キャッシュ・フロー計算書による企業の分析
1.営業活動によるキャッシュ・フロー
- 売上債権の増加はその分だけ未収入が増えた、つまり売上と比べて収入が少なかったことを意味し、棚卸資産の増加はその金額だけ売上原価よりも仕入が多かったことを意味します。一方、仕入債務の増加はその分だけ未払いが増えた、つまり仕入と比べて支出が少なかったことを意味します
- “設備投資はキャッシュフローの範囲内で”とよく言われます。これは、毎年本業で稼いだ分のなかから設備の増強は賄いなさいということです。できるだけ、設備投資のとき、借入金に依存する金額を少なくするようにします
- CF計算書に限らず、「その他」の内容は必ず確認するようにしたいものです
- 売上債権の急増と棚卸資産の減少からは、期末近くの押込販売の疑いが濃厚です。押込販売は、本来棚卸資産として在庫計上されるべきものを売上債権として表示することになるため、売上債権の急増と棚卸資産の減少として表われることになるためです
- 営業活動によるCFは、仕入先への支払いを繰り延べるだけで増加することになります
- 当期純利益<営業活動によるCF⇒減価償却費等の支出を伴わない費用が多額であるなど資金的には健全な状態
- 当期純利益>営業活動によるCF⇒会社が急成長している場合を除いて資金的には不健全な状態
2.投資活動によるキャッシュ・フロー
- 投資有価証券と有形固定資産が売却にあたって損を計上している場合、損切りをしてまで資金が必要であったことが考えられます
3.財務活動によるキャッシュ・フロー
都井清史『新しい会計基準』
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