中小企業と財務分析
年商1億円以下の企業では経常利益はほとんど意味を持たない。経常利益は役員報酬でコントロールできる!。
人間が海面だと信じているものは、魚にとっては空気の屋根なのかもしれない。常識という言葉ほど怖い言葉はない。
中小企業は、打数に当たる分母が小さいので数値のブレが激しすぎる。
日本の法人税制の仕組みは、役員報酬を多く、利益を小さくしたほうが節税になるという傾向を持っている。
中小企業のための財務分析の手法というのが確立されていない。
財務指標は金融機関向けの数字。BSの科目の配置を変えるだけでも銀行の点数が全然変わってくる場合がある。
ジャック・ウェルチは、どんな小さな商店でも多国籍企業であっても、経営者が実際に使える指標が3つあると言っています。①社員のやる気、②顧客満足度、③キャッシュフロー。
キャッシュストックは決算期末のお金の状態を瞬間的にとらえた写真。キャッシュフローは期首から期末までのお金の流れを撮影した動画。
役員借入金は、オーナー企業の場合すぐに返済する必要がないのが普通だから、実質的に自己資本と考えてもいい。
中小企業の場合、借入金はすべてが利益によって返済されるのではなく、別の借入金によって返済されているんだ。となると、借入金の返済を戦略的にコントロールする必要がある。
10万円の経費を使えば10万円税金が安くなると思っているかのようだが、税率の概念がない。つまり、10万円の経費を使って減る税金は3万円ですから7万円のキャッシュは出ていくわけです。逆に何も使わなかったとしたら7万円のキャッシュは手元に残るはずです。
不要不急の設備投資以外は単なる資金の流出にすぎない。節税のみを理由とした設備投資はもってのほかである。
いざというときに備えて金利を払てでも手元に資金をキープしとかなあかん。
中小企業基本法で定義する中小企業の範囲は、製造業であれば資本金3億円あるいは従業員数300人の規模の会社まで含まれる。その幅は驚くほど広い。
■小さな会社の決算書を読むには12の数字を見るだけで十分
BS・・・・・①流動資産の計、②固定資産の計、③流動負債の計、④固定負債の計、⑤純資産の合計
PL・・・・・①売上高、②売上総利益、③営業利益、④支払利息、⑤手形割引料、⑥経常利益、⑦税引前当期純利益
■BSにおける社長の品格が表れる勘定科目
資産の部・・・仮払金、貸付金、ゴルフ会員権、受取手形
負債の部・・・役員借入金、短期借入金、長期借入金
■PLの数字は全社員でつくるものであり、BSの数字は社長が一人でつくるものである。
近藤学『「儲からない」と嘆く前に読む会計の本』、ウエスタン安藤『決算書の読み方』、楢山直樹『経営をよくする会計』、古田土満『掃除・挨拶・計画で会社は儲かる』
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