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2009年5月 5日 (火)

損益分岐点分析(break-even point)

損益分岐点(売上高)(break-even sales)

損益分岐点とは、売上高と費用が等しく、したがって利益も損失も生じない売上高である。

損益分岐点から離れれば離れるほど利益額だけでなく利益率も高くなる。

何かの事業を行う場合には必ずある程度の固定費がかかるけれども、一定の売上を超えることができれば固定費が回収できて、その固定費の回収後はどんどん利益が大きくなる。変動比率の低い事業は、ある一定の売上高を超えるとすごく儲かる。

固定費が多い会社ほど損益分岐点は高くなる。

損益分岐点売上高=固定費/(1-変動費率)=20/(1-0.55)=44

売上高

100 44
変動費 55 24
限界利益 45 20
固定費 20 20
営業利益 25 0

変動費は、売上高、生産高などいろいろなものに対して比例して生ずるものとして考えることができるが、損益分岐点の計算に用いる変動費は、売上高に対して比例する費用である。

損益分岐点比率

損益分岐点売上高/売上高=44/100=44%

  • 損益分岐点が売上高の何%にあたるか
  • 低いほど、企業の収益構造がすぐれている
  • この数値が100%になれば、赤字である
  • FM比率(固定費/粗利益)。いわゆる収益率

損益分岐点比率リスト

60%未満・・・・・超優良企業。余裕シャクシャク

60~80%・・・・・優良企業。少し余裕あり

81~90%・・・・・普通企業。マアマア

91~100%・・・・・損益分岐点企業。全く油断不可

100%超・・・・・赤字企業。社長交代。未来が危ない

■変動費型と固定費型

変動費型(限界利益率35%以下)

固定費型(限界利益率65%以上)

バランス型(限界利益率35%超65%未満)

■損益分岐点による業種の特徴

1.製造業(コストダウンによる固定費削減に努める)

  • 固定費が大きく、限界利益(30~50%)がやや大きい
  • 売上高が損益分岐点以下だと損失は大きく、以上だと利益は増え、そのテンポも大きい

2.サービス業(いかに固定費を回収できる売上高を確保するか)

  • 固定費が極端に大きく、限界利益も大きい
  • 売上高と限界利益がほぼイコール
  • 売上高が損益分岐点以下だと損失は大きく、以上だと利益は増大し、そのテンポも非常に大きい

3.卸売業(売上高を伸ばし利益を出す努力が必要)

  • ほとんどが変動費となり、限界利益(5~15%)が小さい
  • 限界利益がほぼ利益

4.小売業

  • 固定費が小さく、限界利益がやや小さくなる
  • 売上高が損益分岐点以下でも損失は小さく、以上でも、利益は増えるものの、そのテンポは小さい

■損益分岐点比率と売上高経常利益率

中小企業の理想的な損益分岐点比率を80%であるとし、損益分岐点比率が80%になるような売上高経常利益率は、粗利益率に20%を掛けた数字であるということに気づきました。

  • 粗利益率100%の会社の売上高経常利益率→20%が目安
  • 粗利益率50%の会社の売上高経常利益率→10%が目安
  • 粗利益率25%の会社の売上高経常利益率→5%が目安
  • 粗利益率10%の会社の売上高経常利益率→2%が目安

安全率(margin of safety:M/S)

売上高が損益分岐点の売上高を越える場合のその超過額であり、金額であらわすこともあれば、その他の数量単位、あるいは比率であらわすこともある。

(売上高-損益分岐点売上高)/売上高=(100-44)/100=56%

(現在の売上高-損益分岐点の売上高)=安全余裕額

安全余裕率=安全余裕額/現在の売上高

  • 売上が56%落ちたら、損益分岐点に落ちる
  • 売上が損益分岐点を超え、離れているほど安全
  • どれほど離れているかを、売上を基準として、%で示した指標
  • 損益分岐点比率が下がるほど、安全率は高くなる

■損益分岐点比率と安全率の関係

損益分岐点比率+安全率=100%

損益分岐点比率=100%-安全率

経営安全率

経営安全率=経常利益/限界利益

経営安全率とは、今の売上があと何パーセント下がったら利益がゼロになるか、あと何%落ちても赤字にはならないか、つまり収益と支出がトントンになるかを見る指標です。また、仮に売上がどこまでなら下がっても赤字企業にはならないのかを知ることができる指標でもあります。ですから、経営安全率は「経営余裕率」ともいえるのです。私は社長さんに、経営安全率15%以上を目指すことをお勧めしています。

■粗利益率の高い業種は数量戦略、低い業種は価格戦略をとるのが正しい。

■損益分岐点売上高の段階的把握

1.営業利益段階=固定費(販管費)/売上総利益率

2.経常利益段階=(固定費+支払利息)/売上総利益率

これは、経常利益、金利を支払った後の利益をゼロにするためには、一体いくらの売上が必要かの計算です。

3.余裕売上高=実際の売上高-損益分岐点売上高

この余裕売上高が減ってくると、いつか赤字に転落します。

■損益分岐点分析の前提・限界

  1. 製品の組み合せ(プロダクト・ミックス)が一定であること
  2. 固定費がつねに一定であること
  3. 変動費率がつねに一定であること
  4. 特別な異常項目がないこと
  5. 固定費は固定せず、変動費は比例せず。結局、この計算はラフにやれば、それなりに効果がある

■貢献利益

アメリカでは、一般的に、売上高から変動費を控除した利益を貢献利益(contribution margin)と呼ぶ。貢献利益は何に対する貢献かによって、次の4つに分類される。(末政芳信『利益図表の展開』)

  1. 統制不能原価および利益に対する貢献
  2. 意思決定によって影響されない原価および利益に対する貢献
  3. 共通費および利益に対する貢献
  4. 固定費および利益に対する貢献

岡本清『原価計算』、加登豊・李建『ケースブックコストマネジメント』、森脇彬『経営分析実務相談』、勝間和代『年収10倍アップ時間投資法』、楢山直樹『経営をよくする会計』、アレン・B・ボストロム『イン・ザ・ブラック』、小宮一慶『「1秒!で財務諸表を読む方法」』、古田土満『掃除・挨拶・計画で会社は儲かる』、北岡修一『ココまでできる儲かる会計』、山上達人『現代企業の経営分析』、舛田精一『経理部長の感覚』、棚橋隆司他『これで企業財務はよみがえる!』、上坂会計編『社員10人までの小さな会社の資金繰りがよくわかる本』、石上芳男『「会社の数字」ここを押さえれば簡単だ!』、コーラー『会計学辞典』、池田正明『できる人の決算書の読み方』、竹森一正他『テキスト管理会計』、平松陽一『超入門会社の数字がみるみるわかる本』

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