教科書には、たいてい次の4つのチェックリストが載っている。

  • 業界常識として製品やサービスに備わっているけれども、取り除いたほうがいい要素はなにか?
  • 業界標準と比較して、ドーンと減らしたほうがいい要素はなにか?
  • 業界標準と比較して、ドーンと増やしたほうがいい要素はなにか?
  • 業界でこれまでないが、今後、加えたほうがいい要素はなにか?

この4つのフィルターを通して吟味するとブルー・オーシャンが発見しやすい、というわけだ。

キム・モボルニュ・編集部『ハーバード・ビジネス・レビュー』、中島孝志『「経営」についてこれだけは知っておいて欲しいこと』

バランス・スコアカード

■バランス・スコアカードとは

体系的に財務情報と非財務情報の併用によって事業業績を測定評価し、将来の事業方針を明らかにするツールとして注目されているのが、バランス・スコアカードです。

バランス・スコアカードは、組織のあらゆる階層にわたって財務的および非財務的指標を「バランスよく」設定すると同時に、下位下層と上位下層間の業績指標の関係や財務指標と非財務指標との関係を体系的にまとめあげている点にあります。

■4つの視点

バランス・スコアカードには、財務的視点、顧客の視点、社内プロセスの視点、そして、学習と成長の視点という4つの視点から業績指標を設定することが推奨されています。

なぜ4つの視点から業績指標を設定することを推奨しているかというと、それは、できるだけ少ない視点で企業業績をよりよい方向に導くことを意図したからです。

財務的視点:事業利益・使用総資本利益率・投資利益率・EVA・売上高伸び率・新製品/新サービス売上高占有率

顧客の視点:顧客満足度・顧客定着率・新規顧客獲得率・ターゲット顧客層の市場占有率・既存顧客層の売上成長率・顧客別収益性・製品開発リードタイム

社内プロセスの視点:労働生産性・作業能率・品質に関する諸指標・サイクルタイム・新製品売上構成比率

学習と成長の視点:従業員満足度・離職率および従業員定着率・1人当たり売上高・1人当たり付加価値

■因果関係

4つの視点には、因果関係があります。4つの視点に関する因果の方向は、一方向ではなく、それぞれの視点相互間で双方向に存在することを忘れてはいけません。

■適用上の留意点

まず、一番大切なことは、非財務的指標を最終的には、財務的指標に関連付けて体系的なスコアカードを完成させることです。非財務的指標を財務的指標と併用してマネジメントを行う試みはたくさんありました。これらとバランス・スコアカードが一線を画するのが、非財務指標を財務指標へと変換することなのです。

第二に肝要なのは、各視点に関して、あまりにも多くの指標をバランス・スコアカードに表示しないことです。

第三は、顧客満足度のような結果指標(事後指標)とそのような結果を導くための達成目標指標(事前指標)とを混同しないことが重要です。

加登豊『管理会計入門』

NPV(Net Present Value=正味現在価値)

NPV=プロジェクトを将来生み出すであろうキャシュフローの現在価値(キャッシュインフローの現在価値)-プロジェクトに必要な投資額の現在価値(キャッシュアウトフローの現在価値)

NPV>0:投資を実行すべき

NPV<0:投資を見送るべき

NPV=0:投資してもあまり意味がない

石野雄一『ざっくり分かるファイナンス』

投資判断の決定プロセス

  1. そのプロジェクトから生み出されるキャシュフローを予測する
  2. 予測したキャシュフローの現在価値を計算する
  3. 投資判断指標の計算を行う
  4. その計算結果と採択基準とを比較、基準を満たしていれば投資を行い、基準を満たしていなければ投資を見送る

石野雄一『ざっくり分かるファイナンス』

シックスシグマ

シックスシグマは、米国のモトローラ社で開発された手法ですが、1996年にGEがこの手法をベースとした「クオリティ2000計画」の実施を公表したことで、一躍有名になりました。

シグマ(σ)のもともとの意味は、標準偏差のことです。日本のTQC実践では、一般に3σが品質不良ないし工程内異常を判断する際の目安とされ、QC7つ道具の1つである管理図における管理限界線もここに引かれています。正規分布における±3σの範囲内には全体の99.73%が含まれますから、一見するとそれは高い品質レベルのように見えます。しかし、これを100万機会あたり欠陥率(Defect Per Million Opportunity:DPMO)で考えると2700回は欠陥が発生することになり、けっして良質な品質レベルとはいえません。しかし、品質分布は、短期的にはともかく、長期には±1.5σ程度のブレが生ずると考えられるため、分布の平均をその分だけずらすと、3σレベルのDPMOは実に6万6807回にもなってしまうのです。

シックスシグマでは、DPMOでは3.4回(3.4ppm)に相当します。しかも、それは上述の±1.5σのシフトを考慮した上での話であり、この調整を行わないとしたら、6σはDPMOで0.002回という、ほとんどパーフェクトに近い品質レベルということができます。

シックスシグマでは、生産工程だけでなくサービスや管理部門の業務効率化を視野に含めた幅広いアプローチがとられることがまず特徴としてあげられます。シックスシグマはかつてのBPRのように、顧客満足の視点に立って経営プロセスのいたる所に潜む無駄や非効率を見直そうとする全社的な業務革新運動といえます。

伊藤嘉博『コストマネジメント入門』、加登豊『管理会計入門』

2009年5月26日 (火)

月次決算10か条

  1. 現金預金が一致しています
  2. 受取手形は補助簿と一致しています
  3. 売掛金は補助簿と一致しています
  4. 在庫は棚卸表と確認しました
  5. 支払手形は補助簿と一致しています
  6. 買掛金は補助簿と一致しています
  7. 仮払・仮受金の内容は正常です
  8. 売上高は正常に計上されています
  9. 固定費で、異常なものはありません
  10. 前月以前で訂正したものはありません

上坂会計編『社員10人までの小さな会社の資金繰りがよくわかる本』

最低限経営者の方に覚えていただきたい15の数字

売上 粗利益 粗利益率 経常利益 経常利益率 支払利息年額 現金預金残高 売掛金残高 棚卸資産残高 支払手形残高 借入金残高 割引手形残高 総資本 純資産 自己資本比率

上坂会計編『社員10人までの小さな会社の資金繰りがよくわかる本』

話し方入門

①強く、持続的な願望を持ってスタートする、②準備は怠りなく。話そうとする内容が十分わかっていないと、自信は持てない、③自信満々に振舞うこと、④練習を積むこと。

そのテーマについて、考え得るかぎりの質問を自分に問うてみること。

準備の段階で聞き手となる人々のことを研究して下さい。彼らが必要とするもの、願っていることについて。それによって、戦いの半分はすでに終わっていることも、時にはあるのです。

セールスマン等のほとんどに見られた最大の弱点は、商品についてできる限りの知識を持ち、しかもそれを販売を始めるまでに自分のものにしておくという、そのことの重要性に気づかない点だった。

知識が整理されていない時、その量が多ければ多いほど思考の混乱は大きくなる一方だ(スペンサー)。

①事実を述べる、②それを出発点として議論する、③行動を呼びかける。

①問題点を挙げる、②その改善策を示す、③行動を呼びかける。

①ここに改革を必要とする状況がある、②それについて、これこれのことをしなければならない、③だから協力してほしい。

①興味をそそる、②信頼を得る、③事実を述べて、聞き手に自分の提案の利点を教える、④人を行動させる動機に訴える。

話し手は、自分のテーマについて熟知していなければならない。それについてありとあらゆる事実を集め、整理し、検討し、そしゃくするべきである。資料は、テーマの一側面だけでなく、別の側面、いや全側面から一つ残らず集めてくる。そして、それらが事実であって、単なる憶測や独断でないことを確認する。たった一つでも、自明のこととしてやりすごしてはならない。そのためには、すべての事実を調べ実証する。なるほど、これは骨の折れる作業である。だが、そんな苦労とて何ほどのものだろう、他人に向かって指導し、教授し、助言しようという時に。権威者として人前に立とうという時に。事実を整理したなら、そこから必然的に導き出される結論を自分の頭で考え出す。そうすれば、スピーチは独創性と個性を得て、生気を帯び人を動かさずにはおかないものとなろう。話し手自身がそこにいるからだ。あとは、まとまった考えをできるだけ明確に論理的に書きだしておくこと。言い換えれば、テーマについて両側面の事実を提示し、次に、それら事実によって明らかになった結論を示すということです。

人柄は遺伝と環境によって決定され、変えることは非常に困難です。

もしあなたが午後四時に委員会の会合で重要な話をしなければならないなら、できれば昼食は軽くし、昼寝で疲れをとります。身体、頭、神経を休めること、それが必要なのです。米国の有名なソプラノ歌手ジェラルディン・ファラーはよく、知り合ったばかりの友人をあきれさせたものです。お休みなさいを言って早々に引き上げ、その夜の残りの時間は夫に客の接待をまかせたものです。それは、彼女が芸術には何が必要かを知っていたからです。

マダム・ノルディカは言いました。プリマドンナであるということは、社交や友人、ごちそうなど、好きなものをすべてあきらめることであると。

もしあなたが何かの専門職についているなら、部外者に話をする時は二倍の注意を払って、平易な言葉を使い、詳しい説明を付け加えるようにしましょう。私は二倍の注意と言いました。

自分の言おうとすることを自分が理解していなければ、人に理解させることはできない。

一般に女性は、歴史に残る十人の偉人の話を聞かせてもらうよりも、自分のことで何か一言でもお世辞を言ってもらったほうがよほどうれしいのです。

話に名前や人称代名詞をたくさん使えば、かならずといっていいほど、聴衆の心をつかむ率が大きくなります。

一言ご注意まで-従来近づきのなかった人の名を即席に人からきいて話のなかに用いる場合には、その名前に絶対に誤りがないことを確かめなさい。

話の四つの目的。①行動をおこすように説得すること、②知識や情報を提供すること、③感銘をあたえ、得心させること、④楽しませること。

賢人のごとく考え、凡人のごとく語れ(アリストテレス)。

D・カーネギー『話し方入門』『カーネギー話し方教室』

統計学入門

■一般的に、普通を表す値には、「平均」「中央値」「最頻値(件数が最も多い値)」の三つがあります。重要なことは、「平均=真ん中とは限らない」、「平均まわりにデータが多いとは限らない」ということです。

■分散は、平均を中心としてどれくらいデータがばらついているかを示す指標。もし、この値が小さければ平均まわりにデータがたくさんあり、大きければ平均からのばらつきが大きい。

■標準偏差は、分散のルート(平方根)を計算したものです。例えば、平均24万ですが、この店の上下の振れは6万円ぐらいだということがわかるわけです。分散・標準偏差とも、値が小さければ平均まわりにデータが集まっていて、値が大きければ平均からデータが散らばっています。

■変動係数とは、ばらつき(標準偏差)が平均の何割かを計算しているものです。例えば、平均の28%ぐらいの幅で上下しているといったぐあいです。

豊田裕貴『現場で使える統計学』

2009年5月25日 (月)

価格戦略

1.新製品の価格対応

上澄み吸収価格戦略・・・新製品に高い価格を設定し、価格にそれほど敏感ではない消費者層に販売しようとする戦略である。

市場浸透価格戦略・・・価格にかなり敏感な消費者が多く、需要の価格弾力性が大きいと判断されるとき、導入時から市場を限定せず大きくとらえ、新製品を低価格で販売しようとする価格戦略である。早い段階で十分な利益を獲得することはできないが、大きな市場シェアを確保しやすい。そして、市場シェアが高まれば、規模の経済性や経験効果を利用してコスト面での優位性を築き、やがては大きな利益が生まれるようになる。市場へ迅速に浸透することをねらう価格設定という意味から、市場浸透価格戦略と呼ばれる。

2.製品ミックスを考慮した価格対応

プライス・ライニング戦略・・・価格帯が形成されていれば、消費者は自分の望む価格帯から製品を選択すればよく、購買時における混乱を避けることができる。一方、企業としては、安い価格帯を追加することでより上位製品の高級感を強調したり、逆に高価格品を追加することにより安さを訴えることもできる。

抱き合わせ価格戦略・・・複数の製品やサービスが組み合わされて販売されている場合、個別に購入するよりもかなり引き下げられた価格が設定されている。

キャプティブ価格戦略・・・メインとなる製品の価格を安く設定し、それを購入させることで一種の“捕虜”を確保する。そのうえで、付随して消費される製品の価格を相対的に高くし、そこで十分な利益を確保するという方針をキャプティブ価格戦略と呼ぶ。

3.心理面を考慮した価格対応

端数価格・・・消費者は9や8をともなった価格に対して、最大限に引き下げられているのだと感じる傾向にある。

威光価格・・・品質の高さやステータスを消費者へ訴えるために、意図的に高く設定された価格が威光価格である。

慣習価格・・・いくつかの製品においては、社会習慣上ある一定の価格が定まってしまうことがある。

4.割引による価格対応

現金割引・・・支払いを先に伸ばさず、ある一定期間内に代金を支払う買い手に対して、売り手は価格を割り引くことがある。

数量割引・・・一度に多くの製品を購入した買い手には、1個当たりの価格が引き下げられている。

機能割引・・・メーカーの多くは、卸売業者だけでなく小売業者にも製品を販売している。このような場合、相手によって異なる価格が設定されることがある。卸売業者と小売業者とでは、保管や輸送など遂行するマーケティング機能の内容において違いがある。そこで、多くの機能を遂行する相手には、それだけ有利な価格を設定しようとするのが機能割引である。

アロウワンスとリベート・・・メーカーが流通業者に対して実施する割引価格である。当然のことながらメーカーは、流通業者が自社製品を有利に扱ってくれることを望む。そこで、自社の意図に沿って行動してくれる流通業者には、アロウワンスと呼ばれる一種の割引で還元することがある。アロウワンスが特定の製品に結びついた短期的な割引であるのに対して、リベートは流通業者との長期的な協力関係を維持するために用いられる。つまりリベートは、流通業者の利益を金銭的にメーカーが補填するという戦略であり、価格対応というよりも流通対応としての性格が強い。

特売価格と季節割引・・・特売価格は、通常時に表示されている価格を一時的に引き下げ、需要の拡大をねらう。需要の停滞する季節に行われるのが、季節割引である。

和田充夫『マーケティング戦略』

論理(ロジック)の五原則

1.基本はピラミッド構造(帰納と演繹で積み上げる)

論理(ロジック)は構造を持っている。「ある命題(メッセージ)が正しい」ことを証するためには、それを支持する二つ以上の下位のサブ・メッセージが必要である。そのサブ・メッセージが正しいことを保証するためには、さらにそれをサポートする二つ以上のメッセージが必要になるので、必然的に下部が大きく、上部が小さい「ピラミッド型」の構造とならざるを得ない。ひとつのメッセージで結論の正しさを保証するために、多くの下部のメッセージ群が必要となるわけである。

2.メッセージは一度にひとつだけ(一文一義)

メッセージを書く際のいまひとつの要件は、「一文一義」を守ること、つまり、ひとつの枠に二つ以上のメッセージを絶対に入れないことである。

3.抜けや歪みのないこと(MECE)

①足し算・引き算で考える・・・MECEに考える第一歩は、部分を数えあげて合計が全体になるようにすることである。この考え方の延長に、引き算がある。たとえば、「世の中には生物がある」とすると、全体から引き算して、「世の中には生物とそれ以外のもの(無生物)がある」とすれば、生物を引き算した残りは無生物で、MECEになる。

②掛け算で考える・・・「一店当たり売り上げ×店数=総売り上げ」、という式を考えることもできる。合計を掛け算で表わす、というのは、MECEに考える際の、非常にうまい方法のひとつである。こうすれば、売上高を増大させるには、店数を増やすか、一店当たりの売り上げを増大させるかの二つのアプローチがあることがわかる。

③軸を考える・・・この「軸を考える」ことのひとつの利点は、軸というものは、数学のX軸とY軸のように、「組み合わせて使える」ということである。

④枠組みを考える

4.抽象のレベルが揃っていること

論理のピラミッドは下にいくほど具体的・個性的、上位にいくほど抽象的・包括的になっている。一般に上位のメッセージを支える下位のサブ・メッセージでは、抽象のレベルが揃っていることが必要である。

5.最下部は、事実かまたは事実に代わる蓋然性の高い仮説

ピラミッド状の階層において、上のメッセージを支えている最下部のメッセージの成立要件を考えてみよう。最下部は、それ以上の論証を必要としないもの、つまり基本的には争うことなく正しいと認められるものでなければならない。そのためには「事実」または、それに準ずるような蓋然性の高い仮説・メッセージでなければならないはずである。この最下部がしっかりしていることは、論理のピラミッドにとって決定的に大切なことである。「砂上の楼閣」ということばがあるが、もしこの最下部がぐらつくと全体が崩れてしまうことは、容易に理解してもらえると思う。

後正武『論理思考と発想の技術』

2009年5月23日 (土)

黒字企業と赤字企業の決算対策

■黒字企業

  1. 臨時・決算賞与の支給
  2. 役員報酬の見直し
  3. 役員退職金の支払
  4. 社員旅行の実施
  5. 減価償却資産の購入
  6. 生命保険などの見直し
  7. 少額減価償却資産の購入
  8. 短期の前払費用の支払

■赤字企業

  1. 役員報酬の減額
  2. 地代家賃の減額
  3. 保険契約の見直し
  4. 借入金の借り換え

FANアライアンス編『オーナー社長だからできる節税と資産づくり』

利益が増加したのにキャッシュが増えないのはなぜ?

■売掛金が増加している

  1. 売掛金の回収が遅れている
  2. 売掛金が未回収のままになっている
  3. 売上先は増えたが、支払サイトが長い掛けの取引先が多い

■受取手形が増加している

  1. 現金(振込)で入金されていたものを手形で受領するようになった
  2. 売上先は増えたが、支払いが手形割合の大きな相手が多い

■在庫が増加している

  1. 在庫量が以前より多くなっている
  2. 不良在庫が多くなっている

■買掛金が減少している

  1. 支払先から要求される支払条件が厳しくなり、サイトの短縮化や現金払い化が進んだ

■支払手形が減少している

  1. 今まで手形による支払いが可能だった取引先が、手形決済を受け付けなくなった

■借入金の返済額が大きい

FANアライアンス編『オーナー社長だからできる節税と資産づくり』

お金の構造4パターン

パターンA・・・返済可能な利益が出ている

パターンB・・・利益は出ているが、返済するには不十分

返済計画の見直しや利益をアップさせる策をいろいろな角度から考える必要があります。

パターンC・・・粗利<固定費(人件費が過剰)で、赤字である

人件費が過剰であり、人件費に見合った粗利をいかに生み出すかを考えるか、あるいは余剰人員の削減、過剰報酬の見直しなどを行います。

パターンD・・・粗利<固定費(その他の固定費が過剰)で、赤字である

リース料や減価償却費など、設備投資に伴う支出が多く、それに見合った粗利を稼げていないので、粗利アップ策を考えなければなりません。あるいは、広告宣伝費が過剰になっているのであれば、費用対効果を考えた販売促進策を練り直す必要もあるでしょう。

和仁達也『脱☆ドンブリ経営』

ビジョンと戦略

「ビジョン」は委員会が生み出すものではない。分析によって触発されるものではない。経営コンサルタントが料理するものではない。

            「ビジョン」とは激しく過激な愛のことだ。

ビジョンと戦略

ビジョンには、普遍的な部分と適応的部分が存在します。適応的部分とは、時代時代に合わせて変わる戦略に基づくものです。普遍的なビジョンは、その会社が社会において担っている大きな使命(経営理念)であり、適応的なビジョンは、戦略に基づいた具体的な目標です。常に普遍的なビジョンが上位概念であり、それに基づいた適応的ビジョンとの一貫性が求められます。

ビジョンのもとに、どう競合と戦うか優先順位と資源配分を見極めたものが「戦略」となり、そのビジョン・戦略を実行可能な計画に落とし込んだものを「戦術」と呼びます。

ビジョン

  1. 自分の使命(この世で自分に課せられていると思うこと)が明確である。
  2. その使命は大儀にかなっている。
  3. その使命に基づいて具体的な目標がある。

戦略

  1. その目標に時間軸が入っている。
  2. 自分の強み、弱みを把握し、それぞれを補うポイントをつかめている。
  3. 時代・場所・国を把握するなかで、右の目標が時間軸において達成可能かどうか、できるかぎり確認してある。
  4. ヒト・モノ・カネ・情報が、それぞれ目標達成に必要なだけ調達が可能と思われる。

市場規模の確認

(年間メーカー出荷金額)+(年間メーカー出荷金額×流通マージン)≒(全ユーザー数)×(1ユーザー年間購入金額)

ビジョナリーコンシステンシー(それぞれの知識を集積して統合し、すべてのレベルでビジョンを整合させること)

  1. 大組織病・・・組織の肥大化で重要な政策決定に時間が費やされ、市場への対応が遅い。
  2. 発想の陳腐化・・・既存事業の立て直し、新規分野参入、新製品開発を早くしたいのに、ものの見方・考え方が画一的で大きな発想の転換ができない。
  3. 低い利益率・・・グローバルな競争が激化するなか、商品・サービスの差別化ができておらず、利益が十分でない。
  4. 戦略情報システムの不備・・・氾濫するデータのなかで各事業部の事業特性が把握しきれないまま、未整理・未確認の情報をもとに重要な意思決定を行わざるをえない。
  5. 企業風土の妨げ・・・核の企業カルチャーから逸脱できず、前年比ベースの売上目標、売上比率の予算配賦・人員投入・投資計画がとられているため、各事業が育成できない。
  6. 年功序列の人事制度・・・コストの高い人の生産性が低く、やる気があって結果を出せる人が報われていない。
  7. コスト意識の欠如・・・働く人一人ひとりが、自分の時間を含めてコスト意識が少なく、無駄な作業が多い。

小泉衛位子『経営の真髄』

■戦略とビジョンの関係

戦略は、個人や企業が将来的に「どうなりたいか」や「どうありたいか」といった理想像-ビジョン-を反映する。そして、ビジョンは、個人や企業にすすむべき方向性と実現すべき目標をあたえる。

谷口和弘『戦略の実学』

倒産アラーム指標

  1. 自己資本比率
  2. 当座比率
  3. 経常収支比率
  4. 借入金依存度
  5. 売上債権回転期間増加率
  6. 仕入債務回転期間増加率
  7. 棚卸資産回転期間増加率
  8. 営業利益支払利息割引料比率

協和発酵工業㈱『人事屋が書いた経理の本』

データ加工・分析の標準的なセオリー

■基本表の作成

  1. 合計
  2. 平均
  3. 並び替え
  4. 構成比
  5. 指数化・・・実数値(生データ)を、ある基準値との差に変換する計算
  6. 構成比の類計
  7. レベル上げ・・・小計を計算して、明細を捨てる

■前年比較

対前年増減対前年比対前年比の増減の3種類が重要です。

経営実務出版編『計数能力を身に付ける本』

2009年5月22日 (金)

5C

■Company(自社もしくはクライアント企業)

  • 自社、もしくはクライアント企業について、どのようなことを知っているか?
  • 売上高や資産の規模はどれくらいか?
  • 株式上場企業か?(上場企業の場合、一般投資家に対する配慮が必要となる)
  • 顧客にどのような製品やサービスを提供しているのか?

■Cost(コスト)

  • 主要な部分を占めているコストは何か?
  • コストは過去どのように変化してきたか?
  • 競合のコスト構造と比較して、自社のコスト構造にはどのような特徴があるか?
  • どうすればコストを削減できるか?

■Competiton(競合)

  • 最大の競合相手となる企業はどこか?
  • 競合他社のマーケットシェアはどうなっているか?
  • 最近のマーケットシェアには変化が見られるか?
  • 競合と比較した場合、自社の商品やサービスにはどのような特徴があるか?
  • 競合他社に対する自社の戦略的な優位性は何か?

■Customer/Consumer/Client(顧客)

  • われわれの顧客は誰か?
  • 顧客が望んでいるものは何か?
  • われわれは顧客のニーズを満たしているか?
  • どうすれば顧客をもっと増やすことができるのか?
  • 顧客を囲い込めているか?

■Channe(流通チャネル)

  • われわれの商品は、どのような流通チャネルを通じてエンドユーザー(最終消費者)の手もとに届けられているか?
  • どうすれば流通チャネルを拡大できるか?
  • われわれが開拓できていない地域や顧客セグメントが存在するか?
  • どうすれば未開拓の市場に進出できるか?

マーク・コゼンティーノ『戦略コンサルティング・ファームの面接試験』

風水

運が良くなるデスクの例

  • パソコンにポストイットを貼り付けたままにしないこと。電話も同じ
  • 電話の周囲はきれいにしておく。ホコリもためないこと
  • 観葉植物を置く。パソコンから出る悪い気を清浄化
  • ファイルは立てて、同色で揃える

頭を下げるのは、名刺を差し出した後の行為。

斜め線を入れた名刺はNG。線がクロスしているデザインは良。

風水は「捨てる」学問です。

財布の持つ運気は3年。

発言力を強めたいときには赤を。企画を通したいときはブルー系、人間関係の和を保ち仕事を発展させたいときは調和の意味を持つグリーン、地位を確立したいときはイエロー系、また、チェック柄は人間関係の向上、ストライプ柄は新しいことの始まりに、ペイズリー柄は人の助力を得やすくする作用があります。

名刺入れの寿命は1年。

財布の寿命は3年。最もお勧めは、黄土色。次は黒。注意すべきは、青と赤。

携帯ストラップは、派手めなものをつけること。

厄とは、外からやってくるものではなく、内からやってくるもの。厄年には男性は緑色の石を持ちましょう。

朝起きたら水を1杯飲みましょう。

人の食は、3歳までに決まる。

最良とされる枕の向きは北枕です。

目上の方に贈り物をする場合の注意点は、「火」に関連する物を送らないこと。

李家幽竹『運のいい人の仕事の習慣』

税務上の繰延資産:保証金の不返還部分

土地を賃借又は使用するために支出する権利金は、「借地権」として無形固定資産に計上します。借地権は非減価償却資産であり、減価償却費の計上はできません。

事務所を賃借するために支出する保証金、権利金及び立退料その他の費用(権利金等)のうち返還されない部分の金額は、法人税法上の繰延資産に該当します。

権利金等の不返還部分は、明け渡し時に転売できるような権利金を除き基本的には5年間で均等償却します。ただし、契約期間が5年未満で、かつ、契約更新に際して権利金の支払いが必要な権利金は賃借期間で償却します。

また、権利金の不返還部分のうち、支出額が20万円未満であるものは、少額な繰延資産として支出時に損金算入できます。

税務上の繰延資産は、会計上は長期前払費用とされますので、決算書においては、固定資産のうち投資その他の資産の部に計上されます。

高下淳子『法人税と経理処理のしくみがわかる本』

商品券の販売と引換え

原則

原則として、商品券を発行した日に益金算入。

商品券など物品切手等の売上については、消費税は非課税とされます。ただし、物品切手等の発行行為は、譲渡に当たりませんので不課税となります。

期末に未引換えの商品券がある場合、法人税法上、次により未引換分の売上に対応する売上原価を見積もって費用計上し、翌期に益金に算入する洗い替え処理を要します。

※引換券を各発行年度ごとに管理している場合

(当期分の未引換券の対価の額+前3年分の未引換券の対価の額)×原価率

※未引換券を発行年度ごとに管理していない場合

{(当期分の商品券の対価の額+前3年発行分の商品券の対価の額)-(当期引換済の商品券の対価の額+前3年引換済商品券の対価の額)}×原価率

特例

商品を引き渡した日に益金算入。

特例の適用は、「①商品引換券の管理を発行事業年度ごとに行っており、②発行事業年度の翌期首から3年経過した日の属する事業年度(足掛5年目)末で未引換金の対価の額を収益計上することの所轄税務署長等の確認を受け、③その確認を受けたところにより継続して収益計上を行っている」場合に適用されます。なお、この場合の未引換分の収益計上は、資産の譲渡等を伴うものではなく、消費税の課税対象とはなりません。

長期割賦販売:延払基準

■割賦基準の方法とは、①履行期日到来基準、②回収基準をもって、売上収益の実現を認める方法である。

■平成10年度の税制改正では、賦払期間が2年未満の割賦販売については、①販売基準により、また、②金利相当部分を区別して経理しているときは金利相当部分についてのみ履行期日到来基準で収益を計上することとされた。

延払基準の適用は、3回以上の分割払い、最後の賦払い期日まで2年以上、目的物の引渡しまでの賦払金の合計額が対価の額の2/3以下であることの要件に適合するものに適用されます。

■販売代価と利息が区分されている割賦販売等

(長期割賦販売等に係る収益の額に含めないことができる利息相当部分)

2-4-11 法人が法第63条第1項《長期割賦販売等に係る収益及び費用の帰属事業年度》に規定する長期割賦販売等(同条第2項に規定するリース譲渡を除く。)に該当する資産の販売等を行った場合において、当該長期割賦販売等に係る契約により販売代価と賦払期間中の利息に相当する金額とが明確、かつ、合理的に区分されているときは、当該利息相当額を当該長期割賦販売等に係る収益の額に含めないことができることに留意する。
 長期割賦販売等(同条第2項に規定するリース譲渡を除く。)に該当しない割賦販売等についても同様とする。(平10年課法2-7「三」により追加、平12年課法2-7「五」、平14年課法2-1「十」、平19年課法2-17「六」により改正)

上杉秀文『消費税の課否判定と仕訳処理』、武田隆二『簿記一般教程』、小池敏範『主要勘定科目の法人税実務対策』

郵便切手等の販売

郵便切手、収入印紙は郵便局等で販売される場合には、非課税となります。

なお、郵便切手や収入印紙をチケット業者やコイン商等で販売する場合は課税の対象となり、また、会社等が購入した郵便切手等をチケット業者等に売却した場合も課税の対象となります。

上杉秀文『消費税の課否判定と仕訳処理』

2009年5月21日 (木)

集団の知恵の法則とジップの法則

■集団の知恵の法則

以下の4つの要件を備えている集団の意思決定は、個々人の意思決定よりも精度が高くなるという法則です。

  1. 意見が多様であること
  2. 他者とその考えが独立していること
  3. 意見の材料となる情報が分散していること
  4. 判断を集約するメカニズムがあること

つまり、一人ひとりのマーケッターやプロがうんうんとうなって考えるより、マーケットに直接問い合わせをしてしまった方が、より正しい結果が得られるということになります。

■ジップの法則

これは、サイズがk番目に大きい要素が全体に占める割合が1/kに比例するという経験則です。例えば、1番目に人口が多い都市は2番目に大きい都市の2倍の人口がいて、3番目に人口が多い都市と1番目に人口が多い都市を比べると、1番目の年は人口が3倍になるという経験則です。要は、上位のものにいろいろなものの頻度が集中し、上位になればなるほど、わずかなランクの違いが大きな差を生む、という理論です。

勝間和代『勝間式「利益の方程式」』

競争地位の4類型

リーダー

リーダーとは、「量的経営資源にも質的経営資源にも優れる企業」と定義され、一般に業界のマーケット・シェア第1位の企業を指す。

◇リーダーの定石

  1. 周辺需要拡大政策・・・市場そのものパイを拡大させることである。
  2. 同質化政策・・・チャレンジャーがとってきた差別化戦略に対して、リーダーがもっている相対的に優位な経営資源によってそれらを模倣・追随し、その差別化効果を無にしてしまう戦略である。
  3. 非価格対応・・・競合他社の安売り競争に安易に応じないことである。なぜならば、すべての企業が揃って2割引をすれば、いちばん利益が減る額が大きいのはリーダー企業であるからである。
  4. 最適シェア維持・・・シェアをとりすぎると、独禁法などの問題により、かえってトータル・コストが高くなる場合もある。

チャレンジャー

チャレンジャーとは、「量的経営資源には優れるが、質的経営資源がリーダー企業に対して相対的に劣るような企業」と定義され、リーダーの地位を狙う立場にある企業をさす。

◇チャレンジャーの定石・・・リーダー企業が追随できない差別化戦略。

ニッチャー

ニッチャーとは、「質的経営資源には優れるが、量的経営資源がリーダー企業に対して相対的に劣るような企業」と定義され、リーダーのようなフルライン政策や量の拡大を狙わない企業をさす。

◇ニッチャーの定石・・・特定の市場において擬似的独占を形成することが必要である。したがって、リーダーの戦略を特定市場で遂行するミニリーダー戦略が有効である。

フォロワー

フォロワーとは、「量的経営資源にも質的経営資源にも恵まれない企業」と定義され、直ちにはリーダーの地位を狙えないような企業をさす。

◇フォロワーの定石・・・経営資源が質量共に劣るため、即座にリーダーの地位を狙える立場にないことから、上位企業の模倣が戦略のベースとなる。下位企業の模倣製品が競争力をもつためには、低価格戦略が必要であり、そのためのローコスト・オペレーションが鍵となる。

大滝精一他『経営戦略』

償却資産税

■対象資産

構築物、機械装置、船舶、航空機、車両及び運搬具(自動車税・軽自動車税の対象となる資産は除きます)、工具器具及び備品

■免税点

課税標準額(全資産の評価額の合計額)が150万円未満の場合、課税はされませんが申告は必要です。

FANアライアンス編『会社の税金コレを知らなきゃ大損です!』

仕掛工事の計算

①材料費

仕掛工事で使用した材料費を現場ごとに請求書から金額を洗い出し、合計を算出します。

②労務費

{(給与+法定福利費+福利厚生費)/出勤日数}×仕掛工事に携わった日数

③外注費

仕掛工事にかかわる外注費の合計です。請求書などから金額を算出するのがよいでしょう。

④その他の経費

◇現場が複数あり、請求書等が明らかに区別されている場合には、その現場の経費の合計となります。

◇現場が複数あり、請求書等が全く区別されていない場合は、以下の算式。

現場の経費合計×(現場ごとの工事見積額/総工事見積額)

以上の①~④で算出した金額を合計することで仕掛工事を数値化することができます。

FANアライアンス編『会社の税金コレを知らなきゃ大損です!』

交際費:情報提供料

■事業者でない者に支払う情報提供料は交際費とするのが原則だ。契約書が交わされないものは情報提供の内容が明らかでないから、任意の社交儀礼的な支払いと同じものと捉えられるからだ。逆に、あらかじめ締結された契約に基づく支払いであれば、相手が非事業者であっても交際費ではなく正当な業務の対価として経理することができる。

■法人税法において損金算入される「情報提供料」とは、情報提供、取引媒介、代理、斡旋等の役務提供を専門としていない一般の方に対して、事前の契約に基づいて支払われる相当な金額の対価をいいます。情報を専門とする業者に対する支払いは、当然ながら、支払手数料などとして損金の額に算入されます。なお、商売上の情報提供の対価であっても、取引先の従業員や役員に対する支払いは交際費です。

また、情報提供料に規定する契約とは、会社と情報提供者の両者が記名捺印するといった正式な契約書の締結まで要求しておらず、「お客さま紹介キャンペーン」などのチラシの掲示・配布でもかまいません。紹介する人が、情報提供の結果として正当な対価を受領できる事実を認識していることが必要なのです。そのため、たまたま顧客を紹介した人への謝礼や、紹介者の地位等により支払額をそのつど変えたりする場合には、それらの支払いは交際費となります。

(情報提供料等と交際費等との区分)

61の4(1)-8 法人が取引に関する情報の提供又は取引の媒介、代理、あっせん等の役務の提供(以下61の4(1)-8において「情報提供等」という。)を行うことを業としていない者(当該取引に係る相手方の従業員等を除く。)に対して情報提供等の対価として金品を交付した場合であっても、その金品の交付につき例えば次の要件のすべてを満たしている等その金品の交付が正当な対価の支払であると認められるときは、その交付に要した費用は交際費等に該当しない。(昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」により追加、平19年課法2-3「三十七」により改正)

(1) その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。

(2) 提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること。

(3) その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること。

薄井逸走『法人税調査はズバリ!ここを見る』、高下淳子『法人税と経理処理のしくみがわかる本』

2009年5月20日 (水)

固定資産税:損金算入のタイミング

■原則として賦課決定(納税通知)があった日に損金算入しますが、納期の開始日の属する事業年度、または実際に納付した日に損金経理した場合は、その事業年度の損金に算入することができます。

■納付

納付は5月に一括か、5月(第1期)、7月(第2期)、12月(第3期)、翌年2月(第4期)の4分割払い

佐藤善恵『最新小さな会社の法人税の申告と経理処理がわかる本』

ブランド・エクイティ

ブランド・エクイティとは、「ブランドの名前やシンボルと結びついた資産(および負債)の集合」であり、製品やサービスによって企業やその顧客に提供される価値を増大(あるいは減少)させるものである。

つまり、ブランドエクイティとは、ブランドに対して過去に費やされた投資の結果、製品に付与された付加価値のことである。

アーカーは、ブランドを会社の資産(エクイティ)として管理していくことの大切さを主張し、ブランド・エクイティを形づくる要素(主要な資産)には、次のようなものがあるとしている。

1.ブランド認知

ブランドがどれくらい知れわたっているか。

2.知覚品質

お客さんが、そのブランドから製品の品質をどんなふうにイメージしているか。

3.ブランド・ロイヤルティ

ブランドに対する忠誠心が高いかどうか。

4.ブランド連想

お客さんがそのブランドからどんなことをイメージするか。

アーカー『ブランド優位の戦略』、山下久徳『50の経営理論が3時間でマスターできる本』、榛沢明浩『図解ブランドマネジメント』

小売ミックスの要素

店の主張・・・店の主張が明確だ

店舗雰囲気・・・独特な雰囲気がある

品揃えの広さ・・・多様な商品を総合的に取り扱い、まとめ買いに便利

品揃えの深さ・・・同じ品種の商品でも種類が多い

店独自商品・・・その店独自の商品がある

流行・新製品導入速度・・・流行品や新製品の取り入れが早い

他店より低価格・・・価格は他の店よりはるかに安い

有名メーカー品廉売・・・有名メーカー品が安く買える

店員妨害なし・・・店員に煩わされずに買い物ができる

接客対応・・・接客対応が心地よい

店員商品知識・・・店員の商品知識が豊富

入店容易・・・店に入りやすい

駐車場・・・十分な駐車場がある

常連客特典・・・常連客への特典が多い

田村正紀『バリュー消費』日本経済新聞社

あなたの会社の現状を把握しよう

  1. 現預金は毎期、増えていますか?
  2. 売掛金に不良債権はありませんか?もしあれば、不良債権を減額して計算しましょう
  3. 仕掛品、製品、商品在庫に不良品や売れそうにないものはありませんか?もしあれば、減額して計算しましょう
  4. 不動産の時価はどうですか?もし値下がりしていれば、実勢価格で計算し直しましょう
  5. 実際は価値のない繰延資産はありませんか?もしあれば、減額して計算しましょう
  6. その他価値のない有価証券や資産はありませんか?もしあれば、減額して計算しましょう
  7. 流動比率は、100%以上ありますか?
  8. 当座比率は、50%以上ありますか?
  9. 自己資本比率は、30%以上ありますか?
  10. 売上高経常利益率は、3%以上ありますか?
  11. ROAは、5%以上ありますか?
  12. 今後半年先の資金繰り計画が立ちますか?

洲山『銀行にカネは返すな!』

仕入先から確実に支払い猶予をもらう方法

手形ジャンプとか支払い猶予を仕入先が応諾しやすい対策は「経営改善計画」の提出です。

  1. 現状分析
  2. 経営改善方針
  3. 問題点の分析と改善策
  4. 銀行取引状況表
  5. 銀行別返済状況表
  6. 銀行別返済条件変更計画書
  7. 収支計画・実績表
  8. 資金繰り表

洲山『銀行にカネは返すな!』

事業再生のプライオリティー(優先順位)

  1. 仕入先・取引先
  2. 社員の給与
  3. 社長の役員報酬
  4. 銀行

しかし、多くの社長はこの優先順位が逆になっています。

洲山『銀行にカネは返すな!』

ROA(Return on Asset:総資本利益率)

■ROAとは、会社が最低限稼がなければならない資本効率を簡単に設定できる重要指標です。

企業が事業を行なうために所有している財産、つまり総資産を使って、どれだけの利益を上げているのかをあらわす指標である。これは投下した資金からみて、事業が効率良く行われているか否か、つまり経営がうまく行われているか否かを表しているものである。

ROA=(経常利益/売上高)[経常利益率]×(売上高/総資本)[総資本回転率]

ROAは、2つの重要な指標に展開されます。まず「収益性」を表す「売上高経常利益率」、そして「資本効率」を表す「総資本回転率」です。「売上高経常利益率」からは、会社の総合的な利益獲得力を知ることができます。「総資本回転率」からは、どれだけの資産でどれだけの売上を上げているのかという効率を知ることができます。

ただ、この2つの比率を同時に高めることは難しく、一般的には片方を上昇させようとすると、もう一つが低下してしまうというようにトレードオフになっている傾向が強い。

ROAは、一般的には、「経常利益」で計算します(上場企業は当期純利益)。が、金利差引前経常利益を使うこともある。つまり、事業そのものの収益性を純粋に見ていくためには、負債、つまり借入金や社債が多い少ないといった財務面での影響を除いた利益で比較する方がよいと考えられるためである。ただ、実際には、リターンとして経常利益や当期利益を使うケースもある。しかし、借入金や社債の比重がかなり違う企業のROAを比較するような場合には、支払利息や社債利息によって経常利益や当期純利益がかなり違ってくる可能性があるので、やはり金利差引前経常利益を使うことが望ましい。

なお、事業そのもの効率を分析するという意味では、分子のリターンを営業利益として、資産の中から現金預金+有価証券などの金融資産を差し引いた営業資産を分母としてROAを計算することも考えられる。

◇その他論者の参考指標

・ROA=(税引前当期純利益+金融費用)/当期平均総資産

・(中小企業の経営診断)経営資産営業利益率=営業利益/当期平均経営資産

経営資産=総資産-(建設仮勘定+遊休資産+貸与設備+社外投資)

・総資本当期事業利益率=当期事業利益/総資本

当期事業利益:①営業利益②金融収益③金融費用、①+②-③=④税引前当期事業利益、⑤当期負担税額=④×40%、⑥配当金、当期事業利益=④-⑤-⑥

・使用総資本事業利益率=事業利益(営業利益+受取利息・配当金)/使用総資本

企業は総資本を利用して、経営活動を行った後に、債権者には利子を支払い、株主に配当を支払う。したがって、分母の総資本にフィットするような利益概念は、営業活動の成果たる営業利益に、財務活動の成果である受取利息・配当金を加えた「事業利益」ということができる。

■ROAのメリット

計算が簡単である

■ROAの注意事項

  • 資本コストが反映されていない
  • 効率だけを考えているので、縮小均衡に陥る可能性がある
  • 取得原価主義
  • リターンとして利益を使っているため、数字の客観性に問題が生じる可能性がある
  • 企業間比較が難しい(特に業種が違うような場合)

■ROEは株あたり、ROAはビジネスそのものの収益性

久野康成『あなたの会社を永続させる方法』、西山茂『企業分析シナリオ』、高田直芳『経営分析バイブル』、森脇彬『経営分析実務相談』、西山茂『戦略財務会計』、伊藤邦雄『ゼミナール現代会計入門』

事業承継対策での買収価格決定方法

■中小企業の多くは時価純資産法を利用

時価純資産法とは、企業の資産を時価で再評価し、負債は要弁済額として計上して求めた純資産をもとに、株価を求める方法です。

■営業権評価法も併せて利用

とはいえ、コストアプローチでは、将来獲得される収益を考慮することができないのも事実です。そこで、最近よく使われるようになった方法が、時価純資産プラス営業権評価法です。営業権は通常、経常利益(又は税引後純利益)の3~5年で評価します。

久野康成『あなたの会社を永続させる方法』

企業価値と株主価値

企業価値とは、会社全体の価値をいいます。企業価値は、負債価値と株主資本価値に分かれます。負債投資家の権利が優先するので、企業価値から負債価値を差し引いた残りが株主資本価値となります。

株主価値は、企業価値から負債を差し引く必要があります。厳密には、企業価値に未だ経営の中で資本投下されていない現金を加え、そこから負債を差し引くことによって決定されます。

【株主価値=企業価値+現金-有利子負債】

久野康成『あなたの会社を永続させる方法』、渡辺茂『企業価値評価の基本』

企業価値の算定方法

1.コストアプローチ

BSを時価などで再評価するもので、客観的なデータを得られることが特徴です。コストアプローチのみで企業評価を行う場合は、のれん(営業権)などの評価額をさらに加味する必要があります。

2.マーケットアプローチ

類似した企業のPER(株価収益率)などを参考に、価値を算定する方法です。

3.インカムアプローチ

将来、企業が得られる収益やキャッシュフローによって企業価値を評価する方法です。

4.再構築原価法(特殊な評価方法)

企業を買収するのではなく、「自社で同じ会社をつくった場合、いくらかかるのか?」という発想によるものです。会計上、「時価」には、売却したらいくらになるのかという「売却価値(正味実現可能価額)」と、同じ会社をつくったらいくらかかるのかという「再調達原価(再構築原価)」の2種類があります。コストアプローチでは主に売却価値を考えますが、特殊なケースでは、企業の再構築価値で考えます。

久野康成『あなたの会社を永続させる方法』、伊藤邦雄『企業価値評価』

戸田覚『すごい人のすごい企画書』PHPビジネス新書

企画書のポイント3カ条

  1. 内容がきちんと伝わる
  2. 相手に納得してもらう
  3. 必要度に応じて、等身大で作る

相手のメリットを明確にする。

究極の企画書は「相手に考えさせる」力を持つ。

企画書の原則

  • 受け取り手のメリット(ベネフィット)
  • 目的を理解するためのストーリーや構成
  • 目的達成の裏付けとなるデータ

パソコンを起動する前にやっておくこと

  • ターゲットを明確にする
  • ターゲットに合った目的と、ターゲットが納得するベネフィットを決める

情報は見つけやすいものほど価値が低い

キラーインフォメーション⇒情報の中から、最も価値があり、インパクトのあるものを選び出す

構成の基本は二つ

  • 【説明型】こんな理由がありますから、こんなベネフィットを提示できます。
  • 【インパクト型】あなたにとってのベネフィットはこれです。その理由はこのようなものです。

受け取り手が一番関心を抱くのは、利益に直結する見出しである

一ページには、三つの情報だけに絞り込む

シェアなら円グラフ、売上の推移など時間の経過を同時に示したいなら折れ線グラフ、比較をしたいなら棒グラフ

シックスフォース分析(中小をとりまく六種の利害関係者)

  1. 得意先については売上
  2. 仕入先・外注先は売上原価・外注費
  3. 借入先は借入金と支払利息
  4. 従業員は人件費
  5. 株主は配当
  6. 国家公共機関は税金

棚橋隆司『これで企業財務はよみがえる!』

あるべき当期利益・剰余金の計算の仕方

あるべき当期利益

インフレ時:あるべき当期利益=(資本金×10%)+(元手の資本×15%)

物価安定時:あるべき当期利益=(資本金×10%)+(元手の資本×10%)

元手の資本=資本金+資本準備金又は法定準備金

あるべき剰余金

◇大企業

あるべき剰余金額={平均的元手の資本(資本金+資本準備金)×1/2}×15%×事業年度数(1年決算として)

◇中小企業

あるべき剰余金額=(資産合計/2)×1.5%×事業年度数

◇元手の資本が変わっていないとか、設立してまもない会社

あるべき剰余金額=元手の資本×15%×事業年度数(1年決算)

碓氷悟史『決算書の超かんたんな読み方』

支払余裕比率

支払余裕比率=(現金預金+有価証券)/流動負債

50%を超えていることがいい。

■流動比率と支払余裕率のバランス関係は、次の4つのパターンとなります。

  1. 流動比率も良く、支払余裕比率も良い
  2. 流動比率も悪く、支払余裕比率も悪い
  3. 流動比率は良いが、支払余裕比率が悪い
  4. 流動比率は悪いが、支払余裕比率は良い

1は支払能力が本当に良い、2は支払能力が本当に悪い、3は1年以内に現金化されない資産が多くある、4は実際には考えられないが、商売が衰退し、生産能力がなくなっている会社で、借入金による現金預金だけが存在している。

碓氷悟史『決算書の超かんたんな読み方』

2009年5月19日 (火)

棚卸資産の会計と税務

■棚卸資産の評価に関する会計基準

評価時点における資金回収額を示す棚卸資産の正味売却価額が、その帳簿価額を下回っているときには、収益性が低下していると考え、帳簿価額の切り下げを行なうことになります。

一方で、通常は、再調達原価の方が、把握しやすい場合が多いと考えられます。このため、正味売却価額が再調達原価の下落とともに下落するような状況下においては、継続して適用することを条件に、再調達原価によることができるとされています。

■法人税法における改正内容

1.棚卸資産の範囲

棚卸資産の範囲から、短期売買商品(金・銀)を除くこととされました。

2.棚卸資産の評価方法

低価法において、原価法により評価した金額と比較する期末評価額を、当該事業年度修了の時における価額、すなわち税務上の時価とすることとされました。

正味売却価額=売価-見積追加製造原価-見積販売直接経費

(正味売却価額を取るのは次期に損失を計上しないようにすることがねらい)

法人税法では、原価法がなくなったわけではありません。この点が会計基準とは考え方を異にするところであります。

三浦昭彦『会社法による法人税申告書の書き方』、佐藤善恵『最新小さな会社の法人税の申告と経理処理がわかる本』、田中弘『新財務諸表論』

役員退職金

■役員退職慰労金規程に基づき、取締役会・株主総会で決まってから支給される。ゆえに、規程どおり支給されるかどうかわからないので、退職日に損金算入することはできない。

役員退職金を損金にするには、いくつかの要件があります。

1つ目は、株主総会の決議があることである。役員の選任、退任は株主総会決議によって決まります。ちなみに、株主総会で退職金の額まで決めなかった場合は、株主総会後に開催される取締役会で退職金の額を決め、支給することになります。

2つ目は、退職金の額が不相当に高額でないことです。

3つ目は、退職した事実があることです。

■損金算入のタイミング

第8期・・・役員退職、第9期・・・株主総会で支給額確定、第10期・・・実際に支給

原則:株主総会などの決議によって、支給額が具体的に確定した日の属する事業年度に損金算入します。この場合、損金経理要件はありません。

   退職金 ×× / 未払金 ××

例外:退職金を実際に支払った事業年度に損金経理したときは、そのときに損金算入することができます。仮払経理では損金に算入することはできません。

   退職金 ×× / 現金 ××

■支給額

役員退職金は一般的に(退職時の月給×勤続年数×功績倍率)で計算されます。功績倍率は通常、代表取締役で2~3倍といわれていますが、各役員の会社への貢献度合いを検討して決める必要があります。創業者社長と2代目社長では功績倍率も異なってきます。

■退職金の現物支給

原則として、役員退職金の額が不相当に高額なものでなければ、不動産に限らず、現物支給しても全額損金とすることができます。現物支給するときの評価額は「時価」とします。

佐藤善恵『最新小さな会社の法人税の申告と経理処理がわかる本』、棚橋隆司『これで企業財務はよみがえる!』、有賀靖典『同族会社の役員給与の決め方と節税法』

商品券と交際費の処理

[商品券を買って贈ったとき]

  • 贈った側

    交際費 ×× / 現金 ×× →消費税課税なし(非課税取引)

  • 贈られた側

    商品券 ×× / 受贈益 ×× →消費税課税なし(課税対象外取引)

    ただし、実務的にはこの経理はしない

[商品券を物品と交換したとき]

  • 贈られた側

    消耗品費 ×× / 商品券 ×× →消費税課税(課税取引)⇒仕入税額控除

    ただし、実務的にはこの経理はしない

発地敏彦『わかりやすい交際費の実務処理と節税ポイント』

2期間の売上高の増減と利益の増減の関係

1.増収増益・・・・・売上高も利益も伸びた状態

2.増収減益・・・・・売上高は伸びたが、利益が減った状態

3.減収増益・・・・・売上高は減ったが、利益は増えた状態

4.減収減益・・・・・売上高も利益も減った状態

一番いい状態は1、次に3、悪いのは2、最もいただけないのは4。

渋井真帆『あなたを変える「稼ぎ力」養成講座:決算書読みこなし編』

KJ法

■KJ法は、ある発想/情報を生み出すために、一人の人間の頭の中で考えることをやめて、頭の中のものをなるべく外部にとり出して、多くは複数の人によりシステマチックに作業を進めることで、成果を生み出そうとする考え方である。要は、考えを生み出しまとめるために、一定のプロセスと手法を援用することで、一定水準の成果を保証しようとしており、一人の頭より多数の頭を使おうとする組織だった方法を用いることができる。

川喜田氏は、KJ法の発端となる人文科学におけるフィールド・ワークの基準プロセスとして、

  1. 問題提起(ブレーン・ストーミングとまとめ)
  2. 各自それぞれの課題と役割を持った野外探検
  3. 観察と記録・カードによる情報の集積
  4. 発想と統合
  5. 推論・法則化

の過程を考えている(実際にはこのあと実験と検証を含み、全体としてのW型問題解決モデルが完成する)。この過程の中で、1.問題提起と4.発想の過程で、それぞれカードのグルーピングによる作業が登場する。1は、ブレーン・ストーミングによって自由な発想から全員のアイデアを集め、全体の統一的課題と各自の興味・役割を認識する作業、4は、フィールドで観察・入手した情報から意味あるメッセージをつくり上げる作業である。

KJ法型の一般的な進め方(ブレーン・ストーミングから出発する場合)のまとめ(KJ法の鍵)は、以下のとおりである。

○土の匂いのするみじかい言葉でカードを書きこむ

  • ブレーン・ストーミングやフィールド・ワークなどで集めた情報
  • 抽象化は排除する。できるだけ実感を尊重する
  • 主語・述語のある命題であること

○カードのグルーピングを行う

  • ながめる→なんとなく親近感の持てるカード同志を集める
  • 概念的なカテゴリーづけをしない。権威的なリーダーシップを排す

○意味づけ、意味連環による編成をすすめる

  • “なんとなく”つながりを感じるものをまとめて、それを一枚のカードで代表させる
  • グルーピングを段階的にすすめると、放れ駒のカードも自然に吸収される(むりやりどこかのグループにおしつけて入れる必要はない)

○全体の包括的なメッセージとそれを構成する各要素を位置づける

  • ヒントの相互干渉作用により立体的に意味づけが発達
  • 累積効果により、しだいに高度なひとつのメッセージに集約

■KJ法は文化人類学では発想法になっても、ビジネスの上では、一つの整理法である。

後正武『論理的思考と発想の技術』、小林裕『問題解決力をつける』日本経済新聞社

リベート覚書

■○○万円を仕入予定額として、仕入額の○%をリベートとして支払う。

これは営業者間において継続する2以上の売買取引について共通して適用される取引条件のうち、取扱数量を定めたものであるから、第7号文書に該当。

ただし、契約期間が3か月以内であり、かつ、更新の定めがないのなら、課税文書に該当しない。

交際費:株主総会に要する飲食費用

■株主総会前の大口株主への飲食費用→軽食とコーヒーくらいなら会議費としてOK。

■説明会終了後の懇親会費用→次のいずれにも該当しない場合は交際費

  1. その懇親会費用が会議に際して通常供与される昼食程度
  2. 懇親会の1人当たりの飲食費が5,000円以下かどうか

■懇親会に参加した大口株主に手渡した車代数万円→その車代が大口株主の説明会に出席するために要した実費弁償相当の金額の場合には、税務上交際費等以外で処理しますが、実質的に大口株主への贈答のために支出したものと考えられるなら、交際費。

交際費:協賛金

基本的には広告宣伝費だが、パンフレット等に協賛者の社名が小さく載る程度では広告宣伝とはならない。協賛金の形を取っていても、その実質が単なる経費負担である場合には交際費となる。

薄井逸走『法人税調査はきっと!ここを見る』

益金:ポイントカード点数による値引販売

値引を伴う場合に、差引額を継続して売上に計上しているときにはその処理も認められます。

(返品、値引等の処理)

10-1-15 事業者が、その課税期間において行った課税資産の譲渡等につき、当該課税期間中に返品を受け、又は値引き若しくは割戻しをした場合に、当該課税資産の譲渡等の金額から返品額又は値引額若しくは割戻額を控除する経理処理を継続しているときは、これを認める。

(注) この場合の返品額又は値引額若しくは割戻額については、法第38条第1項《売上げに係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除》の規定の適用はないのであるが、同条第2項に規定する帳簿を保存する必要があることに留意する。

社会保険会計

■中小企業の従業員を対象とする「政府管掌健康保険」、会社や業界団体などが設立した「健康保険組合」。

■給与から控除する社会保険料は前月分と法律で定められています。法律に基づく通常の控除方法を「翌月控除」、当月分の保険料を当月の給与から控除する方法を「当月控除」。

■労災保険料分は全額事業主負担、児童手当拠出金は事業主負担、雇用保険料分は事業主と労働者双方で負担。

KPMG『給与計算実践ガイドブック』、姉帯奈々『小さな会社の源泉徴収事務ができる本』

連単倍率

連単倍率は1倍を基準として、1を上回れば有力な子会社群の存在、1を下回ると業績の悪い子会社群の存在を表す。

通常は、個別決算の数字よりも連結決算数字のほうが大になるので連単倍率は1以上となる。ところが連単倍率が1未満になる場合もあり、このときにはその原因を究明しなければならない。

1.親会社から子会社への売上高(連結PL作成段階で相殺消去された売上高)の推定方法

子会社への売上高=有報上の関係会社への売上高×(連結子会社売上債権/関係会社売上債権)

親子会社間売上高=親会社の売上高+子会社売上高-連結PLの売上高

2.売上総利益の分析

①連単倍率1未満

売上総利益連単倍率(連結決算売上総利益/個別決算売上総利益)が1未満である場合には、押込み販売による未実現利益の増加ではないかと疑われるケースが多い。

未実現利益=子会社に残っている親会社仕入製品在庫×親会社の売上総利益率

②売上連単倍率>売上総利益連単倍率

親会社の主たる事業が製造販売で、子会社の業種が卸売業、販社の場合には、後者の売上総利益率は前者のそれよりも低いのが通常のために、売上高連単倍率よりも売上総利益連単倍率のほうが低くなる。

大倉雄次郎『企業評価入門』、鯖田豊則『会社を目利きする50のポイント』

資金調達の順序と方法

■資金調達の順序と方法(棚橋)

  1. 債権回収の徹底促進
  2. 在庫、仕掛工事の徹底圧縮
  3. 長期工事物件の前受け受領
  4. 仕入先債務の支払方法変更
  5. 商業手形の割引実施
  6. 長期安定の制度融資活用
  7. 銀行より運転資金借入れ

■資金調達の手段(洲山)

  • 増資による資金調達(金利が不要。利益は配当)
  • 借入金による調達(金利が必要)
  • 社債(私募債)による調達
  • 売掛金のファクタリングによる調達
  • 手形割引による資金調達
  • 前金をもらう資金調達
  • 長期払いを信販会社の立替払いで活用
  • 支払サイトを延長してもらう資金調達
  • 手形ジャンプによる資金調達
  • 売掛債権の譲渡担保による資金調達
  • 商品在庫等の集合動産担保による調達
  • 保証金を預かる資金調達
  • 債権債務を相殺する資金調達

■新たな資金調達ができなくなった場合、してはいけないこと

  1. 金利の高い商工ローンからの借り入れ
  2. 家族、親類、知人、友人からの借り入れや保証人になってもらって借り入れすること
  3. 給与遅配
  4. 仕入先や経費の支払いを遅らせること

棚橋隆司『財務革命』、洲山『銀行にカネは返すな!』

2009年5月18日 (月)

パーソナルスペース

■密接距離(0~45センチ)・・・・・恋人、夫婦

■個人距離(45センチ~1.2メートル)・・・・・友人など親しい間柄

■社交距離(1.2~3.6メートル)・・・・・仕事上など社会的な場面

■公的距離(3.6メートル~)・・・・・講演など公的機会

大森ひとみ『男の仕事は外見力で決まる』

“富士山型”と“茶筒型”

人気のある商品や流行の商品の売れ方を見ると、かつては徐々に売れ始め、ピークに達してからまた徐々に売れ行きが落ちていくという“富士山型”の曲線を描いて推移しました。それが今は、一気に売れ始め、すぐにピタッと売れなくなる。特定の商品に消費者のニーズが集中したかと思うと、短期間で別の商品に移っていく、これが繰りかえされる。商品サイクルが“富士山型”から“茶筒型”に変わってきているのです。

市場は茶筒形なのに富士山型で対応するとどうなるか。売れ行きの立ち上がりのところで対応できずに販売の機会ロスが生じ、最後は売れ残りを大量に抱えて、廃棄ロスが発生してします。茶筒型に対応していくには、情報を取ってお客のニーズがそこにあるとわかったら、すぐにそれに合わせて商品をつくって店頭に送り出し、そして、売れなくなったらすぐに売り場から除いていくようにしなければなりません。

Cocolog_oekaki_2009_05_18_16_37

勝見明『鈴木敏文の「統計心理学」』

配当性向

配当性向=配当金/当期純利益

ある調査では、ROEが高い企業ほど配当性向が低い、という結果が出ています。

飯田信夫『35の財務指標』

利益をかせぐ六つの要素

  1. 資本(自己資本及び他人資本)
  2. 労働(頭脳労働を含む)
  3. 土地(自然)
  4. 超過収益力(暖簾)
  5. 経営者
  6. 僥倖(いわゆるツキ)

舛田精一『経理部長の感覚』

2009年5月17日 (日)

ネットワーク外部性

■ネットワーク外部性とは、(予想される)ネットワークのサイズ(ユーザー数やマーケットシェア)の増大につれて、財から得られる便益が増大するという性質である。この性質は、そもそも通信ネットワークの研究から生まれた。加入者の多い通信ネットワークは、通信可能な相手が多いことを意味するので、そのネットワークから得られる便益が増大する。このように、ネットワークのサイズが直接的に便益を増大させる効果を、ネットワーク外部性の直接的効果と呼ぶ。それに対して、ハードユーザー数の増大が、補完財であるソフトの多様性や価格低下を促すことによって、システム財の便益を増大させる効果を、間接的効果と呼ぶ。

淺羽茂『経営戦略の経済学』

■メトカルフェの法則

ネットワーク等での効用は、ユーザー数あるいはノード数の二乗に比例する。

伊藤邦雄『グループ連結経営』

営業キャシュフロー総論

■間接法による場合は、税引前当期純利益に下記の調整を加えることによって営業活動によるCFを算出する。

  • 非資金損益項目の調整
  • 損益項目の調整
  • 営業活動に係る資産及び負債の増減

■「営業活動によるCF」を表示するに当たっては、「営業活動によるCF」において区分表示を行い、本来の意味での営業活動によるCFを表示する必要があると考えられる。このため作成基準注解において、それを“小計”をもって表示することが示されている。

■小計欄の上に「受取利息及び受取配当金」や「支払利息」の項目が示されているが、これらはPLに計上されている発生ベースの金額を意味する。また、小計欄の下に「利息及び配当金の受取額」や「利息の支払額」の項目が示されているが、これらはキャッシュ・ベースの金額を意味する。

トーマツ『キャッシュ・フロー計算書作成実務と経営管理』

同族会社

■同族会社の判定には3つの方法があります。

  1. 持株(または持分)割合による判定
  2. 議決権割合による判定・・・会社法施行で、会社の経営権は必ずしも持株(持分)によらなくなったことから新たに加えられたもの
  3. 社員数による判定・・・持分会社固有の判定方法

■判定基準①:持株(出資)割合基準50%超

3つ以内の株主グループが、その会社の発行済株式総数(もしくは出資割合)の50%超を保有していたら同族会社です。

■判定基準②:議決権割合基準50%超

議決権の50%超を3つ以内の株主グループで保有していれば同族会社です。

■判定基準③:社員数基準(過半数)

持分会社の3つ以内の株主グループがその社員(もしくは法人が定めた、業務を執行する社員)の総数の半数を超えていれば同族会社に該当します。したがって、総社員数5名以下の持分会社はすべて同族会社です。社員数による同族会社判定が必要なのは持分会社だけです。

長谷川麻子『同族会社の節税マニュアル』

財務分析の体系

■末松義章『倒産・粉飾を見分ける財務分析のしかた』

1.収益性分析

2.安全性・健全性分析

3.回転期間分析

4.経常収支分析

5.損益分岐点分析

6.付加価値分析

■鯖田豊則『会社を目利きする50のポイント』

Ⅰ 財務諸表分析

1.実数分析

  • 損益計算書
  • 貸借対照表
  • キャッシュフロー計算書
  • 連結財務諸表

2.比率分析

  • 収益性分析
  • 安全性分析
  • 効率性分析
  • 生産性分析
  • 成長性分析

Ⅱ 財務分析

1.企業価値の分析

  • EVA
  • EBITDA
  • ハゲタカレシオ
  • 株価の尺度

2.財務・資金繰りの分析

  • 安全性分析
  • キャッシュフロー分析
  • 資金運用表等分析

田井野治郎論

■中小企業の二代目が現代的経営手法を導入して成功した例はきわめて少ない。中小企業の経営体質を改善するため、教科書的手法をそのまま持ち込もうとする人がいるが、これは必ず失敗する。中小企業の共通の目的は、何といっても儲けることである。

■せっかく儲けた金を利子の支払に当てる経営くらい、馬鹿らしいものはない。

■月次PLが作成されると、まず第一に所要の利益(株主配当、役員賞与、内部留保)が得られたかどうかを見なければならない。

■利益が所期の通り計上されていない場合、第一の手順は、「売上高」を見ることである。

■経営者は専門家とはまるで違った“ひらめき”をもっていなければならない。

■算出する経営比率は三つ

①粗利益率、②売上高営業利益率、③売上高純利益率

■損益分岐点を聞かれたとき、利益が出ているならば、毎月の売上高より若干下回ったところを答えればよく、赤字のときは上回った額を答えれば、当たらずとも遠からずということになるだろう。

■BSの留意点

①利益が計上されているが、それに比べて金繰りが良くない、②各部門とも忙しく動いているが、利益が出ない、③会社は真に安定した状態にあるかどうか、④倒産の危険はないか

■倒産原因

①売掛金が過大、②棚卸資産が過大、③設備投資が過大、④負債が過大、⑤赤字、⑥メインバンクをもたない、⑦ワンマン経営

■BSに求めるものは“金を生む力”のみでよい

①ぜい肉を切り落とす、②払うものは早く払う、③貸した金は早く取り立てる、④“骨董品”は早く処分する、⑤遊休土地・建物は売却する

■BSの吟味する科目

①現金預金、②受取手形、③売掛金、④商品・製品・仕掛品・材料、⑤支払手形、⑥買掛金

■資金繰りの要諦

資金繰りの要諦は、一言で言うと収入より支出を少なくすることである。資金を計画する場合には、次の前提条件がある。

  1. 収入はできるだけ少なく見積もること
  2. 支出は余裕をもって見積もること
  3. 資金計画を早目に立てること
  4. PLで利益が出ていても安心しないこと
  5. 融手や高利の金には絶対に手を出さないこと
  6. 手形払いは借金と考えること
  7. 支払手形管理を的確に行うこと
  8. 臨時の支出は早期に計画しておくこと
  9. 設備投資資金は長期借入金に頼ることとし、運転資金を流用しないこと

■金に苦しむ原因

①売上が伸びない、②預金があっても使えない、③売掛金の回収状況が悪い、④在庫が過大である、⑤設備が過大である、⑥借金が過大である、⑦利益が過小である、⑧経費が過大である、⑨原価率が高すぎる

■在庫が過大になる原因

①売上不振、②つくりすぎ、③売れない品物を抱えている、④品切れを恐れて、持ちすぎる、⑤生産主導型の会社で、設備・人員を遊休化したくないため製造を継続する、⑥下請け、納品業者を救済するため、資金事情も深く考えないで発注を継続する

■利益を多く計上するには、売上原価が低い、売上高が高い、経費が少ない、という三条件のうち、どれかが突出していることが必要である。

■企業の資金に余裕が生まれると、不動産業のように土地購入に血眼になったり、株に手を出したりする向きがないでもない。株による利益などは営業外利益としてPLに記載されるが、利益は本来、営業利益に求めるべきで、投機的なものに依存してはならない。そもそも真面目な営業行為からは一攫千金は不可能なはずである。もしこれに熱中するようになれば、時には大きな儲けにはなっても、圧倒的に損失のほうが多いものである。本業を軽んじ、サイドビジネスに精力を傾けることには、何としても同意でない。インフレを見越して借金し、それで不動産を購入するなども、決して賛同できるものではない。あくまでも本業にうちこみ、そのなかで利益を生み出して借金をゼロにする、この、きわめて小心翼翼とさえ言える経営方法こそ、われわれのめざすものである。

■当月の決算を翌月半ばに行ない、同時に向こう三ヵ月間の受注・売上見込表、資金繰表、PL、BSによって過去の状況と月末の現状が正しく示されるわけだから、これらを資料として関係者が月次決算方式ミーティングで論議をすれば、申し分ない事前措置を講ずることができるのである。

■高能率にして高賃金を支払うことこそ、従業員対策の最たるものである。

田井野治郎『社長が書いた「月次決算」経営法』

貸倒損失と営業利益率

■貸倒損失で吹き飛んでしまった額と同額の営業利益を確保するためには、「貸倒額÷営業利益率」に相当する金額の追加売上が必要です。

■中小企業で不良債権が発生すると、経常利益の数年分が消えてなくなります。

高下淳子『社長が読む儲かる決算書』、棚橋隆司『これで企業財務はよみがえる!』

2009年5月16日 (土)

減価償却制度

■法人の減価償却制度の改正に関するQ&A(平成19年4月)

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/h19/genkaqa.pdf

■耐用年数等の見直しに関するQ&A(平成20年7月)

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/7142/index.htm

役員と役員給与

改正後の法人税法では、役員報酬・役員賞与・役員退職金の区分がなくなり、まとめて「役員給与」を表現するようになりました。

法人税法上の役員

法人税法での役員とは、会社法に規定する取締役、執行役会計参与、監査役、会計監査人などのほかに、使用人(従業員)以外の者で経営に従事している者、相談役、顧問、理事、参与、監事などで実質的に経営に従事している人をいいます。

みなし役員

ところが、同族会社では、使用人であっても、一定の条件に該当する人は役員とみなすという規定があるのです。この規定を「みなし役員」といいます。同族会社の使用人のうち、一定の持株割合の条件に該当し、かつ、同族会社の経営に従事している人は、使用人にも関わらず、役員とみなされます。

「みなし役員」とされるかどうかの持株割合とは、その人が、

  1. 持株割合の大きい株主グループを順次合計して、持株割合がはじめて50%を超える上位3位以内の株主グループのいずれかに属しており、
  2. その使用人の属する株主グループの持株割合が10%を超えていること、そして、
  3. その使用人の持株割合(その配偶者およびこれらの者の持株割合が50%超である他の会社を含む)が5%を超えていること、

の3つの条件を満たす場合をいいます。最後の5%基準には、その人自身だけではなく、配偶者の持株割合と支配している会社の持株割合も含めることに注意してください。これらの条件を満たす人は、たとえ役員登記をしていなくとも税務上は純粋な役員とみなされます。もちろんこれらの持株割合の条件に該当しても、経営に従事していなければ「みなし役員」とはされません。

使用人兼務役員

次の役職にある役員は使用人兼務役員となることはなることはできません。使用人兼務役員になれるのは役付役員以外です。

①社長、副社長、代表取締役、専務取締役、常務取締役などのいわゆる「役付役員」、②監査役、会計参与

取締役営業担当、取締役財務担当などの表記については、使用人兼務役員ではなく、役員の職務管掌として取り扱われ、使用人兼務役員と認められません。法人税法で認められている使用人兼務役員は、平取といわれる役のつかない「取締役」や「理事」、「参与」などに限られます。

同族会社では、一定の要件を満たす役員は平取であっても、使用人兼務役員になることができません。その要件は次のとおりです。

  1. 役員が同族会社の第3順位までの株主グループに属している
  2. 役員が属する株主グループの持分が10%を超えている
  3. 役員本人の持株割合が5%を超えている

以上の3点すべてに該当すると、取締役営業部長で実際に営業部長として働いていても、使用人兼務役員ではなくて「役員」とみなされます。

執行役員

執行役員という肩書きは会社法では登場しません。したがって、税務上もその存在を認めていません。

執行役員は、通常の場合、みなし役員に該当しないとしている。

  1. 専務、常務等と呼称される者であっても、取締役として選任されていないことから、商法上の役員ではないため、会社の経営方針を決定する取締役会における議決権がないと考えられること
  2. 執行役員は、業務執行に係る責任を負っているが、これは取締役会より委任を受けた範囲内での日常業務における管理者としての責任であり、そのことをもって経営に従事しているとは認められないこと

したがって、通常の場合は、執行役員に対して支給する賞与は、使用人に対する賞与として損金算入することが認められる。ただし、執行役員が、上記の権限を超えて、経営に従事していると認められる場合には、その呼称や取締役として選任されていないという事実にかかわらず、みなし役員に該当することになり、その場合には、支給する賞与は役員に対する賞与として損金不算入となる。

会社法上の役員給与

会社法では、取締役等に対する職務遂行の対価の支払いは、すべて「報酬等」と定義し、株主総会の決議によることとし、役員賞与の会計処理は、企業会計基準第4号「役員賞与に関する会計基準」に従い、費用処理されるのが適当とされる。

法人税法上の役員給与

Ⅰ 定期同額給与

毎月決まった時期に支給される、同じ額の給与を定期同額給与といいます。損金算入ができる定期同額給与とは、次の要件を満たすものをいいます。

  1. 毎月支払われる時期が決まっていて、その事業年度を通じて支給額が同じであること
  2. 継続的に供与される経済的な利益で、その事業年度を通じて額が毎月おおむね一定であること
  3. その事業年度の開始の日から3ヵ月以内に改定された給与で、改正前、改正後とも、それぞれの支給時期における額が同額であること
  4. 会社の経営状況が著しく悪化したことを理由に給与の支給額を減らした場合、その事業年度内において改定前、改定後とも、それぞれの支給時期における額が同額であること

Ⅱ 事前確定届出給与

役員に賞与を支給しても、損金にできるようになりました。ただし、賞与の支給時期と金額をあらかじめ税務署に届け出る必要があります。それが、事前確定届出給与です。

Ⅲ 利益連動給与

利益連動給与は、非同族会社で一定の要件を満たすものについて、損金算入が認められるようになりました。

■役員給与に関するQ&A(平成18年6月)(平成20年12月)

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/5126.pdf

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/qa.pdf

■役員給与に関する質疑応答事例(平成18年12月)

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/02.pdf

高下淳子『法人税と経理処理のしくみがわかる本』、有賀靖典『同族会社の役員給与の決め方と節税法』、武田隆二編『新会社法と中小会社会計』、有賀靖典『同族会社の役員給与の決め方と節税法』、太田達也『「役員給与の実務」完全解説』、鈴木基史『「詳解」役員給与をめぐる税務と会計』

2009年5月15日 (金)

交際費:タクシー代

■自社で行なう接待では、接待会場までの交通費も、また帰りの交通費も交際費等に該当します。従業員が帰宅するときも、パーティーがあったために従業員の帰宅が遅くなったものとして、接待に伴う行為と見られることがありますので注意が必要です。

■次の場合は、交際費等に該当しません。

  • 自社の所有する車等で行った場合
  • 他社の主催する接待等に参加する場合

発地敏彦『わかりやすい交際費の実務処理と節税ポイント』

計算書類等の「提出」と「提供」

取締役は、監査を経た計算書類および事業報告を、定時株主総会に提出し、または提供しなければならない。

提出とは案件を差し出して処理を求めること、言い換えれば、計算書類等を株主総会に提出して、「承認」を求めることを意味し、提供とは他人が利用できる状態に置くこと、言い換えれば、技術的事項を記載した計算書類や事業報告について、専門職業士である会計監査人および監査役の適法意見が付されている場合、株主総会には「報告」を行い、株主が利用できる状態に置くことが意味されている。

武田隆二編『新会社法と中小会社会計』

附属明細書

■会社法では、会計に関係する事項は「計算書類」へ、会計に関係しない事項は「事業報告」へ、という棲み分けが行われたため、附属明細書についても「計算書類の附属明細書」と「事業報告の附属明細書」に分割されました。

計算書類の附属明細書

計算書類の附属明細書に記載すべき事項は、次の4つです。

  1. 有形固定資産及び無形固定資産の明細
  2. 引当金の明細
  3. 販売費及び一般管理費の明細
  4. 関連当事者との取引に関する注記のうち省略した事項

取締役は、監査を経た計算書類および事業報告を、定時株主総会に提出し、または提供しなければならない。(計算書類:貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)

中小会社で附属明細書を作成することは、ほとんどないと推測しています。附属明細書は提供計算書類に含まれないので、「そんなものをつくっている余裕はない」といってしまえばそれまでです。

しかし、附属明細書は、計算書類や事業報告とともに、本店に5年間も備え置いて、株主や債権者の閲覧に供すべきものですから、その点を考慮して、できれば附属明細書を作成して欲しいものです。

事業報告の附属明細書

事業報告の附属明細書は「事業報告の内容を補足する重要な事項」を記載する必要があります。これについては、すべての会社に記載が求められています。この場合において、株式会社が公開会社であるときは、次に掲げる事項を事業報告の附属明細書の内容としなければならない。

一 他の会社の業務執行取締役(執行役を含む。)を兼ねる会社役員(会計参与を除く。)についての兼務の状況の明細

二 第三者との間の取引であって、当該株式会社と会社役員または支配株主との利益が相反するもの明細

■会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(経団連)

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/087.pdf

高田直芳『実例でわかる新しい決算書のつくり方』、武田隆二編『新会社法と中小会社会計』

計算書類等

計算書類

  1. 貸借対照表
  2. 損益計算書
  3. 株主資本等変動計算書
  4. 個別注記表

■計算書類等の「

  1. 事業報告
  2. 事業報告に関する附属明細書
  3. 計算書類に関する附属明細書

■会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(経団連)

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/087.pdf

高田直芳『実例でわかる新しい決算書のつくり方』

事業報告の一般規定

事業報告とは、株式会社が各事業年度において計算書類と並んで作成すべき文書として規定されている。

事業報告では、すべての会社において、次に掲げる事項を記載することが求められています。

  1. 会社の状況に関する重要な事項
  2. 業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)の整備に関する決議をした場合はその内容の概要

1では、「計算書類及びその附属明細書並びに連結計算書類の内容となる事項は除く」ものであれば、任意に記載すればよいと解される。ここで任意に記載と述べたが、その記載の内容については、「公開会社の特則」に関する規定から適時必要な事項を選択記載することでよいのではないかと解される。

1の通則だけが適用される中小会社の場合、「会社の状況に関する重要な事項」がなければ、事業報告の話はここでオシマイです。2は、決議義務があるのは、大会社だけですから。

■会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(経団連)

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/087.pdf

高田直芳『実例でわかる新しい決算書のつくり方』、武田隆二編『新会社法と中小会社会計』

流動比率と当座比率

■流動比率

流動資産/流動負債

流動比率が低い理由として、流動負債で固定資産の投資をしている場合があげられます。固定資産は、長期借入金や自己資本で賄うのが大原則なのです。

流動比率が高くても、流動資産の中味の売掛金が多いと不良債権が、棚卸資産が多いと不良在庫が各々生じる可能性があります。

■当座比率

当座資産/流動負債

評価を厳しくするので、一名「酸性試験比率」ともよばれている。

当座資産は、現金預金、受取債権(受取手形-割引手形+売掛金)、市場性のある有価証券です。受取債権は、まだ現金によって回収されていないことについて留意が必要である。

当座資産を「流動資産-棚卸資産」という考え方もある。この場合、未収金、未収収益、立替金、短期貸付金等が含まれることになる。

筒井信行『あなたの経営分析はまちがいだらけ』、森脇彬『経営分析実務相談』、山上達人『現代企業の経営分析』

繰延資産

1.株式交付費:新株の発行又は自己株式の処分に係る費用

原則:支出時費用(営業外費用)

容認:3年以内の定額法で償却

2.社債発行費等:社債募集のための広告費等社債発行のために直接要した費用(新株予約権の発行に係る費用を含む)

原則:支出時費用(営業外費用)

容認:原則として社債償還期間にわたり利息法で償却する。ただし継続適用を条件に定額法も可

3.創立費:会社の負担すべき設立費用

原則:支出時費用(営業外費用)

容認:5年以内の定額法償却

4.開業費:会社設立後営業開始時までに支出した開業準備費用

原則:支出時費用(営業外費用)

容認:①支出時費用(販管費処理)、②5年以内の定額法償却

5.開発費:新技術又は新経営組織等の採用の為に支出する費用で経常的でないもの

原則:支出時費用(売上原価又は販管費)

例外:5年以内の定額法又はその他の合理的な償却方法による。ただし、「研究開発等会計基準」の対象となる研究開発費については費用処理とすべきことに留意

■試験研究費:期間費用

■社債発行差金:社債金額から直接控除

■建設利息:廃止

交際費の5,000円基準

■「飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除きます)であって、その金額が1人当たり5,000以下である費用」は、交際費から除外されます。社内飲食費とは、法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものをいいます。

■この適用を受けるためには、次に掲げる事項を記載した書類の保存が要件となります。

  1. その飲食等のあった年月日
  2. その飲食等について参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
  3. その飲食等に参加した者の数
  4. その費用の金額並びにその飲食店、料理店等の名称及びその所在地
  5. その他参考となるべき事項

■消費税については、税抜経理を選択している法人は、消費税を抜いた金額で1人当たりの飲食費が5,000以下かどうか判定します。

■接待ゴルフ後のパーティー代については、一連の行為とみなされ、ゴルフのプレー代と合わせて交際費に該当するか判定します。

■1人当たり5,000円を超えた場合には、その全額が交際費に該当することになります。

■1次会、2次会など連続した飲食等の行為が行われた場合には、例えば、まったく別の業態の飲食店を利用した場合などそれぞれの行為が単独で行われたと認められる場合には、それぞれ1次会、2次会ごとに1人当たりの飲食費が5,000以下であるかの判定を行います。

■飲食の後のお土産代については、飲食代と含めて判定することになります。

■交際費等(飲食費)に関するQ&A

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/5065.pdf

ギルマンの五つの「企業疾患」

ギルマンはアメリカ経営分析の確立期における重要な論者の1人であるが、彼は「企業疾患」の発見という観点から経営分析方法を展開している。そして、①経営者の性格(character)、②経営者の能力(capacity)、③資本の状態(capital)、④経済的な状況(conditions)の四つを企業の信用要因としてあげている(ギルマンの4C)。

ギルマンの「企業疾患」は初版と第2版では異なっているが、初版においては、①純利益の不足、②棚卸資産の過大、③受取勘定の過大、④固定資産の過大、⑤資本の不足の五つが「五大疾患」(病源)としてあげられている。

第2版においては、次のように発展させられている。すなわち、

  1. 純利益の不足:①売上高の不足、②売上原価の過大、③営業費の過大
  2. 配当金の過大支払
  3. 財政状態の歪み:①受取勘定の過大、②棚卸資産の過大、③固定資産の過大、④資本の不足

また、これを分析資料との関係でみると、次のようである。

  1. BS分析:①受取勘定の過大、②棚卸資産の過大、③固定資産の過大、④資本の不足
  2. PL分析:①売上高の不足、②売上原価の過大、③営業費の過大、④配当金の過大支払

このギルマンの「五大疾患」(あるいは八大疾患)は有名であり、現在においてもその重要性は失われていない。

山上達人『現代企業の経営分析』

2009年5月14日 (木)

ハゲタカレシオ

ハゲタカレシオは、その名のとおり、M&Aで使われ、会社購入後、会社財産を切り売りし、その売却代金で、M&Aで生じた負債を返済することが可能かを判断する指標である。ハゲタカレシオは、分子は購入した会社の時価総額、分母は購入した会社の正味流動資産(流動資産に、税引後の有価証券含み益を加えて、長短債務を控除)で、1倍が基準となる。1倍割れの場合、買収対象企業の株価が割安で、買収後会社資産を換金すれば、おつりがくることをあらわしている。

株式時価総額/[流動資産+税引後有価証券含み益-(流動負債+長期借入金)]

鯖田豊則『会社を目利きする50のポイント』

GDP

付加価値とは、各企業での「売上高から仕入額を引いた数字」です。つまり、企業の中で新たに作り出された価値です。これを日本中合計したものがGDPです。

GDPには、「名目」と「実質」の二つの数字があります。「名目」は実額、そのままの数字で、「実質」はインフレやデフレを調整した数字です。

実質GDP・・・物価がおなじだとしたら、GDPはどうなるか

名目GDP・・・物価に動かされるまま、つまり表面的な金額ではかるもの。

実質GDP=名目GDP-物価上昇分

小宮一慶『お金を知る技術増やす技術』

表面金利と実質金利

■表面金利と実質金利

表面金利・・・・実際の金利。銀行窓口などで提示されている金利

実質金利・・・・・①(インフレの場合)表面金利-インフレ率、②(デフレの場合)表面金利+デフレ率

金利を考えるときは、実質金利で考えること

■実質金利の算出法

1.実質金利=[(借入金×a)-(固定預金額×b)]/[借入金-(固定預金+預金残高)]

2.実質金利=[a-(b×預貸率)]/1-預貸率    

(a=借入利率、b=預金利率)

■実質金利と総資本利益率

(支払利息+手形割引料-受取利息)/(借入金+割引手形-定期預金)=実質金利

実質金利と(純利益/総資本)とを比べてみるがよい。前者が大きければ、借金は自分の首をしめることになり、前者が小さければ、事業にプラスの借金である。

小宮一慶『お金を知る技術殖やす技術』、棚橋隆司『財務革命』、田辺昇一『経営コンサルタント入門』、小山昇『社長の決定 経理改革編』

自己資本比率と1株当たり純資産(連結)

■自己資本比率

(純資産-新株予約権-少数株主持分株主資本+評価・換算差額等/期末資産の部合計

■1株当たり純資産

期末の純資産額(新株予約権と少数株主持分を引く)/期末の発行済株式総数

鈴木広樹『株式投資に活かす適時開示』

重要な株主の種類

主要株主:議決権の10%以上所有する株主(開示必要)

大株主:株主順位が10位程度までの株主(開示不要)

筆頭株主:株主順位が1位の株主(主要株主でもあるものの異動は必要)

会社の意思決定への影響において意味があるのは、株主順位ではなく議決権比率です。

鈴木広樹『株式投資に活かす適時開示』

キャッシュ・アウト・マージャー(現金合併)

キャッシュ・アウト・マージャー(現金合併)とは、吸収される会社の株主に現金のみを交付する合併のことです。吸収する会社にとってのキャッシュ・アウト・マージャーのメリットは、株主の議決権の順位をそのままにして、会社の意思決定のあり方を変化させたくない場合に、それが可能になることです。

鈴木広樹『株式投資に活かす適時開示』

株式交換と株式移転

■株式交換

子会社化は、現金を支払って他の会社の株式を取得する方法ですが、現金を支払わずに他の会社の株式を取得する方法があります。しかも、他の会社の株式を100%取得して、完全子会社化する方法です。株式交換というものは、文字どおり株式を交換することによって行います。完全子会社化する会社の株主との間で、通常、その会社の株式と自社の株式とを交換します。そして、株式交換後、完全子会社化した会社の株主だった者は、自社の株主となります。

■株式移転

株式移転は、新たに持株会社を設立して、複数の会社をその完全子会社とする方法です。完全子会社となる会社の株主は、通常、所有している株式と交換に持株会社の株式を取得して、株式移転後は持株会社の株主になります。完全子会社となる会社の株式は上場廃止になり、持株会社の株式が新たに上場することになります。

鈴木広樹『株式投資に活かす適時開示』

執行役と委員会設置会社

執行役とは、委員会設置会社に設けられる機関です。

委員会設置会社とは、監査役又は監査役会ではなく、社外取締役が会社の経営を監督する会社です。監査委員会、指名委員会、報酬委員会という3つの委員会が置かれ、各委員会の過半数は社外取締役でなければなりません。委員会設置会社には、代表取締役という機関がなく、執行役の行為が会社の行為とみなされます。さらに、執行役は、多くの重要事実の決定も取締役会に代わって行うのです。

鈴木広樹『株式投資に活かす適時開示』

資金3表とキャッシュフロー計算書

資金繰表資金運用表資金移動表を、資金3表という。

■資金繰表

資金繰表は、企業の資金繰り実績や予定表のことで、金融機関など社外の者が作成することはできないので、一定の様式に従い、企業に作成・提出してもらうことになる。

一方、資金運用表と資金移動表は、外部の者が提出された財務諸表などから作成する資料である。

■資金運用表

資金運用表は、BSの2期間を比較し、各科目の残高の増減変化から、一定期間において、企業が資金をどのように調達し、どのように運用したかを要約したものである。

■資金移動表

資金移動表は、反対に、PLをベースに、一定期間の現金収支を表示するものである。ただし、BSの各勘定科目の増減を加え、加減調整して、現金ベースの資金収支を作成する。資金移動表の活用のポイントは、経常収支比率が測定できるところにある。

当期と前期のBS、それに当期のPLを使って、諸収入と諸支出を対照表示した間接法の資金計算書を資金移動表という。

■資金繰表・資金運用表・資金移動表の関係

資金運用表は一定期間の現金収支(キャッシュフロー)の動きを示していないが、資金移動表は、資金繰表と同様に一定期間の現金収支を算出することを目的とする。ただし、資金繰表のように収入・支出を直接的に見積もる方式ではなく、PLとBSをもとにして(間接法で)現金収支を算出するところに特徴がある。

資金移動表は形式的には資金運用表に、また内容的には資金繰表に似ているので(総額表示)、資金運用表資金繰表の中間をいく資金表といえる。

資金繰表と資金運用表の関係

資金運用表は、当期と前期の2時点のBSを比較して、各科目ごとの増減を整理し、資本金、当期利益(税引前)、長期借入金などの負債の増加を源泉に、固定資産、投資、運転資金の増加や決算資金の流出を運用として、まとめた表である。なお、両者の資金という概念は、資金繰表では「現金」を意味し、資金運用表では「資本」というような広義の資金を指している。

キャッシュフロー計算書

資金繰表がフローであるなら、資金運用表は資金を運用・調達という「ストック」の面から捉えた表になる。両者を比較すると、資金運用表には、「現金収入・現金支出」そのものをつかむ機能がない。一方、資金繰表からは、「資金の調達と運用のバランス」を解明することができない。そこで、両者の弱点をカバーすべく考案されたのが、CF計算書である。CF計算書は、BSの増減比較とその期のPLから、資金の動きをフローとストックの両面で捉えようとするものである。CF計算書は、資金繰表と資金運用表の中間的な存在であると考えることができる。

資金繰表CF計算書

1.両者の資金の捉え方はちょっと違っている

①資金繰表・・・資金(現金預金)をダイレクトにとらえる。

②CF計算書・・・資金を資産・負債・資本の増減などをもとにとらえる。

2.短期間の資金管理か長期的な資金管理かの違いを知る

①資金繰表・・・企業が資金管理を行う上で必要不可欠なもの。とくに短期間の資金の予定を把握するためにはなくてはならないもの。しかし、なぜ資金が不足しているのか、あるいは余ったのかという原因を一面しか把握できない。

②CF計算書・・・長期的(1年以上)な資金管理を3区分に分けて行うならば、資金過不足の原因をさらに追求できる。さらに、資金過不足の状態だけではなく、その裏に潜む営業活動の変化について把握することができる。

資金運用表CF計算書

直接法によるCF計算書は資金繰表に近いが、間接法によるCF計算書については資金運用表の考え方や作り方によっている。また、資金運用表では運転資金が、CF計算書では「現金+現金同等物」が資金である点も大きな相違点である。

資金移動表CF計算書

資金移動表での経常収支の部と直接法によるCF計算書の営業活動によるCFは基本的には同じである。なお、資金概念や区分表示は異なっている。

■CF計算書には、1年基準の概念がない。これが、CF計算書を読み誤る原因となっている。

■営業活動のCF計算書には直接法と間接法とがあるが、直接法は実績資金繰表だが、間接法は会社の資金担当者が昔から作成していた「資金運用表」とほぼ同じで、キャッシュ・フローという用語だけが新しいだけで、中身には何の新し味もない。

鯖田豊則『会社を目利きする50のポイント』、後藤弘『資金繰りとキャッシュ・フロー計算書』、高田直芳『明解!経営分析バイブル』、鶴田彦夫『よくわかる資金繰りの実務』

EBITDA

■EBITDA

EBITDA(Earnings Before Interest,Taxes and Depreciation & Amortization)は、イービットディーエー、イービットダーと発音し、利払前償却前税引前利益と呼ばれる。簡単に言えば「営業利益に減価償却費を足し戻したもの」や、税引前利益に支払利息と減価償却費を加算することで求められる。

EBITDA=当期利益+支払利息+償却費+法人税

EBITDAは、資本構成(借入か株主調達か)や金利水準、税率、償却方法の違いにより影響を受けない利益概念であり、業績の異業種(セクター、業界)間比較や、国際比較を行うのによく用いられている。

EBITDAは1990年代の最大のジョークである。EBITDAは本当に創作的な損益計算書指標なのだ。(マルフォード)

■EBITDA倍率

EBITDA倍率=[企業価値(株式時価総額+負債時価総額)]EV/EBITDA

・この倍率は、ある企業を買収した際に、買収後何年で、その企業の生み出す利益によって、買収した投下資本(株式時価総額と返済しなければならない有利子負債)を回収できるのかを示しており、簡易買収倍率とも呼ばれる。相対的に、この倍率が低いほど、株価は割安と判断することができる。

EV(Enterprise Value)とは、株主資本の価値と負債の価値の合計額である。ただしEVでは、企業が保有している現金や有価証券などを控除したネットでの有利子負債(有利子負債総額から現金や有価証券などを控除した金額)を活用するケースが多い。(伊藤)

・これは何を見るのかというと、「株式の時価総額(株×株式数)」に「ネット負債(有利子負債-現預金)」を足したものがEBITDAの何倍になるかという数字です。式で表すと、

株式の時価総額+ネット負債=EBITDA × x倍

目安としては、5倍程度なら十分、その会社の株を買えます。7倍なら「何とかなるかもしれない」というレベルです。それ以上なら「高い」と言えます。1株の値段は、この式を変形して、

EBITDA × x倍 - ネット負債=株式時価総額

ですから、それを株式数で割ると買おうとする株価が算定できます。

このEBITDAは、いわば買おうとしている会社が生み出すキャッシュフローで、割安かどうかを判断するものです。トレンドや罫線などはいっさい関係ありません。言い方を換えれば、これは経営価値です。株式を購入する際には、実際に企業が持っている価値(=生み出すキャッシュフロー)を重視するべきです。株価の過去の推移などは根源的価値とは関係ありません。根源的価値の高い会社の株を、安いときに仕入れて、(自然と)高くなるのを待って売るのが本筋です。(小宮)

一般に、10倍程度が標準とされる。その意味は、毎年のEBITDAベースの利益の約10倍が、時価ベース企業価値ということになる。この場合、あまり業種の違いによって倍率は変わらず、むしろ、成熟企業、大企業は10倍割れの1桁倍率、新興企業、ベンチャー企業など、今後の成長が見込まれる企業は、10倍から20倍の間とされる。(鯖田)

小宮一慶『お金を知る技術殖やす技術』、鯖田豊則『会社を目利きする50のポイント』、伊藤邦雄『企業価値評価』、マルフォード他『投資家のための粉飾決算入門』

外注費と報酬

■個人事業者が外注先に報酬を支払った場合、基本的には外注先への支払いについては源泉徴収義務は発生しません。例えば、一人親方や工務店が外注の大工さんへの支払、下請けに洋服加工を頼んだ場合の洋服加工工場への外注費などには源泉徴収は発生しません。

しかし、相手の職種を確認して、源泉徴収をする必要があるかどうかの確認が必要です。

源泉徴収をした場合には、その支払った年の翌年1月には、相手先ごとに「支払調書」を作成しましょう。

また、決算期をまたぐ外注費の支払は、仕掛として期末棚卸に計上しなければならない場合がありますので、注意が必要です。

■外注先が法人である場合は、源泉徴収をする必要はありません。

■法人に勤めている従業員と同じ労働条件、同じ作業用具を使って働いている人を外注扱いしていても、従業員と同じく源泉徴収義務が発生する場合があります。

林卓也『やってはいけない会計・税務50の落とし穴:個人事業者編』

雑所得

■雑所得

1.必ず雑所得になるもの

①還付加算金、②生命保険契約に基づく年金(いわゆる個人年金)、③公的年金等

2.商売でしていないことを条件に雑所得になるもの

①原稿料、②講演料、③貸付金の利子、④保有期間5年以内の山林の譲渡による所得(山林業者以外の場合)、⑤先物取引による所得等

Q:ネットショップを立ち上げ、年間18万円儲かったので、確定申告をした。

この場合、事業所得か雑所得になるのですが、雑所得であれば、

年間の所得金額=収入金額-必要経費が、20万円以下であれば、確定申告をする必要はありません。

(参考)確定申告をしなければならない方

給与所得や退職所得以外の所得金額(収入金額から必要経費を控除した後の金額)の合計額が20万円を超える方

国税庁『暮らしの税情報』

法人成りのメリット・デメリット

  • ■メリット
  • 個人事業者の所得には丸々所得税がかかりますが、法人は利益から事業傾斜の給与が経費として引けるので、その分の節税効果があります
  • 法人では、将来的に事業者個人の退職金を法人の経費として計上することができるので、その節税効果があります
  • 青色欠損金の繰越→個人は3年間だけですが、法人は7年間できます
  • 減価償却→個人は強制償却ですが、法人は任意償却なので、赤字の期には償却しないことにより、繰越欠損金の切捨てを避けられます
  • 個人で加入した生命保険の保険料は個人事業者の所得から支払われますが、法人で一定の条件で加入した場合は法人の必要経費になります
  • 取引先からの社会的信用が高まります
  • 公的な助成金を受けたり、金融機関からの融資が受けやすくなります

■デメリット

  • 法人がどんなに赤字でも、地方税(均等割)が課税されます
  • 社会保険への加入が強制になります
  • 法人にするための登記費用がかかります
  • 個人事業者では、収入を得るために支出する交際費があれば、支出に制限はありませんが、法人では、一定の制限があります

林卓也『やってはいけない会計・税務50の落とし穴:個人事業者編』

豊田裕貴『現場で使える統計学』阪急コミュニケーションズ

自分の分野について、まったくその分野に携わっていない人に、その内容と魅力をかみ砕いて伝えられないと、自分の専門分野とは言えない。

  1. 統計学の主な目的は、要約(まとめ)と推定(一部のデータでものを言う)の二つ
  2. 要約では、必ず何かしらの情報が捨てられる。何が捨てられるのかを理解した上で、要約するのかどうか、要約するならどんな手法を使うかを決めなければならない
  3. 要約手法では、しばしば「当たり前の分析結果」が得られてしまう。それは、分析対象をよく知っていればいるほど起こる。ビジネスの現場でできる人ほど、統計学を使った際にがっかりする一因はここにある。逆に、要約で捨てられていく情報や傾向から外れている値(外れ値など)に着目するという見方で要約手法を考えると、新たな知見を得るために使える統計学になる
  4. シンプルな手法であっても組み合わせることで、得られる知見を広げることができる。その際には、何を知りたいのかを考えてから、手法やその組み合わせ、必要なデータを考えていくことが必要になる
  5. 一部のデータでものを言う以上、結論は断言できない。だからこそ、前後に幅を持たせたり(標準誤差)、判断ミスとする可能性を加味してものを言ったり(有意確率)する必要がある
  6. 仮説は、原因系と結果系を含めることで、ビジネス現場で使いやすい仮説になる。そして仮説の基本パターンはその基本はA→B⇒C→D。この仮説へのアプローチは、原因系と結果系が、質的データか、量的データかの組み合わせて4通りになる。この組み合わせと統計手法を対応づけると、現場で使うシーンや目的をイメージしやすくなる
  7. 仮説へのアプローチは、必ずしも仮説検定である必要はない。集計やグラフ、基本的な統計指標の比較で済めば、それでもかまわない。もしそれでは十分ではなく、仮説が正しいかどうかの判断ミスをする可能性まで知りたいときに、仮説検定の知識が生きてくる

社長所有の土地に社屋を建てる場合の注意点

■社長と会社が個人地主、法人借地人にある場合に適正な権利金の授受を行おうとすると、当然のこととして会社に多額の資産負担能力が必要となり、社長にも、譲渡所得か不動産所得が荘司、かなりの税金がかかってきます。

一方、安い地代だけで適正な権利金も相当地代も授受していないとなると、個人サイドではさほど問題ありませんが、法人サイドでは権利金相当額の受贈益があったものとして課税されます。また、権利金が通常のケースより低額であったり相当の地代に不足するときにも、差額分について同様の課税がされます。

法人税法では、借地権に関しては当事者間で、将来、借地人が無償返還するという契約をしてその旨を税務署に届けているときには、権利金に対して課税がされません。ですからこの場合は、無償返還する旨を届け出るか、相当の地代の授受を行うことが妥当でしょう。

■会社が権利金の支払いをしないで、なおかつ節税するには、あらかじめ「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に提出します。これによって、会社が任意に地代を設定できます。なお、相当の地代とは相続税評価額の年6%程度で、設定した地代との間に大きな開きがある場合は、差額分が認定課税されることがあります。

山田朝一『「会社の税金」これで2割は安くなる!』、有賀靖典『同族会社の役員給与の決め方と節税法』

社宅購入のメリット

■社長が個人で不動産を買うと、ローン控除を受けられるというくらいです。

会社が借金をして社宅を購入することになると、減価償却費や借入金の利子の計上ができるほか、従業員や役員に低額で賃貸できますから、あまり利益を出すこともなく、節税のメリットを生かすことができます。

■社宅を役員に低額で貸したとき

社宅を借りている社長については、通常の家賃と支払っている家賃との差額分は役員給与となるので、役員給与が増えた分だけ所得税や住民税が増えることになります。

なお、会社が第三者から借りて役員に貸す「借り上げ社宅」という方法もあります。この場合は、固定資産税の課税標準を算定根拠として計算した賃貸料か、会社が支払う賃貸料の50%相当額のうち、高いほうの賃貸料となります。

http://www.tabisland.ne.jp/news/news1.nsf/2a03c8904e6f853f492564990021bb43/938e6f0a52fd6edb492575bb00098655?OpenDocument

■従業員に貸したとき

自社建設の社宅の場合は、一定の算式で算出した金額を超える部分は給与とされ、源泉徴収の対象となります。

借り上げ社宅の場合は会社が支払っている額の50%以上を従業員から徴収していれば、給与として課税されません。

山田朝一『「会社の税金」これで2割は安くなる!』、有賀靖典『同族会社の役員給与の決め方と節税法』、FANアライアンス編『会社の税金コレを知らなきゃ大損です!』

営業活動で徹底すべき「回収の4原則」

  1. 取れる相手に売れ・・・・・支払能力判断
  2. 取れるように売れ・・・・・支払いの約束
  3. 取れるように取れ・・・・・回収の習慣
  4. 取る気になれ・・・・・心構えを創る

岩佐孝彦『小さな会社の社長のお金を残すために絶対必要な本』、棚橋隆司『財務革命』

中小企業版FCF(フリーキャッシュフロー)の簡単な算出方法

中小企業でも簡単に算出できるFCF=他人依存度確認術があるのです。

キャッシュと借入金の情報があれば、なんと、中小企業版のFCFを算出できます。

それは、

     FCF=営業CF+投資CF=キャッシュの増減額-借入金の増減額

例えば、期首(300)と期末(200)のキャッシュの差額が(-100)で、借入金の増加が(700)だった場合、FCFは、-100-700=-800となります。

FCF(-800)に借入金の増加(700)を加味すると、キャッシュの増減額は(-100)。期首(300)にキャッシュの増減額(-100)を差し引くと、期末のキャッシュ(200)。

すばらしい。

請負契約とその他の契約

雇用契約や委任契約であれば、印紙の必要はありません。

A社が従業員Bに命令するのであれば「雇用契約」、C社がD社に建設工事を依頼するなら「請負契約」、E社がF税理士を税務顧問とするときは「委任契約」となります。

須田邦裕『会計事務所の仕事がわかる本』

事業主借と事業主貸

■会社なら「資本金」に相当する勘定を、個人では「事業主貸」「事業主借」「元入金」という3つの勘定で処理します。

■例えば、銀行の通帳に利息が入金されたとき、次のような仕訳を行います。

預金 ×× / 事業主借 ××

これは、預金の利息が「利子所得」という異なる所得に区分されるからです。

■1年間頑張って利益が出たら、その利益は翌期に繰り越すときに資本に合体させるため元入金勘定に振り替えます。また、生活費などのために期中に事業から家庭に引き出したお金は「事業主貸」、逆に事業に家計から追加出資したお金は「事業主借」という勘定で処理しておき、同じく翌期更新時にそれらを元入金と相殺する、という処理を行うのです。これを算式にすると、次のようになります。

当期首元入金+当期利益+事業主借-事業主貸=翌期首元入金

ここで大切なのは「事業主貸」という勘定です。税務署は、常にこの勘定に注目している、といっても過言ではありません。その人の生活レベルに見合った適正な事業主貸勘定が発生していないと、脱税の可能性を疑われることになります。会計事務所でも、事業主貸勘定の発生があまりに少ないときは、その理由を検討しなければなりません。

須田邦裕『会計事務所の仕事がわかる本』

付加価値と付加価値率

■付加価値の計算の仕方は、中小企業庁などが使っている控除法と、日銀や日本経済新聞社が大企業の業績を分析するときに使う加算法の二種類の計算方式があります。

控除法

付加価値=売上高-外部購入費

加算法

付加価値=経常利益+人件費+金融費用+賃借料+租税公課+減価償却費

この加算法で計算した付加価値は、ふつうは控除法で計算した付加価値より少なくなります。逆にいうと、控除法による計算のほうが加算法より付加価値が多くなるわけですが、このような理由から、控除法による付加価値を、粗付加価値と呼んで区別することがあります。

付加価値率

付加価値率=付加価値/売上高

企業の製造深度(内製度、あるいはその逆数の外注度)を示す指標。「高付加価値」製品といわれる場合に用いられる指標であるが、高付加価値製品というのは、利益をあげる源泉である付加価値が多いということであり、付加価値率の高い企業が必ずしも利益(=収益性)が高いとはいえない場合があるので注意することが必要である。すなわち、例えば付加価値が多くてそのなかに利益以外のものへ分配されるものが多い場合がそれである。

付加価値を計算する目的は、利益を計算する目的と同じではない。

■おおざっぱに、製造業では加工高、商業では粗利益を付加価値と考えて差し支えありません。

原田盛夫『採算計算に強くなる本』、森脇彬『経営分析実務相談』、山上達人『現代企業の経営分析』、石上芳男『「会社の数字」ここを押さえれば簡単だ!』

2009年5月13日 (水)

法人税:交際費判定の目安と計上時期

■交際費判定の目安

相手方で収益に計上される金銭や事業用資産の交付は、原則として交際費にはなりません。相手方で収益に計上しない、旅行や観劇の招待などは交際費に該当するということになります。

■交際費の計上時期

交際費は接待等の行為のあった事業年度に支出交際費として経理処理します。したがって、請求期限が事業年度末までに到来しない交際費についても、未払金計上して経理処理しておく必要がありますが、確定決算で経理処理していなかったとしても、確定申告書上で減算調整することができます。

■広告宣伝費と寄附金、交際費の違い

広告宣伝費は不特定多数を相手とした支出、寄附金は事業に直接関係のない相手に対する金銭の支出、交際費は相手からなにがしかの返礼を期待しての支出。

長谷川麻子『同族会社の節税マニュアル』、薄井逸走『法人税調査はきっと!ここを見る』

節税対策の二大鉄則

1.課税所得を減らす

2.ロスを出さない

  • 欠損金
  • 特別償却、特別控除

長谷川麻子『同族会社の節税マニュアル』

営業CFのざっくり算出法

営業利益+減価償却費-法人税等=営業CFの概略

この計算結果が営業CFと大きく違うならば、ほかに何か異常性をあらわす売上債権・棚卸資産・買掛金などに著しい変動がある可能性が高いので、それを疑ってみる。

柴山政行『一目で見抜く!財務諸表解読法』

一目で見抜く財務諸表

■貸借対照表

チェック項目

総資産はいくらか?/前年比でいくら増減したか?

  1. 現金預金プラス有価証券は、総資産の10~15%はあるか?
  2. 売上債権は、売上高の10分の1~2前後(月商の2ヵ月前後)か?
  3. 棚卸資産は、売上高の10分の1~2前後(月商の2ヵ月前後)か?
  4. 純資産は総資産の30%以上か?(あるいは業界平均以上か?)
  5. 有利子負債は税引後経常利益の10年分以内か?
  6. 純資産と利益剰余金は、5年前から1.3倍以上増えているか?

【財務分析のポイント】

  • 1~6のうち5つ以上がYES、残りが危険水域になければ優秀
  • 1~6のうち3つ以上がYES、残りが危険水域になければ普通
  • 危険水域(目標値の半分以下、または2倍以上ある場合)の項目は、重点改善事項!

■損益計算書

チェック項目

売上高はいくらか?/前年比でいくら増減したか?

  1. 営業利益は、前期より増加しているか?
  2. 営業利益は、売上高の5%以上あるか?
  3. 当期純利益は前期より増加し、かつ売上高の3%以上あるか?
  4. 売上総利益率は3年前よりも高くなっているか?
  5. 純資産に対する当期純利益の比率は5%以上あるか?

【財務分析のポイント】

  • 1~5のうち4つ以上がYES、残りが危険水域になければ優秀
  • 1~5のうち3つ以上がYES、残りが危険水域になければ普通
  • 危険水域(目標値の半分以下、2のチェック項目は、前期の営業利益の半分以下に営業利益が減少した場合)の項目は、重点改善事項!

■株主資本等変動計算書

チェック項目

純資産はいくらか?/前年比でいくら増減したか?

  1. 利益剰余金は、前期より増加しているか?
  2. 利益剰余金は、資本金よりも大きいか?
  3. 評価換算差額等は、プラスか?
  4. 配当金または自己株式取得を実施し、利益還元しているか?

【財務分析のポイント】

  • 1~4の全部がYESであれば優秀
  • 1~4のうち3つ以上がYES、残りが危険水域になければ普通
  • 危険水域(目標値の半分以下、3はマイナス額が純資産の5%以上。4は過去3年間も配当がない場合)の項目は、重点改善事項!

■キャッシュフロー計算書

チェック項目

資金残はいくらか?/前年比でいくら増減したか?

  1. 営業CFは、前期より増加しているか?
  2. 営業CFは、営業利益の9割以上か?
  3. FCFは、過去3年で2回以上黒字か?
  4. 異常な資金の減少はないか?(年商の10%以上など)

【財務分析のポイント】

  • 1~4の全部がYESであれば優秀
  • 1~4のうち2つ以上がYES、残りが危険水域になければ普通
  • 危険水域(目標値の半分以下。1は前期の半分以下に減少。3は過去3年で一度もFCFに黒字がない。4はNoであること事態が危険)の項目は、重点改善事項!

■貸借対照表と株主資本等変動計算書のみどころ

  1. 自己資本比率はいくら?
  2. 純資産の増減額と純利益はいくら?

■株主資本等変動計算書と損益計算書のみどころ

  1. 売上高営業利益率は5%を超えているか?(期待レベル8%超)
  2. 売上高当期純利益率は3%を超えているか?(期待レベル5%超)
  3. 当期純利益は営業利益のおおむね60%前後(±10%内)か?

■損益計算書とキャッシュフロー計算書のみどころ

  1. 営業CFは黒字か?
  2. 営業CFは営業利益の何倍か(0.9倍以上が目標)

柴山政行『一目で見抜く!財務諸表解読法』

キャッシュフローの『ざっくりかんたん危険度チェック』

危険度0】営業CFの黒字が、PLの営業利益に近い水準

危険度1】営業CFの黒字が、PLの営業利益の半分以下

危険度2】営業CFが赤字

危険度3】営業CFが2期連続赤字→イエローカード

危険度4】営業CFが3期連続赤字→レッドカード

柴山政行『一目で見抜く!財務諸表解読法』

ビジネス文書作成五つの原則

  1. 必ず用件見出しを作り最初に結論を持ってくる
  2. 読む気にさせる
  3. 個条書きを多用し、拾い読みでもわかるようにする
  4. 最初の三分の一で読むのを止めても理解できるようにする
  5. すべてを肯定的、前向きに書く

高井伸夫『朝10時までに仕事は片づける』

その他資本剰余金

■具体例

  • 減資差益(資本金および資本準備金の減少差益)
  • 自己株式処分差益

■表示例

 内訳科目の表示は必要ではなく、合計額表示でよい。ただし、会社計算規則上は、「適当な名称を付した項目に細分することができる」とされているので、内訳表示を妨げるものではない。

武田隆二『最新財務諸表論』

筋肉質な会社、メタボな会社の見分け方

Point1:ツケ(=未回収の売上代金)は、月商の何か月分たまっているか?

28,404(売上債権)÷160,602(月次売上)=月商の0.18か月

毎月100万円を売上げれば、毎月末の未回収額がわずか18万円と、ほとんど当月中に売上代金を回収できるという意味。

Point2:在庫(=未販売の商品や原材料など)は、月商の何か月分あるか?

125,508(棚卸資産)÷160,602(月次売上)=月商の0.78か月

当月100万円売るために、前月中に78万円の在庫を仕込んでおくという意味。

Point3:年間売上は、総資産に対して何回転しているか?

1,927,220(売上高)÷1,340,546(総資産)=1.44回転

柴山政行『一目で見抜く!財務諸表解読法』

有利子負債とは

■有利子負債とは

  1. 短期借入金
  2. 長期借入金
  3. 社債
  4. コマーシャルペーパー

■「予想の返済可能期間」は、だいたい10年以内なら、なんとか資金繰りをまわしながら事業を円滑に行える一つのデッドラインではないかと思います。

■借金のポイント

  1. 負債総額が、全資産の70%以下かどうかをチェック!
  2. 有利子負債は、税引後経常利益の10年分以内に収まっているか?

柴山政行『一目で見抜く!財務諸表解読法』

益金:広告宣伝用資産をもらったとき(受贈益)

看板、ネオンサインなど:メーカー名が入ったこれらのものは、もらった側が直接利益を得るような性質のものではありませんので、受贈益はないものとします。もっぱらメーカーなど贈り主の広告宣伝用に使われるものについては、たとえどんなに高価なものであっても、受贈益として計上する必要はありません。受贈した会社は、なんらの経済的利益を受けていないと考えられるからです。

陳列棚な冷蔵庫など:自動車・陳列棚・ショーケースなどは、いかに広告宣伝用だといっても、贈り主の広告宣伝のほかに、受贈した側の役にも立つわけですから、利益を得るために使用されるとみなされます。したがって、広告宣伝用資産を無償や低廉取得した場合は、以下の算式で求められる金額を受贈益として計上します。ただし、この金額が30万円以下であれば受贈益はないものとします。

なお、広告宣伝用資産であることが明らかになっていなければ、単なる固定資産の贈与ということになってしまいます。

贈与側のその資産の取得価額×2/3-受贈側の支出した金額

■具体例

メーカーが取得額60万円の自社の社名入り陳列棚を特約店に渡し、特約店は10万円だけ、メーカーに渡した。

<特約店>

備品 400,000 / 現金 100,000・受贈益 300,000

もし、メーカの取得額が50万円だったら、

このとき、500,000×2/3-100,000=233,333≦300,000 ※30万円以下なので受贈益なし

備品 100,000 / 現金 100,000

<メーカー>

現金 100,000・長期前払費用 500,000 / 備品 600,000

佐藤善恵『最新小さな会社の法人税の申告と経理処理がわかる本』、山田朝一『「会社の税金」これで2割は安くなる!』

       

アンゾフ:製品・市場マトリックス

■アンゾフは、戦略を「部分的無知の状態のもとでの意思決定のためのルール」と定義している。つまり、戦略とは非常に不確実性の高い状況において決定を導くためのルールを意味しているということである。そして、戦略を構成する要素として、①製品市場分野、②成長ベクトル、③競争上の利点、④シナジーの4つの基準を提示している。

アンゾフは、企業の成長図式として成長ベクトルという枠組みを示し、図のような製品・市場マトリックスを提示した。成長ベクトルというのは、現在の製品市場分野との関連において企業がどのような方向に成長しているのかを示すものである。

製品
 
市場 市場浸透戦略 新製品開発戦略
市場拡大戦略 多角化戦略

アンゾフは、企業が長期的な成長目標を達成するためには、図に示した製品軸と市場軸で表される4つの戦略の組み合わせが必要だとした。

  • 市場浸透戦略:この戦略は既存の製品と既存の市場で成長を果たそうとするわけだから、市場需要の成長力がいまだ衰えずという前提が必要である。市場需要の成長力を高める第1の方途は、市場需要の普及・拡大をはかることである。つまり、当該製品の利用者の数を増やすことであり、顧客ベースを拡大することである。第2の方途は、拡大した顧客ベースの1人当たり使用量を拡大することである。そのためにマーケターは通常、ユース・オケージョンの開拓を行う
  • 新製品開発戦略:企業の成長目標を達成する第2の方策は、新製品開発戦略である。これは、いわゆる製品ラインの拡大であり、既存製品を基軸として同一顧客ベースに対して多様な製品ラインを構築したり、新製品による製品の切り替えを積極的に行うことである
  • 市場拡大戦略:成長目標を達成する第3の方策は、市場拡大戦略であり、その典型的なものは市場の国際化である。
  • 多角化戦略:成長目標達成のための最後の方策は、事業の多角化戦略である。アンゾフの製品・市場マトリックスによれば、多角化とは新製品をもって新市場に参入することと定義される。したがって、企業が行う多角化活動は、これまでの事業活動とはまったく異なる事業活動となり、そこには新たなリスクが発生することになる。

■アンゾフ理論の問題点

多角化戦略は、シナジー効果が極めて弱い分野に新事業の展開をしようとする戦略である。アンゾフが企業戦略を著した時代のように経済のパイが拡大している場合には、シナジーを無視した多角化が成長戦略としても意味をもったといえる。しかし、このような多角化戦略は、ともすればアメリカで1960年代にブームとなったコングロマリットといった関連のないあらゆる分野に進出するといったリスク分散型の企業形態を生み出してしまうことになる可能性がある。

アンゾフは、シナジーという概念を考慮しながら、企業の成長戦略の方向性を決定することの重要性を示唆したものであり、シナジーが弱くなればなるほど、不確実性が強くなることも示している。

シナジー(synergy)

シナジーとは、「企業の資源から、その部分的なものの総計よりも大きな一種の結合利益を生み出す」相乗効果のことであり、「2+2=5」というような効果をいう。アンゾフは、シナジーを次のような4つに分類した。

  • 販売シナジー:流通経路、販売管理組織、倉庫、広告、販売促進、名声を複数の事業の間で共通に利用するときに起こりうる効果
  • 操業(生産)シナジー:施設と人員の高度な利用、間接費の分散、共通の学習、一括大量仕入れなどによって起こりうる効果
  • 投資シナジー:工場、機械器具、研究開発を複数の事業の間で共通に利用できるときに起こりうる効果
  • マネジメント・シナジー:経営者の能力やノウハウが複数の事業の戦略的・管理的問題に共通して適用できるときの効果

アンゾフ『最新・戦略経営』、和田充夫他『マーケティング戦略』、大滝精一他『経営戦略』、淺羽茂『経営戦略の経済学』、十川廣國『戦略経営のすすめ』

中古資産の耐用年数

中古資産の耐用年数については、第1に残存耐用年数を見積ることとしており、第2にその見積りが困難な場合には一定の算式による。

■中古資産の耐用年数の見積もり方

1.法定耐用年数のすべてを経過した中古資産

法定耐用年数×20%=見積耐用年数

2.法定耐用年数の一部を経過した中古資産

法定耐用年数-経過年数+(経過年数×20%)=見積耐用年数

  • 1年未満の端数がある場合→端数は切捨て
  • 2年に満たない場合→2年になる

FANアライアンス『会社の税金コレを知らなきゃ大損です!』、薄井逸走『法人税調査はズバリ!ここを見る』

事業用建物・土地を会社で購入するのと、個人で購入し会社に貸すのと、どっちが得?

個人の年間所得が高額でなければ、個人が購入して会社へ貸すほうが税金は安くすみます。

個人と会社を一体にとらえての納税負担を考えれば、事業用建物・土地を購入する場合、個人で購入して会社が個人へ地代家賃を支払ったほうが税金は安くなります。

事業用の土地や建物を会社で所有した場合、会社の経費となるものには、土地の税金、建物の減価償却費あるいは借入金の利息などの所有資産にかかる固定費があげられます。しかし、個人で所有した場合には、これらの経費に利益分を上乗せした賃借料を会社から収受することになり、この賃借料がそのまま会社の経費となります。したがって、会社は所有資産にかかる固定費以上の額を地代家賃として支払うことになり、会社が所有した場合よりも高い節税効果を得ることができるのです。

FANアライアンス『会社の税金コレを知らなきゃ大損です!』

源泉税の納付時期

■原則は支払日の翌月10日

■従業員数が10人未満の場合は半年に1回でも可(納期の特例)

  • 1月1日から6月末まで・・・7/10
  • 7月1日から12月末まで・・翌年1/10。「納期の特例」を適用している場合は1/20まで期限を延長することもできます(納期の特例の特例)。

なお、1/20日に届け出たら1月分は2月の10日までに納めなければなりません。

FANアライアンス『会社の税金コレを知らなきゃ大損です!』

他勘定振替高

商品(製品)の一部を、見本として使ったり、自家消費したりした場合に、これらを売上原価の計算から除外(売上原価のマイナス)して、適当な科目に振り替えるものである。

広告宣伝費 ×× / 売上原価 ××

田中弘『新財務諸表論』、榎本『仕訳の実際555例』

価格と価額

「価格」は1個当たりのモノの値段。

「価額」は、会計では、「帳簿の金額欄に記載された金額」を意味する。

(単価×数量)で求めた金額を「価額」ということもある。

田中弘『新財務諸表論』

役員や従業員に値引販売する際の注意点

以下の全ての要件がクリアされていないと、メーカーでは販売価額、卸売業では卸売価額、小売業では小売価額と値引後の価額の差額が、従業員に対しては「現物給与」、役員に対しては「現物賞与」となって、それぞれ所得税の対象になってしまいます。

  1. 値引販売の商品価額が会社の取得価額(仕入価額、製造原価)以上であり、他社に販売する価額の70%以下であること
  2. 役員や従業員全員について値引率が一律に決められているか、役員と従業員の地位、勤続年数などに応じて全体として合理的にバランスが保たれた範囲で格差を設けていること
  3. 値引販売する商品等の販売数量が、一般の家庭で消費・使用する程度であること

山田朝一他『「会社の税金」これで2割は安くなる!』、佐藤善恵『最新小さな会社の法人税の申告と経理処理がわかる本』

消費税:簡易課税制度

■簡易課税制度

基準期間、つまり前々事業年度の課税売上高が5000万円以下でなければ適用できません。

簡易課税を選択する場合には、適用事業年度の前日までに、税務署長に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出しなければなりません。

なお簡易課税を選択した場合には、2年間は変更できません。大きな設備投資を行うと課税仕入にかかる消費税額が増えて原則課税のほうが有利になることもありますが、仮にそうなっても、簡易課税を選択した事業年度と翌年度の2事業年度は、変更することができません。

■みなし仕入率

第1種 卸売業  90%

第2種 小売業  80%

第3種 製造業・建設業  70%

第4種 飲食店業・金融・保険業  60%

第5種 不動産業、運輸通信業、サービス業  50%

事業区分を分けない場合は、課税売上はすべて、行っている事業のうちのもっとも低い(不利な)みなし仕入率で計算されます。

■簡易課税による納税額の目安

第1種 卸売業(課税売上高に対する合計税額の割合:0.5%)

第2種 小売業(課税売上高に対する合計税額の割合:1%)

第3種 製造業(課税売上高に対する合計税額の割合:1.5%)

第4種 その他の事業(課税売上高に対する合計税額の割合:2%)

第5種 サービス業等(課税売上高に対する合計税額の割合:2.5%)

■簡易課税の有利不利

実際の仕入率がみなし仕入率を超えるときは原則課税が有利、みなし仕入率以下であれば簡易課税を選択する。

簡易課税を選択すると2年間強制されるため、仕入率の試算にあたっては、少なくとも今後2年間の予測が必要になる。

■簡易課税のデメリット

簡易課税には、事務処理負担が減るなどのメリットもありますが、一方、消費税の還付がないなどのデメリットもあります。また、簡易課税制度を選択すると最低2年間は継続しなければなりません。

■簡易課税と仕入割戻

消費税の簡易課税を選択した場合、納付する消費税額は課税売上高で決まります。仕入割戻を雑収入で計上すると、この雑収入も課税売上高となり、納付する消費税額も増加します。

小池正明『消費税の実務ができる本』、戸田税務会計事務所『「会社の税金」まだまだあなたは払い過ぎ!』、FANアライアンス『会社の税金コレを知らなきゃ大損です!』、佐藤善恵『最新小さな会社の法人税の申告と経理処理が分かる本』

印紙税の節約:2つの契約書を1つにしても印紙税の節約になる

1つの文書とは、その形態から見て1個の文書と認められるものをいい、2つ以上の課税の対象となる事柄が記載されていたり、混合して記載されていても、1つの文書となります。

そして、2つ以上の課税事項が記載された文書は、内容によっていずれか1つの課税事項を記載した1つの文書とされます。

例えば、機械の製作を1000万円で請け負い(2号)、同時に製作費の一部500万円を発注先から借り入れた(1号)場合です。まとめると、2号文書として1万円となります。

第1号文書と第2号文書とに該当する文書で、その文書にそれぞれの契約金額が区分記
載されており、第2号文書についての契約金額が第1号文書についての契約金額を超える
もの⇒ 第2号文書

ただし、どんな場合でも1つにまとめてしまえばよいというものではなりません。ケースバイケースで検討する必要があります。

国税庁『印紙税の手引』、戸田税務会計事務所『「会社の税金」まだまだあなたは払い過ぎ!』

2009年5月12日 (火)

印紙の節約:契約書の金額を2つに分ける

例えば、借入金1000万円の契約に対する印紙税は1万円ですが、500万円の場合は2000円で済みます。

また、1000万円の機械を購入し、100万円の製作費を支払って改良してもらった場合、これを1通にまとめて「機械売買契約書」を作成し「機械代金及び改良費1100万円」と記載してしまうと、印紙税2万円が課せられることになります。しかし、これを「機械代金1000万円、改良費100万円」と、2つに分けて記載すれば、請負に関する部分の100万円に対する印紙税200円で済むことになるのです(機械の売買契約書は課税文書ではないので、印紙税がかかりません)。

戸田税務会計事務所『「会社の税金」まだまだあなたは払い過ぎ!』

パート・アルバイトの合理的な源泉徴収の方法

■パート・アルバイトのように日々給与等を支払っている場合(支払いが毎日、週単位、日割)の源泉徴収額は、税額表の「日額表」を使用して税額を求めることになります。

いちばん税率が高いのは乙欄、扶養控除申告書を提出すると甲欄が適用されて、少し税率が低くなります。

もっとも税率が低い丙欄は、本来いわゆる「日雇い労働」の賃金に適用されるものです。しかし、例外として「雇用契約の期間2ヵ月以内の者に支払われる給料」で「労働した日または時間によって算定されるもの」について、適用してよいことになっています。

パート・アルバイトを雇用するときは、最初の2ヵ月は試用期間とし、その間は丙欄を適用してはいかがでしょう。

2ヵ月を超えると丙欄の適用はできないので、試用期間を終えた時点で扶養控除申告書を提出してもらい、甲欄による源泉徴収を行うようにします。

■まとめ

  • 雇用期間が2ヵ月以内→丙欄
  • 雇用期間が2ヵ月超→扶養控除申告書の提出有無により、甲欄か乙欄
  • 雇用契約の期間があらかじめ2ヵ月以内に定められている場合又は日々雇い入れられている場合には継続して2ヵ月を超えて支払いをしていないこと→丙欄
  • 雇用契約の期間が2ヵ月以内の場合に雇用期間の延長や再雇用のため2ヵ月を超える場合→2ヵ月を超えることとなった日から、扶養控除申告書の提出有無により甲欄か乙欄

http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2514.htm

戸田税務会計事務所『「会社の税金」まだまだあなたは払い過ぎ!』、姉帯奈々『小さな会社の源泉徴収事務ができる本』

土地付き建物を購入したときの処理方法は?

土地と建物を一緒に購入し、おおむね1年以内に建物を取り壊したときは、「建物の帳簿価額と取壊し費用は土地の取得価額に算入すること」とされています。つまり、利用価値のない建物に支出した費用は、取壊し費用も含めて、土地の購入費用の一部とみなされるわけです。

結局、土地が処分できるまでは、いっさい経費処理ができないことになります。

建物に支出した費用を経費として処理するためには、いったんその建物を使用するとよいのです。いったん使用して減価償却費を計上し、取得後1年以上経過してから取り壊せば、建物の帳簿価額と取壊し費用の経費処理が可能になります。

ただし、当初から開発計画、建設計画などがあり、建物を取り壊して土地を利用する目的が明らかなときは経費処理は認められず、土地の取得価額に算入されます。

戸田税務会計事務所『「会社の税金」まだまだあなたは払い過ぎ!』

仕入割戻(リベート)のかしこい計上方法

リベートの計上方法としては、雑収入として計上する方法と、仕入高から控除する方法があります。

いずれの方法も、継続して適用すれば計上方法として認められます。しかし、次の2つの点で、仕入控除とする方法のほうが節税に有利です。

①その事業年度の仕入総額が減少するとともに、仕入単価も減少して期末棚卸高が減少し、その分(その年度に限って)課税の対象になる利益が減少します(ただし、期末棚卸高の差額は翌期以降、棚卸分の売上が計上されれば解消します)

仕入割戻を仕入高から控除すれば、商品を販売しない限り課税されませんが、雑収入にすると商品の販売の有無に関係なく、計上時に課税されます。

②消費税の簡易課税方式を選択した場合、納付する消費税額は課税売上高で決まります。仕入割戻を雑収入で計上すると、この雑収入も課税売上高となり、納付する消費税額も増加します。

戸田税務会計事務所『「会社の税金」まだまだあなたは払い過ぎ!』、山田朝一『「会社の税金」これで2割は安くなる!』

棚卸資産:棚卸資産の付随費用と重要性の原則

■付随費用には、次の2種のものがある。

外部付随費用:引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税

内部付随費用:買入事務費、検収費、整理費、選別費、手入れ費、移管費保管費

■法人税法

法人税法の基本通達では、外部付随費用は個別に識別可能であるところ、取得価額に算入することとし、内部付随費用についてのみ事務の簡素化の観点から、重要性の原則の適用を認めている。すなわちその費用の合計額が商品の購入代価のおおむね3%以内であれば、商品の仕入総額に含めることなくそのまま全額経費として処理することができる。

■会計

重要性の原則の適用が、企業会計原則よりも法人税法のほうが狭い。この点に関し、企業会計原則では、「たな卸資産の取得原価に含められる引取費用関税、買入事務費、移管費、保管費等の付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる」としている。つまり、会計では、外部付随費用である引取費用及び関税に対しても重要性の原則の適用を示唆している。

■季節商品の保管料

商品の保管を委託した場合の通常の保管料は、商品の取得価額に算入しないで費用科目で処理できますが、特別の時期に販売するなどのため、長期にわたって保管するために要する費用は、原則として商品の取得価額に算入することとなります。したがって、その保管費用は仕入勘定に計上します。

(購入した棚卸資産の取得価額)

5-1-1 購入した棚卸資産の取得価額には、その購入の代価のほか、これを消費し又は販売の用に供するために直接要したすべての費用の額が含まれるのであるが、次に掲げる費用については、これらの費用の額の合計額が少額(当該棚卸資産の購入の代価のおおむね3%以内の金額)である場合には、その取得価額に算入しないことができるものとする。(昭55年直法2-15「五」、平19年課法2-17「十」により改正)

(1) 買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用の額

(2) 販売所等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用の額

(3) 特別の時期に販売するなどのため、長期にわたって保管するために要した費用の額

(注)

1  (1)から(3)までに掲げる費用の額の合計額が少額かどうかについては、事業年度ごとに、かつ、種類等(種類、品質及び型の別をいう。以下5-2-9までにおいて同じ。)を同じくする棚卸資産(事業所別に異なる評価方法を選定している場合には、事業所ごとの種類等を同じくする棚卸資産とする。)ごとに判定することができる。

2  棚卸資産を保管するために要した費用(保険料を含む。)のうち(3)に掲げるもの以外のものの額は、その取得価額に算入しないことができる。

武田隆二『最新財務諸表論』、戸田税務会計事務所『「会社の税金」まだまだあなたは払い過ぎ!』、上杉秀文『消費税の課否判定と仕訳処理』、武田隆二『法人税法精説』

売上値引・戻り・割戻・割引の取扱い

売上値引(売上高からの控除)・・・売上品の量目不足、品質不良、破損等の理由により代価から控除される額

売上戻り(売上高からの控除)・・・品違い等により、得意先から返却を受けた製商品

売上割戻(売上高からの控除)・・・一定期間に多額又は多量の取引をした得意先に対する売上代金の返戻額等

売上割引(営業外費用)・・・代金支払期日前の支払に対する売掛金の一部免除

(注)仕入値引等もこの定義に準じて考えること

武田隆二『最新財務諸表論』

消費税:売上・仕入対価の返還等の申告書上の記載方法

■消費税は、資産の譲渡等を行ったときに、その時点で適用される税率により課税されますが、返品、値引又は割戻しの時期は必ずしも資産の譲渡等が行われた時期と一致するものではなく、返品、値引、割戻しによる減額調整は元になった売上について適用されていた税率分で調整を行う必要が生じます。

そのため、単純に売上額から返品、値引、割戻しの金額を減額するのではなく、売上額に対する消費税等の額と返品、値引又は割戻しの金額に対する消費税等の額を格別に計算し、納税申告書上で調整する仕組みとなっています。

しかし、現実問題として、売上金額から返品、値引又は割戻しの金額を控除する経理処理を行っている事業者に、各別の勘定科目による仕訳を強制することも適当でないとの配慮から、継続してそのような経理処理を行っている場合には、その処理を認めることとされています。

(返品、値引等の処理)

10-1-15 事業者が、その課税期間において行った課税資産の譲渡等につき、当該課税期間中に返品を受け、又は値引き若しくは割戻しをした場合に、当該課税資産の譲渡等の金額から返品額又は値引額若しくは割戻額を控除する経理処理を継続しているときは、これを認める。

(注) この場合の返品額又は値引額若しくは割戻額については、法第38条第1項《売上げに係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除》の規定の適用はないのであるが、同条第2項に規定する帳簿を保存する必要があることに留意する。

■なお、仕入対価の返還等も同様です。

(仕入れに係る対価の返還等の処理)

12-1-12 事業者が、課税仕入れ(免税事業者であった課税期間において行ったものを除く。以下12-1-12において同じ。)につき返品をし、又は値引き若しくは割戻しを受けた場合に、当該課税仕入れの金額から返品額又は値引額若しくは割戻額を控除する経理処理を継続しているときは、これを認める。

(注) この場合の返品額又は値引額若しくは割戻額については、法第32条第1項《仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用はないことに留意する。

■売上割引

売上割引は、企業会計では営業外費用として計上しますが、消費税では売上対価の返還等に該当するものとされています。

上杉秀文『消費税の課否判定と仕訳処理』

借入金限度額の計算

1.キャッシュフロー(税引後利益+減価償却費)を例えば売上の5%と考える。

これが返済原資になります。

2.借入金の返済期間は5年で考える。

これ以上先は、返済期間としては見込めません。

3.1と2から次の計算が成り立つ

返済可能額=(年売上高×5%)×5年=年売上高の25%=年売上高の3ヵ月分

以上の算式で求められる額が、5年で返済できるMAXの金額です。すなわち、これが借りてもよい金額の上限です。

北岡修一『ココまでできる儲かる会計』

その他流動資産比率も財務格付け評価で使われる

その他流動資産比率=その他流動資産/流動資産

この比率が高ければ高いほど、評価が低くなる。

バランスシートは、できるだけ少ない科目でシンプルにいくこと

※その他流動資産=仮払金、立替金、前渡金、未収入金、貸付金等

北岡修一『ココまでできる儲かる会計』

バランスシートを本当の資産にしていくためのヒント

■バランスシートを本当の資産にしていくためのヒント

  • 売掛金、貸付金、未収入金などの中に回収不能、長期滞留のものはないか?。あれば、貸倒処理をするか貸倒引当金を計上する
  • 棚卸資産の中に、陳腐化品、破損品、価値のないもの、長期売れ残りはないか?。あれば、安値処分、廃棄等する
  • 仮払金など仮計上資産の中に、回収できないもの、価値のないものはないか?。あれば、適切な科目に振り替えるか、損失として落とす
  • 固定資産の中に、既にないもの、償却不足のもの、価値のないものはないか?。あれば、評価損、除却損として落とす。税法の耐用年数よりも短いと考えられるものは、その年数で償却する
  • 繰延資産は、基本的にはすべて落とす。計上しない
  • 有価証券や投資その他の資産は、できるだけ時価で評価する
  • 差入保証金、権利金などで返却されない部分は落とす
  • 費用性のものは、できるだけ資産に計上せず、原価または費用で落とす
  • 今期の費用として、すでに発生していると思われるものはすべて負債として計上する

ポイントは、税法上損金で落ちるかどうかに、こだわらないことです。

■BSのゾンビ資産

固定資産、繰延資産、前払費用、貸付金、保証金、電話加入権、不良債権、商品・・・・・

北岡修一『ココまでできる儲かる会計』、岡本吏郎『会社にお金が残らない本当の理由』

儲けるための不等式

儲けるための不等式

粗利益>固定費

(注1)粗利益=売上高-(変動費=売上原価)。製造業や建設業などは、売上高-変動費でやってください。

(注2)固定費には、販管費だけでなく、営業外の利息などの収入・支出も加味します。したがって、「粗利益-固定費=経常利益」になると考えてください。

固定費の求め方

固定費=販管費±営業外損益(製造業などは別)

固定費を把握する一番良い方法は、PLの毎月の推移表を見ることです。

下げていい固定費。下げちゃいけない固定費(ウォルマート)

  • お客様の目に触れるものは、下げない
  • お客様の目に触れないものは、下げる

北岡修一『ココまでできる儲かる会計』

非公開会社の機関設計

非公開会社においては、株主総会と取締役は必要で、取締役会・監査役は任意の設置機関となります。取締役は1人で足りることとなります。

ちなみに、取締役会を設ける場合には、取締役は3人以上必要となります。

都井清史『税理士のための新会社法実務ガイド』

社長貸付金について

■社長貸付金の放棄は注意

会社が社長への貸付金等を放棄すると、役員報酬以外に社長にお金を渡したことと同様になります。したがって、役員賞与となり会社側では経費に計上できず、社長個人に対し、金額に応じた税金が課税されます。しかし、社長への貸付金を消すことだけに着眼すれば、ひとつの方法ではあります。

また、経費に計上できなくても、過去の繰越欠損金が充当できれば問題はありません。

■社長貸付金を返済する方法

決算書に計上されてしまった社長貸付金を消していくには、帳簿の数字を実態に合わせることから始めなければいけません。現金勘定を会社の実際の現金残高に合わせるのです。そのためには、まず実際の現金残高と帳簿上の残高との差額を、社長貸付金勘定に振り替えます。そして、その社長貸付金を、社長個人の資産から入金できるかどうかを検討します。この入金は、全額でなくても構いません。入金ができるのであれば入金してもらい、その分を社長貸付金の返済として処理します。

社長個人の資産から入金できない場合は、役員報酬を増額し、毎月決めた金額から役員報酬と社長貸付金を相殺して消していきます。ただ、この場合、相殺させる貸付金部分は社長の手元に残らないのに、所得税は増額した報酬分にかかってしまいます。つまり、社長は増額分の所得税や住民税を負担しながら返済をすることになるのです。一方、会社側にもリスクがあります。役員報酬を増額すると、その分会社の経費が増えるため、今まで以上に利益を出さなければ黒字決算を組むことができません。

青木寿幸他『かわいい決算書』、FANアライアンス編『オーナー社長だからできる節税と資産づくり』

前期よりも大幅に売上が下がったら?

・前期よりも大幅に売上が下がったら、中間決算をして納税しましょう。

・中間決算はあくまでも仮決算なので、細かい部分は本決算で合わせましょう。

■法人税と消費税の中間申告の関係

法人税と消費税の中間申告の時期が重なった場合に、それぞれの申告を予定申告あるいは仮決算による中間申告にそろえる必要はありません。

青木寿幸他『かわいい決算書』、岡本善英『くらべてわかる会社実務の有利不利』

サービスの質を決める五つの要因

1.外見

店内、設備、機械、従業員の身だしなみは清潔で整っているか?

2.信頼

約束どおりの仕事をするか?

3.即答

頼んだらすぐに対応できるか?

4.知識

専門知識はあるか?。顧客の問題を的確に解決できるか?

5.姿勢

客の問題を自分の問題として対処するか?。客の立場に立って考えられるか?

平久保仲人『マーケティングを哲学として経営に取り入れるということ』

市場を細分化する4つの特性

1.販売地区

2.デモグラフィー・人口統計(年齢、性別、職業、収入、学歴、住所、家族構成)

3.ライフスタイル(趣味、興味の対象、余暇の過ごし方、社会的関心)

4.消費パターン(使用頻度、使用目的、使用経験)

平久保仲人『マーケティングを哲学として経営に取り入れるということ』

新規事業投資への4つの最低条件

  1. その新しい分野でライバルに引けを取らない魅力的な商品がある
  2. 戦うに十分な資源(技術、知識、資金、設備など)を持ち合わせている
  3. 市場が飽和していない(成長している)
  4. 新しい分野に参加することで本業のためになる相乗効果が得られる

平久保仲人『マーケティングを哲学として経営に取り入れるということ』

製品率の実態

著者が通産省と調査した日本の会社の実態は、全売上高のうち、

  • 新製品が占める率  13~20%
  • 主力・安定製品の占める率  70~80%
  • 衰退製品の占める率  5~7%

新製品比率が20%を超える会社は、どの業種でも業績がよかったことに注目していただきたい。

むろん、業種業態によって適正な比率は異なってきますが、一つの目安にはなる。

清水龍瑩『社長業の鉄則』、上原春男『成長するものだけが生き残る』

2009年5月11日 (月)

与信・債権管理のポイント

■貸倒の予防のためのポイントは、ズバリ「危ない取引先への債権額を増やさない」ことです。債権額を増やさないためには、次の三つの場面において管理を徹底させることが重要になってきます。

  1. 信用状況を調査し、与信額を決定する
  2. 与信額の徹底(無理な活動を抑制)
  3. 信用状況が悪化したら商品を出荷しない

■日常の債権管理

まず相手先の確認から

  1. 物品受領書の完全取得
  2. 毎月の請求と残高の照合
  3. 期末債権の残高確認

■債権管理の内容

  1. 全得意先の総債権を計数でつかむ
  2. 大口得意先の回収推移をつかむ
  3. 営業、経理相互に情報交換を行う(時期遅れは致命的)
  4. 取引の異常性(わずかな悪化傾向を見逃さず指摘報告すること)
  5. 回収計数をつかみ新鮮な目でチェック

■営業マンのための得意先異常発見ポイント

  1. 毎月の売上の増減が急で、季節変動ともあっていない
  2. 粗利を無視し明らかに赤字での販売をしている
  3. 現在の本業と関連のない新事業を始めている
  4. 既存の仕入先とは取引をやめ、新しい仕入先が増えている
  5. 急な社員の退職や幹部の突然の異動が増えてきた
  6. 社長一族の土地、建物等の不動産などが売りに出ている
  7. 業界内や得意先と融通手形を回しているという噂がある
  8. 消費者金融や商工ローンから資金を調達しはじめたようだ
  9. 社長が原因のあいまいな理由での不在が多く連絡がつきにくい
  10. 業務に支障を与えるような身内での衝突(ケンカ)が多くなった

■契約書、受領書(これは債権が確実に成立したことを証明する書類です)、領収書は債権管理の3点セット

■債権管理の大切な実務ポイント

  1. 債権管理は取引開始前の信用調査から始まる
  2. 債権管理はトップと営業・経理・業務・倉庫の全部門の協力を得て行う
  3. 得意先訪問時、同業者の噂等の情報は早く入手し、回収会議などで情報交換の上で社長が的確に今後の取引条件を決定する
  4. 不良化した債権の保全措置は誰よりも早く行う
  5. 回収策は最後の最後まで諦めない
  6. 毎月の日常業務を確実に行い、翌月までに100%の回収を継続する

横山悟一『決算書の使い方』、棚橋隆司『財務革命』、棚橋隆司『これで企業財務はよみがえる!』

毎月の返済額を概算で把握しておく

今、1000万円を5年間借りて、金利は2.5%とします。

最初の月は1000万円借りていますが、最後の月はゼロになります。そして全体を平均すれば、1000万円の半分の500万円を5年間借りたのと同じことになります。

すると支払利息の5年間の合計は、次のように算出できます。

1000万円÷2×2.5%×5年=62.5万円

これは正確な支払利息額ではありませんが、社長が返済額の目安を知るためであれば概算で十分です。

楢山直樹『経営をよくする会計』

永年勤続社員に対する旅行ギフト券の交付

■永年勤続表彰などで問題にならない勤続年数は、おおむね10年以上といえます。このことを踏まえ、会社としての永年勤続表彰規程を作っておくとよいでしょう。一般に、5年以上の間隔を置いたもので、記念品として支給すれば非課税になります。

■自由に換金できるようなギフト券・全国共通商品券の交付は、金銭での支給と同様のものですから、原則として給与課税の対象となります。しかし、旅行ギフト券については、旅行計画を提出させるなど会社としての旅行の事実を管理しているときは、給与課税の対象とせず、会社は福利厚生費に計上することができます。

以下の点が給与にされないポイントとなります。

  • 旅行などの招待費用や記念品の支給であること
  • 勤続期間が10年以上であること
  • 2回以上表彰する際には5年以上間隔をおくこと
  • 市場への売却性、換金性がない
  • 選択性が乏しい
  • その利益の額が社会通念上相当なものであること(金額が多額となるものではないこと)

上坂会計『社員5人までの小さな会社の節税がよくわかる本』、上杉秀文『消費税の課否判定と仕訳処理』、鈴木敏彦『小さな会社の税金と節税がわかる本』

交際費:政経パーティー券の購入

政経パーティー券の購入費用は、一般的には出欠のいかんにかかわらず寄附金とされます。

パーティーですから、多少の飲食等はありますので、原則として、参加費用のうち、飲食等に対応する部分は交際等に該当し、政治資金として政治団体への拠出金等に対応する部分は寄附金に該当します。しかし、現実にはこれを分離することは困難です。

ただし、パーティー券を得意先等に配布する場合、パーティー出席者との懇談を主目的に参加する場合など、交際費とすべき事例も存在するものと思われます。

消費税でも、政治団体への寄附などは、対価性のない支出として原則として課税仕入には該当しないことになりますが、基本的にはパーティーの実態により判断することとなります。

上杉秀文『消費税の課否判定と仕訳処理』、発地敏彦『わかりやすい交際費の実務処理と節税ポイント』

交際費:物品等による売上割戻しの処理の仕方

■売上割戻しは、原則として金銭で行うものですから、物品等で行う売上割戻しは通常ありません。が、

(売上割戻し等と同一の基準により物品を交付し又は旅行、観劇等に招待する費用)

61の4(1)-4 法人がその得意先に対して物品を交付する場合又は得意先を旅行、観劇等に招待する場合には、たとえその物品の交付又は旅行、観劇等への招待が売上割戻し等と同様の基準で行われるものであっても、その物品の交付のために要する費用又は旅行、観劇等に招待するために要する費用は交際費等に該当するものとする。ただし、物品を交付する場合であっても、その物品が得意先である事業者において棚卸資産若しくは固定資産として販売し若しくは使用することが明らかな物品(以下「事業用資産」という。)又その購入単価が少額(おおむね3,000円以下)である物品(以下61の4(1)-5において「少額物品」という。)であり、かつ、その交付の基準が61の4(1)-3の売上割戻し等の算定基準と同一であるときは、これらの物品を交付するために要する費用は、交際費等に該当しないものとすることができる。(昭54年直法2-31「十九」、平6年課法2-5「三十一」により改正)

ここでいっていることは、ただし、例外として売上割戻し等と同様の基準で行われる事業用資産と少額物品の交付のために要する費用は、交際費等に該当しないということです。

■事業用資産とは、棚卸資産又は固定資産として販売したり、使用することが明らかな物品をいいます。

■少額物品とは、その購入単価が少額(おおむね3,000円以下)である物品をいいます。ここでは、「おおむね3,000円以下」としていますので、3,000円を少しでもオーバーすると対象にならないというものではありません。

商品券やビール券などの取扱い

  • 商品券→少額物品に該当しません(交際費)。多数の商品券をもって高額な商品と交換できるため
  • ビール券等→少額物品(交際費じゃない)。交換できる商品が限定されているため
  • 図書カード→少額物品(交際費じゃない)。そのサービスが限定されているため
  • 旅行券や食事券→少額物品に該当しません(交際費)。その提供されるサービスが接待・供応等に該当するため

発地敏彦『わかりやすい交際費の実務処理と節税ポイント』

覚えておくべき「Ifシナリオ」のパターン

売上関連パターン

1.「売上横ばい+利益頭打ち」のパターン:この場合は、売上面とコスト面の両方を調べなければならない。ただし、常に売上面の分析から始めるようにしよう。売上の構成がどのようになっているのかを理解しなければ、コスト面の分析でも適切な意思決定ができないからである。

2.「売上横ばい+シェアほぼ一定」のパターン:この場合は、業界全体の売上規模も横ばいであり、競合他社も自社と同様の問題を抱えていることが予想される。

3.「売上減少が問題となっている」パターン:この場合は、以下の3点を分析する。

  • マーケット全体の需要が落ち込んでいないか?
  • 市場が飽和状態に達していないか?。または、自社の製品が時代遅れのものとなっていないか?
  • 代替品との競争によって、マーケット全体が縮小していないか?

4.「売上とシェアが増加しているにもかかわらず、利益が減少している」パターン:この場合はまず、商品の価格が下がっていないかという点と、自社のコストが増加していないかについて調べる。これらが主な原因でなければ、次は、各商品の売上構成比率(プロダクト・ミックス)がどのように変化しているか、商品別の利益率に変化がないかといった点を調べる。

利益関連パターン

1.「売上減少が原因で利益が落ち込んでいる」パターン:この場合は、マーケティング活動と流通チャネルに関連する項目に焦点を絞って分析を行う。

2.「コスト増加が原因で利益が落ち込んでいる」パターン:この場合は、売上原価、人件費、事務所家賃、マーケティング費用に焦点を絞って分析を行う。

3.「売上が増えているのに利益が落ち込んでいる」パターン:この場合は、以下の項目について調べる。

  • コストがどのように変化しているか?
  • 特殊な費用や一時的な費用が発生していないか?
  • 商品の価格がどのように変化しているか?
  • 各商品の売上構成比率が、どのように変化しているか?
  • 顧客のニーズが変化していないか?

商品関連パターン

1.商品が導入期にあるとき:この場合は、R&D、競合品の状況、商品の価格設定に焦点を絞って分析を行う。

2.商品が成長期にあるとき:この場合は、マーケティング活動と競合の状況を重点的に分析する。

3.商品が成熟期にあるとき:この場合は、製造活動、コスト、競合の状況を重点的に分析する。

4.商品が衰退期にあるとき:この場合は、ニッチ・マーケットが存在するか?。競合はどのような行動に出ているか?、といった点や、撤退の方法(出口戦略)について分析を行う。

価格関連パターン

1.値下げを行った場合の波及効果:商品の値下げを行った場合には、一般的に次のような波及効果が生じると考えられる。値下げを行う→販売量が増える(一時的には売上高と利益が増加する可能性あり)→生産量を増やす必要が出てくるが、一定の段階を過ぎると現有の生産能力を超えてしまう→生産設備の追加購入や従業員の残業増加等により、コストがかさむ→利益が落ち込む

2.価格が安定する条件:価格が安定するのは、次の3つの条件がすべて満たされる場合のみである。

  • 業界内の全企業の成長率がおよそ同じである
  • 業界内の全企業の価格水準がおよそ同じである
  • 商品の価格水準とコストの水準がおよそ比例している

3.生産量やコストを変化させることに比べて、価格を動かすことは一般的に困難である。この例外としては、業界内のほとんどの企業が、いっせいに価格を動かす場合が挙げられる。

4.コストが高い体質の企業にとっての最善の価格戦略は、「いくら価格を動かしたところで、短期的にシェアが大きく変化することはないので、できるだけ高い価格を維持し続けることが、皆にとってメリットとなる」ということを、他者にわからせることである。これは、価格競争は業界内の企業にとってマイナスの影響を及ぼすものであり、すべての企業が高価格を維持することによって、業界全体の収益性が増すということを意味している。

■その他の一般的なアドバイス

  • インターネットがどのような影響を与えるか?
  • マクロ経済情勢や景気動向がどのような影響を与えるか?
  • 業界内部や外部(代替品市場)における競争がどのような影響を与えるか?

マーク・コゼンティーノ『戦力コンサルティング・ファームの面接試験』

前払費用と消費税

例えば、1年を超える賃借料等を前払いしているときは、費用として認められる(期間帰属)部分の仮払消費税等を計上し、残りは税込の状態で前払費用に含めておき、費用に計上する際に対応する部分の仮払消費税等を計上していきます。

ただ、1年以内の前払費用で法人税基本通達2-2-14(短期前払費用)の適用を受けているものについては、その支出した日の属する課税期間の課税仕入れになる。

上杉秀文『消費税の課否判定と仕訳処理』、石山弘他『消費税課否判定早見表』

社長貸付と社長借入

社長が会社へ貸し付けた場合、債権金利は経費になるのか?

 現金 ×× / 社長借入金 ××

 支払利息 ×× / 現金 ××

適正な利息分であれば損金にすることができますが、不当に高い利息を支払った場合は、役員報酬とみなされます。

債権金利設定の目安

  • 他から借り入れて貸し付けた場合、その借入金の利率以下
  • それ以外のケースでは公定歩合+4%

会社が社長に債権を貸し付けている場合

 社長貸付金 ×× / 現金 ××

 現金 ×× / 受取利息 ××

利息を徴収しなければなりません。

債権金利設定の目安

  • 他から借り入れて貸し付けた場合、借入金の利率
  • それ以外のケースでは公定歩合+4%

FANアライアンス『会社の税金コレを知らなきゃ大損です!』

アル・ライズ他『マーケティング22の法則』東急エージェンシー

1.一番手の法則・・・一番手になることは、ベターであることに優る

  • マーケティングの基本的な課題は、あなたが先頭を切れる分野を創造することである
  • どんなカテゴリーであれ、市場をリードするブランドはほとんどといっていいくらい、顧客の心に最初に入り込んだブランドである

2.カテゴリーの法則・・・あるカテゴリーで一番手になれない場合には、一番手になれる新しいカテゴリーを作れ

3.心の法則・・・市場に最初に参入するより、顧客の心の中に最初に入るほうがベターである

4.知覚の法則・・・マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦いである

5.中の法則・・・マーケティングにおける最も強力なコンセプトは、見込客の心の中にただ一つの言葉を植えつけることである

6.独占の法則・・・二つの会社が顧客の心の中に同じ言葉を植えつけることはできない

  • いったん固まった大衆の心を変えることなどできはしない

7.梯子の法則・・・採用すべき戦略は、あなたが梯子のどの段にいるかによって決まる

8.二極分化の法則・・・長期的に見れば、あらゆる市場は二頭の馬の競争になる

9.対立の法則・・・ナンバーツーを座を狙っているときの戦略は、ナンバーワンの在り方によって決まる

  • あまりにも多くのナンバーツーを目指すブランドがナンバーワンをまねようとする。これはたいてい間違っている

10.分割の法則・・・時の経過とともに、一つのカテゴリーは分割し、二つ以上のカテゴリーに分かれていく

  • 会社はえてして、あるカテゴリーを使った有名なブランド名と同じブランド名を、別のカテゴリーにも使うといった過ちを犯す

11.遠近関係の法則・・・マーケティングの効果は、長い時間を経てから現われる

12.製品ライン拡張の法則・・・ブランドの権威を拡げたいという抗しがたい圧力が存在する

  • 法則のうちで、断トツに破られている法則といえば、これである

13.犠牲の法則・・・何かを得るためには、何かを犠牲にしなければならない

  • 犠牲にできるものとしては、製品ライン、ターゲット市場、絶えざる変更の三つである
  • 百貨店とは何か。そこは、ありとあらゆるものを売っているところである。これこそ失敗にいたる手法なのである

14.属性の法則・・・あらゆる属性には、それとは正反対の、優れた属性があるものだ

15.正直の法則・・・あなたが自分のネガティブな面を認めたら、顧客はあなたにポジティブな評価を与えてくれるだろう

16.一撃の法則・・・各々の状況においては、ただ一つの動きが重大な結果を生むのである

17.予測不能の法則・・・自分で競合相手のプランを作成したのでない限り、あなたが将来を予測することはできない

18.成功の法則・・・成功はしばしば傲慢につながり、傲慢は失敗につながる

  • ミスター・トランプの戦略は、ライン拡張という基本的な罪を犯して、あらゆるものに自分の名前をつけることであった
  • いい情報だけでなく悪い情報をも入手するには、どうすればいいのか。一つ考えられる方法は、「他人になりすまして」、あるいは予告なしに出かけることである

19.失敗の法則・・・失敗は予期することもできるし、また受け入れることもできる

20.パブリシティの法則・・・実態は、マスコミに現われる姿とは逆である場合が多い

21.成長促進の法則・・・成功するマーケティング計画は、一時的流行現象(ファッド)の上に築かれるのではない。トレンドの上に築かれるのだ

22.財源の法則・・・しかるべき資金がなければ、せっかくのアイデアも宝の持ち腐れとなる

フレームワークとは

フレームワークとは、現実を観察する方法を構成する仮定、概念、価値、慣行の集まり。

何かの概念や考え方を自分なりに束ねて整理して、考えやすくするもの、覚えやすくするものがフレームワークという考え方です。

大事なことは、自分でフレームワークをさまざまな経験や学びのなかから一つでも多く見つけ出して、頭の中で整理し、さらに新しいフレームワークを自分でつくっていくことです。

勝間和代『ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』

在庫のチェックポイント

■在庫を減額すれば利益を減らすことができ、在庫を増額すれば利益を増やすことができる、という複式簿記では制御することのできない行為だ。

■売上が立てば在庫はない、在庫があれば売上は立たない、というのが簿記の大原則。

■在庫のチェックポイント

  1. 期末在庫の多い商品について内容を確認する
  2. 新規商品の残高を確認する
  3. 古い在庫の残高を確認する
  4. 取扱品目の出入りを確認する
  5. 特定商品の在庫金額が占める割合を確認する

■利益の源泉は在庫にあり、諸悪の根源も在庫にある

■在庫商品を良品、不良品、滞留品、貸出品に区分集計する

  1. 良品・・・次月も値引きなしで今の価格で販売できる商品
  2. 滞留品・・・機能面では仕入時のままであるが、販売時期を逃した値引対象の商品
  3. 不良品・・・機能が不良であり、半値以下にするか原料としてしか使えない商品
  4. 貸出品・・・見本で貸出しから半年以上経過し、販売用にはならない商品

■在庫が諸悪の根源といわれる理由

  1. 運転資金が固定化する
  2. 在庫の陳腐化、破損が発生する
  3. 流行品などのデッドストック化
  4. 倉庫、保管、配送費用がかかる

吉田博文等『粉飾決算の見抜き方』、薄井逸走『法人税調査はズバリ!ここを見る』、薄井逸走『法人税調査はきっと!ここを見る』、棚橋隆司『これで企業財務はよみがえる!』、青木三十一『「資金繰り地獄」から抜け出す本』

売掛金内訳書のチェックポイント

  1. 前期と金額が同じ顧客、あるいはイレギュラーな記載内容がある
  2. 前期末と比較して急増した売上債権がある
  3. 逆に売上債権が急減した、あるいは残高のなくなった顧客がある
  4. 評価の低い、あるいは信用状況の悪い会社が含まれている
  5. 内訳書にグループ会社が含まれている

吉田博文等『粉飾決算の見抜き方』

粉飾の動機

■粉飾に関わった人の動機

  1. アナリストの利益予想を満たすこと
  2. 会社の利益目標を達成すること
  3. 追加的な資金を調達すること
  4. デットファイナンスで契約した財務制限条項を守ること
  5. 株式の新規公開に向けて良好な経営成績を示すこと
  6. ボーナスまたはストックオプションを得ること

■経営者から粉飾を見抜く

経営者を粉飾にはしらせる理由は、どこにあるのだろうか。一般的に考えられる理由を例示してみよう。

  1. 経営者の単なる見栄と強欲な保身
  2. 株価操作
  3. 銀行借入の必要性
  4. 入札資格等の必要性
  5. 配当の維持

次に経営者は少なくとも会計データのうち、次の数値はおおよそでも記憶しておくべきである。

  1. 過去三年間の年間売上高
  2. 同三年間の年間当期純利益
  3. 同三年間の年度末従業員数(従業員、役員、顧問その他)
  4. 平均的な売上総利益率
  5. 一カ月平均の販売費及び一般管理費

須田一幸他『会計操作』、吉田博文他『粉飾決算の見抜き方』

人件費とは?

  1. 役員報酬
  2. 給料手当(通勤交通費含む)
  3. 賞与
  4. 福利厚生費
  5. 法定福利費
  6. 賞与引当金繰入額
  7. 退職給与
  8. 退職給付引当金繰入額
  9. 退職年金掛金
  10. 労務費(製造原価報告書)
  11. 教育費

人に関する間接的な費用というのは、通勤手当、社会保険料の会社負担分、健康診断に要する費用や慶弔見舞金、退職給付費用、賞与引当金繰入額などです。

高下淳子『決算書を読みこなして経営分析ができる本』、森脇彬『経営分析実務相談』、平松陽一『超入門会社の数字がみるみるわかる本』

金融機関に対し、信頼のおける書類

  1. 経営改善計画書
  2. 資金繰り表
  3. キャッシュフロー計算書
  4. 三期決算書
  5. 予測決算書
  6. 自己資本充実方策を示す書類

日野上輝夫『社長!金を借りずに時間を借りなさい』

2009年5月10日 (日)

債務超過の解消方法

■債務超過は、負債額が資産額を上回り、自己資本がマイナスになる状態をいう。これは、資産のすべてを売却しても、負債全額を返済できないことを意味する。

■債務超過の解消方法の例は、以下のとおり。

  1. 経営者からの借入金の債務免除
  2. 経営者個人の資産売却資金を会社に貸し付け、その後債務免除
  3. 利益法人を継続すること
  4. 増資

日野上輝夫『社長!時間を借りずに時間を借りなさい』、広瀬義州『税務会計』、高田直芳『明解!経営分析バイブル』

直接原価計算

■直接原価計算と全部原価計算

全部原価計算は“この製品をつくるために全部でいくらかかったか”をつかむため(プライシング目的)に誕生した。その手順は製品原価の中に変動費も固定費もコミにして計算する。

ところが、変動費と固定費を一緒にするこの手法は、ある種の長所にもかかわらず、意思決定の手段としては採算状態と製品戦略の判断を惑わす場合がしばしばある。すなわち、原価に固定費が入ると売上げが同じでも在庫が増えると利益が増える(在庫品の原価の中に固定費が繰り延べされ当期費用が少なくなるため)という“棚卸資産のマジック”がおき、期間の経営状態をしばしば誤らせてしまう。

在庫が増えることを覚悟して、大量に作ればつくるほど、1個あたりの製造原価、売上原価は下がるので、在庫は増えるもの、PL上の利益は表面的に「増える」ということになる。

この全部原価計算の欠点を克服するのが「直接原価計算」という考え方である。直接原価計算では、固定費をすべて期間の費用として引いてしまうので、操業度に関わりなく損益計算ができるという大きなメリットがある。

■直接原価計算のデメリット

  • 固変分解は、そのシステム対応を含めて難しいことが多い
  • 製造原価が正確に把握できない。固定費をすべて期間費用としてとらえるために、在庫としての価値は、変動費だけの価値となってしまいます。
  • 直接原価計算は財務会計上認められていないため、財務諸表作成のためには、再度全部原価計算を行わなければならないという二度手間となる

小宮一慶『「1秒!で財務諸表を読む方法」』、協和醗酵工業㈱『人事屋が書いた経理の本』

出さなければならない利益

1.使っている資産からみた必要利益⇒資産利益率(ROA)

ROAがWACCを超える必要があります。一般的には、私は営業利益ベースのROAで5%は必要だと考えています。

ROEは純利益のベースで10%は欲しいです。

2.働く人の福利向上のための必要利益⇒一人あたり付加価値

3.借入金返済のための必要利益

4.株主還元のための必要利益

私は、経営計画はまず利益から立てるのが正解だと思っています。

小宮一慶『「1秒!で財務諸表を読む方法」』

前渡金・前払費用・前払金/売掛金・未収収益・未収金

次のように割り切って区分しよう。

前渡金⇒商品取引の代金前渡し

前払費用⇒費用になるもの前払い

前払金⇒上記以外のもの、例えば買ったら固定資産として計上されるようなものの先払い

商品販売⇒営業取引⇒売掛金

役務提供⇒営業外取引⇒未収収益

物品売却(固定資産や有価証券の売却代金)⇒臨時・営業外取引⇒未収金

陣川公平『勘定科目の処理がすぐにできる事典』、末松義章『倒産・粉飾を見分ける財務分析のしかた』

投資キャッシュフローを見るポイント

投資CFを見るときの最大のポイントは「未来投資」をしているかどうか

投資CFの中にある「有形固定資産の取得」と営業CFにある「減価償却費」を見比べるのです。そして、「有形固定資産の取得≧減価償却費」になっているかどうかを見るのです。

なぜなら、普通は、減価償却費分くらいは、再投資を行わないと、企業は現事業の維持すらおぼつかないからです。もちろん、単年度だけで判断することは難しいのですが、長期にわたって減価償却費以下しか有形固定資産の取得を行っていないとすると、現事業はジリ貧ということになりかねません。さらに、有形固定資産の取得には土地の取得も含まれますが、土地は減価償却をしないので、機械などの価値の目減り分よりも、土地を含めた有形固定資産の取得額は大きくなりがちです。

小宮一慶『「1秒!で財務諸表を読む方法」』

103万円の壁より、130万円の壁

年間の収入が103万円を超えると所得税がかかるうえに、夫の配偶者控除が受けられなくなります。

また、年収が100万円を超えると、住民税もかかってきます。

ただ、妻の年収が103万円を超えても141万円未満なら、夫は配偶者特別控除を受けられますから、税金面では優遇措置されています。ですから、103万円を超えても、心配せずに妻は働きましょう。

ただし、年収130万円は超えないようにしましょう。なぜなら、妻の年収が130万円を超えると、妻は夫の扶養家族から離れて、国民年金や国民健康保険の保険料を自分で払わなくてはなりません。

収入が130万円を超えそうなら、いっそ収入160万円以上を目指しましょう。収入が160万以上になれば、社会保険料を自分で負担しても、そのぶん収入も多いのでしのげます。

萩原博子『7つのお金で一生困らない!』

TOC(Theory of Constraints:制約条件理論)とスループット会計

JITに適した原価計算の方法として、バックフラッシュ・コスティングやスループット会計が提唱されています。バックフラッシュ・コスティングは、製品に関連する原価の記録を製品の完成時または販売時までは一切行わないとする原価計算システムです。

TOCは、あらゆるシステムは少なくとも1つの制約をもっており、そうした制約のなかからボトルネックとなっているものを発見し、これを改善することによって利益の最大化を達成しようという考え方をいいます。

TOCの基本的な考え方

TOCは、主に生産管理の手法であるが、その基本的な考え方は生産以外のビジネスにも応用することが可能である。

TOCの基本的な流れは、①ボトルネック(制約条件)の発見、②ボトルネックの最大活用、③スループットの極大化、④キャッシュフローの極大化である。

TOCの最大の目標は、スループット増加によるCFの増加だ。スループットは、売上を通じて企業がどれだけのCFを生み出したかを表す。

TOCでは個別最適の集積が必ずしも全体最適にはならないと考える。

企業は「現在から将来にわたって儲け続けること」が必要だということを、TOCは強調する。優先順位は、①スループットの増大、②総投資(棚卸資産、設備)の削減、③固定費の削減。

スループットの極大化

TOCでは、スループットの極大化が目的だ。そのためには、①売上の増加、②資材費の削減、③経費の削減の3つの方法がある。

スループットの定義

TOCにおける会計の核がスループット会計である。

売上高-資材費-経費のうち変動費

スループット会計では、製品群全体のスループットを算出するのみで個々の製品のスループットや利益の算出は行わない。これは、全体最適としてのスループット、利益(キャッシュフロー)の極大化を考えることがスループット会計の原則だからだ。

スループット会計と直接原価計算

「スループット」とは、売上高から直接材料費を引いた金額をいい、一般に付加価値とよばれるものに相当します。また、それは直接原価計算における限界利益にも近似した概念といえます。実際、製造間接費や固定費の配賦を否定している点や売上数量に直結した形で企業の成果を評価しようとしている点などに、直接原価計算との共通点が認められます。ただし、限界利益は売上高から直接材料費だけでなく、直接労務費や変動製造間接費を控除した額ですから、スループットのほうがより広義の概念ということができます。

スループット会計とJIT

JITが追求する理想的な状態は、在庫がまったく存在しない、すなわち生産量と販売量が完全に一致する状況です。仮に、これが実現したとすれば、総製造原価=売上原価となり、仕掛品や製品勘定が不要となります。また、原材料の在庫もなくなるため、材料の投入・算出を記録する勘定も不要となります。

スループット会計は、もともと正確な原価の把握を指向しているわけではありません。むしろ、原価計算を単純化することによって、原価改善の効果を全従業員が理解し、さらなる改善の実現に向けて彼らを動機づけることにこそ、その眼目があるのです。

小宮一慶『TOC・スループット経営』、櫻井通晴『管理会計』、伊藤嘉博『コストマネジメント入門』

家賃の前払いの仕訳

☆2月から事務所を借入(翌月分を当月末日までに支払い)、6月で解約

1月の仕訳(2月分)

賃借料/現金

2月の仕訳(3月分)

賃借料/現金

3月の仕訳(4月分)

前払賃借料/現金

決算・・・・・・・・・・・・発生主義で考えると、2,3月分がばっちり入っている

4月の仕訳(5月分)

賃借料/現金

5月の仕訳(6月分)

賃借料/現金

6月の仕訳(解約)

賃借料/前払賃借料⇒発生主義で考えると、これで4,5,6月分がばっちり入っていることになる

資産と売上高の関係をみる:資産回転率(売上高/資産)

売上高の増減を見るときに、BSの資産の増減率と売上高の増減率との関係を見ることが必要です。

売上高との関係で重要なのは、「売上高の伸び率と資産の伸び率ではどちらが大きいか」ということです。正常なのは、「売上高の伸び率>資産の伸び率」という関係であることです。

もし、売上高の伸び率より資産の伸びのほうが大きいということであれば、資産の活用度合いが悪くなっているといえます。言い換えれば、使った資産が多かった割には売上高が伸びておらず、資産活用の効率が落ちてしまったといえるのです。

小宮一慶『「1秒!」で財務諸表を読む方法』、池田正明『できる人の決算書の読み方』

売掛金の管理と年齢調べ

■売掛金年齢調べ表

顧客別に、いつ売上げたものがいくら回収されずに残っているかを月別に分析した表です。古い月の分が残っていればいるほど、不良な顧客であると判断されます。

◇ポイント

取引先別の売掛金リストを、これまでの累積金額だけでなく、それがいつの時点でいくらずつ発生したのかまで調べたリストをつくります。

まずは年齢調べをして、古い順に回収します。

時効のため、残高確認書を相手に出すようにしましょう。

■売掛債権の3つの側面

  1. 売掛債権の財産的側面・・・仕入先に8割、経費として1割5分を支払うための財源で他の財産とは異なるきわめて重要な財産です。
  2. 売掛債権の資金的側面・・・売掛金の回収内容が自社の資金繰りの収入ベースを決めてしまう。現金売り以外では唯一の資金の入り口です。
  3. 売掛債権の営業支援的側面・・・与信管理の基礎であり、回収状況の変化を営業活動に活かす役割があります。与信金額の増加・減少の判断、現金・手形回収の割合交渉、回収サイト短縮交渉など得意先折衝時に営業活動をバックアップする大きな役割です。

■未回収残高内訳表の利用

  1. 得意先別に未回収金額の理由を明確にする
  2. 未回収理由に対する対策は確実に実行する
  3. 未回収金額の発生月を常に押さえておく
  4. 特に3か月以前の未回収金額は不良化の見込みが大
  5. 全社での未回収金額発生月別管理を重視する(年齢調べ)

■売掛金の残高確認を取る意味

◇目的 当社元帳残高の検証

  • 売掛金債権の保全
  • 担当者の不正防止
  • 不照合解決の近道

◇方法 物品受領書の完全取得

  • 未回収残高の内訳と個別照合
  • 回収時に相手先が押印した渡証
  • 期末残高確認書の100%取得

■回収が悪い原因は

  1. 売上アップのみに重点がかかりすぎ
  2. 売掛金の統一回収基準がない
  3. 取引先の区分格付け管理をしていない
  4. 信用調査が不備、与信管理不十分
  5. 営業マンの教育訓練不足
  6. 不良債権の整理がなされていない

楢山直樹『経営をよくする会計』、鈴木豊『忘れちゃならない経理の作法』、棚橋隆司『財務革命』、棚橋隆司『これで企業財務はよみがえる!』

開業費(償却)の使い方(一試論)

会社を始めた当初は利益が出ないことが多いので、1年目には経費として落とさずにBSに残し、利益が増えた4年目とか5年目に経費扱いにするのです。

例えば、開業4年目に950万円の利益があったら、200万円の開業費を経費として計上し利益を750万円にすることで、22%の低いほうの税率が適用されるようになります。

楢山直樹『経営をよくする会計』

簡単な経営計画の考え方

■まず経常利益を決め、下から上へ逆算していく。売上は最後。

項目 目標 計算方法 計算順
売上 300 粗利益÷益率
仕入 150 売上-粗利益
粗利益 150 人件費÷労働分配率
人件費 100 平均給料×人数
経費 40 ⑦-⑥-⑤-④=⑧
減価償却費 3 有形固定資産の15%
経費計 143    
営業利益 7 ①+②-③=④
営業外収益 1 定期金利×金利
営業外費用 2 借入金×金利
経常利益 6 生きるために必要な金額

小山昇『社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!』

日垣隆『すぐに稼げる文章術』幻冬舎文庫

音読することによって、句読点をどこに打てば良いのかがわかります。敢えて呼吸をせずに一気に読んでもらいたい箇所には句読点を打たず、リズムとして一呼吸置いてほしいというところに句読点を打つのが原則です。

原文どおりに引用するためには、《 》が便利です。

「say」に置き換えられるものは「言う」と表記する「start」に置き換えられるものは「始め」「最初」に置き換えられるものは「初め」

NGワード「いずれにしても」。

欧米人は論理的にしゃべる形式をよく訓練されています。彼らは「○○は××だ」と言うときに「第1に~」「第2に~」「第3に~」と3つ程度の理由を挙げるものです。

知らないことがあったら、まず書いてみよ。

難しいことをやさしく書くためには、①具体例、②引用、③2つのものを結びつけるレトリック。

書評とは①その本をすぐに買いに走るように行動提起する文章、または②レビューそのものがエッセイとしておもしろく読める。

「私のほうからご報告、ご相談したいことなどありまして」。自分が行うことに「ご」をつけるのはおかしい。相手の言っていることに「ご」をつけるのが敬語の基本です。

論文では原則として「ところで」は使わないほうが良い。

わかりにくい指示代名詞はできるだけ名詞に置き換えていきましょう。

おもしろい文章とは何か(井上ひさし)

  • 一見くだらないことは真面目に書く
  • 難しいことは易しく書く
  • 易しいことを深く書く
  • 深いことをおもしろく書く

謝罪をするときには、①謝罪の言葉、②その理由(反省)、③償い(穴埋め)の3つができているかどうかを念頭に置いて対処していかなければなりません。

会社のお金が消える5つのトリック

トリック①裏に隠れる

商売をする人が必ず引っかかるのが、第1のトリック“お金の動きが裏に隠れて見えなくなってしまう”というものです。これはマジシャンが観客をダマすときによく使う手ですが、次の条件が揃うことで観客は大事なものを見失ってしまいます。

  • 見るだけで触らせない
  • 違うところに注意を向ける
  • 時間をおいて記憶をあいまいにさせる

会社のお金の動きがわかりづらくなったのは、商取引が変わったのが原因です。クレジットカードや電子マネーでの販売が増えていて、お金を実際に触らなくなっているのです。毎日、自分でお金を数えることがなくなり、お金の実在を体感できなくなったため、お金が減っているという感覚が薄れていきました。お金がどんどんバーチャル化しています。

お金の感覚を感覚を鈍くさせた最大の原因は、取引のサイクルとお金のサイクルとのタイムラグです。取引が先行して、お金があと回しになったことにより、商売をする人が実際のお金を触らなくなり、売上と利益だけを見るようになっていったのです。

トリック②穴から漏れる

会社のお金が抜け落ちてしまう穴には、次のようなものがあります。

  • 赤字事業、赤字店舗の維持管理費用
  • 儲からない商品サービス、得意先、営業地域にかかるコスト
  • 稼いでいない人たちの人件費と家賃
  • 使わなくても毎月口座振替される会費、保守料、利用料などの諸経費
  • 必ず一定割合の支払いが求められる税金

トリック③姿を変える

お金を払って購入したものをあとでお金に交換しようとしても、同じ金額ではないところがトリックなのです。

トリック④区別できない

お金に色はついていません。自分のお金と他人のお金が区別できなくなってしまい、本当の自分のお金がいくらあるのかがわからなくなってしまうのです。

借金して買ったモノの価値が減少しても、借金の額は変わらないことです。

トリック⑤順序が逆

どこの会社へ行っても、業績管理の資料には、一番上に売上高が書いてあって、そこから費用を差し引いて利益を出すという順番になっています。実際の商売は、順序が逆です。支払いが先で、その結果いくら回収できたかです。

児玉尚彦『会社のお金はどこへ消えた?』

2009年5月 9日 (土)

小山昇論

■貸借対照表

  • 現状と1年後の目標を見比べ、その間の数字ならOK。そこからはみ出していたら(増減両方)、原因をチェック
  • 資産の部はより上位、負債の部はより下位へ数字を移す
  • 在庫は資産ではなく「死産」と考えろ

■損益計算書

  • 粗利益率が低い会社は益率管理が何より重要。会社の利益額に大きな影響があるのは、売上より粗利益率です。事業構造を見誤ると、経営は一気に危機に陥ります。見るべき数字は事業構造によって変わるということです
  • 粗利益が固定費を下回れば会社は赤字です。粗利益額が固定費を賄えているかどうか。経営に重要なモノサシは売上ではなく粗利益である
  • 売上の伸び以上に営業利益が伸びるのは、売上が大きくなっても、人件費をはじめとした内部費用が占める割合がほとんど増えないからです
  • 攻めの経費は、新規事業等にどのくらい投資できるかを計画して、失敗したときは切り捨てて会社を守るための保険です

■資金繰り

  • 支払手形を発行している会社は、売上ダウンが命取りになる。支払手形による決済は、つねに倒産の危機と背中合わせです
  • 資金ショートのリスクを察知するのは、社長か経理担当社員にしかできない仕事です
  • PLで黒字になっているとそこで安心して、資金繰りは何とかなると高をくくってしまう。それが会社を窮地に陥れるのです

■数字

  • 数字を追いかけるのは「異常値」をいち早くつかむため
  • 重要成功要因をデータ分析からあぶり出す
  • 多くの社長は、因果関係を勘と経験則で導き出そうとする。それが間違いのもとです
  • 「2カ月後の売上に出る」など、法則を見つける
  • 経営は過去計算ではなく、未来計算で考えるべきです。経常利益はいくら、そのためには経費はいくら使い、いくらの売上を上げるというように、最初に結果を決め、その実現手段を逆算して決めていくのが本当の経営計画です
  • 会社の数字は「率」ではなく「額」で考える
  • アクションにつながらない分析は意味がない。やるだけムダです
  • 税理士等が教えてくるのは、10を3で割ったら1が余るという教科書的な計算まで。余った1をどうするのかを考えるのが経営なのに、それは彼らもよくわかっていません
  • 財務諸表だけでなく、販売数、在庫数や客数など日々の業務で出てくる数字も、実態に即していなければ意味がない
  • 年計グラフが下向きになったら、それが最初のサインです
  • 1年目は利益に優先して売上を見ます。2年目からは利益をチェック。3年目は損益分岐点を下回らないことが事業存続の条件です
  • 赤字部門があれば、まず他社へ部門ごと売却することが考えられます。もうひとつは、とりあえず損益分岐点まで人を減らす方法です
  • 無借金になると、社長も幹部もヤレヤレと安心し、社内にバイタリティがなくなるので注意が必要です
  • 決めた額以上に稼いだら、投資のための原資にあてる
  • 幹部は数字が人格
  • 上司や経理が計算した数字は、しょせん人ごとです
  • 会社にとっては「率」が大切なのではなく、「額」が重要なのです
  • 「今日利益が出ていること」よりも、「五年後も存在し続けること」のほうがずっと重要
  • 自部門のデータは、部門長がチェックしないと間違いに気付かない

■マーケティング

  • 売上は市場での地位。粗利益が真の実力
  • マーケットの“平均”に惑わされない
  • 売れていない商品は、どんな仕掛けをしても売れません。それよりも気をつけたいのは、「売れる商品の売り損じ」です。
  • 販促費は、いま売れている商品をさらに売るために使うべきです。販促費をかけて重点化する商品の見極めは、マーケットによって違うことを留意すべきです
  • 平均では、見えるものも見えなくなる。売れる商品は、「最頻値」で判断すべきです
  • 価格が半値になったら、少なくとも次の商品投入を始めるべきです
  • 売上を増やすには、2つの方法があります。客単価を増やすか、客数を増やすか。そのどちらかです
  • どうすれば客数が増えるのか。営業担当者の数を増やす。単純ですが、これがもっとも確実です
  • 市場における存在感はブランド力であり、同じ商品なら、ブランド力のあるほうがより容易に売れる
  • マーケットにはお客様とライバルしかしません
  • 倉庫が売れない商品で占められると、売れる商品を入れる場所がなくなり、結局は販売の機会損失になる
  • 1度捨てる痛みを知ると、人間は本当に必要なものだけを真剣に仕入れるようになります
  • 発注基準は商品ごとに決めるのが一番です
  • 「利益率が高い」商品を重点的に売る戦略をつくれ
  • 社長の決定で変えられるものは、それは商品構成です
  • 過去の購買履歴を調べて対策すると、かなりの確率で効果は出ます
  • 一番売れる商品を、一番売れるマーケットで、さらに売っていく
  • 一方通行は渋滞が少ない
  • デートするときは、自分が必ず壁側に座ります。ガールフレンドの目線が他の男性に走らないようにとバリアを張るためです
  • 手間をかけないと心が通じないんです
  • 私は女性に対しては、年齢には関係なく「お嬢さん」と呼びます

■銀行

  • 新規取引の銀行が、なぜ最初は長期ではなく短期で貸すのか、おわかりになるのでしょうか。お客様は、困らないと高い金利で借りてくれない。土地に根抵当や抵当権をつけたり、社長や奥さんの個人保証を取れるのも、お客様が窮地に陥っていればこそです。だからまず短期で貸して財務評価を下げ、銀行にとって少しでも有利な条件で融資しようとする
  • 銀行は定期的に借入している会社にお金を貸すのです
  • 銀行がお金を貸すのは、過去の実績に対して。銀行は初めてのことに対して非常に慎重です
  • 借入は短期より長期のほうがいい
  • 抵当権は返済が修了すると解除されます。しかし、根抵当権は解除されません。お金を借りるときは根抵当権ではなく、抵当権で借りるのが正しい

■税金

  • すでに土地や資産を所有しているなら、社長の個人会社に売却して、個人会社が会社に賃貸で貸すのが一番です
  • あるべき数字や資料がない、会社の中も煩雑としていて隙があるという状態では、税務官のいいようにやられます

■マネジメント

  • クレームを隠しているうちに、だんだん大きく膨らんでいき、収拾がつかなくなります
  • 噂の「5つの法則」。①元をたどれば、同一人物、②事実と離れているもの(おもしろいもの)は、パッと広がり、パッと消える、③事実は、深く進行する、④故意・悪意は、狭く、長く続く、⑤流れてほしいものほど広まらない
  • どんなに知識を詰め込んでも、「気づき」が伴わなければ効果はないです
  • 「変わるもの」と「変わらないもの」の見分け方は、単純に「それが10年後も役に立つかどうか」。10年後に役に立たなければ、どんなに旬であって、流行していても「変わるもの」として無視します
  • 普通の企業が持つ「co.jp」のほかに、プロバイダーなどの通信業者である証の「ne.jp」。「co.jp」は、登記簿を提出しないと取得できません(藤井『週末起業』)
  • 経営戦略とは、「どの博打を選ぶか」
  • 社員を無能にしているのは、他ならぬ社長自身
  • 「やらないこと」を決めるのが戦略です
  • 会社の業績が悪くなるのは、むしろ内的要因が大きいのです
  • どんな小さなことでも、仕事をやらせたらチェックをしなければいけない
  • パクリは立派な戦略です

■掃除

  • 「狭い範囲」を徹底してやらせた。徹底するとは、第三者から「異常だ」と思われること
  • 環境整備によって小さな気づきがたくさん生まれる。その気づきは業務に役立つ
  • 整理は戦略、整頓は戦術
  • 環境整備は重要な経営戦略ですから、ボランティアにしては絶対にダメなのです
  • 整頓とは、必要なものを必要なときにすぐに使える状態に保つこと。その実現のためには、ものに置き場を決めて、順番をつけること
  • どうしたら家の中がきれいになりますか?。とりあえず水周りだけきれいにしなさい。具体的には台所・トイレ・風呂場です
  • ものは向きを揃えて置いておくこと

小山昇『社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!』、小山昇『強い会社をつくりなさい!』、小山昇他『儲かる会社の社長の条件』、小山昇『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』

資金増減原則

■資金増減原則

《営業資金の第1原則》

営業資金は利益で増え欠損で減る

《営業資金の第2原則》

非資金費用は営業資金を増やす

《営業資金の第3原則a-1》

売掛金の増加は営業資金を減らし、売掛金の減少は営業資金を増やす

《営業資金の第3原則a-2》

受取手形の増加は営業資金を減らし、受取手形の減少は営業資金を増やす

《営業資金の第3原則a-3》

在庫の増加は営業資金を減らし、在庫の減少は営業資金を増やす

《営業資金の第3原則A》

狭義の流動資産の増加は営業資金を減らす

本来の営業活動によって発生した現金預金以外の流動資産を狭義の流動資産

《営業資金の第3原則b-1》

買掛金の増加は営業資金を増やし、買掛金の減少は営業資金を減らす

《営業資金の第3原則b-2》

支払手形の増加は営業資金を増やし、支払手形の減少は営業資金を減らす

《営業資金の第3原則B》

狭義の流動負債の増加は営業資金を増やす

本来の営業活動から発生した流動負債を狭義の流動負債

《営業資金の第3原則》

狭義の運転資本の増加は営業資金を減らす

■運転資金をラクにする要因、苦しくする要因

資金増減原則を整理してみると、次の三つのブロックに区分することができます。

  1. キャッシュフローブロック・・・利益及び非資金費用
  2. 流動資産ブロック・・・売掛金、受取手形、在庫、その他の流動資産
  3. 流動負債・・・買掛金、支払手形、未払金

資金をラクにする要因

  1. 利益の増加
  2. 非資金費用の発生
  3. 買掛金の増加
  4. 支払手形の増加
  5. 未払金、未払費用、前受金などの増加

資金を苦しくする要因

  1. 損失の増加
  2. 売掛金の増加
  3. 受取手形の増加
  4. 在庫の増加
  5. 未収金、前受金、前払費用の増加

後藤弘『資金繰りとキャッシュ・フロー計算書』、青木三十一『「資金繰り地獄」から抜け出す本』

接待交際費の3基準

1.資本金基準

  • 資本金1億円超⇒全額に法人税がかかる
  • 資本金1億円以下⇒400万円まで認められている

    (400万円までの金額×10%)+400万円を超える部分の金額

2.支出基準

400万円の1割に法人税がかかる。実質的に無税なのは、交際費の90%分の最大360万円である。

3.5000円基準

飲食費に限り、1人あたり5000円までなら、支出基準を適用しない

楢山直樹『経営をよくする会計』、佐藤善恵『小さな会社の法人税の申告と経理処理が分かる本』

年計表

■年計表とは

月々の売上を単純に並べてグラフにしただけでは、本当の動向を捕まえることは困難です。とくに季節変動の大きな商品だとただ並べてみただけでは、最盛期の実績が大きくて、シーズンオフには下がっているだけでという当たり前のグラフにしかなりません。

移動年計というのは、「年計」ですから、一年間の売上の合計です。ですから、季節変動のばらつきは消されて影響を受けませんので、純粋に売上の動向を示してくれます。

企業独自の変動をならした結果、ここから見えるものは「市場の変動」です。

移動年計を見ていると、売れ行きが鈍ったときにはこう配の角度がなだらかになり、ついにはピークを迎えて下降線になります。

このグラフを3年、5年、10年にわたって見ることで、会社の変遷を知ることができる。

例えば、6月分の月次が終わった時点で、去年の7月から今年の6月までの月次データを合算して1年分とするのです。毎月1か月ずつずらしながら集計して、グラフにして比較すると、12か月のデータが合算されているため、季節変動を吸収してくれるのです。その結果、これまでの成長のペースがグラフで確認できるようになります。

■年計表の利用

移動年計グラフについては、売上高だけではなく、粗利益(売上高-変動費)と固定費を重ねて表示させるようにします。

そして、グラフができたら、粗利益の折れ線グラフと固定費の折れ線グラフの間をランマーカーで塗ります。このラインマーカーで塗った部分が、利益(固定費が粗利益より大きい場合は損失)というわけです。

■作り方

例えば、3期4月の年計は2期3月の年計9567.5に3期4月の当月751.5を足し、2期4月の当月829.0を差し引くことで求められます。

  2期 3期
  当月 年計 当月 年計
4月 829.0 9167.0 751.5 9490.0
5月 821.0 9176.0 760.0 9429.0
6月 900.5 9218.0 739.0 9267.5
7月 887.5 9205.5 808.0 9188.0
8月 871.0 9259.0 784.0 9101.0
9月 823.0 9458.5 790.0 9068.0
10月 857.5 9502.5 900.5 9111.0
11月 786.0 9461.5 881.0 9206.0
12月 500.0 9461.5 500.0 9206.0
1月 778.5 9528.0 817.0 9244.5
2月 707.5 9511.0 742.5 9279.5
3月 806.0 9567.5 838.0 9311.5

■グラフの見方

例えば、以下のようなグラフができたとします。A時点を境に下がってきているので、A時点で何かがあったということがわかるわけです。

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アレン・B・ボストロム/広瀬元義『イン・ザ・ブラック』、原田盛夫『採算計算に強くなる本』、ウエスタン安藤『世界一わかりやすい会計の本』

ABC分析

■ABC分析とは

ABC分析は、購買する物品のうち同一分類のものだけを集め、その中をA、B、Cの3グループに分類し、Aグループを最重点の管理対象とし、Cグループは打切るか管理の対象から外して管理の手間を省こうとする考え方である。

全体の売上の中で70%を占めてしまっている上位のグループがAであり、その下の25%位を占めるグループがBであり、残りの5%に貢献しているグループがCである。ところが、このABCの各グループを数の割合でふり分けると、Aのグループは15%から20%ぐらい、Bのグループは25%から30%ぐらい、Cのグループは30%から40%ぐらいになってしまうのである。前者のように金額の貢献度でABCを分ける方法をダラー・コントロールとよび、後者のように、数の割合で分ける方法をユニット・コントロールという。

ABC分析は、購買管理の外に、顧客管理や商品管理などにも広く応用されている。購買管理の場合であれば購入品在庫管理の重点をどの品目におくかを示し、顧客管理に適用する場合であれば重点顧客や将来の有望顧客の抽出に、また商品管理に適用する場合には今後の商品展開の追及などに役立てることができる。

イタリアの経済学者であるパレートが、経済変動の分析に使用したのがそのルーツなので、「パレート分析」というのが本来の名称です。

■ABC分析の方法

ABC分析の手順を購買管理の場合について示すと次の通りである。

  1. 購入資材のうち、同種の品目をグループ化し、その中を出庫金額の多い順に並べる
  2. 全品目の総出庫金額に対する各品目の出庫金額比率を算出する
  3. 出庫金額比率を上位から順に累積して累積百分比を作る
  4. グラフの横軸に上位品目から順次品目名を記入し、縦軸に各品目に対応する累積出庫金額比率を打点し、直線で結ぶ
  5. 累積出庫金額比率の70%と90%の折線上の点から横軸に垂線をおろす
  6. 累積出庫金額上位約70%の品目をAグループ、次の約70~90%の品目をBグループ、残り約10%の品目をCグループとすると、品目数ではAグループでは約10%程度、Bグループには約20%程度、Cグループには約70%程度の品目が含まれるとされている
  7. A品目は重点管理を行い、B品目はA品目に準じた管理を行う。C品目は管理の手間を省き、また必要品目のみ残してその他の品目は逐次整理をしていく

■各グループのメリット・デメリット

1.Aグループ

Aグループという顧客は一番八方美人であり、油断するとすぐに敵方にいってしまう恐れがある。

2.Bグループ

Bグループは「精密管理の要あり」といわれて、数が多いために顧客管理が粗雑になってしまう。Bグループには、プラスとマイナスのグループがある。プラスのグループは、“イノベーター”などといわれたり、“明日の担い手”などとよばれる得意先や顧客のことである。マイナスのグループは、昔Aグループに属していたのだが、その後次第に実績が下がってきてBグループに落ちてきたというのがある。

3.Cグループ

Cグループは、Aグループよりもはるかにファンになっている得意先や顧客が多い。Cグループの中には“シンデレラ”といって、極めて大切な得意先も混じっているのである。

4.その他

商品の時系列的推移、そして地域特性も一定考慮しなければならない。

桑田秀夫『生産管理概論』、筒井信行『あなたの経営分析はまちがいだらけ』、田岡信夫『社長の営業戦略』、野口吉昭『セルフコンサルティング』

2009年5月 8日 (金)

分析指標の比較種類

■筒井

1.期間比較・・・・・自社の決算期間ごとに主要比率を比較して良否の傾向をみる

2.相互比較・・・・・同業者で同規模の企業の比率と比較検討して良否をみる

3.標準比較・・・・・多数の同業者の平均比率と比較検討して良否をみる

4.目標比較・・・・・目標数値や比率と、実績数値や比率とを比較検討して達成率をみる

■鯖田

期間比較・・・・・時系列比較

相互比較・・・・・①他社比較(先進企業やライバル企業と比較:ベンチマーク)、②他グループ比較、③産業間比較、④標準比較(同じ業界の平均的データ等)

■渋井

1.同業他社で比べる・・・・・業種のことをセクターと呼びますので、セクター分析と言います。

2.過去と現在を比べる

3.計画と実績で比べる

筒井信行『あなたの経営分析はまちがいだらけ』、鯖田豊則『会社を目利きする50のポイント』、渋井真帆『あなたを変える「稼ぎ力」養成講座:決算読みこなし編』

フリー・キャッシュ・フローの定義いろいろ

■フリー・キャッシュ・フローの定義

1.営業CFから、投資CFのうち現事業維持のための投資を差し引いたもの。投資CFのうち、どの部分が現事業維持のためのものか不明であるため、営業CFから投資CF全体を差し引いたものをFCFと呼ぶことがあります。(都井)

FCFの概念には定説がない。議論の中心は、生産能力維持のための設備投資と戦略的な投資に区分すべきか否かである。つまり、厳密に考えれば、生産能力維持のための投資は企業を存続するために避けられない投資であるのに対して、戦略的な投資はFCFの使途として位置づけるべきだということになる。ただ、生産能力維持のための投資額はCF計算書からは知り得ない。そこで、厳密性には欠けるものの、その代理変数として投資CFを用いることがある(櫻井)。なお、投資には、「戦略的」投資と「財務的」投資があり、その両方が投資CFに現れます(小宮)。

2.営業CF+投資CF。自由に使えるお金の額。会社の中長期的な力を見ることができる。(山田真)

+となっているのは、つまり、CF計算書では現金の流入がプラス、流出がマイナスで表記されるので、設備投資などの投資CFは通常負の値をとるため。(山田昌)

3.営業活動CF-不可避のキャッシュ・アウト・フロー。「企業が設備投資計画を練るにあたってはFCFの範囲内で行え」という金言がありますが、正確には、「設備投資を行うにあたっては、その翌年以降、FCFがプラスを維持できるものでなければならない」とする必要があるのです。これはまた、設備投資を行う初年度において、FCFを議論しても意味がない、ということに繋がります。(高田)

不可避な出費項目が何を意味するのか、それは企業ごとに異なる。経営上の力点の置き方によっても異なってくるし、分析者が株主利益を主とする投資目的から見るのか、それとも経営者の立場から見るのかによっても影響を受ける。それぞれ国ごとの企業風土の違いも、考慮に入れる必要があるだろう。(菊池)(吉木)

4.税引後営業利益+減価償却費等非貨幣支出費用-設備投資等±正味運転資本増減。(トーマツ)

5.FCFのとらえ方は一致していない。例示は以下。(菊池)

  • 営業CF-投資CF(全体)
  • 営業CF-設備投資(全体)
  • 営業CF-配当金支払い
  • 営業CF-必要な有価証券投資-生産維持に必要な設備投資
  • 営業CF-必要な有価証券投資-生産維持に必要な設備投資-安定配当分の支払い

6.便宜的に営業CF-減価償却費(現状を維持するために必要な設備投資額を減価償却費とみなす)。(金児)

自由資金比率

フリー・キャッシュ・フロー/ 当期純利益

自由資金比率は、会社に自由に使えるお金がどれだけ残っているかを示す指標です。自由資金比率は、税金を払って会社に残った当期純利益が、どれだけFCFとして会社に残っているかを出したものです。FCFの比率が多いほど資金繰りが楽になります。黒字企業の平均数値は40%、優良企業でも70%ですが、私は70%かそれ以上を目指すべきだと考えます。

■企業価値算定の際のFCF

FCF=EBITDA-資本的支出±運転資本増減

企業価値の算定にあたっては、一般的に「税引後営業CF」が使用される。税引後営業CFとは、「EBITDA(支払利息・税金・減価償却控除前利益)」から、設備投資資金を差し引き、さらに運転資本の増減を加味したもの。

■FCF分析の2つの視点

  1. 1つは、そのFCFがどうような数値であるかである。当期のFCFを増加させるには、営業CFを増加させるか、それを生み出すのに必要となる投資CFを低下させればよい。しかし、後者を選択した場合、投資を抑制しすぎると、将来のCF獲得能力が低下する恐れがある。各期のFCFがどういった意味を持つ数値であるのかを吟味する必要がある。
  2. いま1つは、FCFの使い方である。配当や自社株買いなどで株主へ還元するのか、あるいは借入債務の返済にあてるのか、それとも将来の買収資金として内部留保するのかなど、さまざまな使い方が考えられる。こうしたFCFの使い方から、企業のCF経営への取り組み姿勢を分析することができる。

都井清史『新しい会計基準』、山田真哉『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』、高田直芳『キャシュフローのしくみ』、トーマツ『キャッシュ・フロー計算書作成実務と経営管理』、菊池誠一『連結経営におけるキャシュフロー計算書』、金児昭編『キャッシュフロー経営がわかる本』、吉木伸彦『わかりやすいキャッシュ・フロー計算書』、櫻井通晴『管理会計』、山田昌弘『会計とは何か』、楢山直樹『経営をよくする会計』、小宮一慶『「1秒!」で財務諸表を読む方法』、久野康成『あなたの会社を永続させる方法』、伊藤邦雄『ゼミナール現代会計入門』

益金:収益計上時期(一般販売)

一般販売とは、現金販売と信用販売とを指す。

一般販売の場合では、収益計上の時期は、原則として、その棚卸資産の引渡しの時点です。次のものから最も合理的と認められる収益の計上基準を選び、毎期継続して適用しなければなりません。

  1. 役務収益⇒検針等により販売数量を確認した日
  2. 一般の財貨収益⇒①出荷伝票の作成時、②倉庫から現実に出荷の時、③船積み・貨車積みの完了の時、④相手方に到着し検収を完了した時
  3. 機械・建物の収益⇒相手方において使用収益ができることになった日

なお、合理的な理由がある場合には、複数の異なる引渡基準を採用することができます。

武田隆二『最新財務諸表論』、FANアライアンス編『会社の税金コレを知らなきゃ大損です!』、武田隆二『法人税法精説』、大村大次郎『社長!税務調査はこうして乗り切れ』

キャッシュ・フロー計算書による企業の分析

1.営業活動によるキャッシュ・フロー

  • 売上債権の増加はその分だけ未収入が増えた、つまり売上と比べて収入が少なかったことを意味し、棚卸資産の増加はその金額だけ売上原価よりも仕入が多かったことを意味します。一方、仕入債務の増加はその分だけ未払いが増えた、つまり仕入と比べて支出が少なかったことを意味します
  • “設備投資はキャッシュフローの範囲内で”とよく言われます。これは、毎年本業で稼いだ分のなかから設備の増強は賄いなさいということです。できるだけ、設備投資のとき、借入金に依存する金額を少なくするようにします
  • CF計算書に限らず、「その他」の内容は必ず確認するようにしたいものです
  • 売上債権の急増と棚卸資産の減少からは、期末近くの押込販売の疑いが濃厚です。押込販売は、本来棚卸資産として在庫計上されるべきものを売上債権として表示することになるため、売上債権の急増と棚卸資産の減少として表われることになるためです
  • 営業活動によるCFは、仕入先への支払いを繰り延べるだけで増加することになります
  • 当期純利益<営業活動によるCF⇒減価償却費等の支出を伴わない費用が多額であるなど資金的には健全な状態
  • 当期純利益>営業活動によるCF⇒会社が急成長している場合を除いて資金的には不健全な状態

2.投資活動によるキャッシュ・フロー

  • 投資有価証券と有形固定資産が売却にあたって損を計上している場合、損切りをしてまで資金が必要であったことが考えられます

3.財務活動によるキャッシュ・フロー

都井清史『新しい会計基準』

中小企業の役員報酬は、営業利益である

中小企業の場合には役員報酬の取り方次第によって利益は合法的にいかようにも変わりますので、役員報酬がどの程度支払われているかにも注意しなければなりません。多額の役員報酬の場合、実質的に利益処分である可能性が大です。

役員報酬の見方としては、実質的な営業利益に加えて考えればいい。

最低限必要な生活費部分ぐらいは残して、この部分は要らないなと思うようなものは実質的には営業利益に加えるという発想をする。3人で6000万円だったが、3人合わせて2000万円ぐらいで暮らしていけそうなら6000-2000=4000万円部分は過大なのです。その4000万円を営業利益に加えるという発想をする。日本の会社が赤字といいながらも潰れないのは、こういうことがあるからです。中小の70%以上が赤字だといっているのに潰れないのは役員報酬があるから、これが緩衝材という役割を果たすからです。

以上、多額の役員報酬は実質的には営業利益であるということです。

都井清史『粉飾決算の見分け方』、都井清史『税理士のための新会社法実務ガイド』

課長が見るべき財務3表のポイント

1.貸借対照表

受取手形売掛金商品。運転資金に注意。

2.損益計算書

売上高から営業利益までの数字です。通常、借入金や投資有価証券の金額は、課長がコントロールすることができません。したがって、営業利益より上の欄の数字となります。

3.キャッシュ・フロー計算書

営業活動によるキャッシュ・フロー。最も注目すべきなのは、運転資金の増減です。

望月実『課長の会計力』

商品ライフサイクルとキャッシュ・フロー

■商品ライフサイクルとキャッシュ・フローのパターン

1.導入期

営業活動と投資活動でマイナスになったCFを、外部からの資金調達による財務活動をプラスすることによって、CFのバランスを取っている。

2.成長期

設備投資などのビジネスに必要な投資をするための資金を、営業活動と財務活動によるCFによってまかなっている。

3.成熟期

営業活動のCFによって、投資活動や外部から調達した資金の返済(株主への配当)などが行われる。

  導入期 成長期 成熟期
営業CF
投資CF
財務CF

■企業の成長ステージによるキャッシュフローの特徴

1.成長企業

  • 売上は増えるが、売掛金も増えてくるため、営業CFがマイナスになる
  • 売上に先行して仕入や製造費が増えてくる、また商品の在庫も増やしていかないといけないため、営業CFがマイナスになる
  • 店舗や事務所、備品など固定資産への投資、これらは、投資CFのマイナスとなってくる
  • 上記をまかなうため、財務活動によって、資金を調達していかなければならない。具体的には、借入金や社債発行、増資などにより資金調達を行っていく必要がある。そのために、財務CFは入りが増え、プラスになる。

2.安定企業

  • 売上が安定してくると、売掛金の残高や買掛金、在庫の残高も安定してくるため、本来の営業循環サイクルになり、営業CFがプラスになってくる
  • 本業で出た利益を資金運用や投資に回していく余裕が出てくるため、投資活動にお金を投入することになり、投資CFはマイナスになる
  • また、安定企業に安住しているわけにはいかないので、次の事業への投資なども必要である。そのため投資CFはマイナス方向にいく
  • 本業で出た利益により、創業時の借入金を返済していくことになる。したがって、財務CFは、マイナス傾向になってくる

3.衰退企業

  • 売上が減り、経費が相対的に過大になってくるので、営業CFがマイナスになってくる
  • 営業CFのマイナスを補うため、いままで投資してきたものを回収しようとする動きになる。固定資産の処分や、有価証券の売却により、投資CFがプラスになってくる
  • 事業が衰退しているため、新たな資金調達は難しいし、あまり良い策ではない。そのため、従前の借入金を返済する状況は変わらず、財務CFは、マイナス傾向になる

  成長企業 安定企業 衰退企業
営業CF
投資CF
財務CF
(注)+:プラス傾向が強い、▲:マイナス傾向が強い

望月実『課長の会計力』、北岡修一『ココまでできる儲かる会計』

赤字事業から撤退できない3つの理由

  1. これまでの成功体験がジャマをする
  2. これまでの投資額を捨てるのがもったいなくてやめられない
  3. 社長の思い入れが強い事業

児玉尚彦『会社のお金はどこへ消えた?』

管理コスト2%の法則

管理コスト2%の法則

黒字企業は粗利益に対する管理事務コストの割合が平均すると2%以下なのに対して、赤字企業では、4~5%に達しています(児玉)。

■経費は売上総利益の2/4、つまり人件費1/4、その他経費1/4の原則で管理するとよい(日野上)。

児玉尚彦『会社のお金はどこへ消えた?』、日野上輝夫他『“儲けたい儲かる儲かった”の実践社長学』

ホステスにかかる源泉所得税

{支払い金額-(5000×日数)}×10%

ママ、みてる~。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2807.htm

今村仁『税金を払う人、もらう人』

2009年5月 7日 (木)

払込資本を資本金と資本準備金に分ける理由

■会社法の払込剰余金

会社法では、株主の払込資本を全額、資本金とすることが原則規定であるが、特例的な規定として、払込資本の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができるとされている。したがって、払込資本の2分の1が資本準備金とされる。この点で、形式上は、従来と変わりはない。

資本金は会社がその資本の中でも最も基本的なものであると宣言した部分であり、資本準備金はそれに対する緩衝材の部分である。車でいえば、資本金は本体であり、資本準備金はそれを守るバンパーあるいはクッションなのです。会社の業績が落ち込んで欠損金がでたときに、資本準備金を取り崩して解消することになります。

株式を発行した場合、2分の1までを資本金ではなく資本準備金とすることが認められています。そして、通常、全てを資本金としないで、一部を資本準備金とします。なぜかというと、そうしておかないと、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、配当を行うつど、資本準備金又は利益準備金を積み立てなければならなくなり、配当できる額が制限されてしまうからです。

■利益準備金の積立は、資本準備金と利益準備金の合計額が、資本金の4分の1に達するまで行われなければならない。しかも会社法はこれを分配不可能な部分としている。このため資本金の額が多いほど分配不可能とされる利益も多くなる。したがって、企業はそのような拘束額を最小にする目的で、会社法上の最低限度しか資本金に組み入れないのが普通である。

■資本金は、現金配当等の分配活動には活用できないため、その金額が大きくなればなるほど分配不能な部分が多くなり、会社にとっては分配活動の拘束が増すことになるために、資本金への組入れは最低限にとどめるのが一般的です。

会社法では、資本準備金と利益準備金の取扱いに相違はなく、いずれも配当対象となる剰余金を計算する際の控除項目として、会社財産の社外流出の歯止めとなる効果をもつものとして位置付けています。

永野則雄『ケースでまなぶ財務会計』、鈴木広樹『株式投資に活かす適時開示』、武田隆二編『新会社法と中小会社会計』

偶発債務

意義

偶発債務とは、将来なんらかの事由により当該企業の負担となる可能性のある債務であって、未だ現実に債務として確定していないものをいう。

種類

保証債務、手形遡及義務(手形割引高及び裏書譲渡高)、損害賠償義務

偶発債務と引当金

レベル1・・・・・他人の保証をした→その旨、極度額を、注記する

レベル2・・・・・被保証人の状況悪化→債務保証損失引当金を設定

レベル3・・・・・保証債務が確定→債務として計上

武田隆二『最新財務諸表論』、越知克吉『監査ケーススタディ』

本支店会計における本店勘定と支店勘定の意味

支店の元帳には、本店勘定が設けられる。本店勘定は、支店における一種の資本勘定の性格をもち、支店への投資額を表すこととなる。

本店においては支店への投資を示すために支店勘定が開設され、支店への投資額が示される。

武田隆二著『簿記Ⅲ』、舛田精一『経理部長の感覚』

マーケティングの4P

マーケティング・ミックスとは、管理者が売上に影響を与えるために使用できるツールの組み合わせのことである。伝統的に4Pという形にまとめられている。

Product(商品)

  • われわれが提供している商品は何か?
  • われわれの商品にとって、最適のマーケット(地域、顧客セグメント)はどこか?

Price(価格)

  • 自社の価格は、競合と比較してどうか?
  • 自社の価格は、どのような形で決められているか?
  • 自社の価格設定は適切に行われているか?
  • もし価格を変化させたら、販売量はどのように変化するか?

Place(流通チャネル)

  • われわれの商品は、どのようなチャネルを通してエンド・ユーザーのもとに届けられているか?
  • どうすれば流通チャネルを拡大できるか?
  • われわれが販売していない商品を競合が販売しているか?
  • われわれが開拓できていない地域や顧客セグメントに競合が進出しているか?
  • どうすれば未開拓の市場に進出できるか?

Promotion(広告宣伝)

  • 商品を売り込むためには、どうするのが一番よいか?
  • われわれは正しいマーケットで販売しているか?
  • 過去どのようなマーケティング・キャンペーンを行ったか?
  • それらのキャンペーンは効果的だったか?
  • マーケティング・キャンペーンを強化するための十分な予算があるか?

■4Pに対するより根本的な批判は、それが買い手の視点に立ったものでなく、売り手の見方を表現したものだ、というものである。これに関して、ロバート・ラウターボーンは、売り手は4Pを設定する前に、まず4Cの検討から入るべきだと述べている。4Cとは顧客価値(Customer value:製品に変わるもの)、顧客コスト(Customer cost:価格に代わるもの)、利便性(Convenience:流通に代わるもの)、コミュニケーション(Communication:プロモーションに代わるもの)のことである。マーケターが、まず標的顧客の4Cを熟考しておけば、4Pの設定もはるかに容易になる。

マーク・コゼンティーノ『戦略コンサルティング・ファームの面接試験』、コトラー『コトラーのマーケティング・コンセプト』

経常収支比率は倒産予知に役立つ

■経常収支は、正しくは運転資金収入超過あるいは運転資金の資金余剰などというべきものであって、次の式で算出する。

運転資金収入超過=(経常利益+非資金的費用)-(売上債権等増加+棚卸資産等増加-仕入債権等増加)-負債性引当金目的使用

経常収支比率=経常収入/経常支出

経常収支=経常収入-経常支出

経常収入=売上高-売上債権増加+営業外収益

経常支出=費用-非資金的費用+棚卸資産増加-仕入債務増加

経常収支比率は割り算の世界であり、経常収支は引き算の世界である。

経常収支比率は経常収入と経常支出の比率ですが、100%を下回れば危なそうだということは誰にでもわかります。(都井)

経常収支比率は、少なくとも100%以上、できれば110%以上が望ましいとされる。100%未満が2~3期、連続して続くと、資金繰り状況がかなり悪化しているといえる。つまり経常収支がマイナスなら、経常収支比率は100%割れ、経常収支がプラスならば、経常収支比率は100%超となる。(鯖田)

なお、CF計算書は、経常収支分析の考え方がベースとなっています。

■そこで、経常収入のほうに着目してみましょう。

経常収入=売上げ-売上債権の増加+営業外収益

売上債権
期首 10 回収 80
売上 100 期末 30

経常収入=100-(30-10)=80

このなかで収入はどこですか。収入は回収した分の80です。これを入れようとしているのです。この算式が意味するところは、売上債権が増えれば増えるほど収入、回収が少ないわけです。

例えば、翌期売上げを先取りした場合、経常収入はどうなるのか。翌期売上げの先取りは売掛金の売上げにつながります。売上げは増えますが、それはそのまま翌期の売上債権になるわけです。つまり翌期売上げの先取りというのは、期末の債権が増えるだけのことです。ということは、回収に影響してこないわけです。翌期売上げの先取りはこの比率に影響を与えません。PLで粉飾しても資金繰りは正直だということです。回収と支出のほうは客観性が強いので操作しにくいわけです翌期売上げの先取りをしても、売上げた金額はそのまま債権増加とイコールですから、この金額そのものは変化しません。PLで利益をつくっても、この比率をみたらわかるということですね。

ただ、この比率は、例えば、もうどうしようもないから投売りで換金化した、大安売りのバーゲンセールをやったときには、安い金額でも収入が増えますので、この比率は変化するわけです。即売会を開いて思い切り安く売ってしまったという場合なら変化します。したがって、万能ではありません。限界がありますので、それを知りながら利用してください。

都井清史『粉飾決算の見分け方』、森脇彬『経営分析実務相談』、鯖田豊則『会社を目利きする50のポイント』、杉山浩『粉飾決算書を見抜け!』、末松義章『倒産・粉飾を見分ける財務分析のしかた』、高下淳子『決算書を読みこなして経営分析ができる本』

売上を増やす4つの方法

1.集客数を増やす

広告媒体ごとの反応率、広告文章の反応率を計測することによって微調整をしていくことが大切である。

2.顧客単価を上げる

どうすれば「クロスセル(目的の商品と一緒に他の商品も購入していただく)」と「アップセル(より高級品を購入していただく)」ができるかを考えるのが効果的である。

3.購入率を上げる

商談の回数を計測したり、お客様の声をホームページに掲載するなどの方法がある。

4.リピート回数を増やす

ポイントカードや接客方法に工夫するなどして、リピートしたくなるようなシステムを作ることが大切である。

望月実『課長の会計力』

リースか購入か

資金繰りがよほど楽な場合を除き、リースのほうが良い。

とにかく支払総額を少なくしたいのなら、自己資金による現金購入を選択するのがベストです。ただCFを一気に悪化させるので経営上の危険も伴います。

岩佐孝彦『社長は「会社のお金」をこう残せ!』、楢山直樹『経営をよくする会計』

税額控除と特別償却

■短期的なモノサシで節税したい場合は「税額控除」、中期的なモノサシで節税したい場合は「特別償却

■目先の資金繰りや預金金利を考えるなら特別償却

■①減価償却資産を取得した初年度においては、「特別償却」を選択したほうが有利といえる、②取得した減価償却資産の耐用年数いっぱいで考えた場合には、「税額控除」を選択したほうが有利といえる。

■黒字法人の場合、単なる課税の繰延べである特別償却よりも税額控除のほうが法人税額を直接減額できるメリットもあります。ただし、適用年度の税額を軽減したい場合には特別償却を利用する効果が大きいといえます。

岩佐孝彦『社長は「会社のお金」をこう残せ!』、山田朝一『「会社の税金」これで2割は安くなる!』、岡本善英『くらべてわかる会社実務の有利不利』

税額控除は、資産の取得事業年度の法人税額が減額されるのに対して、特別償却は、取得事業年度の損金が一時的に増えるだけであり、その後の事業年度(最長7年)で取得事業年度において損金算入された特別償却費が益金として取戻されることになります。

したがって、資産の耐用年数中における納税額の絶対額による有利不利判定では、通常、「税額控除」の方が有利となります。

ただし、特別償却では、資産の取得事業年度における納税額が一時的に減ることになるため、キャッシュ・フローという視点では有効であり、税額控除は税額が発生していなければ効果がない(特別償却の場合には、赤字のケースでも繰越欠損金として持越しが可能)という点でも、特別償却の方が有利になる場面があります。

利益の三分法

会社の利益は、次の3つに分配されます。

  1. 税金
  2. 株主配当&役員賞与
  3. 剰余金(内部留保)

中小企業では会社に利益が残っても、あえて配当や賞与を出さないことがよく起こります。そこで、万一に備え「剰余金」として最後に残し、内部留保しておくのです。そうすると、課税当局サイドから見れば、税金が取れなくなるため、最後に残った剰余金にも、いわゆる同族会社には特別に税金が課せられる構造になっているのです。これを同族会社の留保金課税と言います。中小企業が内部留保を充実させて会社を強くしようとすると、落とし穴に陥るのは、このためなのです。ただ幸いなことに、平成19年度税制改正により、資本金1億円以下の会社は免除になりました。

大企業は「利益の三分法」に従って良いでしょう。また、中小企業の中で財務基盤の強い会社も、このスタンスで良いでしょう。しかし、創業間もない会社や財務基盤の弱い会社は、内部留保を充実させて会社を強くする前に、やるべきことがあるはずです。それは、「会社を強くする前に社長個人を強くせよ!」ということです。まずは社長の資力をつくらなければなりません。会社にお金を蓄積する前に、社長として個人財産の蓄えをきちんとつくっておかなければならないのです。特に創業10年以内の会社は、この考え方が大切です。

「利益の三分法」は、上場している大企業のお金の論理です。小さな会社の場合、経営の常識にしたがって、潤沢な内部留保が本当に必要なのか考えてほしいのです。

岩佐孝彦『社長は「会社のお金」をこう残せ!』、岩佐孝彦『小さな会社の社長のお金を残すために絶対必要な本』

業績予想

3期の初めに1年間の業績を予想する。

決算月のセオリーは、年間を通して、大きな売上が上がりやすい月を期首(アタマ)にもってくることです。

株価にもっとも影響を与える要因は、経営者による来期の業績予想。

企業が最低限目標とすべき利益金額は、実は、月々の借入金返済元本の額によって決まる。その目標利益を達成することができなければ、その会社は、着実に倒産への道を歩み始めることになるのだ。

公開企業は、売上の予想から着地が10%以上利益の予想を30%以上修正する場合、業績予想の修正に関して開示しなければなりません。

社長は決算書の数字を要所できちんと把握しておかなければなりません。1回目は、期首から6ヵ月を経過した時点です。2回目は、期首から9ヵ月を経過した時点です。

■10分で必達売上目標を算出する7つのステップ

  1. まず「借金返済額+設備投資額(共に1年間の)+貯蓄したい金額」を算出してください
  2. その額の約2倍が必達利益目標ですね(税金で半分近く取られますから)
  3. その利益に人件費を加えた金額は稼がなければいけません。そして、業種にもよりますが、実は人件費と同じくらい、その他の固定費がかかるものです
  4. つまり、人件費の2倍が固定費予算です。
  5. それを必達利益目標に加えた金額を稼ぎましょう。これが必達粗利目標です
  6. さらに、仕入や外注費のように売上と連動して増減する変動費を加えてみましょう。具体的には、必達粗利目標を粗利率で割り算します
  7. できましたか?それが必達売上目標です

岩佐孝彦『社長は「会社のお金」をこう残せ!』、勝間和代『決算書の暗号を解け!』、日野上輝夫『“儲けた儲かる儲かった”実践社長学』、鯖田豊則『会社を目利きする50のポイント』、鈴木広樹『株式投資に活かす適時開示』、岩佐孝彦『小さな会社の社長のお金を残すために絶対必要な本』、和仁達也『脱☆ドンブリ経営』

予算と脱予算経営

予算の問題点

  1. 予算の作成に多大な労力を必要とする
  2. できるだけ低い目標を立てようとする
  3. 経営資源を適切に配分することが難しい
  4. 実際のビジネスを行うときと前提条件が異なる
  5. 数字という目標を与えられても、優秀な社員しか達成できない
  6. 月次決算の数字では間に合わない
  7. 企業の長期的な利益を損なう可能性がある

問題点の解決方法

  1. 「予算作成支援システム」を使用する
  2. 「数値管理」から、「ビジネスプロセスの管理」へと変化させる
  3. 「売上目標」に代わる個人の「業績評価指標」を検討する

予算の種類

  1. ゼロベース予算・・・テキサス・インスツルメント社が開発。企業の諸活動を目的指向のプログラムに分類し、プログラム別に予算を編成し、支出を再評価するための予算編成手法である
  2. ローリング予算・・・利益計画が中長期利益計画の初年度としてもたれているときには、いずれも利益計画はローリング方式で設けられる。すなわち、中長期利益計画は、毎年最終年度を1年分ずつ付け加え、次年度を利益計画の初年度とする方式を繰り返していく

脱予算経営

  1. 「売上高」「利益(率)」という最終目標ではなく、「在庫水準」「品切れ率」「製品化までの時間」「解約件数」「顧客訪問回数」など組織の戦略目標を達成するための中間的な目標である「KPI(Key Performance Indicator:重要業績指標)」を使い、これを日次・週次など一定期間ごとに実績数値を出して、プロセスの進捗状況を管理するのです。伝統的な予算管理制度を廃止し、絶対的な目標ではなく、「同業他社比較」といった相対的なKPIを設定し、変化に応じてKPIも変えていくといった環境適応型の組織を目指すのです
  2. 事前に決めた目標達成率ではなく、マーケットと連動した事後的な数字で業績評価を行う
  3. 現場で判断することができる自由度の高い組織を作り出す

望月実『課長の会計力』、山田真哉『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い』、櫻井通晴『管理会計』

ビジネスケース攻略法

最初の4つのステップ

ステップ1:問題の要点をまとめる

ステップ2:問題の目的とクライアントの達成目標を確認する

ステップ3:どのシナリオに当てはめるのかを判断するための質問をする

ステップ4:結論(問題解決策)へのおおまかな道筋を示す

ケースに取り組む際の鉄則

1.問題の内容をよく聞く

相手の話をよく聞くことは、コンサルタントとして最も重要なスキルである。

2.メモを取る

3.問題の要点をまとめる

問題の要点をまとめることによって、次の3つの効果が期待できる。

  • ケースで問われている内容を、あなたがきちんと理解していることを相手に示すことができる
  • 問題文中の重要な情報を再確認することができる
  • 問題の意味を取り違えて答えてしまうミスを防ぐことができる

4.問題の目的とクライアントの達成目標を確認する

プロの戦略コンサルタントは、クライアントとの最初の会議で、必ず問題の目的とクライアントの達成目標を確認する。

5.問題の核心を絞り込んでいくための質問をする

質問をするのは、次の3つの理由からである。

  • 問題解決への手がかりとなる新しい情報を得る
  • たとえ困難な状況におかれても、問題解決への糸口が見出せるような質問を臆せずに投げかける姿勢を相手に示す
  • 質問することを通じて、相手とのコミュニケーション促進を図る(もし、あなたが5分間しゃべり続ければ、相手は完全にしらけてしまう)

以下に挙げる一般的な質問をすることで、適切なシナリオを選択することができるだろう。

  • 自社(クライアント):売上高や資産の規模はどれくらいか?成長率はどれくらいか?
  • 業界:業界全体として、ライフサイクルのどの段階にあるか?
  • 競争に影響を与える内部要因(主な競合相手、自社及び競合のマーケットシェアなど)と外部要因(代替品の存在、景気動向、金利水準、失業率、値下げ競争、原料費の高騰など)
  • 商品:新商品に関するケースであれば、長所と短所の双方について質問する
  • 景気動向、インターネット、技術革新が与える影響は、常に頭に入れておく

6.結論(問題解決策)へのおおまかな道筋を示す

7.すぐに言葉を発する前に、頭のなかで少し考える

8.適切なタイム・マネジメントを行う

9.数字で答える

10.相手の反応や助言を活かす

11.独創的な視点を加える/ブレインストーミングを行う

12.強い熱意と前向きな姿勢をアピールする

13.結論を要約してまとめる

ケースのタイプ

1.ブレインティーザー・・・論理力や発想力を試すなぞなぞや脳トレ・クイズのような問題

2.マーケット・サイジング問題・・・市場規模を推定する問題。仮説を立てることがすべ      て。この問題は、大きく、①人口(国や一定地域)ベースの問題、②世帯ベースの問題、③個人ベースの問題、④奇想天外タイプの問題、の4つに分類される。日本の人口を120百万人、1世帯あたりの人数を3人と仮定すれば、日本の全世帯数は40百万世帯になり ます。

3.ファクター問題・・・大きな影響を及ぼす要因や考慮すべき要素を問う問題

4.ビジネス・ケース・・・「ナンバー・ケース」と「戦略/オペレーション・ケース」に分類される

戦略シナリオ

①新規市場参入、②業界分析、③M&A(合併・買収)、④新商品開発、⑤価格戦略、⑥成長戦略、⑦起業/新規事業の立ち上げ、⑧競合の動きに対する対抗策

オペレーション・シナリオ

⑨売上増加、⑩コスト削減、⑪利益増加、⑫ターンアラウンド

マーク・コゼンティーノ『戦略コンサルティング・ファームの面接試験』

中小企業と財務分析

年商1億円以下の企業では経常利益はほとんど意味を持たない。経常利益は役員報酬でコントロールできる!。

人間が海面だと信じているものは、魚にとっては空気の屋根なのかもしれない。常識という言葉ほど怖い言葉はない。

中小企業は、打数に当たる分母が小さいので数値のブレが激しすぎる。

日本の法人税制の仕組みは、役員報酬を多く、利益を小さくしたほうが節税になるという傾向を持っている。

中小企業のための財務分析の手法というのが確立されていない。

財務指標は金融機関向けの数字。BSの科目の配置を変えるだけでも銀行の点数が全然変わってくる場合がある。

ジャック・ウェルチは、どんな小さな商店でも多国籍企業であっても、経営者が実際に使える指標が3つあると言っています。①社員のやる気、②顧客満足度、③キャッシュフロー。

キャッシュストックは決算期末のお金の状態を瞬間的にとらえた写真。キャッシュフローは期首から期末までのお金の流れを撮影した動画。

役員借入金は、オーナー企業の場合すぐに返済する必要がないのが普通だから、実質的に自己資本と考えてもいい。

中小企業の場合、借入金はすべてが利益によって返済されるのではなく、別の借入金によって返済されているんだ。となると、借入金の返済を戦略的にコントロールする必要がある。

10万円の経費を使えば10万円税金が安くなると思っているかのようだが、税率の概念がない。つまり、10万円の経費を使って減る税金は3万円ですから7万円のキャッシュは出ていくわけです。逆に何も使わなかったとしたら7万円のキャッシュは手元に残るはずです。

不要不急の設備投資以外は単なる資金の流出にすぎない。節税のみを理由とした設備投資はもってのほかである。

いざというときに備えて金利を払てでも手元に資金をキープしとかなあかん。

中小企業基本法で定義する中小企業の範囲は、製造業であれば資本金3億円あるいは従業員数300人の規模の会社まで含まれる。その幅は驚くほど広い。

■小さな会社の決算書を読むには12の数字を見るだけで十分

BS・・・・・①流動資産の計、②固定資産の計、③流動負債の計、④固定負債の計、⑤純資産の合計

PL・・・・・①売上高、②売上総利益、③営業利益、④支払利息、⑤手形割引料、⑥経常利益、⑦税引前当期純利益

■BSにおける社長の品格が表れる勘定科目

資産の部・・・仮払金、貸付金、ゴルフ会員権、受取手形

負債の部・・・役員借入金、短期借入金、長期借入金

■PLの数字は全社員でつくるものであり、BSの数字は社長が一人でつくるものである。

近藤学『「儲からない」と嘆く前に読む会計の本』、ウエスタン安藤『決算書の読み方』、楢山直樹『経営をよくする会計』、古田土満『掃除・挨拶・計画で会社は儲かる』

会計操作のパターン

■利益調整と会計操作の関係

利益調整(earnings management)は、一般に「経営者が、会計上の見積りと判断および会計方針の選択などを通じて、一般に認められた会計基準の枠内で当期の利益を裁量的に測定するプロセス」として理解されている。利益調整は、次のように分類される。

  1. 当期の利益を過少に報告する守備的な利益調整(conservative earnings management)・・・ビックバス、引当金の過大計上、リストラ費用の過大計上、減損損失の過大計上
  2. 当期の利益を過剰に報告する攻撃的な利益調整(aggressive earnings management)・・・引当金の過小計上、減損損失の過小計上、棚卸資産の過大評価
  3. 両極の中間に位置する適度の利益調整(moderate earnings management)・・・利益平準化

■発生主義のもとで利益を捻出するのなら、認められた会計基準の範囲で、収入をなるべく前倒しで計上し、費用をなるべき先送りして計上してしまえばよいのです。このような利益計上の姿勢を「攻撃的利益調整」といいます。

一方、利益が出ていることを隠そうとする会社もあります。利益を少なく見せて税金を抑えたい同族会社等によく見られます。このように、利益をなるべく隠そうとするやり方は「備的利益調整」あるいは「利益隠し」とよばれます。

1.損益計算書を使ったテクニック

 ①収益をなるべく前倒しで計上する

  • 得意先に頼み込んで販売したことにする(利害関係者などの仲間内に販売する)
  • まだ提供していないサービスの対価を売上とみなす
  • 顧客がまだ支払い義務を負っていない段階(出荷ずみだが顧客の検収がすんでいない等)で収益を計上する
  • 顧客と複数年にわたる契約をして、本来は複数年に分割して計上しなければならない売上を前倒しで計上する

 ②費用をなるべく先送りして計上する

  • 人件費を資産計上して先送りする(費用を資産として計上する)
  • なるべくゆっくり費用化する(償却等)
  • 本当は費用化するべきものを費用化しない(減損資産の評価減又は償却を見送る)
  • 引当金を十分に積まない

2.貸借対照表を使ったテクニック

 ①資産をふくらませる

  • 資産の評価替え・再分類・オフバランス化
  • 含み益がある株式や土地を市場で売って利益の捻出をする
  • 含み益がある自社の土地や建物を売ってリースバックする
  • M&A等のときに固定資産を再評価して、自社に都合のよい費用や収益を計上する

 ②負債をなるべく計上しない

  • 引当金をなるべく計上しない
  • これまで積み立てておいた引当金を本来の目的外の理由で取り崩す

3.連結決算を使ったテクニック

  • 自社よりも割安な会社を買ってくる
  • のれん代はゆっくり償却する
  • 子会社株式を第三者に一部割り当てて持分変動損益を得る
  • 連結に入らないような投資事業組合をつくり、そこに資産を売却するなどして自社に都合のよい資産評価を行う

■利益調整の実施状況

アメリカと日本の企業を対象にした実証分析により、企業の経営者は、①赤字を回避するため、②減益を回避するため、③利益予想値を上回るために、利益調整を行っていることが判明した。つまり、経営者は、①利益ゼロ、②前期の利益、③利益予想値のいずれかをベンチマークとして、それを超過するように利益調整を行っている。

売上高を予想値に合わせて調整する企業は相対的に少ないが、経常利益と当期純利益については、予想値をわずかでも上回るために報告利益を調整する企業が非常に多い。

須田一幸他『会計操作』、勝間和代『決算書の暗号を解け!』

借入金について

■借入金は、普通、長期と短期とか、運転資金と設備資金という風に分類するが、資金運用先の観点から、次の4種類に分けることもできる。①運転資金、②設備資金、③赤字補填、④余剰資金

赤字補填の借り入れとか、返済のための新たな借り入れの保証人には絶対になってはいけません。なぜならば、赤字補填は黒字になる構造改革がなければ、同じことの繰り返しで無駄金になるだけだからです。しかも、返済のための借り入れは返す銀行を助けるだけです。

■資金不足になる原因は大きくいって2種類しかない。それは、短期的な原因と長期的な原因の2つだけである。

  • 長期的な原因:①経常運転資金、②赤字資金、③設備投資資金
  • 短期的な原因:①つなぎ資金、②季節資金、③納税資金・賞与資金

■資金不足の原因

  1. 回収の約束を守れなかったための資金不足
  2. 見込み違いの仕入による過大在庫の支払資金不足
  3. 工事などが長引き支払が先行しての資金不足
  4. 数か月続いた売上不振による資金不足
  5. 赤字の現場が発生したための資金不足

返済で最も大事なことは、利益によってのみ、それが可能となることであって、この原則を外さないことである。利益が出ていないのに、借入額を減少させるには、①手元預金による返済、資産売却による返済、②経営者からの借入金の債務免除、銀行の債務免除(中小企業には可能性がほとんどない)、③増資による資金での返済等がある。これらは儲からないゆえの対策であって、消極的借入返済策である。多くの中小零細企業の経営者は、難事の対応力に乏しく、決断もまた鈍いようである。資金繰りにのみ頭を使い、根本的な解決法に向かわない傾向にある。しかし、このことが致命傷になるケースがすべてといっても過言ではない。

■債務償還年数

有利子負債/(営業利益+減価償却費)

五年以内が安全、十年までが最長限度である。年商を上回る借入金は、絶対にしてはいけない

■借入金依存度

借入金/平均月商

三ヶ月を超えたら要注意、五ヶ月を超えたら借金過多で重症です。

■年間の本業CFと年間の返済額の関係

返済は本業CFからなされます。本業CFとは、税引後利益に減価償却費を繰り戻したものです。よって、年間の本業CFと年間の返済額の関係は、

年間の本業CF>年間の返済額、となる必要があります。

もう1つチェックしておきたいことがあります。それは、今の借金総額が、年間の本業CFの何倍(何年分)になっているか、です。

借金の総額/年間の本業CF=何年分?

もし10倍なら、今の利益を維持し続けた場合、10年で完済できる収益力がある、ということです。

当面の目標として、借金の上限を年間粗利の80%以下に抑えることを目指してください。

■借入金が増加している場合には、以下の点の検討が必要になります。

  • 営業CFで借入金を返済する場合の、債務償還年数
  • 借入金で調達した資金がCF計算書上のどこに向かったか
  • 固定比率・固定長期適合率等の安全性諸比率がどのように変化したのか
  • 担保・保証関係は十分カバーされているか
  • 支払利息の負担がどの程度増加するか
  • 営業利益の何%が支払利息の負担で消滅するか
  • 借入金の月商倍率は何倍か(一般的には商業で3倍、製造業で6倍が限度)
  • 借入は事業計画に準拠したものである

■短期借入は資金繰りを悪化させる

■流動資産が多ければ短期借入を、固定資産が多ければ長期借入を。10年かかるというような長期の固定資産については、10年の長期借入を選択するのです。

■借入を返すための返済原資は税引後利益と減価償却費だけです。それ以外の要因で返済原資ができることは絶対にありません。

■役員借入金は、会社の資金繰りが悪いことがわかってしまいます。

■支払利息は、売上総利益の5%が上限

売上総利益×5%=支払利息上限

支払利息上限÷調達金利=適正借入額

■借入金について整理

  1. 借入金がいくらあっても資金繰りができていれば、とりあえず会社は潰れない
  2. 借入金はこれを全部返済できるだけの資金や資産(現預金・売掛金、商品、有価証券)と不動産を所有していればよい
  3. 借入金の約定弁済ができる営業利益が毎朝確保されていればよい
  4. 借入金に見合った増資や社債が発行できて引き受けてくれる人が常時周りにいればよい
  5. キャッシュフローを拡大できるために経費や仕入価格がすぐに下げられるようになっていればよい

近藤学『「儲からない」と嘆く前に読む会計の本』、日野上輝夫他『“儲けたい儲かる儲かった”の実戦社長学』、都井清史『新しい会計基準』、楢山直樹『経営をよくする会計』、小堺桂悦郎『借金の王道』、棚橋隆司他『これで企業財務はよみがえる!』、洲山『銀行にカネは返すな!』、立川昭吾『隣の会社は「なぜ?潰れないのか」』、和仁達也『脱☆ドンブリ経営』、上坂会計編『社員10人までの小さな会社の資金繰りがよくわかる本』、青木三十一『「資金繰り地獄」から抜け出す本』

税理士が教える特に大切な5つの経営分析指標

社長が知っておきたいことの1つは、自分の関わる商売が「採算がとれるのか」ということ、そしてもう1つは、「資金繰りは回るのか」、の2点です。

まず知りたいことは、「現在の商売は採算がとれているのか」、「状況が変わっても採算がとれるか」、また「これから手がける新製品は儲かるのか」、なのです。

1.限界利益

売上高から変動費を差し引いた利益を「限界利益」と呼びますが、限界利益こそが固定費を回収できるパワーの源泉です。

2.営業CF

3.運転資金月商倍率

運転資金月商倍率=運転資金/月商

運転資金が月商の何倍あるかを見る指標です。日々の経営活動での資金繰りがひっ迫していないか。例えば、2倍なら、2か月分の売上代金に相当する運転資金の額を常に用立てる必要があるということです。

4.借入金月商倍率

借入金月商倍率=借入金(短長期借入金+割引手形+社債)/平均月商

借入金が月商の何倍あるかを見る指標です。体力以上に借金過多ではないか。この倍率は、3~5倍までが標準的な水準です(高下)。分子の借入金は、BSに計上されている期末時点の借入金残高ではなく、毎月末の借入金残高の月平均額によらなければなりません。

借入金の目安は月商の4か月分と、一般的に言われています(児玉)。銀行は会社の売上の大きさを1つの基準として、お金を貸せる範囲を見ているのです。借入金が月商の6倍、つまり売上の半分以上になると、銀行はその会社を“危ない会社”として警戒します。つまり、会社の年間売上高の半分以上を借金に頼るようになったら危険ということです。借入金の目安になっている月商の4か月分という金額がどれくらいの大きさなのかと言うと、年間売上高の3分の1、約33%です。これは売上高に占める粗利益率に近い数字です。中小企業のうち、2年連続赤字の企業は借入金の額が年間の粗利益の金額を上回っている傾向があるのです。

非製造業の場合、この倍率が1.5倍程度なら問題なし、3倍程度だとやや問題あり、6倍だと危険になります。製造業の場合は、非製造業の倍率の2倍で考えます。(青木)

5.自己資本比率

自己資本比率=(株主資本+評価・換算差額等)/資産合計

高下淳子『決算書を読みこなして経営分析ができる本』、都井清史『「中小企業の会計指針実務ガイド」』、児玉尚彦『会社のお金はどこへ消えた?』、青木寿幸他『かわいい決算書』

税務調査の傾向と対策

■税務調査の傾向

◇戸田税務会計事務所

1.申告書の三期比較で異常数値のある会社

売上総利益率が同業他社に比べ著しく低かったり、支払手数料、貸倒損失、役員報酬、接待交際費等が異常に多かったりすると対象になりやすい

2.従来の赤字継続企業が黒字に転換した場合

3.日銭商売をやっていて赤字が長期継続している場合

4.同業者の内部告発があった場合

不動産業、金融業、風俗営業等の業種は内部告発情報は結構重視されている

5.反面調査

本来の調査の目的とする会社の証拠確認のため、その会社の取引先に調査に入ることがあります。

6.3~5年のサイクルによる調査

7.グループ一括調査

◇長谷川

1.売上高等が前期と比べて30%以上も増加した会社

2.不動産を購入又は売却などして、多額の臨時収入や臨時損失などがあった会社

3.欠損金の還付請求をした会社

■税務調査の対策

◇岩佐

1.収入の計上時期・・・・・合理的な売上計上規程づくりをする

売上が増大しているのに、利益が出ていないケース、これがもっとも税務署から目をつけられやすいものです。

2.交際費の範囲・・・・・相手・目的を記録し、会議費扱いにする

3.棚卸し漏れ・・・・・「仕入→在庫→売上」の流れに注意

もし収入に上がっていなかったら、棚卸しの明細の中に残っているはずです。逆に棚卸しの明細の中に残っていなかったら、収入に上がっているはずです。仮に、収入にも棚卸しの中にも上がっていないということになれば・・・・・。

4.収入漏れ・・・・・「仕入→在庫→売上」の流れに注意

5.架空人件費・・・・・社保庁や市町村ルートで発覚注意

6.架空仕入・・・・・「仕入→在庫→売上」の流れに注意

7.役員報酬の妥当性・・・・・期中での操作はダメ

8.使途不明金・・・・・会社と個人のお金を明確に区分する

9.社長の個人費用のつけ廻し・・・・・役員貸付金等に注意

10.会社と役員の取引・・・・・不動産の場合は時価の証明書類を用意

◇長谷川

1.現預金:現金残高、預金残高、金庫など

2.売上:計上の網羅性と、計上基準の妥当性

3.仕入:架空仕入や仕入の繰延の有無

4.棚卸資産:数量の正確性と単価の適正性

5.交際費:交際費にすべき支出が他科目に計上されていないか

6.使途秘匿金:作らないことが理想

7.寄附金:役員の私的寄附が計上されていないか

8.役員給与:役員の範囲、公私の区別、金額と手続の妥当性

9.修繕費:資本的支出とすべきものではないか

10.人件費:架空人件費、経済的利益の供与の見落とし

◇税務調査のときの基本的な調査項目(FANアライアンス)

1.売上

  • 売上高が除外されていないか
  • 仕入及び在庫と照らして、売上がもれなく計上されているか
  • 現金商売の場合はとくに、売上を抜いていないか
  • 調査前日、当日等の売上高と売上金額が一致しているか

2.仕入・外注

  • 仕入、外注費の架空計上、水増し計上はないか
  • 仕入、外注費のうち翌期に対応するものはないか(期末日から数カ月をさかのぼって仕入と売上の対応を調べ、対応していないものは在庫に計上しているか、売上の計上もれはないかを調査します)

3.棚卸資産

  • 棚卸資産の単価を下げていないか
  • 数量を減らしていないか

4.人件費

  • 人件費に架空の費用を計上していないか
  • とくにパート・アルバイトは実際に業務に従事していたか
  • 同族の役員、社員の報酬・給与は、勤務実態からみて妥当か

岩佐孝彦『社長は「会社のお金」をこう残せ!』、大村大次郎『社長!税務調査はこうして乗り切れ』、戸田税務会計事務所『「会社の税金」まだまだあなたは払い過ぎ!』、長谷川麻子『同族会社の節税マニュアル』、FANアライアンス編『会社の税金コレを知らなきゃ大損です!』

特殊支配同族会社の特別規定

■特殊支配同族会社の特別規定とは

代表者報酬が会社の所得と合わせて1600万円を超えれば代表者の給与所得者控除分(役員報酬の30%程度)が、会社の所得に加算されしまうのです。端的にいえば、社長の給与の一部が会社の経費で落ちないということです。

この規定は同じ同族会社でも比較的規模の大きい高収益企業を対象に課税されてきた留保金課税を緩和する見返りに、数字合わせのため急ごしらえに作られた法律ともいわれています。

■対象者

この規定の対象となるのは、1同族グループで株の90%以上を持っている特殊支配同族会社のことです。同族グループとは、親族や生計を一にするもののグループです。

■具体的判定(社長給与が経費になる目安)

1.90%基準(株主構成からの視点)

オーナー一族の持株割合が、当期末時点で、90%以上かどうかが判定基準になります。

2.過半数基準(役員構成からの視点)

役員について、オーナー一族が常務に従事する役員の過半数を占めているかどうかが判定する基準になります。名義だけの非常勤の役員はダメです。あくまで、非常勤を除き、常勤役員がオーナー一族で過半数を占めるかどうかがポイントになります。

■業務主宰役員

特殊支配同族会社とは、事業年度終了時において、次のいずれかに該当する同族会社で、業務主宰役員および「常務に従事」する「業務主宰役員関連者」の総数が、常務に従事する役員の過半数を占める会社をいいます。

  1. 業務主宰役員グループが、その同族会社の発行済株式総数の90%以上を保有している会社
  2. 業務主宰役員グループが、その同族会社の一定の議決権の90%以上を保有していること
  3. 業務主宰役員グループが、その同族会社(合名会社、合資会社または合同会社に限る)の社員の総数の90%以上を占める

業務主宰役員グループ」とは、業務主宰役員と特殊関係者等ならびにこれらの者が支配している同族会社を一のグループとした場合のそのグループをいいます。

ここでの業務主宰役員とは、経営の実権を握り、資金繰りや経営方針を決定しているオーナー経営者のことです。実質的に、会社経営に最も中心的に関わっている特定の役員「1人」のことです。

取締役会のメンバーとして業務執行に関する意思決定に参画するに過ぎない役員や監査役、会計参与などは常務に従事する役員には該当しません。

■特別課税を逃れる方法

1.特殊支配同族会社にならないようにする

特定同族会社にならならないためには、株を2グループ以上に分散すればいいのです。つまり、オーナー一族の持株割合が、90%未満になれば、一応ストライクゾーンから外れることになるわけです。親族や愛人などに分散しても1グループに数えられてしまいますので、それ以外の第三者に株を引き受けてもらうことになります。具体的に言えば、知人や友人ということになります。

株を第三者に持ってもらうことは、経営者としては不安になるかもしれません。その場合は、株式譲渡制限会社(株を誰かに譲る場合は会社の承認を得なくてはならない会社)にしましょう。株式譲渡制限会社にすれば、株が知らないところに渡って、経営をかき乱されるということもありません。

ただ以上の方法は、基本的におすすめできません。なぜなら、形式上、90%未満に薄めたとしても、実態が伴っていなければ、経済的合理性の観点から、税務署から否認されるからです。

2.社長の報酬と会社の利益の合計が1600万円を超えないようにする

1600万円の規定にひっかかるのは、代表者の報酬だけです。代表者の妻や家族などの報酬は関係ありません。だから、妻が会社の役員をしているような社長は、自分の報酬を低く抑えて会社の所得と合わせても1600万円以下とし、妻の報酬を上げればいいのです。ただし、妻がそれなりに仕事をしていなければこの方法は使えません。

わかりやすく言うと、次の数字になっていれば、回避できます。

  • 「会社の最終利益+社長給与」・・・・・1600万円以下
  • 「会社の最終利益+社長給与」・・・・・1600万円超3000万円以下、かつ、社長給与の占める割合50%以下

■特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度に関する質疑応答事例(平成18年12月)

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/01.pdf

岩佐孝彦『社長は「会社のお金」をこう残せ!』、大村大次郎『社長!税務調査はこうして乗り切れ』、近藤学『「儲からない」と嘆く前に読む会計の本』、高下淳子『法人税と経営処理のしくみがわかる本』

2009年5月 6日 (水)

均等割の月数

■新設や廃止の事業所に係る均等割額の算定では、1月未満切捨て(ただし、切り捨ての結果0月となる場合には1月とする)

 6月10日に会社を設立した。

 1ヵ月未満の月数は切捨て→9ヵ月

■分割基準の計算において、期中に事業所の新設、廃止があった場合、1月未満を切り上げ、1人未満を切り上げ

商業と製造業の粗利の考え方の違い

■商業

 売上高-変動費(仕入原価)=限界利益(粗利益)

■製造業

製造原価には、工場で働く作業者の人件費や製造、経費も含まれています。そのため製造業では売上総利益にかえて「加工高」を重視します。加工高を「付加価値」と呼ぶこともありますが、これが商業における粗利益に相当するのです。

 売上高-(材料費+外注加工費)=加工高(付加価値)

 加工高=工場人件費+粗利益

(注)外注加工費は、製造直接費(直接経費)。外注加工賃には、外注先の労務費のほか間接費や利益も含まれるので、労務費ではなく特別経費として取扱う。外注加工において、材料の一部を外注先に負担させる場合には、外注加工賃に材料費が含まれる。このような複合経費は外注加工費と呼び、外注加工賃と区別する。まぎらわしいが直接労務費と製造間接費とを合わせて加工費という。

■売上総利益、粗利益、限界利益、付加価値の関係

おおざっぱに、製造業では加工高、商業では粗利益を付加価値と考えても差し支えありません。

商業では、売上総利益、粗利益、限界利益の三つは同じものです。しかし、製造業は、限界利益と付加価値は同じですが、売上総利益イコール限界利益にはなりません。製造業の限界利益は売上総利益よりも大きくなります。

なお、厳密には、粗利と限界利益は少し違う。粗利は、売上から仕入原価を引いた値をさす場合が多い。限界利益は、売上から仕入原価のほか、売上に伴う変動的な費用をすべて引いた残りの額である。

■PL上の粗利(売上総利益)

商業  売上高-売上原価(商品原価)

製造業  売上-売上原価(材料費+労務費+経費)

石上芳男『会社の数字ここを押さえれば簡単だ!』、武田隆二『簿記Ⅱ』、岡本清『原価計算』、西澤脩『原価計算』、原田盛夫『採算計算に強くなる本』、アレン・B・ボストロム/広瀬元義『イン・ザ・ブラック』、柴山政行『一目で見抜く!財務諸表解読法』、高下淳子『決算書を読みこなして経営分析ができる本』

資本金等の額と法人税務

■法人税法上の資本の部

法人税法上、「資本の部」の項目は、「資本金等の額」と「利益積立金額」との2本立てとなった。法人税法は株主の払込資本と稼得資本とを峻別し、「資本の払戻し」と「剰余金の分配」との課税上の取扱いの差異を重視した規定としている。

資本金の額とは、BSに資本金又は出資金として表示される金額を指す。

資本金等の額とは、法人(各連結事業年度の連結所得に対する法人税を課される連結事業年度の連結法人(以下この条において「連結申告法人」という。)を除く。)が株主等から出資を受けた金額として政令で定める金額をいう。

http://www.lotus21.co.jp/data/news/0604/news060403_02.html

改正後の法人税法では、会社法が最低資本金制を廃止する一方で、資本剰余金の財源を必ずしも株主からの拠出額に限定していないことも踏まえて、税法上の資本等取引の概念をより鮮明にするために、法定資本金と旧法人税法に規定していた資本積立金額とを一体化した概念として「資本金等の額」なる用語を用いることとし、資本積立金額なる用語は削除されたのである。

■「資本金の額」に関連する項目

  • 少額減価償却資産の損金算入
  • 交際費等の損金算入限度額
  • 貸倒引当金の法定繰入率
  • 特定同族会社の留保金課税制度
  • 各事業年度の所得金額に対する税率
  • 租税特別措置法上の特別償却又は特別控除
  • 外形標準課税(法人事業税)

■「資本金等の額」に関連する項目

  • 寄附金の損金算入限度額
  • 均等割(法人住民税)
  • 外形標準課税(法人事業税)

■資本金等の額と自己株式

税務上、自己株式の取得は、資本金等の額及び利益積立金額を減額することとされました。

http://www.pref.kanagawa.jp/kenzei/zeimu/aramashi/minaosichirasi.pdf

武田隆二『最新財務諸表論』、平川忠雄他『株式会社の減資の税務と登記手続』、日本公認会計協会京滋会『資本取引等をめぐる会計と税務』

変動費と固定費

変動費(variable costs)と固定費(fixed costs)

  • 変動費とは、営業量の増減に応じて、総額において比例的に増減する原価いう。その典型的な例は、製品の直接材料費や出来高給による直接労務費である。
  • 固定費とは、営業量の増減とは無関係に、総額において一定期間変化せずに発生する原価をいう。その典型的な例は、職員の給料、定額法による減価償却費、固定資産税、火災保険料、賃借料などである。

変動費と固定費の費用分解

中小企業庁の「中小企業の原価指標」によると、費用分解を次のように定めています。

①建設業

固定費:労務管理費、租税公課、地代家賃、保険料、法定福利費、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、交通費、補償費、その他経費、役員報酬、従業員給料手当、退職金、修繕維持費、調査研究費、広告宣伝費、支払利息割引料、減価償却費、動力用水光熱費(一般管理費のみ)、その他営業費

変動費:材料費、労務費、外注費、仮設経費、動力用水光熱費(完成工事原価のみ)、運搬費、機械等経費、設計費、兼業原価

②製造業

固定費:直接労務費、間接労務費、福利厚生費、賄費、減価償却費、賃借料、保険料、修繕費、電力料、ガス料、水道料、旅費交通費、その他製造経費、通信費、支払運賃、荷造費、消耗品費、広告宣伝費、交際接待費、役員給料手当、事務員販売員給料手当、支払利息割引料、租税公課、その他販売管理費

変動費:直接材料費、買入部品費、外注工賃、間接材料費、その他直接経費、重油等燃料費、当期製品仕入原価、期首製品棚卸高-期末製品棚卸高、酒税

(注)期首製品棚卸高と期末製品棚卸高は、本来は、このうちの変動費部分のみを取り出して控除すべき

③販売業(卸売業・小売業)

固定費:販売員給料手当、車両燃料費(卸売業の場合50%)、消耗品費、販売員旅費交通費、通信費、広告宣伝費、その他販売費、役員給料手当、事務員販売員給料手当、賄費、福利厚生費、減価償却費、交際接待費、土地建物賃借料、保険料(卸売業の場合50%)、修繕費、高熱水道料、支払利息割引料、租税公課、その他営業費

変動費:売上原価、支払運賃、支払荷造費、支払保管料、車両燃料費(卸売業の場合のみ50%該当)、車両修理費(卸売業の場合のみ50%該当)、保険料(卸売業の場合のみ50%該当)

④サービス業

固定費:直接従業員給料手当、役員給料手当、間接従業員給料手当、福利厚生費、賄費、消耗品費、広告宣伝費、車両燃料修理費、土地建物賃借料、減価償却費、保険料、支払利息割引料、租税公課、その他営業費

変動費:直接材料(商品)費、高熱水道動力費、外注費

◇サービス業では、コストは一種類しかないことをコスト管理の前提としなければならない。すなわち、存在するのは事業の全プロセスで発生するコストだけである。しかもそれは、一定期間において一定額が発生する固定費である。事実、伝統的な原価計算が行なっている固定費と変動費の区分は、サービス業ではほとんど意味がない(ドラッカー)。

商品仕入高は変動費か

商品仕入高は、変動費にはならない。商品仕入高に期首棚卸高を加え、期末棚卸高を差し引くと商品売上原価という費用になり変動費となる。

変動費・固定費型ビジネスの特徴

本郷説

  • 変動費型ビジネスの特徴は、固定費はかからないが、その代わり粗利が低いことです。例えば、歩合制だけの営業マンしかおいていない不動産業、タクシー業などが典型です。歩合制ですから、仕事のないときは人件費がかかりません。その代わり、歩合の率を高くしないと、いい営業マンは来ませんから、いきおい粗利が低くなります。ですから、売上のわりに利益が出ないのです。その代わり、不況には強いのです。なにしろ、経費がかかりませんから
  • 固定費型ビジネスの第一の特徴は、社内でかかる費用が重いことです。製造業とか小売業、飲食業も初期投資、設備投資がかかります。もう一つの特徴は、粗利が高い商売ということです。外部からの材料費の仕入が安いのですから、売上が増えれば増えるだけ儲かる仕組みになります。稼働率をどれだけ上げられるのかが決め手となります
  • 変動費型は狩猟型固定費型は農耕型のビジネス・商売なのです。

望月説

  • 変動費型ビジネスの代表例としては、卸売や小売などの商品を仕入れて販売するビジネスがあります。インターネットでの物品販売は、固定費が少ないため売上が減少してもあまり損失は大きくならない変わりに、売上が増加してもあまり儲からないビジネスモデルだといえます。
  • 固定費型ビジネスの代表例としは、多額の設備投資を行って製品を開発するメーカーやサービス業などがあります。固定費型ビジネスは、売上に対する固定費の割合が大きいため、売上が減少すると大きな損失が発生しますが、売上が増加すると大きく儲かる可能性があります。
  • 固定費も変動費も少ないビジネスとしは、インターネットでのサービス業が考えられます。ヤフーやミクシィです。

小宮説

  • IT産業は設備投資が少なくて済み、固定費も多くかからず、また、変動費も少なくてよい産業なのです
  • 鉄鋼業などの装置産業では固定費が高く、その分変動費は低くなっています。卸売業などは逆で、固定費はそれほど多くかからないけれども、変動比率が高い事業である

青木説

  • 変動費中心型のビジネスのメリットは損益分岐点の売上高が低い点です。そのため、少し売上が上がっても利益が発生し、逆に、少し売上が下がっても大きな赤字にはなりません。しかし、大きく売上が上がっても大きく利益が出ない点がデメリットです
  • 固定費中心型のビジネスのメリットは大きく売上が上がった場合、大きく利益が出る点です。しかし、売上が下がった場合は、変動費で調整することができないため、赤字が大きくなる点がデメリットです

村井説

  • 固定費依存型は損益トントンになるまでは大変ですが、一旦利益が出始めるとドンドン利益が出るので「ハイリスク・ハイリターン型」、これに対して変動費依存型は売上増減による損益増減の影響が少ない「ローリスク・ローリターン型」の会社といえます。このように、会社のコスト構造がリスクとリターンの重要な決定要因といえます

CVP2つのパターン

固定費中心の経営

業種:鉄鋼・石油化学

資産構成:固定資産の割合が大きい

固定費:相対的に多い

変動比率:低い

損益分岐点の位置:比較的高い

売上増減による損益の振幅:損益の振幅が大きい。不況時には、簡単に赤字転落。好況時には、すぐに回復して大幅な黒字計上

経営の特徴:費用面は多少犠牲にしても、売上高増加を最重視するほうが合理性がある。その結果、投下資本利益率を向上できる

変動費中心の経営

業種:商社

資産構成:流動資産が多い

固定費:相対的に少ない

変動比率:高い

損益分岐点の位置:比較的低い

売上増減による損益の振幅:損益の振幅が小さい。好不況の波を比較的受けない

経営の特徴:費用管理が売上高増加に劣らず重要である。特に変動費の管理が重視され、変動費率の低下に努力する必要がある

岡本清『原価計算』、本郷孔洋『「会計的に見る!」技術』、望月実『課長の会計力』、小宮一慶『1秒!で財務諸表を読む方法』、森脇彬『経営分析実務相談』、青木寿幸他『かわいい決算書』、村井直志『儲けを生み出す「どんぶり勘定」のすすめ』、末松義章『倒産・粉飾を見分ける財務分析のしかた』、高下淳子『決算書を読みこなして経営分析ができる本』、ドラッカー『チェンジ・リーダーの条件』、池田正明『できる人の決算書の読み方』

情報の「空→雨→傘」

情報には、の3段階があります。自分メディアで情報を考える際には、いま手に入った情報が空、雨、傘のどこに位置づけられるのか、考えておくととても便利です。

」というのは私たちが空を見上げた時の事実です。雲が出てきたら、「空が曇ってきた」という事実になります。

」というのは、その空を見た時の私たちの解釈を指します。すなわち、「雨雲が出てきたので、雨が降りそうだ」と解釈を重ねるわけです。

最後の「」というのは、その解釈に対しての行動を指します。すなわち、「雨が降りそうだから、傘を持っていこう」という行動に結びつくわけです。

このように情報を事実→解釈→行動に分解して、思考を深めます。

勝間和代『効率が10倍アップする新・知的生産術』、勝間和代『ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』

2009年5月 5日 (火)

明らかな粉飾決算

1 減価償却不足・引当金の計上不足

2 棚卸資産の過大計上

  • 棚卸資産の過大計上・・・・・①架空在庫を計上することによる粉飾、②滞留在庫の評価損を計上しない粉飾
  • 架空在庫の兆候・・・・・①売上総利益率が前期比較で上昇(売上原価率は低下)、②在庫の金額を月商や日商で割った在庫回転期間が延長
  • 架空在庫・・・・・①最も簡単に利益を操作することができる、②その発見が難しい⇒最重要課題として取り組む姿勢必要有
  • 滞留在庫・・・・・評価減が必要
  • 滞留在庫の兆候・・・・・①売上総利益率が前期比較で低下(売上原価率は上昇)、②在庫の金額を月商や日商で割った在庫回転期間が延長。この両者が兆候として現れた場合には、滞留在庫発生と考えてほぼ間違いありません。
  • 期首の商品・製品と比較して、期末の在庫が2割も3割も伸びているということは、不良在庫、滞留在庫(在庫の積上がり)の発生を意味しています。滞留の発生は翌期の業績の悪化を予想させるわけです。小売業では致命的です。回転数の延長と、もし原価率が低下していれば、ほぼ間違いなく十中八九水増しです
  • 在庫の滞留では原価率一定(または上昇)
  • 在庫の水増しでは原価率低下

3 売上債権の過大計上

  • 売上債権の過大計上・・・・・①架空売上債権の計上、②滞留債権についての会計処理が行われていない場合
  • 架空の売上債権・・・・・①完全に架空の場合、②翌期の売上を先取り計上
  • 翌期売上の先取り・・・・・①在庫回転期間が短縮、②売上債権回転期間が延長、③期末月の売上が極端に大きい、④翌期首月の売上がほとんどない、⑤期末に計上した売掛金の回収が回収のルールを無視して遅い
  • 滞留債権=不良債権⇒貸倒引当金や貸倒損失の計上が必要
  • 売上債権回転期間の延長、内訳明細書レベルでの滞留状況の調査(年齢調べ)⇒貸倒引当金または貸倒損失が必要

4 売上高の過大計上

  • 売上高の過大計上・・・・・①完全に架空の場合、②実質的な未実現売上、③翌期売上の繰上げ計上、④営業外収益や特別利益の売上計上など。完全に架空の場合とは、在庫品を伝票のみで売上に計上して預かり品を仮装するケース、借入金を売上として計上するケースなどがあります。これらについては、注文書や送り状(控)などの証憑書類を見なければわかりません。
  • 実質的な未実現売上・・・・・①販社や代理店の流通在庫となるような売上、②買戻し条件付売上(Uターン取引)、③会社の帳簿を通過するだけの売上(スルー取引)、④複数の会社がお互いに商品を売上げる取引(クロス取引)、⑤本支店間の売上(PLには計上してはならないもの)、⑥役員向けの売上(購入資金が会社から出ているもの)
  • 翌期売上の繰上げ計上・・・・・①単純なケース、②売買契約のみでの売上や前受金段階での売上、③長期請負工事に該当しないケースでの工事進行基準
  • 営業外収益や特別利益を売上に計上⇒営業利益や経常利益をカサ上げ

5 その他の流動資産の過大計上

  • その他の流動資産の科目の合計金額が大きい場合⇒それだけで粉飾決算の可能性が大
  • その他の流動資産の滞留⇒良いケースで固定資産、悪いケースでは損失が発生
  • 金融機関の与信判断の実務・・・・・①中小企業のその他の流動資産は資産性なしとしてBSから取り除く、②さらに同額を純資産の部から取り除く
  • 投資その他の資産⇒その他の流動資産と同様に資産性に乏しい

6 固定資産の過大計上

  • 固定資産の過大計上・・・・・①固定資産の納入業者に過大に請求させて裏金として戻させるケース、②支払利息を原価算入するケース、③修繕費を原価算入するケース、④10万円未満の少額資産を計上するケース、⑤除却済みで存在しない資産を計上するケース。支払利息の原価への算入は、会社法上は不動産開発と自家建設の場合を除いては、これを行うことはできません
  • 関係会社に対する投資有価証券/同じ会社に長期貸付金を持っている場合⇒①投資有価証券の評価と長期貸付金の評価を連動して考える必要有り、②債務保証がある場合にはそれも一体として見るべき

7 負債の過小計上

  • 負債の過小計上を見抜くには⇒あらかじめ「あるはずである」項目を知っておくこと
  • 支払利息割引料/(期首・期末平均の)借入金+割引手形⇒この比率が異常に高い場合には借入金が簿外となっているケースのほか、本当に高金利のところから借りているケースがあります。いずれにしても、会社としては末期症状であるといえます

8 関係会社を利用した利益操作

  • 関係会社を利用した利益操作・・・・・①関係会社向けの売上、②有価証券・固定資産の売却益を計上、③経費の付回しを行って関係会社向けの債権として処理

9 表示上の操作による粉飾

  • BSの各科目の名称や流動・固定区分/PLの科目名やどの計算区分に計上されているか⇒会社法会計ではこれらが誤っている場合には、意図していなくても粉飾決算。会社法決算では単に当期純利益だけを求めているのではなく、例えば流動比率によって安全性を判定したり、売上高経常利益率により収益性を判定したりすることを予定しているからです
  • その他の流動資産が1年を超えて滞留しているケース/破産債権・更正債権等が流動資産に計上されているケース⇒共に固定資産であることから粉飾になる
  • 表示上の操作の例⇒滞留売掛金と滞留買掛金を相殺して正常な状態に見せかけるケース

10 正当な理由のない会計方針の変更

  • 利益を多く計上する会計方針への変更⇒①正当な理由に乏しい、②粉飾に該当する可能性が高い

都井清史『粉飾決算の見分け方』、都井清史『税理士のための新会社法実務ガイド』

意図せざる粉飾

  1. 意図せざる粉飾も多い
  2. 実地棚卸しをしていなければ意図せざる粉飾。中小企業で在庫評価損を計上したら、一人前の企業です
  3. 実地棚卸しは在庫以外にも固定資産について必要。実地棚卸をしていなくて、なくなる典型例が備品です。
  4. 在庫の陳腐化による評価損、債権についての貸倒引当金は漏れやすい
  5. その他流動資産の滞留はよくて固定資産、悪ければ損失。滞留していることはどうやってわかるのかといいますと、内訳書の前期比較でわかります。未収入金の内訳書あるいは短期貸付金等の明細です。流動固定分類は1年基準によりますから、前期と今期と同じ相手先にあったらもうおかしい、流動ではなく固定資産です。よくて固定資産、悪ければ損失です。資産とはいえません。
  6. 有価証券、ゴルフ会員権の含み損に注意
  7. 未払金、未払費用も漏れやすい
  8. その他の固定資産は資産性が薄い
  9. 繰延資産は本来は資産性がない

都井清史『粉飾決算の見分け方』

経営実態の読み方

  1. 在庫の積上がりは経営悪化を端的に表わす。
  2. 雑費の大きさは管理面でのルーズさを表わす。雑費の金額を営業利益と比較して、内部管理の状態を推測してください。実務上、雑費は中身を隠したいときに使われているのです。表面化させたくないものもあるわけです。
  3. 特別損益が多いのも管理面でのルーズさの表われ。「店舗解約損」は、計画が成就しなかったという科目です。
  4. 支払利息割引料/営業利益≧70%は危険シグナル。この比率が意味するところは、営業利益のうち支払利息で消える割合です。
  5. 雑収入/経常利益≧70%も危険シグナル。70%以上ということは、経常利益を雑収入でつくりましたという「印」とみなしてよい。
  6. 中小企業の場合、PLの本質は営業利益から、雑収入支払利息割引料経常利益にかけての四つの項目です。

都井清史『粉飾決算の見分け方』

粉飾を見抜くコツ

営業損益

  • 関係会社を利用した利益操作。会社を二つもっていて決算期が3ヵ月ぐらいずれている場合は気をつけてください。売上をつくるために関係会社が利用される場合、本当に商品が関係会社から売れていればいいのですが、在庫になっていたら目もあてられないということで、現実には関係会社に押し込んでいる状態、すなわち押込み販売の一種です
  • 売上→買戻しは評価益(または評価損)の計上と同じ。不動産業では買戻条件付売上も多い
  • 売上原価中の固定資産は売上を操作するための粉飾
  • その他の営業収入は一番怪しい科目
  • 中小企業の決算書は最終利益が赤字であっても、営業利益ベースでは黒字であるケースが大部分です
  • 売上高と荷造運送費との関係。商品の出荷が増えれば、荷造運送費は比例して増えるもの。比例していなければ、どこかが何かおかしい
  • ①売上高が増加又は減少幅が少ない②売上原価率が下がっている③売上債権の残高が増加⇒売上高水増しの可能性大

営業外損益

  • 有価証券売却による益出し
  • 経常利益が雑収入から構成されていないかチェックする
  • BSの前期比較で雑収入の内容を推測する

特別損益

  • 雑収入は特別利益からつくられる(重要性の原則)

当期純利益

  • 法人税等が計上されていないときは決算書を修正してからみる
  • 法人税等が異常に小さいときは粉飾の可能性大
  • わずかな利益はそのほとんどが粉飾決算
  • PLは下からつくられていく

資産

  • 売上債権、有価証券、棚卸資産、関係会社向債権はすべて虫食いのケースが多い
  • その他の流動資産はゼロ評価が妥当。仮払金は、粉飾上の“ごみため”とか“ゴミ箱”といわれています。資産性がほとんどないからです。短期貸付金も仮払金と同様に資産性に乏しい。未収入金の回収可能性にも注意
  • ①売上高が増加又は減少幅が少ない②売上原価率が下がっている③棚卸資産の残高が増加⇒「在庫水増し」や「不良在庫発生」の可能性大
  • 低価法を採用している会社でも、評価損を計上していないケースがある
  • 架空資産とは資産の含み損部分も指す
  • 販売用不動産・有形固定資産共に含み損に注意
  • 粉飾決算を行ったBSの特徴としては資産の科目数に比べて、負債の科目数が極端に少ないことがあげられます。例えば、その他の流動資産として、仮払金、立替金、前払費用、前払金、未収金、未収収益、短期貸付金等さまざまな科目を計上している一方で、負債の部にはその他の流動負債がないケースです(最低限、未払金や源泉所得税の預り金はあるはずです

負債

  • 債務保証をしている場合、債務保証損失引当金が簿外負債になりやすい
  • 簿外負債は本来あるべきはずの負債を知ることで見抜く

その他

  • 何か変な科目が出たなと思ったら注意してください
  • 粉飾を見抜くためには、BSもPLも前期比較が必要
  • 粉飾は科目を分散して行われる
  • 表示上の粉飾は、他の資料との整合性でチェックできる

都井清史『粉飾決算の見分け方』、都井清史『税理士のための新会社法実務ガイド』、高田直芳『明解!経営分析バイブル』、杉山浩『粉飾決算書を見抜け!』

運転資本(資金)とは

運転資金については、いろいろな考え方がとられている。

■運転資本の定義

◇運転資本とは、(売上債権+棚卸資産-仕入債務)の有り高になるのか。

上記の式は、銀行など金融筋がとりあげてきたいわゆる所要運転資金量(所要資金、運転資金などともいう)であって、運転資本ではない。(正味)運転資本とは、working capital の訳語であって、流動資産と流動負債の差額である。

◇運転資金=流動資産(現預金を除く)-流動負債(短期借入金を除く)

◇運転資金=(受取手形+売掛金+在庫)-(支払手形+買掛金)

運転資金とは、ある意味で要借入金額なのです。

■業種別運転資金

(小売業、卸売業、サービス業、飲食店などの場合)

売掛金・受取手形+商品-買掛金・支払手形・前受金

(製造業の場合)

売掛金・受取手形+製品・仕掛品・原材料-買掛金・支払手形・前受金

(建設業の場合)

受取手形・完成工事未収入金+未成工事支出金-支払手形・工事未払金-未成工事受入金

■運転資金は、資金化をされるのを待たされている額であり、商売を続けるうえで自社が立て替えなければならない額。

■理論的に正しい運転資金

運転資金は会社が現在もっている生産販売設備を使って仕入、製造、販売を行うとともに管理活動も行うと生ずる収入と支出であると考えるならば、運転資金の収入が多いことと運転資金の支出が少ないことが望ましいわけである。したがってまた、このような運転資金の収支差額は多いほどよいと考えられる。なお、その場合にも売上代金の回収や仕入代金の支払などに無理のないこと、それらが適切に行われていることが必要であることはいうまでもない。

■運転資金が増えることによるデメリット

  1. 支払利息などの資金調達コストが増える
  2. 財務内容が悪化し倒産リスクが高まる

■運転資金を減らす方法

  1. 売上債権を減らす・・・①サイト(回収期間)を短縮する、②滞留債権を回収する、③ファクタリングを行う
  2. 在庫を削減する
  3. 支払サイトを延長する

■不健全資産と正味運転資本

  1. 不健全資産は資産と資本からともに落として考える
  2. 不健全資産の増加額は当期純利益からマイナスして考える
  3. 正味運転資本は不健全資産と担保定期預金を流動資産からマイナスして求める
  4. 正味運転資本の大幅マイナスは倒産の兆候
  5. 買戻条件付売上は、売上ではない
  6. 仲間取引は資金融通に利用されやすい

担保定期と滞留在庫、滞留債権、架空在庫、架空債権、不健全流動資産、つまりその他の流動資産の三つを流動資産から取り払って正味運転資本を算出する。大幅なマイナスは赤字の前兆というよりは倒産シグナルとお考えください。PLでの営業利益と支払利息、経常利益と雑収入の二つの比率と、正味運転資本のところだけ押さえていたできましたら、倒産は十分に予知できるものと思います。

■「日数」でモノサシを合わせると、必要な運転資金が見えてくる

例えば、売上に対する仕入の原価を70%、在庫を平均で売上の30日分持つとすると、在庫に必要なお金は売上高の21日分(30日×70%)となります。

仕入債務に関しても同様に、支払いまでの日数が50日の場合、これを原価率で換算すると、35日(50日×70%)になります。

こうやって、在庫と仕入債務の回転日数を原価率で調整することにより、必要な運転資金を売上代金の回収までの日数との差で把握できるようになります。その結果、商売に必要な運転資金が売上高の何日分であるか、を簡単に計算することができます。

つまり、お金が回収できるまで81日(在庫回転日数21日+売上債権回転日数60日)分のお金が必要なのに対して、商品代金の支払いを35日分待ってもらっていますから、この差46日分のお金が足りなくなるということになります。このお金が足りなくなる日数の差に、1日あたりの売上高を乗じた金額が、必要になる運転資金の金額ということです。

■運転資金を増やさないでキャッシュフローをよくする方法

  1. 支払条件のよいお客様には売上を拡大する
  2. 支払いの悪いお客様とは取引条件や取引を見直す
  3. 品切れ商品や原材料が途切れないように在庫管理を徹底し、在庫を減らす
  4. 仕入はマメに行う(複数の仕入先から購入して、競争をさせる)
  5. お客様からの支払条件と仕入先への支払条件を見直す
  6. 現金売上の比率を高め、売掛金の回収を早める
  7. 仕入から売上までのリードタイムを短縮する
  8. 原材料は効率的に使い、水道・電気・ガスを節約する
  9. 本社や工場の固定費を削減する
  10. 社長自ずから実践する

■売上高に対して何%の運転資金が不足するか

[正味運転資金の不足額(売掛債権の増加額+在庫の増加額)-買掛債務の増加額]/売上高の増加額

森脇彬『経営分析実務相談』、都井清史『粉飾決算の見分け方』、望月実『課長の会計力』、高下淳子『決算書を読みこなして経営分析ができる本』、児玉尚彦『会社のお金はどこへ消えた?』、棚橋隆司『財務革命』、鶴田彦夫『よくわかる資金繰りの実務』、棚橋隆司他『これで企業財務はよみがえる!』、FANアライアンス編『オーナー社長だからできる節税と資産づくり』、青木三十一『「資金繰り地獄」から抜け出す本』

損益分岐点分析(break-even point)

損益分岐点(売上高)(break-even sales)

損益分岐点とは、売上高と費用が等しく、したがって利益も損失も生じない売上高である。

損益分岐点から離れれば離れるほど利益額だけでなく利益率も高くなる。

何かの事業を行う場合には必ずある程度の固定費がかかるけれども、一定の売上を超えることができれば固定費が回収できて、その固定費の回収後はどんどん利益が大きくなる。変動比率の低い事業は、ある一定の売上高を超えるとすごく儲かる。

固定費が多い会社ほど損益分岐点は高くなる。

損益分岐点売上高=固定費/(1-変動費率)=20/(1-0.55)=44

売上高

100 44
変動費 55 24
限界利益 45 20
固定費 20 20
営業利益 25 0

変動費は、売上高、生産高などいろいろなものに対して比例して生ずるものとして考えることができるが、損益分岐点の計算に用いる変動費は、売上高に対して比例する費用である。

損益分岐点比率

損益分岐点売上高/売上高=44/100=44%

  • 損益分岐点が売上高の何%にあたるか
  • 低いほど、企業の収益構造がすぐれている
  • この数値が100%になれば、赤字である
  • FM比率(固定費/粗利益)。いわゆる収益率

損益分岐点比率リスト

60%未満・・・・・超優良企業。余裕シャクシャク

60~80%・・・・・優良企業。少し余裕あり

81~90%・・・・・普通企業。マアマア

91~100%・・・・・損益分岐点企業。全く油断不可

100%超・・・・・赤字企業。社長交代。未来が危ない

■変動費型と固定費型

変動費型(限界利益率35%以下)

固定費型(限界利益率65%以上)

バランス型(限界利益率35%超65%未満)

■損益分岐点による業種の特徴

1.製造業(コストダウンによる固定費削減に努める)

  • 固定費が大きく、限界利益(30~50%)がやや大きい
  • 売上高が損益分岐点以下だと損失は大きく、以上だと利益は増え、そのテンポも大きい

2.サービス業(いかに固定費を回収できる売上高を確保するか)

  • 固定費が極端に大きく、限界利益も大きい
  • 売上高と限界利益がほぼイコール
  • 売上高が損益分岐点以下だと損失は大きく、以上だと利益は増大し、そのテンポも非常に大きい

3.卸売業(売上高を伸ばし利益を出す努力が必要)

  • ほとんどが変動費となり、限界利益(5~15%)が小さい
  • 限界利益がほぼ利益

4.小売業

  • 固定費が小さく、限界利益がやや小さくなる
  • 売上高が損益分岐点以下でも損失は小さく、以上でも、利益は増えるものの、そのテンポは小さい

■損益分岐点比率と売上高経常利益率

中小企業の理想的な損益分岐点比率を80%であるとし、損益分岐点比率が80%になるような売上高経常利益率は、粗利益率に20%を掛けた数字であるということに気づきました。

  • 粗利益率100%の会社の売上高経常利益率→20%が目安
  • 粗利益率50%の会社の売上高経常利益率→10%が目安
  • 粗利益率25%の会社の売上高経常利益率→5%が目安
  • 粗利益率10%の会社の売上高経常利益率→2%が目安

安全率(margin of safety:M/S)

売上高が損益分岐点の売上高を越える場合のその超過額であり、金額であらわすこともあれば、その他の数量単位、あるいは比率であらわすこともある。

(売上高-損益分岐点売上高)/売上高=(100-44)/100=56%

(現在の売上高-損益分岐点の売上高)=安全余裕額

安全余裕率=安全余裕額/現在の売上高

  • 売上が56%落ちたら、損益分岐点に落ちる
  • 売上が損益分岐点を超え、離れているほど安全
  • どれほど離れているかを、売上を基準として、%で示した指標
  • 損益分岐点比率が下がるほど、安全率は高くなる

■損益分岐点比率と安全率の関係

損益分岐点比率+安全率=100%

損益分岐点比率=100%-安全率

経営安全率

経営安全率=経常利益/限界利益

経営安全率とは、今の売上があと何パーセント下がったら利益がゼロになるか、あと何%落ちても赤字にはならないか、つまり収益と支出がトントンになるかを見る指標です。また、仮に売上がどこまでなら下がっても赤字企業にはならないのかを知ることができる指標でもあります。ですから、経営安全率は「経営余裕率」ともいえるのです。私は社長さんに、経営安全率15%以上を目指すことをお勧めしています。

■粗利益率の高い業種は数量戦略、低い業種は価格戦略をとるのが正しい。

■損益分岐点売上高の段階的把握

1.営業利益段階=固定費(販管費)/売上総利益率

2.経常利益段階=(固定費+支払利息)/売上総利益率

これは、経常利益、金利を支払った後の利益をゼロにするためには、一体いくらの売上が必要かの計算です。

3.余裕売上高=実際の売上高-損益分岐点売上高

この余裕売上高が減ってくると、いつか赤字に転落します。

■損益分岐点分析の前提・限界

  1. 製品の組み合せ(プロダクト・ミックス)が一定であること
  2. 固定費がつねに一定であること
  3. 変動費率がつねに一定であること
  4. 特別な異常項目がないこと
  5. 固定費は固定せず、変動費は比例せず。結局、この計算はラフにやれば、それなりに効果がある

■貢献利益

アメリカでは、一般的に、売上高から変動費を控除した利益を貢献利益(contribution margin)と呼ぶ。貢献利益は何に対する貢献かによって、次の4つに分類される。(末政芳信『利益図表の展開』)

  1. 統制不能原価および利益に対する貢献
  2. 意思決定によって影響されない原価および利益に対する貢献
  3. 共通費および利益に対する貢献
  4. 固定費および利益に対する貢献

岡本清『原価計算』、加登豊・李建『ケースブックコストマネジメント』、森脇彬『経営分析実務相談』、勝間和代『年収10倍アップ時間投資法』、楢山直樹『経営をよくする会計』、アレン・B・ボストロム『イン・ザ・ブラック』、小宮一慶『「1秒!で財務諸表を読む方法」』、古田土満『掃除・挨拶・計画で会社は儲かる』、北岡修一『ココまでできる儲かる会計』、山上達人『現代企業の経営分析』、舛田精一『経理部長の感覚』、棚橋隆司他『これで企業財務はよみがえる!』、上坂会計編『社員10人までの小さな会社の資金繰りがよくわかる本』、石上芳男『「会社の数字」ここを押さえれば簡単だ!』、コーラー『会計学辞典』、池田正明『できる人の決算書の読み方』、竹森一正他『テキスト管理会計』、平松陽一『超入門会社の数字がみるみるわかる本』

会計発生高(アクルーアルズ:accruals)

会計発生高は、経済的事実の発生および期間対応という2つの見地から計上される、営業活動によるCFに対する発生主義会計固有の調整額のことである。すなわち、会計発生高は営業活動によるCFと会計利益の差額に他ならない。会計発生高は、会計処理を行った時点と実際に現金もしくは現金同等物が流入・流出する時点が異なるような項目、具体的には、売上債権、仕入債務、経過勘定項目の対前年度変化額あるいは減価償却費、引当金の計上額といった項目から構成される

会計発生高はすべて経営者の裁量に応じて計上されるのではなく、非裁量的な部分(非裁量的発生高)も含むことである。非裁量的な部分すなわち非裁量的な発生高は、会計システムによってシステマティックに計上され、経営者の裁量の影響を受けないと考えられる部分である。経営者の利益調整行動を明らかにするためには、会計発生高から非裁量的発生高を控除して、裁量的な部分を抽出する必要が生じる。この手順に従って抽出された部分が裁量的発生高と呼ばれるものであり、会計利益を構成する要素のうち、経営者が利益調整を行った部分として識別される。

経営者の包括的な利益調整行動が集約された変数としてわれわれが注目するのは、この裁量的発生高である。

■会計発生高=(当期純利益+特別損失-特別利益)[会計利益:税引後経常利益]-営業CF[現金利益

会計利益=経常利益×60%

会計発生高が大きい会社に気をつけろ!。計算式に注目してください。もし、特別損益がまったくないうえに、営業CFの増減要素が少なければ(=減価償却も小さく、売掛金や在庫水準が毎期ともほぼ一定であれば)、「当期純利益≒営業CF」となるわけですから、会計発生高はほとんど生じないはずです。

逆に、会計発生高が大きいということは、まだ現金になっていない利益がたくさん計上されている、という意味です。

売上高が大きく変わっていないにもかかわらず、利益が上がって営業CFが減った、あるいは、利益が上がりつづけているけれど営業CFはいつまでたってもプラスにならないというような会社は、「売上高の計上方法がなんだかおかしい!」と考えられるわけです。

須田一幸他『会計操作』、勝間和代『決算書の暗号を解け!』

内部利益率法(internal rate of return:IRR)

■IRRとは

現在価値法とともに割引キャッシュフロー法に属する。内部利益率とは、計画案のキャッシュフローの現在価値を投資のキャッシュフローと等しく(一致)するような割引率である。すなわち、割引率をいくらにすれば、キャッシュ・インフローの現在価値合計が投資額と同じになるのかを問題にするのである。内部利益率法の最大の長所は、貨幣の時間的要素を考慮に含めていることにある。

キャッシュ・インフローの現在価値合計=キャッシュ・アウトフロー(投資額)の現在価値

IRRは、DCF法による結果が「0」となる割引率のことである。DCF=0の時の割引率ということは、その割引率分のコストがかかった資金を使ってもちょうど損益がトントンになるということである。つまり、その投資を行うと、毎年IRRと同じ率で金利が稼げたのと同じことになるという意味である。別の言い方でいうと、IRR法はその投資案件についての1年間ごとの平均投資利回りのことである。

■IRRの考え方

基本的には最初に大きな投資をし、その後複数年にわたって収益が得られて初期の投資を回収する。その回収を考える際に、どのくらい高い割引率までその投資が耐えられるか、と考えるのである。高い割引率を将来のキャッシュフローにどんどんかけていくと次第に投資回収が難しくなっていき、ついにはある値以上になるとペイしなくなる。その境目となる割引率の値(IRR)が大きければ大きいほど投資機会としての筋が良い、魅力が大きいと考えるのである。

しかし、意思決定の対象となる事業や投資回収のライフサイクルにおけるキャッシュフローのパターンがさまざまに異なってくると、IRRの概念がうまく適用できないケースが出てくるのである。

■投資判定基準

  1. そのプロジェクトから生み出されるキャシュフローを予測する
  2. そのプロジェクトのIRRを計算する
  3. 採択:内部利益率>WACC   棄却:内部利益率<WACC

IRR法では、事前に投資の種類に応じてWACCをもとに最低限これだけは稼ぐ必要があるという投資利回り、つまりハードルレートを設定し、各投資案件のIRRがハードルレートを上回っている場合には実行し、下回った場合には実行しないことにする。

■長所

  • 前もって必要利益率(割引率)を計算しておく必要がないため、実際には多くの企業で用いられている
  • プロジェクトを内部利益率で比較できる
  • 投資利回りで選別するので比較が簡単

■短所

  • プロジェクトからの再投資が内部利益率で行われることを前提としている
  • 計算がやや煩雑(例えば、後の年度にマイナスのネット・キャッシュ・インフローのあるとき、計算された内部利益率は2つ求められる)
  • 投資利回りだけで選別することになるので、縮小均衡に陥る可能性がある
  • 「IRRと資本コストの大小を比較することでNPVの正負を判定する」ことが、常にできるとは限らない
  • 複数の投資案があるとき、IRRの大きい投資案がNPVも大きいとは限らない、つまりIRRの大小とNPVの大小が一致するとは限らない
  • プロジェクトのキャッシュフローのパターンによっては、解が存在しない場合や、解が複数存在する場合があること。また、永続的にキャッシュフローが発生する場合は計算ができません
  • IRR法はプロジェクトの規模の違いを反映しない。つまり、期間の短いプロジェクトほどIRRが高くなる傾向がある

櫻井通晴『管理会計』、加登豊・李建『ケースブックコストマネジメント』、浅田孝幸他『管理会計・入門』、西山茂『企業分析シナリオ』、渡辺康夫他『企業価値入門』、伊藤邦雄『企業価値評価』、石野雄一『ざっくり分かるファイナンス』

無借金経営

■近藤説

無借金経営=自己資金>資金運用

無借金経営比率=自己資金(創立以来利益+資本金+役員借入金)/資金運用(売上仕入資金+在庫+固定資産)

  • 100%⇒実質無借金経営。この比率が低い企業ほど、借入金依存度が高い

(注)売上仕入資金とは、(受取手形+売掛金)-(支払手形+買掛金)

プチ無借金経営比率=自己資金/固定資産

  • プチ無借金経営比率>100%⇒プチ無借金経営

固定資産が自己資金でまかなわれていれば、借入金があってもそれは正常運転資金に対する借り入れと考えることができるので、返済が必要な借入金がない状態のプチ無借金経営と考えることができる。

■児玉説

銀行は、いつも預金残高と借入金残高を比較して、会社のお金の動きをチェックしています。この借入金に対する預金残高の割合である、“預金対借入金比率(預金÷借入金)”を、銀行側では「預貸率」と言います。(借入金=長短期借入金+割引手形)

実質無借金経営と言うのは、返そうと思えばいつでも、手元の現預金と有価証券で借入金を全額返済できるという状態です。

預金と借入金を両建てで持つことは、客観的に見ると、とても効率が悪いように見えます。本来払う必要のない利息を払っているわけですし、会社の資産・負債を大きくして資本効率(総資産に対する利益率)を下げているからです。しかし、経営は効率だけではありません。この実質無借金の状態を継続させているおかげで、銀行からの信用が厚くなり、いつでも必要なお金を調達することができるわけです。

この実質無借金経営を実現している会社では、月商の約3か月分の借入金をしながら、月商の3~4か月分(またはそれ以上)の預金残高を常に維持しています。

預貸率を計算してみて、あまりにもその比率が高い(30%以上)と、不必要な銀行借入を行っている可能性もあり、借入金の返済を検討すべきである(鯖田)。

中小企業の平均預貸率は約4割です(棚橋)。

鯖田豊則『会社を目利きする50のポイント』、近藤学『「儲からない」と嘆く前に読む会計の本』、児玉尚彦『会社のお金はどこへ消えた?』、棚橋隆司『これで企業財務はよみがえる!』

リアルキャッシュと生存可能日数

リアルキャッシュ

現預金+その他資産(立替金)△その他負債(未払金、未払費用、未払法人税・消費税、社保、源泉所得税)

その他資産は近い将来入金されるものが多いので現預金にたす、その他負債は近い将来現預金を減少させることになるため、最初から省いておいた方が実態に近いことになる。

会社の生存可能月数

会社の生存可能月数とは、もしある会社が営業をストップしたときに何ヶ月持ちこたえられるのかを示す指標だ。3ヶ月くらいを目標にしたい。

売上 5000 、粗利 1000 、固定費900(減価償却 50) 、借入金返済 60

  • 生存に必要な支出(年間) 900-50+60=910
  • 生存に必要な支出(月間) 910÷12=75
  • 生存可能月数 50(リアルキャッシュ)÷75=0.67ヶ月×30日=20日

近藤学『「儲からない」と嘆く前に読む会計の本』

棚卸資産:棚卸しなくてもよいもの

■事務用消耗品、包装材料及び清掃服の購入費用は、特異な取得及び消費がない限り期末未使用のものがあっても、購入年度の損金の額に算入することができる。

■消耗品で貯蔵中のものは、法人税法上、棚卸資産とされています。

■第十条  (棚卸資産の意義)に規定する政令で定める資産は、次に掲げる資産とする。 

        消耗品で貯蔵中のもの
■しかし、
(消耗品費等)
2-2-15 消耗品その他これに準ずる棚卸資産の取得に要した費用の額は、当該棚卸資産を消費した日の属する事業年度の損金の額に算入するのであるが法人が事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産(各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものに限る。)の取得に要した費用の額を継続してその取得をした日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。

(注) この取扱いにより損金の額に算入する金額が製品の製造等のために要する費用としての性質を有する場合には、当該金額は製造原価に算入するのであるから留意する。

■メーカー等が特約店、販売店に有償で配布する特製のポスターやカタログについては、ポスターの売上に対応する原価相当額のみが損金となりますので、棚卸をする必要があります。現金等価物である収入印紙、切手、高速道の回数券等についても同様です

なお、課税仕入れとなっているものの貯蔵品であっても、貯蔵品計上時に仮払消費税等まで減額する必要はありません。

未使用分については、貯蔵品として決算を行ったうえで法人税の申告をし、消費税では購入時の課税仕入れとするという使い分けが必要です。

池田健『税の窓から会社を見れば』、FANアライアンス『会社の税金コレを知らなきゃ大損です!』、上杉秀文『消費税の課否判定と仕訳処理』、山本守之『Q$A消費税の課否判定と仕入税額控除』、小池正明『法人税消費税の実務処理マニュアル』

回収期間法(payback method)

■回収期間法は、当初の投資額を回収するのに要する期間を計算し、回収期間が短い方を有利とする評価法である。回収期間の計算に含められるのは会計上の利益ではなく、キャッシュ・フローである。日本では回収期間法が広範囲に利用されている。

回収期間=原投資額/年々のキャッシュフロー

実務においては、そこから弾き出された数値だけで設備投資の意思決定を行うわけではない。この数値はあくまでも経営者の意思決定のベースになるものであって、こうした情報をもとに、戦略的な見地から最終的にどんな意思決定を行うかは経営者の手にかかっている。

長所

  • 発生主義的な収益・費用の概念ではなく、キャッシュ・フローで計算する。それゆえ、投資利益率法の欠点の1つである計算の恣意性が除かれる
  • 安全性(資金繰りに対する関係)を重視する
  • 計算が簡単で、しかもわかりやすい
  • ライフサイクルが短い製品に関連する設備投資や、政治状態が不安定な地域への投資のように、リスクが高く、とにかく投資額をできるだけ早く回収することが重要だと考えられる場合には、この方法を採用する意味がある

短所

  • キャッシュ・フローの時間的要素を考慮に入れていないため、キャッシュ・フローのタイミングを無視していることになる
  • 回収後の収益性を無視している。回収する期間だけを判断基準としているので、長期間で最終的には儲かる案件が捨てられたり、早めに回収できる安全な投資を優先するという傾向が強まるため、株主重視のために一定以上のリターンを確保していこうという方向とはなじまない
  • プロジェクト全体のリスクを無視している
  • 回収期間の基準があいまい

■資本回収期間法

 回収期間(年)=投資額/(年間利益+減価償却費)

櫻井通晴『管理会計』、加登豊・李建『ケースブックコストマネジメント』、浅田孝幸他『管理会計・入門』、西山茂『企業分析シナリオ』、石野雄一『ざっくり分かるファイナンス』

WACC(Weighted Average Cost of Capital:加重平均資本コスト)

■WACC

資本コストとは、企業価値や株価を維持するのに必要とされる収益率のことであり、債権者に対して利子を支払った上で、株主が要求する収益をあげられる水準ということになる。したがって、企業の資本コストは、債権者の必要収益率(負債コスト)と株主の必要収益率(株主資本コスト)を加重平均することによって推計することができる。このため、企業の資本コストは加重平均資本コスト(WACC)と呼ばれる。

WACCは、負債の調達コストと純資産の調達コストをそれぞれの使用比率を加重平均したものです。負債投資家と株主投資家の取り分を合わせたキャッシュフローを割り引く場合に使います。

負債資本コスト:3% BS負債の部:80(構成比80%)

株主資本コスト:10% BS純資産の部:20(構成比20%)

(その1) (80×3%)+(20×10%)/80+20=4.4%

(その2) 0.8×0.03=2.4% 0.2×0.1=2% 2.4+2=4.4%

■負債と純資産の調達コスト

負債の調達コストは、「金利」です。

純資産の調達コストは株主の期待利回り、と考えられています。

負債の調達コストよりも、純資産のコストのほうが、ずっと高いのです。純資産の調達コストは、正確にはCAPMという定義に従って計算します。

自己資本比率が高い(つまり、純資産が大きい)企業のほうがWACCは高くなります。負債の調達コストよりも、純資産の調達コストのほうが高いからです。

WACCが高い=高リターンを期待される、という関係になっているのです。

ROA(利益/資産)はWACCより高くなければなりません。資金の調達コストより高い利益率を出さなければならないからです。

ROAを算出する際の利益は営業利益です。WACCと比較する際には、金利を支払う前の利益と比較する必要があるので営業利益で計算するということになります。

ROAは企業の資金調達コストを上回らなければならない。特に、金利などが調整される前の営業利益段階においては、資金調達コストよりROAが低ければ必然的に資金調達コストを事業がカバーしていないこととなる。

つまり、(営業利益ベース)ROA≧WACCである必要があるのです。

■金利が総資産利益率より高くなったら借入金を減らせ(日経新聞2008/3/15)

■最適資本構成

企業にとって、E(エクイティ)とD(デット)の最適な比率とは、どのようなものだろうか。

EとDでは、Dのほうが資本コストが小さいので、それだけで考えると、Dが多いほうがいいことになる。では、Dがほとんどでいいかということ、難しい問題が出てくる。まずは、Dには厳密な返済条件とスケジュールがあるので、想定よりも悪いシナリオとなってしまった場合は債務不履行、つまり倒産のリスクが高まる。キャッシュフローの想定シナリオが確からしければDは多めでよいかもしれないが、想定がさほど確からしくない場合は、資本コストが高いとはいえEに頼らざるをえなくなってくる。逆にいえば、Eの比率が高ければ高いほど、不確実性に対応することがより可能になり、このことを「財務的柔軟性」と呼ぶこともある。

まとめると、DとEの比率は、資本コストと財務的柔軟性のトレードオフで決まるといえる。現実には、それぞれが20~80%の範囲内に収まっていることが多い。

渡辺茂『企業価値評価の基本』、小宮一慶『「1秒!」で財務諸表を読む方法』、井手正介『経営財務入門』、小宮一慶『戦略経営のための管理会計入門』

EVA(economic value added:経済的付加価値)

■EVAは、「残余利益、ないし営業利益から資本の利用に対する費用を差し引いたもの」である。EVAは、DCF法の資本コストの考え方を応用しながら期間業績の評価を行うために工夫された方法です。EVAがプラスの年は、企業価値を増加させており、マイナスの年は企業価値を減少させたということになります。

会計の損益計算では、設備投資金額を減価償却方式で処理します。年によってばらつきの大きな設備投資金額の全額をその年の負担とすると、期間の業績評価の目的にそぐわないからです。EVAがFCFではなく減価償却方式である税引後営業利益を用いる理由も同じです。

EVA=税引後営業利益(NOPAT:Net Operating Profit After Taxes)-加重平均資本コスト(WACC)

   =税引後営業利益-{加重平均資本コスト率×(総資産-流動負債)}

    総資産-流動負債=固定資産+流動資産-流動負債=固定資産+正味運転資本

EVA=税引後営業利益-資本コストを満たすキャッシュフロー額

資本コストを満たすキャッシュフロー額=(有利子負債+株主資本)×WACC

■EVAの長所

  • EVAの算定式からも明らかなように、当該指標は会計上の利益に加えて、それまでの収益性指標では考慮されなかった資本コストも考慮して株主に対する真の利益を測定するものである。EVAの最大の特徴は、利益と資本コストを結びつけた点にある。つまりEVAでは、利益が資本コストを上回る部分を経済的に追加された価値と考える。
  • EVAを高めるには単に利益を大きくするだけではなく、資産の有効利用を図ること(例えば、売掛金の回収サイトの短縮、在庫削減、余剰・遊休資産の活用等)もあわせて求められることになる。この点で、従来の会計上の利益やキャッシュ・フローに比べると、資本の効率を重視した指標であるといえる
  • EVAを用いれば、投資案の評価基準と業績の評価基準の間に整合性をもたせることが可能となる
  • FCFモデルによる株主価値と連動している
  • 単年度で計算できるため、業績評価に結びつけやすい
  • 資本コストが考慮されている
  • 成長という観点が入っている
  • 良い悪いの基準が明確である

■EVAの注意事項

  • 株主資本コストを、株主資本の簿価に掛け合わせて計算している
  • 成長期にあるか安定期にあるのかによって変化する
  • 株主資本コストの算定の難しさ
  • 設備投資型の企業のEVAは低くなる可能性がある
  • スターンスチュワート社のEVAの計算は財務データからの修正項目が多い
  • EVAは金額であり比率ではない、他者比較が困難
  • EVAで企業間比較等を行う際には、資本集約事業と労働集約事業との差異を考慮する必要があります。資本集約事業では償却資産も多額なので、減価償却費も高くなります。このため、利益率等の他の条件が同じであれば、資本集約事業よりもEVAは高くなります

■EVAとROA・ROEの違い

ROAやROEといった従来の指標とEVAとの違いは、前者が資本に自己資本コストを含めないのに対し、後者は負債の資本コストと自己資本コストの両方を含める点である。資本コストを完全な形で評価しないかぎり本当に価値が創出されているかは正確に把握できない、というのがEVAの前提である。

櫻井通晴『管理会計』、渡辺茂『企業価値評価の基本』、中橋國藏『経営戦略のフロンティア』、西山茂『企業分析シナリオ』、西山茂『戦略財務会計』、伊藤邦雄『企業価値評価』、久住正一郎『会社を強くする経営管理会計入門』

マッキンゼーの7S-企業組織分析(内部環境分析)

■マッキンゼーが「7つのS」モデルを開発した主な目的は、経営スタイルに新たな展望を与え、かつ、ソフトの問題についてもマネジメントは可能とし、またマネジメントすべきだと示唆するためだった。またこのモデルでは、ポーターから借用した車輪の比喩を使って、企業は、その各部分を包括し分割しえない集合体であることを協調している。

米国の一流企業の経営手法について、調査プロジェクトを実施した上で、マッキンゼーは2つの基本的な結論を出した。まず、経営者の有効性は、企業の戦略と組織構造で決まるということ。2つ目は、これら3つの構成要素は相互に依存しているものの、3つを支配する直線的な関係はないということだ(月並みな説かもしれないが、結論は何度も繰り返し検証することで価値を増す)。

実際には、企業の経営者・組織構造・戦略は、7つの特徴的な要因からなる複雑なネットワークを通して結びついている。企業をいくつかの独立したユニットの集合として経営しようとしても、すぐに車輪のスポークと軸になぞられた概念[分割不可能な一体であるという概念]を思い知らされる。軸がなければ車輪はスポークの集合にすぎず、逆もまた真である。各部分だけでは車輪の機能を再現することはできない。

それと同様に、共通の目標と戦略のない企業は、思ったように機能しないものだ。各部署が独自の機能を果たしているのは事実だが、部署をまとめる力がなくてはスポークの集まりにすぎない。というわけで、マッキンゼーはまさにこの点を説明するために、マッキンゼー版の車輪のコンセプトを作った。

マッキンゼーの車輪は、特に2つの点で非常に貴重である。企業が共通の目標を達成するために、組織のすべての部分が一丸とならなくてはならないことを改めて強調するだけでなく、企業の健全さを診断する上で、チェックすべき特定の分野・活動を明らかにする。

■成功している企業、もしくは「超優良(エクセレント)」企業は、サービス、品質、そして革新といった重要な価値観に「支配」されていると言われている。それによって競争上の優位性を維持するのである。それは、ピーターズとウォータマンが『エクセレント・カンパニー』で取り上げた重要なテーマである。この本は、戦略に関する文献ではない。しかし、非常に安定した戦略的パースペクティブを持続するために、組織がどのようにして競争優位を活用しているかについて書かれたものである。

彼らは、エクセレント・カンパニーに見られる基本的な特徴として次の8つがあるとしている。

  1. 試してみる、やってみるという行動を重視する姿勢、実験精神が旺盛である。
  2. お客さんの声に耳をかたむけ、お客さんにとって価値のあるものは何かを、お客さんから学んでいる。
  3. 社員が自主性をもち創意工夫をこらしていると同時に、目標に向かって突き進むあつい情熱を持つリーダーがいる。
  4. 社員を生産性向上のための労働者として見るのではなく、さまざまなアイデアを作りだす人材として尊重する。
  5. 創業者の夢、企業理念、経営哲学などにしたがって行動する。
  6. 無理な多角化をせず、本業から離れないようにし、熟知した業種にこだわりをもっている。
  7. 管理階層を低くし、本社の管理部門を小さくするという単純な組織づくりをしている。
  8. 厳格な中央集権的な管理体制と、自主性・創造性を発揮できるように権限を委譲するという分権的な管理体制の両方を備えている。

少し前の文献(“Structure Is Not Organization”)で、この2人の著者は同僚と一緒に、マッキンゼーの7Sのフレームワークを紹介した。

■ひとに対する配慮なくして良い機構などというものは考えられないし、逆もまた真なのである。私がわかったことは、組織づくりを知的に考えようとすれば、互いに切り離せない関係にある少なくとも七つの変数を同時に包含して扱っていかざるを得ないことである。

組織が成功するには、以下のようなあらゆる側面が調和して適合(相互依存)しなければならない。7Sモデルを用いて企業の内部環境を分析する際には、「ハードのS」と「ソフトのS」の双方について検討するということを忘れてはならない。

ハードのS

Strategy(戦略)・・・売上高の拡大、利益増加、コスト削減、新製品開発、新規市場参入など、より優れた企業となるために必要な事業活動やその計画立案を指す

Structure(組織構造)・・・各ポストの権限、指揮命令系統、トップから現場までのコミュニケーションの流れといった企業全体の組織構造を指す

System(社内システム)・・・社内の情報システム(おそらく、システムと聞いたときに最初に頭に浮かぶのはこれだろう)のみならず、予算管理制度、経営計画システム、業務変革システム、業務評価制度といった、企業のあらゆる活動を管理する社内システム全般のことを指す

ソフトのS

Style(経営スタイル)・・・経営陣のリーダーシップ様式や、全社的な経営方針または社風(たとえば、完全実力主義など)

Skill(組織のコア・コンピタンス)・・・組織のコア・コンピタンス、つまり、組織として最も優れている点を指す

Staff(人材)・・・企業の人材を指しており、社員がどのような形で教育され、管理され、意欲づけられているかといった点が重要なポイントとなる

Shared Value(共通の価値観)・・・企業が存在し、事業活動を行うにあたっての基盤となるものであり、具体的には、ビジョン、企業理念、スローガン(例:売上高・利益・総資産で業界トップの企業になる)などを指す

■組織の概念がただ構造(形態)というよりはより包括的な概念へと拡大されるようになった。ピーターズは「構造イコール組織ではない」として、組織というものは、7つのSの要素からなるとした。これが7Sモデルである。7Sモデルにしたがうと組織はむしろ組織体と称した方がよいかもしれない。組織体はこの7つの要素が相互作用しあって環境適応行動を行う。

この7Sモデルの示唆することは、伝統的な戦略と組織構造という2分法的な概念ではなく、両者をもっと包括的なもので相互作用的なものとしてとらえようとすることである。

■要は、超優良企業を目指すなら、共通の価値観を中心に、同じ方向に向かってそれぞれの要素の取組みレベルを上げることが大事ということです。

■7Sの活用法

チャートの真ん中に共通の価値観・使命やビジョンがあり、その周りに戦略、人材、組織、運営の仕組み、組織スキル、企業風土・文化の6つを配している。そして、優良企業を目指すには、この7つのSがしっかりとできていないといけない。

これを活用して、1つの企業を見る時に、関係する情報をこの7つの箱の中に入れて整理したり、調べたりすることによって、その会社全体がどういうことを目指しているかが分るのである。

■7つのSと人体とのアナロジー

Shared Value・・・志   Strategy・・・頭脳    Skill・・・筋肉   Structure・・・骨格

System・・・神経   Staff・・・血液   Style・・・性格

■8つめのS

企業変革を断行するためには、7つのSのバランスと整合性が重要になる。企業のビジョンとなる共通の価値観を基本コンセプトに、戦略を実現するために一貫性を持って他の6つのSを設計する。この7Sがバラバラでは、少なくとも組織は機能しない。経営組織論の第一人者である横山氏は、組織内のコミュニケーションの密度は距離の2乗に反比例するとして、8つめのS(Space)の重要性を指摘している。

■直感と洞察力により「眺める」(小畠)

企業全体を診断する際によく使われるフレームワークにマッキンゼー社の7つのSというMECEの切り口があります。7つの切り口から企業を診断することになります。

その際、7つの部分からの診断や分析を尽くしたとしても、企業の本来の姿である全体観をもつまでには至らないことが多いようです。その理由は、直観力や洞察力をはたらかせて自分なりの全体観を摑もうとするセンスが欠けていることにあるのです。

ます自分の視野に入るもの全体の様子を「眺める」ことが必要なのではないでしょうか。

■マッキンゼーの7Sはフレームワークの部分だけに着目されることが多いが、実は後のリソース・ベースド・ビューにおける人や組織を重視する経営戦略論に繋がる視点を内包していたという点でも評価すべきであろう(波頭)。

■なんだかようわからん、そこで、マッキン7Sファンの方にここも!!!

http://maxime-accounting.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/7.html

http://maxime-accounting.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-21e1.html

マーク・コゼンティーノ『戦略コンサルティング・ファームの面接試験』、ミンツバーグ『戦略サファリ』、山下久徳他『50の経営理論が3時間でマスターできる本』、斎藤顕一『問題解決の実学』

2009年5月 4日 (月)

経験曲線(エクスペリエンス・カーブ)

■経験曲線とは

経験曲線は、1936年に行われた研究に遡る。ある製品の累積生産高が倍増すると、生産コストはある一定の割合で減少するとされた(通常10~30%)。簡単に言ってしまえば、企業は一定の割合で経験から学ぶということである。

このような現象が生じるのは、①習熟による労働者の能率向上、②作業の標準化と作業方法の改善、③製造工程の改善・改良、④生産設備の能率向上、⑤活用資源ミックスの変化、⑥製品の標準化、⑦製品設計の合理化などの理由によるものである。

すべての条件が同一だとして、新しい市場において先駆者となった企業は、素早く生産量を増やせば、競合他社に対してコスト面で優位に立てることを意味する。ただし、すべての条件が同一であることは稀である、というのが戦略の本質である。

■経験曲線の効果

  • 先にシェアを取って累積生産量で競合を凌駕してしまえば、コストは競合よりも下がるため、一時的には赤字を出しても、最終的には利益が出るというシナリオを描くことができる
  • しかも、いったん累積生産量で競合を凌駕してしまえば、差は開く一方なので、一時しのぎの戦略ではなく、「持続的な競合優位性」を担保する本質的な戦略の構築が可能である

■経験曲線の限界

  • 生鮮食品を大規模なスーパーチェーンが仕入れるときに規模の効果が効くかといえば、むしろ逆で、同じ商品を大量に確保しなければならないため割高になることもある。同じ商品をどの店でも売ることで広告費を下げたり、標準化できることがスーパーという業態の存在意義だから、自分で仕入れる以上避け得ないことである
  • 経験効果は工業化社会の進歩のバロメーター
  • 多くの高級レストランやブティックは、店の規模や数が大きくても、コストダウンできるというわけでもなく、いろいろなタイプの店がはやり、すたりしながら乱立し、なかなか大規模化が進まないことが多い
  • 経験曲線についても、とことん大きくなってしまい、かつ市場が成熟してくると、実際の企業間の格差があまりにも小さくなってしまうということもある。多くの構造不況業種は、どの企業も似たようなコスト水準に下がってしまった結果、誰もまともに儲からない構造になったということである

ミンツバーグ『戦略サファリ』、相葉宏二『日本企業変革の手法』、菅野寛『経営者になる経営者を育てる』、伊丹敬之『ゼミナール経営学入門』

ROEと財務レバレッジ

ROE=当期純利益/総資本[ROA] × 総資本/自己資本[財務レバレッジ]

ROEは、①ROAを高める、②財務レバレッジを高める、ことにより上がります。ROEは、負債の比率を高めるだけで改善してしまう指標なのです。財務安全性を崩せば崩すほど、ROEはよくなります。

財務レバレッジは、企業の負債依存度を表し、負債、その中でも借入金や社債を、てこ(レバレッジ)としてどの程度(他人のカネを)有効活用しているのかを示すものであり、負債が増加すると上昇し、減少すると低下する。

財務レバレッジは、自己資本比率の逆数なので、あまり高くすると財務安全性がなくなる。つまり、財務レバレッジを高めることでROEを高めることは財務安全性の見地から問題が生じることがあります。財務安全性を崩せば崩すほど、ROEはよくなる!。

正しい経営指標の優先順位は、先にROAがきて、その後にROEがくるはずです。

100(総資本)/20(自己資本)=5   負債↑ 財務レバレッジ↑

100(総資本)/40(自己資本)=2.5  負債↓ 財務レバレッジ↓

■リターン>金利・・・借金をてこ(レバレッジ)として、利益を生み出すことが有利

  リターン<金利・・・借金をしないほうが有利

■財務レバレッジ>3 →  危険水域

チャック・クレマー他『財務とは何か』、西山茂『企業分析シナリオ』、小宮一慶『「1秒!で財務諸表を読む方法」』、小宮一慶『「社長力」養成講座」』、伊藤邦雄『企業価値評価』、西山茂『戦略財務会計』

PERとPBR

■PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)

株価/EPS

(注)EPS(Earnings Per Share:1株当たり純利益)・・・当期純利益/期中平均株式数。これを上げるには、①当期純利益を上げる、②発行済株式総数を減少させる。

  • 株価が利益の何年分に相当するのか。利益が全て配当されると仮定すると、何年で投下資本が回収できるのか
  • 小さいほど割安。 480/240=2.4  480/100=4.8
  • PERが高いほど、株が買われている

PBR(Price Book-value Ratio:株価純資産倍率)

株価/1株あたり純資産(BPS:Book-value Per Share)

  • 株主資本の時価が簿価の何倍で評価されているかを表す指標
  • BPSは解散価値と解釈することもできる。企業が解散した場合に株主に戻ってくる1株当たりの金額を意味する。ただし、BPSはあくまでも簿価ベースの値であり、土地や建物など固定資産の含み益は含まれていないことに注意すべきである
  • 490/570=0.85  
  • PBR<1→割安。PBRが1倍を下回る状態は解散価値よりも低い評価が市場でなされていることになり、割安な状態を示していると考えられる

伊藤邦雄『企業価値評価』

売上債権・棚卸資産回転率/期間

回転率と回転期間

回転率は、一般に分子に年間の売上高を、分母に総資本、棚卸資産等の平均有高をとって計算される。回転率は、一定期間(通常は1年間)に資本または資産が売上高を通じて何回新しいものに置き換えられたかということ、つまり、1年間における回転数である。

回転期間は、回転率の逆数として計算されるもので、資本または資産が新しいものに置き換えられるのに何か月かかるのかということ、すなわち1回転するに要する期間を意味する。一般に、回転率が高く、回転期間が短ければ、資産効率は高いこととなる。

売上債権回転率

新しいものに、何回置き換えたか。

120(売上)/10(債権)=12回転

売上債権回転期間

債権の回収に何日間要するのか。何ヶ月分たまっているのか。

365日/12回転=30日

10(債権)/120(売上)÷12ヶ月[1ヶ月あたり売上高]=1ヶ月

棚卸資産回転率

120(売上)/12(在庫)=10回転

1年間にこの商品は「10回」売れた。

棚卸資産回転率の低下は、在庫水準が過剰になっていることのシグナルである。

棚卸資産回転期間

棚卸資産が1回転するのに必要な日数。何日分の在庫を有しているのか。

12(在庫)/120(売上高)=0.1  0.1×365=36.5日

12(在庫)/120(売上)÷365=36.5日

商品回転率(まとめ1)

商品回転率=売上原価/期末商品

商品在庫月数=期末商品/(売上原価/12月)

商品在庫日数=期末商品/(売上原価/365日)

         =365/商品回転率

期末の商品の在庫金額が過剰かどうかを判断するには、売上高ではなく、売上原価で計算した方が正確です(飯田)。

分子と分母は、売価、原価、数量という同一基準であることが望ましい。季節変動が大きい場合、決算期の在庫高を分母とすると正確性を欠くので、12カ月の平均在庫高をとるのがベターである(商業辞典)。

商品回転率(まとめ2)

期間売上高(A:売価、B:原価、C売価)/商品平均在庫高(A:売価、B:原価、C:原価)

一般によく使われる“中小企業の経営指標”などに用いられる商品回転率の計算はA式なのであって、これは、在庫に投下される資本の回転率に外ならないのである。したがって、本来、商品効率を計る回転率の計算法としてはB式またはC式を用いるのが一般なのであって、この計算から正確な在庫日数も得られるのである。

■商品回転率のポイント

回転率が低下したら2つのポイントをチェック

  • 売上高が低迷しているのに、購買担当者が従来どおりの数量を仕入れている
  • 仕入先からの要請や値引きセールなどで、仕入数量が増加している

回転率が上昇したら、売上が伸びているのに仕入がそのままだと“売り損じ”を起こす可能性が大。

伊藤邦雄『企業価値評価』、武田隆二『会計』、飯田信夫『35の財務指標』、田岡信夫『社長の営業戦略』、久保村隆祐他『最新商業辞典』、石上芳男『「会社の数字」ここを押さえれば簡単だ!』

交差比率

■交差比率とは

粗利益を大きくし、さらに資金繰りも良くするためには、粗利益率が高く、在庫を多く持つ必要のない商品重点的に売れば良いことになります。そのための指標として、「交差(主義)比率」、があります。

[売上高/在庫](商品回転率) × [粗利益/売上高](粗利率)

商品回転率を計算するさい、売上高を使用する場合には、商品在庫は売価で把握する必要があります。

■貢献度比率

売上構成比×交差比率

■商品回転率の高い商品の中には、値引によって商品の利幅つまり商品の粗利益率が低い場合もあるので、交差比率は回転利幅という二つの見方を統一して扱い商品を決定しようとする方法である。つまり、交差比率について一定の数値を決めておき、商品の品種別交差比率をみて基準とする一定の数値以下のものは扱わないようにするとか、交差比率の高い商品の販売に努めるなどするわけである。

しかし、商品回転率を売上高を用いて算出しているとすれば、交差比率は基本的に商品の残高に対する商品の粗利益の割合になり、本当にこれによって扱い商品を決定してよいか疑問がある。

■一般に、商品回転率においても、交差比率においても、その効率の測定において成長型と安定型(成熟型)のパターンを次のように分類することができよう。

1.成熟型商品の特色

商品回転率においても、交差比率においても、成熟型の特色は回転率において安定しており、交差比率は販売価格の漸次低下という傾向を反映して、少しずつ低下してくる。

2.成長型商品の特色

商品回転率にはバラツキをもつこともあるが、交差比率が安定しはじめ、平均した型を示してくる。

このように、成熟型は、商品当りの粗利益の低下を数量と回転数で補っており、成長型はそれほど高くない数量を粗利益率の増加で補ってくる関係になっている。

ただし、成熟型の一つの特色は、突如ダウンすることがあることであり、このため、在庫管理の定常的な分析は必須の前提である。

交差比率が同じであっても、薄利多売型(回転率は早いが粗利益が小さい)と厚利少売型(回転率は低いが粗利益率が大)という場合とがあって、粗利益率そのもののもつライフサイクルが問題となってくる。

一般に、総収入におけるピークは、つねに利益率のピークの後にくるというルール(ベインの法則)を頭の中に入れて評価しなければならない。

■商品投資効率図(縦軸は効率性の指標、横軸は収益性の指標)

商品回転率 売れ筋商品 稼ぎ筋商品
(日常品) (プレミアム品)
死に筋商品 見せ筋商品
(時代遅れ商品) (ブランド品)
粗利益率

近藤学『なぜ、金持ち会社は節税しないのか?』、森脇彬『経営分析実務相談』、田岡信夫『社長の営業戦略』、高下淳子『決算書を読みこなして経営分析ができる本』、飯田信夫『35の財務指標』、石上芳男『「会社の数字」ここを押さえれば簡単だ!』、平松陽一『超入門会社の数字がみるみるわかる本』

ファイブ・フォース分析-業界構造分析(外部環境分析)

ポーターの競争戦略は、寡占が生み出される現実のメカニズムを明らかにしたともいえる。つまり、市場においてなぜ優勝劣敗が生じるのか、その理由を解き明かし、どうすれば勝ち組(寡占を形成するメンバー)に回れるのかを示したのである。

このモデルは、事業の収益性は、その業界の魅力度に左右される、したがって業界の魅力度を決定する要因を明らかにすれば、競争優位を得るための行動が導き出されるという前提に立っている。

競争要因のうち、最も強力なものが業界の収益性を決定する。戦略策定の際にもこれを最も重視しなければならない。

ポーターのフレームワークは、業界の定義を所与として、既存企業の収益性に影響を与える重要な要素を次のように分けている。

1.新規参入の脅威・・・これには、新規参入企業が自力で参入してくるケースのみならず、業界内の既存企業を買収して参入するケースも含まれる。新規参入してきた企業は、新しい生産能力、市場シェア獲得への意欲、そして多くの場合かなりの資源を業界に持ち込んでくる。業界の参入障壁が高いか、既存企業による報復措置(値下げによる対抗など)の可能性が高い場合には、新規参入の脅威は小さくなる。ポーターは、参入障壁を築く要因として、以下の項目を挙げている。

  • 当該事業に規模の経済が働いている場合
  • 新規参入に要する投資額が巨額である場合
  • 政府の規制が存在する場合
  • スイッチングコスト(顧客が取引先を変更する際のコスト)が高い場合
  • 流通チャネルへのアクセスが限られている場合
  • 差別化された製品またはブランドが存在する場合
  • 独占的な製造技術が存在する場合

2.供給業者の交渉力・・・供給業者は、納入する製品やサービスを値上げしたり質を落とすといった手段を通じて、業界内の企業に対する交渉力を発揮することができる。2と次の3の競争要因に関しては、経済学でいう「需要と供給」の関係が当てはまる。つまり、サプライヤーが多数で顧客が少数の場合には顧客側が強い競争力を持ち、顧客が多数でサプライヤーが少数の場合にはサプライヤー側が強い交渉力を持つことになる。

3.顧客の交渉力・・・買手の影響力が強くなるのは、買い手側で集中が進んでいたり、大量に購入している場合である。そのほか、①値下げを迫ってくる、②より高品質かつ優れたサービスを要求してくる、③ライバル企業との競争に勝ち抜くためにさまざまなプレッシャーをかけてくるといった行動を通じて、われわれに対して交渉力を行使してくる。顧客側の交渉力が強いほど、業界の収益性と魅力度は低下する。

4.代替品・サービスの脅威・・・代替製品・サービスが現れると、価格設定に上限が設けられてしまい、業界のポテンシャルは抑えつけられてしまう。

5.既存の競合企業どうしのポジション争い・・・既存の競合企業どうしの競争は、価格競争や新製品投入、宣伝合戦といったお馴染みの方策で「ポジション争い」という形をとる。

■第六の要因

インテルの創立者であるアンドリュー・グローブは、ポーターのモデルに第六の要因として補完製品の影響を加えることを提案している。

ポーター『競争戦略論Ⅰ』、マーク・コゼンティーノ『戦略コンサルティング・ファームの面接試験』、ガース・サローナー他『戦略経営論』、ポーター・編集部『ハーバード・ビジネス・レビュー』

棚卸資産:預かり在庫と預け在庫

企業は商品を問屋さんから仕入れますが、このときは仕入伝票だけが発行されて、商品の現物は問屋さんの倉庫にあることがあります。これを、預け在庫、と呼びます。預け在庫は自社在庫です。棚卸し品は、自分の会社内のものだけではありません。外注先や運送会社先も調べるようにしましょう。

上坂会計『社員5人までの小さな会社の節税がよくわかる本』

損益計算書分析術

■ウエスタン安藤『決算書の読み方』

  1. 売上高の過去3年間を比較検討します
  2. 売上総利益の過去3年間を比較検討します・・・・・売上が横ばいで粗利が減少していたら、まずはじめに売上値引きのチェックをします。次に仕入値の上昇をチェックします。これで原因が見つからなければ、在庫です。在庫を操作してもすぐに見つかってしまうのはなぜでしょう。ひとつは、粗利率で見抜く方法です。もうひとつは期末在庫金額が以上に多いケースです。
  3. 営業利益の過去3年間を比較検討します

中小企業の場合、ここまでで原因の9割は特定できるんです。

都井清史『粉飾決算の見分け方』

1.すべて疑わしい

  • 売上高中の関係会社向け売上の増加
  • 売上原価のなかの固定資産からの振替高
  • その他の営業収入の増加
  • 配達運送費の急減
  • 有価証券売却益

2.経営悪化の兆候

  • 雑費の多さ
  • 特別損失項目の多さ

3.雑収入/経常利益、支払利息割引料/営業利益は、ともに70%以上で危険

キャッシュフロー計算書のポイント

■キャッシュフロー経営のメリット

  1. 収益力の向上に繋がる
  2. 資産効率を高めるようになる。
  3. 売掛債権の早期回収に繋がる
  4. 買掛債務の早期支払に繋がり、より有利な仕入れ条件を引出せる
  5. 在庫の削減に繋がる
  6. 借入金の削減を可能たらしめる。

■CF計算書は、次のようなポイントを置いて作成する。

  1. PLとBSを組み合わせて計算する
  2. 資金の入と出を把握する
  3. 会計上の利益でなく資金の有高をつかむ
  4. 財務の健全性を見る
  5. 資金の獲得能力を見る
  6. 資金の支払能力を見る
  7. 企業の真の強さを見る

■CF計算書は次のような手順で作成する。

  1. PLの売上高、売上原価をCFベースへ修正・・・・・(イ)売上高にBSの受手・売掛金の増減を加味する、(ロ)売上原価についても同じように、支手・買掛金の増減を加味する、(ハ)棚卸資産の期首と期末の増減も加味する。(この段階で売上と売上原価、棚卸資産の問題点をはっきりつかむことができる)
  2. 支出を伴わない費用の調整・・・・・減価償却費・各種引当金の繰り入れ等支出の伴い費用の調整
  3. 固定資産・有価証券の売却損益の調整。(ここまでが営業活動のCF)
  4. 固定資産の購入・売却、有価証券の購入・売却を加味する。(これが投資活動のCF)
  5. 長期借入金の増減と短期借入金の増減を加味する。(これが財務活動のCF)

日野上輝夫『会社を潰す経営者・立て直す経営者』、日野上輝夫『社長!金を借りずに時間を借りなさい』

労働分配率

■労働分配率

人件費管理には、労働分配率の検討がぜひとも必要である。

人件費/付加価値

目安として50~60%程度なら妥当な水準、40%台なら良好(=生み出している粗利に対して、人件費負担が低く収まっている)、60%以上なら危険信号(=生み出している粗利に対して、人件費負担が高い)。

労働分配率は低いほうがよいが、人件費の低さとは直結しない。生産性(1人当たりが生み出す付加価値)が高ければ、世間相場より高い人件費を払っても、結果として利益は大きくなる。労働分配率の管理=生産性の管理なのである。

人件費は売上から分配されるのではありません。売上から変動費を引いた、粗利から分配されるのです。

■労働分配率と生産性

生産性=成果(粗利、利益など)/投入(人手、時間、資金など)

労働分配率と生産性は表現のしかたが違うだけです。分子と分母を逆にしただけで同じことを言っています。労働分配率は、会社が生み出した粗利のうち、どれだけを人件費として分配しているかを示します。一方、生産性は、会社が投入した人件費によって、どれだけの成果(たとえば粗利)を生み出したか、を示します。よって、生産性の高い企業は、必然的に労働分配率は低くなるのです。

日野上輝夫『社長!決算書のココを読みなさい!!』、和仁達也『脱☆ドンブリ経営』

2009年5月 3日 (日)

固定資産:美術品は資産か経費か

税務上、減価償却の対象とされない固定資産を、非減価償却資産という。非減価償却資産とされる基準は、第1に時の経過によりその価値が減少しないこと、第2に事業の用に供していないことの2点である。

(書画骨とう等)

7-1-1 書画骨とう(複製のようなもので、単に装飾的目的にのみ使用されるものを除く。以下7-1-1において同じ。)のように、時の経過によりその価値が減少しない資産は減価償却資産に該当しなのであるが、次に掲げるようなものは原則として書画骨とうに該当する。(昭55年直法2-8「十九」、平元年直法2-7「二」により改正)

(1) 古美術品、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの

(2) 美術関係の年鑑等に登載されている作者の制作に係る書画、彫刻、工芸品等

(注) 書画骨とうに該当するかどうかが明らかでない美術品等でその取得価額が1点20万円(絵画にあっては、号2万円)未満であるものについては、減価償却資産として取り扱うことができるものとする。

武田隆二『法人税法精説』

B/S・P/Lを見る注意点

B/Sに見る注意点

  1. 自己資本の脆弱性
  2. キャッシュフロー不足
  3. 売上債権の未回収
  4. 過剰在庫
  5. 過剰設備
  6. 固定資産は必要最小限
  7. 土地の購入-値上がり期待
  8. 支払手形の乱発
  9. 融通手形
  10. 借入依存症
  11. バランス無視
  12. 債務超過は最悪

P/Lに見る注意点

  1. 目標利益の固定化
  2. 売上総利益を高める
  3. 過剰仕入・過剰在庫
  4. 人件費の比重
  5. 固定費の変動費化
  6. 変動費のより変動費化
  7. 目標利益と営業利益
  8. 支払利息・割引料
  9. 目標利益と経常利益
  10. 最終の当期純利益と目標利益

日野上輝夫『社長!決算書のココを読みなさい!!』

「程経営」:会計の十大原則

  1. 経理の記録は完璧に
  2. 自己資本比率50%超(信用バランス)
  3. 固定資産は自己資本の範囲内(健全バランス)  固定資産<自己資本
  4. 受取手形+売掛金≧支払手形+買掛金                         (受取手形+売掛金)サイト<(支払手形+買掛金)サイト
  5. 流動負債+固定負債>流動資産
  6. キャッシュフローは何より大事(余裕バランス)
  7. 売上-コスト=利益(又は損失)ではダメ。売上-利益=コストの図式で
  8. 固定費(人件費、支払利息、割引料、減価償却費)の変動費化 
  9. 「税のコスト」の潔さが企業を強くする
  10. 変動費のさらなる変動費化

日野上輝夫『社長!決算書のココを読みなさい!!』

AIDMAの法則/AMTULの法則

AIDMAの法則

消費者がモノを買うという行為に至るまでに、どのような段階を経ていなければならないかをこのモデルは整理してくれている。

Attention(注意を促す)Interest(興味を与える)Dsire(欲望をかき立てる)Memory(記憶させる)Action(行動させる) 

商品が売れないときには、この5ステップのどこかに問題があるかもしれないと考えてみると、売れない原因のボトルネックが見つかることがある。製品が知られていないとか、関心を持ってもらえていない、欲望が喚起されていない、欲望が長く記憶に残らない、最後の買うという行動がとりにくい、などなど、いろいろな可能性を整理して考えるには、このモデルは便利である。

AMTULの法則

Awareness(認知)Memory(記憶)Trial Use(試用)Usage(使用)Loyal Use(愛用)

野口吉昭『セルフコンサルティング』、沼上幹『わかりやすいマーケティング戦略』、小宮一慶『「会社を経営する」ということ』

倒産について

■倒産を回避する7つのポイント

1.自己資本比率(自己資本/総資本)↑・・・⑨/③。50%超を目指そう。

2.ギアリング比率[(短期借入金+長期借入金)/自己資本]↓・・・⑤⑦⑧/⑨。低いほど安全。

3.固定長期適合率[(固定資産合計/(自己資本+固定負債合計)]↓・・・②/⑥⑨。最善は自己資本の範囲内です。

4.収益フロー=[当期税引後利益(並びに前期・前々期税引後利益)]↑・・当期税引後利益。原則的に借入金は業務純益(減価償却費を加える)で返済する。

5.債務償還年数[(短期借入金+長期借入金)/(当期減価償却実施額+営業利益)]↓・・・⑤⑦⑧/⑩⑬。有利子負債(割引手形を除く)をキャッシュフローから返済するのに何年かかるか。短いのがベター。借入金総額は製造業・月商の6ヵ月、卸売業・月商の3ヵ月が目安。

6.インタレスト・カバレッジ・レシオ[(営業利益+受取利息・配当金)/支払利息・割引料)]↑・・・⑬⑭/⑮。金利とキャッシュフローのバランス。倍数が大きいほど健全。

7.キャシュフロー額(営業利益+減価償却額=償却前営業利益額)↑・・・⑬⑩。企業活動は営業利益で見る。

貸借対照表
①流動資産合計 ④流動負債合計
  ⑤短期借入金
  ⑥固定負債合計
  ⑦長期借入金
  ⑧社債・転換社債
  ⑨資本の部合計
③資産合計 ③負債資本合計

損益計算書
⑩当期減価償却額 ⑪当期売上高
⑬営業利益 ⑫(前期売上高)
⑮支払利息・割引料 ⑭受取利息・配当金
⑯経常利益  
⑰(前期経常利益)  
⑱当期利益  

■会社が倒産する典型的なパターン

  1. 先代の社長が銀行用に粉飾した決算書を作っていたため、引き継いだ時の実体がつかめなかった
  2. 売上げに波があった
  3. 応援してくれていた面倒見の良い信用組合が破綻した
  4. 銀行以外に商工ローンから多額の借り入れがあった
  5. 不動産等の会社資産がないので、社長、弟、実家等の家や土地を担保にしていた
  6. 倒産街道まっしぐらの、いわゆる融通手形を使っていた
  7. 税金や社会保険の滞納があった
  8. 社長は友人のみならず、社員や外注スタッフからも借金していた
  9. 社員や役員の入れ代わりが激しく、安定しなかった
  10. 外注への支払いにもこと欠いていた

■潰れそうな会社に最低限必要なもの

  • 経営の志が高く、経営理念・ビジョンがある
  • 経営方針が明確であり、成文化されている
  • 経営計画が文書・表により作成されている
  • 具体的なアクションプランがある
  • PDCAのサイクルが社内で機能している
  • 収益を生むビジネスプランがある
  • 全社のベクトルが合っていて社員が一致団結している
  • 社員のモチベーションが高い
  • 社員教育が行き届いている
  • 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)運動が徹底している

要は、基本ができている会社であることです。

日野上輝夫『会社を潰す経営者・立て直す経営者』、日野上輝夫『社長!金を借りずに時間を借りなさい』、洲山『銀行にカネは返すな!』

銀行が融資をする基準

■銀行が融資をするのは「業況が良好」かつ「財務内容に特段の問題がない」場合で、この判断基準は、概ね次の三点である。

  1. 同業同規模並みの売上げ、利益が計上されている
  2. 借入金が過大でない
  3. 業歴に見合った程度の内部留保がある。

「財務内容に特段の問題がない」というのは、

  1. 全体の借入額が資産規模、売上げ等に比して過大でない
  2. 資金の調達機関が資金使途等との関係で適正である(長・短期借入金の適正バランス)
  3. 不良資産が包蔵されていない
  4. 減価償却等が適正に実施されている
  5. 業歴・資産規模の見合った内部留保(自己資本)がある

■借入れには次の条件が必要である。

  1. 他人資本(借入金、支払手形、買掛金等)の合計が流動資産を上回らないこと
  2. 返済元本は利益で返せること(返済のために借入することが多い)
  3. 営業CF・投資CFが黒字であること

1.は、無理な資産、無駄な資産の購入を防ぎ、2.は損益分岐点を下げることにつながる、そして3.は本業に徹し、濡れ手で泡の投資活動に資金を注ぎ込むことを防ぐ。

■BSに社長への貸付金があったら、金融機関はまず融資してはくれません

■金融機関の融資担当者は、BSを現在の資産価値で組み替えるんです。

■減価償却費を計上していない会社は、当然その分を割り引いて見ています。

銀行の決算書の見方は、下(利益)からノゾいて、裏(財務状態)をメクって、なか(お金の流れ)をサグります。

■銀行は最終的には、会社の返済能力で借入金限度額を判定します。最も重視する指標が「債務償還年数」です。一般的は、借入金総額を5年分のキャッシュフローで返済できるのが理想とされています。

■銀行は決算書のどこを見ているのか?。それは借入を返済していけるかどうか、つまり「返済原資」です。銀行は、CFで会社を判断しているのです。返済原資は、次の式で求めることができます。

返済原資=当期純利益+減価償却費+社長の役員報酬-既存借入金返済額

■銀行は何を見ているか?貸す側の立場

  1. まずは、自己資本を見る
  2. 次に現預金と借入金の残高のバランスを見る
  3. 回収できないものが、どれ位あるのかを見る
  4. 簡単なキャッシュフローを見る
  5. 資金使途を確認する
  6. 最後は社長自身を見る

■「ぜひ資金を使ってほしい」と言われる財務内容

  1. 流動比率・・・150%以上
  2. 当座比率・・・100%以上
  3. 自己資本比率・・・30%以上
  4. 手元流動性(現預金)・・・月商1カ月分以上
  5. ROA・・・10%以上

■借り入れに関する二つの法則

「借入期間の短い融資は出やすいし、期間が長くなればなるほど出にくくなる」のが、融資の第一法則です。第二法則は「返済期日に一括して返済する形式よりも、毎月分割して返済する形式の融資の方が出やすい」です。このどちらも、借りる人よりも融資をする側、つまり金融機関が有利な立場にあります。金融機関としては、リスクを負担する期間が短くて済むからです。

「現金、その場限り」。念には念を入れよ。

■銀行審査のポイント

  • 安全性・・・返済能力(流動比率、自己資本比率等)
  • 収益性・・・返済能力(利益額、利益率)
  • 成長性・・・将来性(売上高<利益、業界)
  • 経営者・・・安全性(業界経験、経営経験、年齢、後継者)
  • 銀行の収益性・・・銀行の利益額(利益額、ROA)

日野上輝夫『会社をつぶす経営者・立て直す経営者』、ウエスタン安藤『決算書の読み方』、児玉尚彦『会社のお金はどこへ消えた?』、北岡修一『ココまでできる儲かる会計』、洲山『銀行にカネは返すな!』、佐藤一郎『御社にお金を貸せない理由』、FANアライアンス編『オーナー社長だからできる節税と資産づくり』、小宮一慶『「会社を経営する」ということ』

ポーターの基本戦略

ファイブ・フォース・モデルによって、産業構造を明らかにしたならば、次は、その市場でどのように競争優位を獲得すべきかについて考えなければならない。競争優位は、顧客に提供する「価値」によって左右される。

基本的には、企業が取り得る競争優位のタイプには、2つある。低コストか差別化である。この低コストと差別化が、ある特定のビジネスの「幅」、つまりターゲットとなる市場セグメントと結びついて、業界内で平均以上の業績を達成するための3つの基本戦略を創り出している。それは、コスト・リーダーシップ差別化、そして集中である。

どの戦略も、上手く実行するには、全力投球の心構えが必要だ。

他社より低いコスト 差別化
戦略ターゲットの幅 広い    
ターゲット コスト・リーダーシップ 差別化
   
   
狭い コスト集中 差別化集中
ターゲット    

1.コスト・リーダーシップ・・・この戦略は自社の属する業界で、同業者よりも低コストの地位を占めようとするものである。

2.差別化・・・この戦略は、ユニークな製品やサービスを開発し、ブランド/ロイヤリティを獲得しようとするものである。

競合企業に対する差別化で本当に有効な戦略とは、次の三つの条件のいずれかを備えた差別化戦略だけである。①相手が真似できない、②真似をすると他の面で損をするのでやりたくない、③真似をしても効果を上げるまでにコストがかかりすぎる

3.集中・・・この戦略は、狭く絞られた市場セグメントを扱おうとするものである。

ただし、ポーターは次のような理由から、これらの基本戦略を同時に展開すると、かえって競争優位は得られないと説く。

  • 企業のイメージの一貫性が失われ、評判が落ちる
  • 経営陣から現場に至るまで、社内が混乱する

以上から、差別化戦略とコスト・リーダーシップ戦略はトレード・オフであると述べる。つまり差別化は、製品やサービスの魅力度を高めることで優位を獲得する戦略である以上、R&Dやマーケティングなどに通常以上のコストを投入する必要があり、言うまでもなく低コストを追求するコスト・リーダーシップとは相容れない。

ポーター『競争の戦略』、ミンツバーグ『戦略サファリ』、相葉宏二『日本企業変革の手法』、ポーター・編集部『ハーバード・ビジネス・レビュー』

キャッシュフロー計算書の記載順序

■営業活動区分

  • 税引前利益
  • 営業活動以外(小計から下)に係る損益
  • 資産・負債の増減

■投資活動区分

  • 貸借対照表の順であり、かつ、各項目の中では支出(投資)⇒収入(回収)の順

■財務活動区分

  • 貸借対照表項目⇒利息・配当の順であり、かつ、各項目の中では収入(調達)⇒支出(返済)の順

藤原道夫『キャッシュ・フロー計算書のつくり方』

設備投資の意思決定

■設備投資の三原則

  1. 投資予算額の大幅削減
  2. 資金調達の安定性
  3. 無税の減価償却を最大限に

■設備投資の決定手順

設備投資の案件には、以下のような手順で行う。

1.まず投資可能額の算定である

返済できるかどうかを決めるのは各会社の損益構造であり、財務構造である。会社はそれぞれ力を持っている。それを超えるものは単なる大博打である。設備投資のいわゆる予算化を行う。

2.次に資金調達可能額の算定

ほとんどのケースは借入可能額の算定になるため、物的担保額の評価がメインである。

3.投資採算性の算定

設備投資により増減する原価を計算し、採算売価を算定する。この採算売価で予想販売数量を吟味していく。吟味する過程で販売数量増減により設備稼働率が変化し、原価は変わる。

4.計画決定後、具体的な金額決定により生じてくる誤差を修正していく

これは重要である。当初二億円の予定がいつのまにか三億円となっている。二億円で採算計算しているものは三億円ではまずずっと赤字であろう。しかし現実にはよく起こっている。これをフォローしていく。できないものはできない。設備業者に違う型で同様な効果を考えてもらわなければなならない。

■設備投資を行うときの心構え

  1. 設備投資のために調達される資金の大部分は、自己資金で賄うこと
  2. 外部からの調達資金の割合は小さいこと
  3. 当該設備投資の稼動によって、高収益の製品の製造・販売が期待できること
  4. 当該設備資産から生産される製品以外にも、収益性の高い製品・商品を扱う事業を抱えていること
  5. 「将来において企業にもたらされるキャッシュフロー利益」を上回る設備投資は、絶対に行わないこと。設備投資は、日々の企業活動から稼ぐキャッシュフロー利益の範囲内で行え

■投資への手順

投資活動は次の4つに分類できる。

  1. 新製品の製造及び既存の製造設備を増大させるための拡大投資
  2. コスト削減などのための現有設備の取替投資
  3. 品質向上や省力化のための近代化投資
  4. 福利厚生施設や研究開発施設、教育のための戦略投資

いずれの場合も、次のような手順を踏むことになる。

投資のための方針の決定→方針に従った代替案の提案→代替案ごとの経済性計算→最有利案の選定→資金調達方法の検討→投資実施細目の決定→投資の実施とその結果の評価

■設備投資をする際に検討しなければならない点

  1. 設備投資によって固定費は、どれだけ増えるか
  2. 設備投資によって採算点は、いくらになるか
  3. 設備投資によって利益は、いくら確保できるか
  4. 設備投資によって必要な売上高はどれだけか
  5. 設備投資によって増加運転資金はどうなるのか

■過剰投資で失敗しないための3点見積法

3点見積法とは、米国防総省やNASAなどで利用されているPERTという工程計画を管理する手法の中の1つです。不確実なことを予測するときに、楽観値(すべて見込みどおりにいくと見積もった値)、悲観値(最悪のケースを想定して見積もった値)、最可能値(今までの経験から実現可能性が高いと見積もった値)の3点を予測して考えるやり方です。

設備投資をした後に、最悪のケースとなった場合の資金ショートの可能性を予測することが大事なのです。

上坂朋宏『会計士が贈る経営のヒント』、高田直芳『ほんとうにわかる経営分析』、吉田博文他『粉飾決算の見抜き方』、青木三十一『「資金繰り地獄」から抜け出す本』、

資金繰りを改善する方法

■上坂説

  1. 利益を上げる
  2. 固定的な経費を削減する
  3. 在庫を減らす。月次の棚卸を無視した月次決算は全く意味をなさない。どうして売上が伸びたか。どうして在庫が膨らんだか。売上が伸びているのにどうして利益が減少したか、現金がなくなっているのはなぜか。
  4. 支払の期日を延ばす
  5. 収入の期日を短期間にする
  6. 借入金を利率の低いものと入れ替える
  7. 設備投資をしない
  8. 増資をする

■日野上説

  • 付加価値の高い商売にする
  • 経費の削減に努める
  • 掛売り、手形売りの比率を少なくする
  • 容易な借入れはしない
  • 仕入支払い、経費の支払いは先延ばしにしない
  • 売上げと仕入れ、回収と支払いの費用収益の対応を社内に植付ける
  • 容易な設備投資にならないようキャッシュフローを許す範囲を守る
  • 税引後利益による自己資本充実を計る
  • 自己資本比率を高める

■資金繰りをよくする7つの方法(楢山説)

  1. 売掛金の徹底回収
  2. 在庫の徹底圧縮
  3. 売上を前受金で受け取る
  4. 買掛金の支払条件を変更する
  5. 受取手形の現金化
  6. 仮勘定などを決算書からなくす
  7. 固定資産(不良資産)の現金化

■資金繰り悪化は、「運転資金増加」、「固定資産への投資」、「借入金返済」が3兄弟!

■目標は現預金を増加に転じさせること、売上を増やし費用を減らして、それから回収と支払いのサイトを見直して運転資金の増加を抑えること、そしてできるだけ無駄な在庫を持たないこと。

■企業の資金繰りを根本的に変えるには、①受取手形、②売掛金、③在庫、④支払手形、⑤買掛金の残高の増減を管理し、この5勘定の持ち方を改善するしか方法はありません。必要な運転資金はこの5勘定の増減から生み出されます。本勘定以外のその他の勘定はすべて仮勘定と位置づけ、即刻返済してもらうか、損失として償却処理しなければなりません。具体的に言えば、立替金、仮払金、貸付金、役員貸付金等の資金を回収することからスタートします。実際、金融機関の融資責任者は、提出された決算書から仮勘定は企業の損失として捉え、利益との両落しで圧縮して見ています。

■資金繰り計画作成の注意点

  1. 資金繰りを組むために必要な事項(正確なBS残高)
  2. 特に重要な営業の売上予定
  3. 銀行別の手形割引枠の把握
  4. 3か月間の回収予定と回収内容
  5. 3か月間の支払予定と支払内容

■資金繰り予定表の作成手法

  1. 売掛金の回収を総額でつかむ
  2. 買掛金の支払を総額でつかむ
  3. 経常資金の過不足には手持ち資金を含めない
  4. 外部調達は受取手形の割引から行う
  5. 支払手形の期日までの期間は常に資金繰りを組む

棚橋隆司『財務革命』、楢山直樹『経営をよくする会計』、上坂朋宏『会計士が贈る経営のヒント』、日野上輝夫『会社を潰す経営者、立て直す経営者』、棚橋隆司『これで企業財務はよみがえる!』、近藤学『「儲からない」と嘆く前に読む会計の本』

手元流動性を高める方法

手元流動性・・・(現預金+すぐに売れる有価証券等)/月商

手元流動性は月商の何ヵ月分ありますか?。中小企業の場合、現預金が月商の一ヵ月以下だとしたら、土下座しても、とにかく、お金を借りたほうがいい。

中小企業の月末の預金残高の平均は、売上高の約1.5ヵ月分です。これは何を意味しているのかと、通常の営業サイクルで必要になる運転資金とほぼ同程度の金額なのです。経営的には、これが一番大切です。第一優先順位です。資金繰りがいい優良企業の預金残高を見てみると、売上の2.5ヵ月分以上になっています。

経験的に見ると、現預金については総資産の約10%以上だと、わりと財産の持ち方としては健全だと思います。有価証券があるなら、合計して15%くらいかな。

ただし、現預金には、借入金と両建計上されているいわゆる拘束預金も含まれている。こうした預金も含めた手元流動性を高めることは、必ずしも支払能力を維持し、高めることにはならない。

大企業なら1カ月、中堅企業で1.5カ月、中小企業なら1.7カ月分くらいは月末時点で必要です。

■現金預金はいくらあればいいのか?(松田)

・現金預金残高は、月商の1.5ヵ月から2ヵ月を目安に(最悪1ヵ月は確保)

・「現ナマ経営」では、月商の2ヵ月から3ヵ月が理想

・現金預金残高が、月商の0.5ヵ月を切ると倒産危険水域

手元流動性・・・(現預金+一時保有の有価証券)の期首・期末平均/売上高

全産業:10.2(1.2)、建設業:14.1(1.7)、製造業:10.7(1.3)、卸小売業:6.7(0.8)、サービス:11.7(1.4)

財務省『法人企業統計』平成17年度:()内は月換算

■手元流動性を高める3つの方法

  1. 外部からの資金調達(銀行借入・増資)で手元流動性を高めること
  2. 利益を貯めて(利益の内部留保)手元流動性を高めること
  3. 資金の流動化により手元流動を高めること

この3つの手法は、基本的に経営哲学の違いである。

■キャッシュを増やす7つの方法(ボストロム)

  1. 現金購入をやめ、リースにする
  2. 売掛金を回収する
  3. 前受金を増やすビジネスを行う
  4. 在庫を減らす
  5. 支払期限を延ばす
  6. 固定費用を変動費用にする
  7. 資金を調達する

■キャシュフローを確保する方法(日野上)

  • 現金取引に移行する
  • 手形取引はサイトを短くする
  • 棚卸資産を適量最小限にする
  • 不要資産を売却する
  • 借入金の返済は超長期にする

■キャッシュフローを改善するための主なポイント

  1. 売上を伸ばす
  2. 総利益率を改善する
  3. 経費を削減する
  4. 代金の回収を早める(一方で、支払いを延ばす)
  5. 在庫の回転を早め、負担を小さくする
  6. 資産のリストラを行う

■資金不足になる原因は大きくいって2種類しかない。それは、短期的な原因と長期的な原因の2つだけである。

  • 長期的な原因:①経常運転資金、②赤字資金、③設備投資資金
  • 短期的な原因:①つなぎ資金、②季節資金、③納税資金・賞与資金

■資金不足の原因

  1. 回収の約束を守れなかったための資金不足
  2. 見込み違いの仕入による過大在庫の支払資金不足
  3. 工事などが長引き支払が先行しての資金不足
  4. 数か月続いた売上不振による資金不足
  5. 赤字の現場が発生したための資金不足

上坂朋宏『会計士が贈る経営のヒント』、小宮一慶『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』、小宮一慶『「1秒!で財務諸表を読む方法」』、児玉尚彦『会社のお金はどこへ消えた?』、アレン・B・ボストロム/広瀬元義『イン・ザ・ブラック』あさ出版、日野上輝夫『社長!金を借りずに時間を借りなさい』、森脇彬『経営分析実務相談』、柴山政行『一目で見抜く!財務諸表解読法』、鯖田豊則『会社を目利きする50のポイント』、末松義章『倒産・粉飾を見分ける財務分析のしかた』、小堺桂悦郎『借金の王道』、棚橋隆司『これで企業財務はよみがえる!』、小宮一慶『社長の教科書』

認定課税:無利息貸付け

■親会社が子会社に無利息で金を貸した。この時、誰が課税されるのか。

課税されるのは、無利息貸付けを行った親会社である。つまり、親会社は子会社から利息を一旦受け取り(収益)、子会社へ寄附(経費)した。寄附金は無条件に経費とはならないので課税される。

現金   ×××  / 受取利息 ×××

寄附金  ×××  / 現金 ×××

一方、子会社は親会社に、一旦利息を支払い(経費)、利息を寄附された(収益)、経費と収益が両建てになり課税されない。なぜか。税務は会社の全ての行動を利益の追求行動と見ているからである。

支払利息 ××× / 現金 ×××

現金    ××× / 受贈益 ×××

■では、親父が子供に無利息で金を貸した。この時は誰が課税されるのか。

今度は子が課税される。個人間の行動は利益追求行動と見ないからである。単に貸したのであれば、利息を得した子に贈与税がかけられる。得しない親は課税されない。

上坂朋宏『会計士が贈る経営のヒント』、發知敏雄『税務調査の現場』

ランチェスター戦略

■もともとは、戦争における戦闘機の損害量の研究からある法則が発見され、それを企業の販売戦略として日本で応用したのが田岡信夫氏である。

弱者の戦略(第1法則)

  1. 局地戦で戦う
  2. 接近戦で戦う
  3. 一騎打ちで戦う・・・シェア比が3倍までなら逆転が容易。
  4. 一点集中で戦う・・・経営の80%以上を占める営業や商品開発の世界では、弱みに目を向けない、自社の強みや得意分野を一点集中して徹底的に伸ばす。√1.732なので四捨五入すると2、裏を返せば、2位を2倍引き離した1位なら優位に立てる。
  5. 陽動作戦をとる

強者の戦略(第2法則)

  1. 確率戦にもちこむ
  2. 総合戦で戦う
  3. 遠隔戦で戦う
  4. 短期決戦を狙う
  5. 誘導作戦をとる

ランチェスター戦略の3つのポイント

  1. ナンバーワン主義
  2. 弱いものいじめの原則
  3. 一点集中主義

■劣勢企業=弱者の社長がとるべき経営戦略(第1法則)

  1. 一騎打ち戦がしやすい商品を選ぶ
  2. 接近戦や一騎打ち戦がしやすい営業方法を決める
  3. そのためには接近戦や一騎打ち戦がしやすい特別な営業エリアを選ぶ

■「弱者の経営戦略」の概念のまとめ

  • 弱者は先発会社と差別化し、同じやり方をしない
  • 弱者は小規模1位主義、部分1位主義を狙え
  • 弱者は強い競争相手がいる業界には決して参入しない
  • 弱者は戦わずして勝ち、勝ちやすきに勝つことを狙う
  • 弱者は対象を細分化する
  • 弱者は目標を得意なもの一つに絞る
  • 弱者は軽装備で資金の固定化を防ぐ
  • 弱者は目標に対して持てる力のすべてを集中する
  • 弱者は競争相手に知られないよう、静かに行動する

■優勢企業=強者の社長がとるべき経営戦略(第2法則)

  1. 間隔戦や広域戦がしやすい商品を選ぶ
  2. 間隔戦や広域戦がしやすい営業方法を決める
  3. そのためには利用者の数が多い大都市を重視する

■強者の条件とは、①1位であること、②市場占有率26%以上を確保していること、③2位との間に収益力で10対6以上の差をつけていること(竹田)。

この3つの条件を満たす強者は1000社中5社しかりません。残りの995社は弱者です。そうすると、中小企業は弱者としての戦略を練らなければならないということです。

■ランチェスター戦略では40%以上のマーケットシェアを独占的にとることをNo.1の条件とするのだが、通常圧勝とか完勝とよばれる勝ち方は次の三つの条件を満たしていることだ。

  1. 二位の倍以上の占有率か売上高をとること
  2. 二位と三位の合計以上の占有率か売上高をとること
  3. 四〇%以上のシェア又は売上を占めてしまうこと

田岡信夫『社長の営業戦略』、野口吉昭『セルフコンサルティング』、岩佐孝彦『社長は「会社のお金」をこう残せ!』、小山昇『社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!』、岩佐孝彦『小さな会社の社長のお金を残すために絶対必要な本』、竹田陽一『小さな会社儲けのルール』

損金:売上割戻し

得意先に対して売上割戻しを行っている。その算定基準は会社内部では決めているが、得意先には伝えていない。

売上割戻しの計上時期は、原則として次の通りです。

  • 算定基準を販売価額や販売数量により決めており、かつ、その算定基準が得意先に明示されている場合→その商品を販売した日か割戻し額を通知または支払った日
  • 上記以外の場合→割戻し額の通知を受けた日、または支払った日

本ケースの場合、算定基準を得意先に伝えていないので、売上割戻しを計上できる期は、割戻し額の通知を受けた日または支払った日となります。

林卓也『やってはいけない会計・税務50の落とし穴』

益金:仕入割戻し

仕入割戻しの計上時期は、次の通りです。

  • その算定基準が販売価額や販売数量によっており、かつ、その算定基準が相手に明示されているもの→割戻しの対象となる商品を購入した日
  • 上記以外の仕入割戻し→その仕入割戻しの通知を受けた日

法人事業概況説明書

概況書は、法定書類に格上げされました。

概況書には当期の営業成績の概要という部分があります。ここには営業成績の概要を記載するのですが、それ以外のことを書いちゃダメとはどこにも書いていないんです。だったら、どんどん活用しましょう。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hojin/010705/pdf/021_01.pdf

http://www.zsk.ne.jp/zeikei552/kiji2.html

http://www.zeiken.co.jp/wtax/tax20060925_03.htm

ウエスタン安藤『決算書の読み方』

クープマンの目標値の相対的安定シェア

■クープマンの目標値は、ランチェスターの法則をもとに、コロンビア大学の数学教授であったクープマンらによって研究され、モデル式が作成され実際に戦闘で多大な成果を収めたものであり、マーケット・シェアを語る時に応用されるようになった。

  • 73.9%・・・・・・・・独占的市場シェア(上限目標値:この目標はいわゆる独占の条件であって、競合数によらない)。競合者の数によらず独占状態が生じて、その地位は絶対的に安全となる。
  • 41.7%・・・・・・・・相対的安定シェア(安定目標値:この目標は複数の競合における当面の一時目標となる)。3者以上の競合者の間で、その地位は圧倒的に有利となり事後の立場が安定する。
  • 26.1%・・・・・・・・差別的優位シェア(下限目標値:この目標はいわゆる劣位の下限であって、1位であっても安定していない)。はじめてドングリの背くらべ状態から脱して、トップの地位にたつことができる。
  • 19.3%・・・・・・・・並列的上位シェア
  • 10.9%・・・・・・・・市場的認知シェア
  •   6.8%・・・・・・・・市場的存在シェア

■4割というシェアは占拠率の“二百三高地”といわれている。73.9%と26.1という数値は、戦力量という量の基準であるのに対して、この40%という数値の意味は、量と質を分ける条件と考えたらよい。つまり、「量から質へ」という言葉があるが、量というものは、40%以上というレベルまでに達すれば、もはや量の問題ではなく、質のレベルに移行し出したと考えてよい。いいかえれば、シェアが40%になるということは、質的にNo.1になる条件を満たしたと考えるのである。

野口吉昭『セルフコンサルティング』、田岡信夫『社長の営業戦略』

個別注記表

■会社法上の計算書類

  1. 貸借対照表
  2. 損益計算書
  3. 株主資本等変動計算書
  4. 個別注記表

■中小会社に要求される個別注記表の内容

  1. 重要な会計方針に係る事項に関する注記
  2. 株主資本等変動計算書に関する注記
  3. その他の注記

個別注記表の中になぜその勘定科目の残高が大きく増減したのかという理由を開示しておきましょう。その理由が納得のいくものであれば、それが原因となる税務調査はなくなる可能性が大きくなるんです。それが何かがわからないから見に来るのが税務調査ですから。

■会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型(経団連)

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/087.pdf

■中小企業の会計に関する指針

http://www.nichizeiren.or.jp/taxaccount/pdf/chusyokaikei090417.pdf

■『中小企業の会計に関する指針』の適用に関するチェックリスト

http://www.nichizeiren.or.jp/taxaccount/pdf/checklist080522.pdf

ウエスタン安藤『決算書の読み方』、高田直芳『実例でわかる新しい決算書のつくり方』、武田隆二『最新財務諸表論』

棚卸資産:作業くず

作業くずは、棚卸資産です。

第十条  法第二条第二十号棚卸資産の意義)に規定する政令で定める資産は、次に掲げる資産とする。
 商品又は製品(副産物及び作業くずを含む。)
 半製品
 仕掛品(半成工事を含む。)
 主要原材料
 補助原材料
 消耗品で貯蔵中のもの
 前各号に掲げる資産に準ずるもの

素材の値段で売却できるもの、あるいは材料に戻して再び使えるものは、製品の原価を正しくとらえるためにも、くずとして棚卸に計上する。また、売却した時も雑益ではなく、材料費から差し引く形で処理する。

陣川公平『勘定科目の処理がすぐにできる事典』、ウエスタン安藤『決算書の読み方』

2009年5月 2日 (土)

益金:不動産仲介・あっせん手数料の収益の帰属時期

原則:取引事業者間で売買契約が成立した日。

例外:取引が完了した日(一般的には鍵を引き渡した日)、ただし、継続適用が条件。取引完了日前に現実にお金をもらっている分があればもらった日。

(不動産の仲介あっせん報酬の帰属の時期)

2-1-11 土地、建物等の売買、交換又は賃貸借(以下2-1-11において「売買等」という。)の仲介又はあっせんをしたことにより受ける報酬の額は、原則としてその売買等に係る契約の効力が発生した日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、法人が、売買又は交換の仲介又はあっせんをしたことにより受ける報酬の額について、継続して当該契約に係る取引の完了した日(同日前に実際に収受した金額があるときは、当該金額についてはその収受した日)の属する事業年度の益金の額に算入しているときは、これを認める。

益金:ビール券の発行

酒屋だが、ビール券をお客様が商品と交換した日をもって売上に計上している。

原則:ビール券を発行した日

例外:ビール券を発行した期ごとに区分して管理している場合は、商品の引渡しがあった日。ただし、税務署長の確認を受けていれば、商品をまだ渡していない分については、ビール券を発行した期の翌期の初日から3年目の期に売上を計上できます。売上の計上時期を遅らせたければ、そちらも検討してみましょう。

林卓也『やってはいけない会計・税務50の落とし穴』

交際費:リベート(売上割戻し)

得意先にリベートを支払い、売上割戻しにしてもらうことにした。

相手先との契約書などがないときは、交際費とされる場合があります。リベートの算定基準を明確にした当社の内部規定・議事録を作成し、支払方法・支払時期なども相手に通知(契約書など)しておけば、後から問題になりません。確定申告書の提出期限までに、算定基準を相手に通知していれば、継続適用を条件に、期末での売上割戻しの未払計上が認められます。

■売上割戻しの計上時期は、原則として次の通りです。

・算定基準を販売価額や販売数量により決めており、かつ、その算定基準が得意先に明示されている場合→その商品を販売した日か割戻し額を通知又は支払った日

・上記以外の場合→割戻し額の通知を受けた日、又は支払った日

(注)売上割戻しとは、一定期間に多額または多量の取引をした得意先に対する売上代金の返礼額等をいう(財規ガイドライン)

林卓也『会計・税務50の落とし穴』、陣川公平『勘定科目の処理がすぐにできる事典』

PPM(Product Portfolio Management)

■企業が成功を収めるためには、異なった成長率と、異なったマーケットシェアが持つ、複数の製品群から構成されるポートフォリオを持たなければならない。このポートフォリオの構成は、各製品が生み出すキャッシュフローと密接な関係がある。成長率が高い製品は、成長を持続させるためのキャッシュを必要とする。成長率が低い製品は、余剰キャッシュを生み出さなければならない。企業は、これらの双方を同時に持つ必要がある。

ある製品が生み出すキャッシュフローは、次の4つの法則によって定められる。

  • 法則1:ある製品の利益率とその製品が生み出すキャッシュは、製品のマーケットシェアに比例する。高い利益率は高いマーケットシェアによって実現する。これは、「経験曲線効果」によって説明できる普遍的な事象である
  • 法則2:成長を持続するには、成長を支える資産を購入するためのキャッシュが必要である。一定のマーケットシェアを維持するために必要とされるキャッシュの量は、製品の成長率に比例する
  • 法則3:高いマーケットシェアを実現するためには、自力で他社のシェアを奪い取るか、他者を買収しなければならない。他者の買収によるマーケットシェアの拡大には、より多額の投資(=キャッシュ)を必要とする
  • 法則4:永久に成長し続ける製品は存在しない。成長が減速したときには、それまでの見返りが得られなければならない(この段階で見返りが得られない場合、他のどの段階でも見返りを得ることは決してできない)。ここでいう「見返り」とは、製品の成長を支えるための再投資が不要となったことから創出される余剰のキャッシュである

■PPMは、市場成長率と市場シェアの2次元で個々の事業単位を位置付け、カネ(キャッシュ)の流れをコントロールして会社全体として適切な利益と成長を達成するための方法である。PPMでは、このキャッシュ(現金)がどこで生み出され、どこで必要になるかということが唯一最大の関心ごとである。

市場成長率 花形製品 問題児
   
   
金のなる木 負け犬
   
   
相対市場シェア

この図には、3つの情報が盛り込まれる。第1に、横軸は市場シェアを表している。相対市場シェアというのは、自社を除く業界他社のうち最大手と自社のシェア比である。2つめの情報は縦軸の市場成長率である。3つめの情報は製品の売上高である。

自社の市場シェアが低く、キャッシュを食うのは、問題児。順調に育てば将来大量のキャッシュを生み出す事業になるのは、花形製品。大量のキャッシュを今現在生み出しているのは、金のなる木。既に勝負のついてしまった業界でトップになれなかった事業は、負け犬

■まず、成長率が高く、市場シェアが低い象限です。これを問題児(クエスチョンマーク?)といいます。企業が通常、商品を市場に参入させるときは、ここからのスタートとなります。ここに、ビジネスの種(シーズ)を蒔きます。どうなるのか分からないのでクエスチョンマークです。

次に問題児が成長し、成長率が高い状態で、シェアも高くなると、「スター」になります。

そして、そのスターの成長率が落ちたものが「金のなる木」で、成長率が低く、シェアの高い状態です。

また、一方で、クエスチョンマークに参入したものの、シェアが取れずに、成長率も落ちてしまったものが「負け犬」です。このような状態では、製品や事業を継続することが難しい場合も多く、撤退することもあります。

■PPMとキャッシュフローの関係を見てみましょう。

問題児では、初期の算入ですから、開発費用、プロモーション費用や営業費用がかかり、また、損益分岐点にもなかなか達しないために、キャッシュフローは通常、マイナスとなることが多くなります。

スターに昇格したらどうでしょうか。キャシュフローは改善するように思えますが、高成長市場で、また、成功事例を見て他者も次々と算入してくるため、広告宣伝費などのプロモーション費用や販売地域拡大のための営業費用が多くかかりキャッシュフローは大きく改善しない、場合によっては、シェア確保のために出費がかさみマイナスということにもなりかねません。

一番キャッシュフローを生むのは、金のなる木です。成長率は低くなり市場は成熟しますが、新規参入は減り、逆に製品認知度が高まるため、多額のプロモーション費用を必要としません。また、製品開発費用もそれほど必要としないためです。この金のなる木に到達して、はじめて製品が潤沢なキャッシュフローを生むようになるのです。

負け犬はキャッシュフローを生みません。キャッシュフローがマイナスとなることも多いのですが、プロモーション費用も多くかけないので、わずかですがキャッシュフローがプラスということもあります。中小企業がこの負け犬の状態でキャッシュフローをわずかに生みながら、生き延びていくこともあります。

いずれにしても、金のなる木をどれだけの数、またどれくらいの期間持てるかが、企業にとっては非常に重要になります。金のなる木で稼いで、その稼いだキャッシュフローを製品開発などに使い、次々と問題児に新製品を投入でき、次世代のスターや金のなる木を育てていけるのが強い会社ということになるでしょう。

沼上幹『わかりやすいマーケティング戦略』、小宮一慶『「1秒!で財務諸表を読む方法」』、マーク・コゼンティーノ『戦略コンサルティング・ファームの面接試験』

益金:決算締切日

決算は3月31日だが、得意先の締め日に合わせて3月20日までの売上を計上した。

ここで問題になるのは、この決算月の21日から31日までの10日分で、この10日分の得意先に販売した分についても、納品書をチェックして売上げを計上しなければなりません。

売上の計上もれとは、そもそも仕入という費用が発生しているのに、売上という収益が発生していない場合に生じます。

実務上にはこの売上がもれていても、その分の商品等が棚卸として計上してあれば、税務調査でもそんなにうるさく言われません。

ただし、

(決算締切日)

2-6-1 法人が、商慣習その他相当の理由により、各事業年度に係る収入及び支出の計算の基礎となる決算締切日を継続してその事業年度終了の日以前おおむね10日以内の一定の日としている場合には、これを認める。

なお、事業年度末日以外の日を決算締切日とする場合は、すべての収入・支出について、これを適用する必要は無く、実務上必要と認められる項目のみ事業年度の末日以外の日を決算締切日とし、事業年度末日で締め切ることに支障のない収支は原則どおり事業年度末日を締切日として差し支えないと考えられます。

先の通達は「継続して」締日で決算している場合には「これを認める」としていて、費用と収益の対応については規定していない。規定がないということは、締日優先でかまわないということである。第一、いかなる場合にも費用と収益を対応させなければならないとするなら、この通達の規定そのものが否定されることになる。

ただし、棚卸資産に限っては、締切日である20日現在の残高を計上しなければなりませんから、注意してください。

林卓也『やってはいけない会計・税務50の落とし穴』、PWS『法人税重要事例400』、山田朝一『「会社の税金」これで2割は安くなる!』、薄井逸走『法人税調査はズバリ!ここを見る』

SWOT分析

■SWOT分析とは

SWOT分析とは、戦略形成の過程で、「組織を取り巻く外部環境に潜む機会や脅威(Opportunities & Threats)を考慮した上で、その組織の強みと弱み(Strengths & Weaknesses)を評価する」ことである。

プラス要素 Strength Opportunity
(強み) (機会)
マイナス要素 Weakness Threat
(弱み) (脅威)
自社要因

環境要因

ドラッカーも、自社のコアコンピタンス(独自の強み)は何か?と絶えず自問せよ、と教えている。経営者が不得手なことを決して自ら手がけないことが肝心だとも言う。

■SWOT分析の限界

  1. 分析という手段が目的になること
  2. 分析で作る戦略では差別化できないこと・・・机の上で事業計画を作る人たちのなかに、リスクをとる勇気のある人はあまりいません。リスクをとる勇気のない人たちが作る計画は多くの人が納得する計画です。みなが納得するリスクのない計画は、結局だれもができる計画なのです。だから差が生まれてこないのです。
  3. 分析では強みを創り出せないこと

ミンツバーグ『戦略サファリ』、山崎元『エコノミック恋愛術』、櫻井通晴『管理会計』

経営者が頭に入れておくべき数字とは?

経営者は、次に掲げるポイントが頭に入っており、なおかつ数字やグラフに表すことができなければ、正しい経営判断を行うことができません。これがすなわち、「会社の数字を知り、理解する」ということです。

  • 現在の手持ち現金額は
  • 売掛金の合計は
  • それぞれの支払い期限は
  • 月末の支払いの総額は
  • 売れ筋商品は何か
  • 主な利益源は何か
  • 在庫の中に廃番品、時代遅れの製品があるか
  • 額の大きな経費は何で、それはいくらか
  • 人件費の総額は
  • 過去3年間で特に増えた経費は
  • 誰がいちばん買ってくれているのか
  • 今年増えた新規のお客様の数は
  • 3年以上続けて購入してくれる人は全体の何%
  • 1度だけ買ったきり、1年以上買わない人の数は

ボストロム・広瀬元義『イン・ザ・ブラック』

納税義務者:公益法人とNPO法人の納税義務

■公益法人であっても、収益事業には法人税が課税されます。

次の3つの要件をすべて満たすと、収益事業に該当します

  1. 政令で定める33事業に該当すること
  2. 継続して事業が営まれていること
  3. 事業場を設けて営まれていること

NPO法人であっても、公益法人と同じ要件で、法人税等が課税されます。

■宗教法人の納税義務

公益法人である宗教法人が免税である事実はよく知られています。読経などの純然たる宗教行為や、お布施代や戒名料などはどれだけいただいても免税です。しかし、教義を流布するための優良の機関紙等の発行や駐車場収入などは収益事業とみなされて、課税対象となっています。

宗教活動に関わる建物や土地についての固定資産税も免税です。

住職さんがなくなった場合でも円滑に事業承継できるようにと、相続税も大幅に非課税とされています。

■税務調査

NPO法人や宗教法に対しては、源泉所得税に特化した調査が行われます。職員が給料以外に、法人から利益供与を受けていないか、法人のお金を勝手に使っていないか、ということを中心に調査されます。

林卓也『やってはいけない!会計・税務50の落とし穴』、今村仁『税金を払う人、もらう人』、大村大次郎『社長!税務調査はこうして乗り切れ』

振込手数料は売り手、買い手、どちらが負担すべき?

■結論は、契約時に振込手数料の負担に関して取り決めていない場合、決まりはありません。

考え方としては、本来売り手側が代金を集金に行っていたのを、買い手側(お客)が振り込んでくれるわけですので、売り手側は集金にかかっていた交通費や人件費を節約できるわけです。

買い手側としては、逆に振込手数料と振込作業コストが発生してしまいます。したがって、通常、振込手数料は売り手側が負担するのが一般的です。

児玉尚彦『ココまでできる経理の合理化』

■振込手数料をどちらが負担するかについては、契約時に決めておく必要があります。一般的には、売主に集金義務があることから、手数料が差し引かれて支払われます。

商法第1条第2項

民法第485条(弁済の費用)・・・つまり振込手数料は、「弁済の費用」にあたるので「債務者」である購買側が負担するのが原則ということです。

しかし、法律の話ではなく、ビジネスの話では、「代金回収は販売側が集金に行くべきで、集金にいけば、印紙代や交通費などの経費がかかってしまう。それを、お客様が振り込んでくれるのだから、振込手数料は販売側で負担すべきだ」という考えが多いようです。

「72の法則」って?

これは、「複利で運用した場合、72を利回りで割った年数で資産が倍増する」というものです。

例えば、6%の利回りだと元金が倍になるのに12年(72÷6)、3%だと24年(72÷3)かかるということになります。

小宮一慶『お金を知る技術殖やす技術』

借りられるローン額の目安って、いくらだろう?

そのためには、借りられるローン額は、月々いくら払えるのか、から逆算します。

まず、「月々5万円払える人は、1000万円借りられる」という数字と、「ボーナスで30万円払える人は、1000万円借りられる」という、ふたつの数字を覚えてください。これで、借りられるローン額が、すべて計算できます。

例えば、月々5万円払えて、なおかつボーナスで30万円払える人は、2000万円借りられるわけです。

こうして、月々支払える額と、ボーナスで払える額をそれぞれ出し、足した金額から計算できるローン額が、自分が払える安全圏の額です。そして、このローン額に頭金を足した額が、あなたが買える物件の価格なのです。また、購入時にかかる諸費用も、お忘れなく。

荻原博子『7つのお金で一生困らない!』

2009年5月 1日 (金)

ブレーン・ストーミングの方法

■ブレーン・ストーミングとは

一般に問題解決に当って論理的思考過程を踏むのではなく自由奔放に創造的な発想からアイディアを産み出そうとするもにブレーン・ストーミングがあります。

ブレーン・ストーミングとは、何人かのグループが、ぜったいに他人を批判せず現実的可能性の有無にかかわらず、自由奔放な考えを発表し合うものである(多湖輝)。

1941年アメリカのオズボーンが広告分野のアイディアを引き出すだめに開発した技法です。

a.ブレーン・ストーミングの基本ルール

  1. 他人のアイディアの批判は絶対にしてはならない
  2. アイディアは自由奔放、突飛なアイディアを歓迎する
  3. アイディアは多ければ多いほどよい。量は質を生み出す
  4. 出されたアイディアを組合わせ、改善し、変更して発展させる

b.ブレーン・ストーミングの進め方

  1. メンバーを5~10人集める。異なる職場、職種の人の参加を望む
  2. リーダーと記録係をおく。必要あればそれぞれにアシスタントをおく
  3. ルールに従って全員からアイディアを出し合う(量の追究)
  4. アイディアは全員にわかるように黒板か紙に記録する
  5. 会合時間は30分から1時間ぐらいに留める
  6. リーダーは発言しやすい雰囲気づくりを心掛ける。発言しない人を指名して発言を求める。批判が出たらうまく抑える。自分の発言は控えてメンバーの発言を誘発させる、などに留意する。(雰囲気が大切)(批判・規制の禁止)(結合・相乗効果の推進)
  7. 会合終了後、アイディアを分類、整理し、できれば専門担当者を交えて検討し、実践化をはかる

■ブレーン・ストーミングの問題点

  1. ある人の突出した意見にみんなが流されてしまう傾向があるため、おもしろい意見を出した人の案に引きずられて、ブレーン・ストーミングが進んでいってしまう。あるいは、まったく別の発想が逆に浮かびにくくなってしまう。
  2. 集団になると、リードする人とリードされる人が生まれてくることが多い。「集団的手抜き」によって「誰かがいい案を出すだろう」という依存的な発想も出てきやすい。
  3. 誰かが「それ、おもしろいね」と言い、別の人も「それはいいね」という評価をすると、同調効果で、集団の意見に流されてしまう場合もある。
  4. 本当にアイデアを出し合うのであれば、事前に宿題を出しておき、紙に書いてきてもらって、順番に発表していくほうがいい。
  5. 出されてきたアイデアをすべて評価せねばならない。アイデアの多くは愚劣か、全くの見当外れであり、それらは数少ない真に適切なアイデアに到達するまでに切り捨てざるを得ない。

■MBS(Management Brain Storming)・・・ブレーン・ストーミングの実務版

MBSは、「会議のリーダーにかなりの指導力がないと、口べたな人や、気弱な人は発言が難しい」「自分のアイデアの真意が、その場のメンバーにどれほど理解されたかについての不安が残る」といった従来のブレーン・ストーミングの欠陥を是正するものである。では、MBSの手順を次に示そう。

  1. 各人が、思いついたアイデアを具体的にメモ用紙に書く・・・口頭でどんどん発言するだけでなく、事前にメモに書くというところに、ブレーン・ストーミングの中味を濃くするポイントがある。
  2. メモに記入したものを順次発表する・・・順番のこない者は、発表を聞きながら、見落としていたこと、他のメンバーの発表に触発されて思いついたことをメモに追加記入する。アイデアが出つくしたと思われるまで、ぐるぐる回すが、出されたアイデアは書記役がホワイトボードに列記していく。アイデアの相乗効果を最大限に引き出すことに狙いがある。
  3. 出されたアイデアの背景を各発言者が説明する。
  4. 全員で、出されたアイデアを実現させるにはどうしたらよいかを討議する。

桑田秀夫『生産管理概論』、和田秀樹『「判断力」の磨き方』、後正武『論理的思考と発想の技術』、ILO『経営コンサルティング』、小林裕『問題解決力をつける』、植島啓司『「頭がよい」って何だろう』

負債の部:買掛金・未払金・未払費用の違いって?

■その1

買掛金とは、仕入先との通常の取引に基づいて発生した営業上の未払金。例えば、商品・原材料の仕入れや外注加工費。

未払金とは、通常の取引関連して発生する未払金で、相手からの給付が完了し、債務が確定しているものをいいます。例えば、車代。

未払費用は、一定の契約に基づき、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対して、いまだその対価の支払いの終わらないものをいいます。相手からのサービスが提供されているにもかかわらず、支払期限がまだなので、未払いになっているものは未払費用として、当期の費用に計上しなければなりません。例えば、給料。

企業会計上は、支払期限が来ているかどうかで「未払金」「未払費用」のどちらにするかを判断します。

ただ、実務上は、資産などを購入した場合は「未払金」、費用を購入した場合は「未払費用」としている場合が多いと思います。

■その2

商品や原材料など、企業の営業循環と直接的に関係する財貨の購入代金を支払っていない場合が買掛金である。これに対し未払金は、機械や有価証券などのように、営業循環のステップには含まれない財貨を購入した場合の未払代金である。

林卓也『やってはいけない会計・税務50の落とし穴』

一般原則:勘定科目を変更したい!

■科目変更してもよいのですが、継続性の原則が重要です。前期との(増減)比較ができなくなります

■勘定科目体系の作成にあたっては、以下の指摘が優れています。

  1. 法的規制・・・法的なきまりだけは最低基準として守る必要がある。
  2. 会社目的・・・決算書が会社内部でどう使われるのか、何を知りたいのか、会社の働きをどういう形で数字に表したいのか、そういう内部目的によって勘定科目の種類、区別、内容、配列、詳しさ、粗さを定め、それぞれの勘定科目の中での会計処理手順(会社の働きを文字と数字でどう表現するかの作業)を定めるのである。
  3. 事務の簡明さ・・・簡明であることは、誰がやっても同じように処理ができるということである。
  4. 税法ベース・・・対象となった経済活動に対する税法上の諸規定を配慮した節税型の仕訳ができるように。

■詳しく知りたい費用については細目に分ける

陣川公平『勘定科目の処理がすぐにできる辞典』、楢山直樹『経営をよくする会計』

納税義務者:合同会社と有限責任事業組合が払うのは法人税?所得税?

■会社法では、株式会社持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)に分かれます。

株式会社では「所有と経営の分離」を前提、持分会社は「所有と経営の一致」を前提。

合同会社は別名「LLC:Limited Liability Company」と呼び、これまでと同じく、法人税法に則って、確定申告をします。

アメリカでは株式会社に匹敵するぐらい利用されている有限責任会社。出資した割合に関係なく、定款によって利益配当割合をきめることができる定款自治によって運営する制度である。

◇LLCの適正・活用方法

  • 法人としての信用を重視する場合
  • 永続的な事業を目指す場合
  • 安定的な収益の事業の場合(構成員課税による二重課税回避のメリットがあまりない)

◇LLCの有利性

LLPは法人格がないのに対して、LLCは法人格があります。財産の保全という観点からは、法人格のあるLLCの方が有利になります。また、LLPが第三者と契約を締結する場合、LLPには法人格がないため、契約の主体になれない(なりにくい)という欠点があります。将来、事業規模が大きくなり、株式会社に変更する場合には、法人格のあるLLCから株式会社への組織変更は容易ですが、法人格のないLLPでは、構成員全員の同意で一旦解散してから、新たに株式会社を設立するというように、手続きが複雑になります。

有限責任事業組合は別名「LLP:Limited Liability Partnership」と呼び、法人格はないので、組合員は会計帳簿の写しを交付して、組合員個々が所得税の申告をすることになります。

LLPには法人税課税がされず、構成員課税制度(パス・スルー課税)として、出資者の配当の段階になってはじめて直接課税されることになる。さらに、損失が出た場合には、その損失と出資者の本業での利益を損益通算し、納税額を少なくすることもできる。

LLPは、株式会社と同様に出資額以上の責任を負わず、民法組合と同様に、利益や権限の配分を出資比率とは関係なく決めることができる。日本版LLCと似ているが、根本的に違うのは、会社ではなく、組合であるということである。

LLPは、最低2人以上の組合員が必要。

◇LLPの3つの特徴

①有限責任性、②内部自治原則、③構成員課税(パス・スルー課税)

◇LLPの適正・活用方法

  • 出資者個人の信用を前面に出す場合
  • 期限のあるプロジェクト的な事業を行なう場合(創りやすく、解散しやすい)
  • ハイリスク・ハイリターンの事業の場合(構成員課税による二重課税回避のメリットが大きい)

◇LLPの有利性

LLCには、構成員課税が適用されずに、法人税が課されるのに対して、LLPには、構成員課税が適用されますから、課税面では圧倒的にLLPが有利ということになります。ただし、LLPの出資者が、各年度に所得と通算できる金額の上限は、出資額までとされています。

◇LLPに向いている事業者

  • サラリーマンが会社を続けながら試しに事業を起こす場合
  • 利益の増減が激しい事業
  • 初期投資が大きい事業
  • 会社にしなくてもいいけど、公的融資などを受けたい場合

■LLCとLLPの共通点・相違点

LLCとLLPとの共通点は、①有限責任性と②内部自治原則にありますが、一番の相違点は③構成員課税が適用されるか否かにあります。

武田隆二『最新財務諸表論』、林卓也『やってはいけない!会計・税務50の落とし穴』、岡本善英他『くらべてわかる会社実務の有利不利』、日野上輝夫他『“儲けたい儲かる儲かった”の実戦社長学』

減価償却:減価償却の機能

減価償却の機能?って。

まず、武田先生の説明。

減価償却の機能は、正規の減価償却による費用配分の方法により、有形固定資産に投下された拘束資本額を部分的に回収し、企業収益を通じ流動化することにある。つまり、「固定資本の流動化」という点に減価償却の主要な機能があるといってよい。

流動化した固定資本の一部は、取替資金として企業内部に留保され、新規資産の取得資金に充当される。かくて、減価償却は、「固定資本の流動化-資金の内部留保-固定資産の再調達」という関係を保証するものであるから、「自己金融機能」を果たし、もって資本維持をも可能ならしめる点にもその機能を認めることができる。(武田隆二『最新財務諸表論』)

なんだか難しい。。。。次の友岡先生の説明が、わかりやすい。

減価償却をおこなうことによって、その額(減価償却費の額)だけ利益が少なくなり、したがって、配当が少なくなり、(配当としての出資者(株主)に支払われて)企業の外に出てゆくカネが少なくなる。企業の外に出てゆくカネが少なくなるということは、すなわち、その分だけ企業の内部に資金が蓄積されということであって、将来、その固定資産がつかえなくなって取り替える必要が生じたときに、この資金をもって取り替え(新しいものの購入)をおこなうことができる。(友岡賛『会計の時代だ』)

           

京セラ会計学

以下の1~6までが総論、7~11までが貸借対照表関係、12~15までが損益計算書関係、16~19までが資金繰り関係。

  1. 経理を知らない者は真の経営者になれない
  2. 決算書を見て1年間のドラマが蘇えってくるか
  3. 儲けた利益がどうなっているのか知っているか
  4. アメーバの小集団単位で時間当たりの採算性を出しているのか
  5. 毎月の月次試算表を12ヵ月分したものが決算。利益となるような正確な月次決算を行っているか
  6. 毎月の月次決算は締切り後1週間以内にできているか
  7. 売掛金の入金チェックはカネとモノの1対1の対応で消し込んでいるか
  8. 商品の棚卸は社長が現場で確認しているか
  9. 不良資産はすみやかに整理しているか
  10. 機械設備は中古品も工夫して使っているか
  11. 不動産投資は工場増設のみにして浮利を追っていないか
  12. 売上と仕入の計上は1対1の対応で処理しているか
  13. モノが動けば売上、および仕入伝票も動くように1対1の対応で処理しているか
  14. 仕入の一斗買いはムダ遣いのもと。メーカーはメーカーに徹して生産で儲ける
  15. 損失になるものは早く落とし、収益になるものはできるだけ抑え将来に備える体制をつくっているか
  16. つねに土俵の真ん中で相撲をとっているか
  17. 資金運用は必ず元本保証でしているか
  18. 設備資金の借入返済額は(減価償却+税引後利益)の範囲になっているか
  19. 固定費の増加を徹底的に警戒しているか

「中小企業の社長は、ナンバー・ツーの給料の三倍は取れ」といっています。一つは本来の給料、一つは自宅を担保に入れることによる保証料、もう一つは倒産すれば全責任を負わされる心配料です。

納税時期のギリギリになって、社長が怒った理由。一つは、ギリギリになって担当者が税金の額を伝えたこと。もう一つは、明日への不安を理解してもらっていないこと。

田村繁和・小笠屋敦子『京セラに学ぶ新・会計経営のすべて』

 

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