シックスシグマ
シックスシグマは、米国のモトローラ社で開発された手法ですが、1996年にGEがこの手法をベースとした「クオリティ2000計画」の実施を公表したことで、一躍有名になりました。
シグマ(σ)のもともとの意味は、標準偏差のことです。日本のTQC実践では、一般に3σが品質不良ないし工程内異常を判断する際の目安とされ、QC7つ道具の1つである管理図における管理限界線もここに引かれています。正規分布における±3σの範囲内には全体の99.73%が含まれますから、一見するとそれは高い品質レベルのように見えます。しかし、これを100万機会あたり欠陥率(Defect Per Million Opportunity:DPMO)で考えると2700回は欠陥が発生することになり、けっして良質な品質レベルとはいえません。しかし、品質分布は、短期的にはともかく、長期には±1.5σ程度のブレが生ずると考えられるため、分布の平均をその分だけずらすと、3σレベルのDPMOは実に6万6807回にもなってしまうのです。
シックスシグマでは、DPMOでは3.4回(3.4ppm)に相当します。しかも、それは上述の±1.5σのシフトを考慮した上での話であり、この調整を行わないとしたら、6σはDPMOで0.002回という、ほとんどパーフェクトに近い品質レベルということができます。
シックスシグマでは、生産工程だけでなくサービスや管理部門の業務効率化を視野に含めた幅広いアプローチがとられることがまず特徴としてあげられます。シックスシグマはかつてのBPRのように、顧客満足の視点に立って経営プロセスのいたる所に潜む無駄や非効率を見直そうとする全社的な業務革新運動といえます。
伊藤嘉博『コストマネジメント入門』、加登豊『管理会計入門』
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