減価償却:減価償却の機能
減価償却の機能?って。
まず、武田先生の説明。
減価償却の機能は、正規の減価償却による費用配分の方法により、有形固定資産に投下された拘束資本額を部分的に回収し、企業収益を通じ流動化することにある。つまり、「固定資本の流動化」という点に減価償却の主要な機能があるといってよい。
流動化した固定資本の一部は、取替資金として企業内部に留保され、新規資産の取得資金に充当される。かくて、減価償却は、「固定資本の流動化-資金の内部留保-固定資産の再調達」という関係を保証するものであるから、「自己金融機能」を果たし、もって資本維持をも可能ならしめる点にもその機能を認めることができる。(武田隆二『最新財務諸表論』)
なんだか難しい。。。。次の友岡先生の説明が、わかりやすい。
減価償却をおこなうことによって、その額(減価償却費の額)だけ利益が少なくなり、したがって、配当が少なくなり、(配当としての出資者(株主)に支払われて)企業の外に出てゆくカネが少なくなる。企業の外に出てゆくカネが少なくなるということは、すなわち、その分だけ企業の内部に資金が蓄積されるということであって、将来、その固定資産がつかえなくなって取り替える必要が生じたときに、この資金をもって取り替え(新しいものの購入)をおこなうことができる。(友岡賛『会計の時代だ』)
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恐縮です。
慶應義塾大学 友岡
投稿: 友岡賛 | 2009年5月12日 (火) 10時14分
もしかして、本当に先生でしょうか?
だったら、感激です。。。
投稿: コリンちゃん | 2009年5月17日 (日) 02時36分
証拠(?)は示せませんが、本当に本人です。
今後ともボクの本を宜しくお願いします。
慶應義塾大学 友岡
投稿: 友岡賛 | 2009年5月18日 (月) 11時04分