小山昇論
■貸借対照表
- 現状と1年後の目標を見比べ、その間の数字ならOK。そこからはみ出していたら(増減両方)、原因をチェック
- 資産の部はより上位、負債の部はより下位へ数字を移す
- 在庫は資産ではなく「死産」と考えろ
■損益計算書
- 粗利益率が低い会社は益率管理が何より重要。会社の利益額に大きな影響があるのは、売上より粗利益率です。事業構造を見誤ると、経営は一気に危機に陥ります。見るべき数字は事業構造によって変わるということです
- 粗利益が固定費を下回れば会社は赤字です。粗利益額が固定費を賄えているかどうか。経営に重要なモノサシは売上ではなく粗利益である
- 売上の伸び以上に営業利益が伸びるのは、売上が大きくなっても、人件費をはじめとした内部費用が占める割合がほとんど増えないからです
- 攻めの経費は、新規事業等にどのくらい投資できるかを計画して、失敗したときは切り捨てて会社を守るための保険です
■資金繰り
- 支払手形を発行している会社は、売上ダウンが命取りになる。支払手形による決済は、つねに倒産の危機と背中合わせです
- 資金ショートのリスクを察知するのは、社長か経理担当社員にしかできない仕事です
- PLで黒字になっているとそこで安心して、資金繰りは何とかなると高をくくってしまう。それが会社を窮地に陥れるのです
■数字
- 数字を追いかけるのは「異常値」をいち早くつかむため
- 重要成功要因をデータ分析からあぶり出す
- 多くの社長は、因果関係を勘と経験則で導き出そうとする。それが間違いのもとです
- 「2カ月後の売上に出る」など、法則を見つける
- 経営は過去計算ではなく、未来計算で考えるべきです。経常利益はいくら、そのためには経費はいくら使い、いくらの売上を上げるというように、最初に結果を決め、その実現手段を逆算して決めていくのが本当の経営計画です
- 会社の数字は「率」ではなく「額」で考える
- アクションにつながらない分析は意味がない。やるだけムダです
- 税理士等が教えてくるのは、10を3で割ったら1が余るという教科書的な計算まで。余った1をどうするのかを考えるのが経営なのに、それは彼らもよくわかっていません
- 財務諸表だけでなく、販売数、在庫数や客数など日々の業務で出てくる数字も、実態に即していなければ意味がない
- 年計グラフが下向きになったら、それが最初のサインです
- 1年目は利益に優先して売上を見ます。2年目からは利益をチェック。3年目は損益分岐点を下回らないことが事業存続の条件です
- 赤字部門があれば、まず他社へ部門ごと売却することが考えられます。もうひとつは、とりあえず損益分岐点まで人を減らす方法です
- 無借金になると、社長も幹部もヤレヤレと安心し、社内にバイタリティがなくなるので注意が必要です
- 決めた額以上に稼いだら、投資のための原資にあてる
- 幹部は数字が人格
- 上司や経理が計算した数字は、しょせん人ごとです
- 会社にとっては「率」が大切なのではなく、「額」が重要なのです
- 「今日利益が出ていること」よりも、「五年後も存在し続けること」のほうがずっと重要
- 自部門のデータは、部門長がチェックしないと間違いに気付かない
■マーケティング
- 売上は市場での地位。粗利益が真の実力
- マーケットの“平均”に惑わされない
- 売れていない商品は、どんな仕掛けをしても売れません。それよりも気をつけたいのは、「売れる商品の売り損じ」です。
- 販促費は、いま売れている商品をさらに売るために使うべきです。販促費をかけて重点化する商品の見極めは、マーケットによって違うことを留意すべきです
- 平均では、見えるものも見えなくなる。売れる商品は、「最頻値」で判断すべきです
- 価格が半値になったら、少なくとも次の商品投入を始めるべきです
- 売上を増やすには、2つの方法があります。客単価を増やすか、客数を増やすか。そのどちらかです
- どうすれば客数が増えるのか。営業担当者の数を増やす。単純ですが、これがもっとも確実です
- 市場における存在感はブランド力であり、同じ商品なら、ブランド力のあるほうがより容易に売れる
- マーケットにはお客様とライバルしかしません
- 倉庫が売れない商品で占められると、売れる商品を入れる場所がなくなり、結局は販売の機会損失になる
- 1度捨てる痛みを知ると、人間は本当に必要なものだけを真剣に仕入れるようになります
- 発注基準は商品ごとに決めるのが一番です
- 「利益率が高い」商品を重点的に売る戦略をつくれ
- 社長の決定で変えられるものは、それは商品構成です
- 過去の購買履歴を調べて対策すると、かなりの確率で効果は出ます
- 一番売れる商品を、一番売れるマーケットで、さらに売っていく
- 一方通行は渋滞が少ない
- デートするときは、自分が必ず壁側に座ります。ガールフレンドの目線が他の男性に走らないようにとバリアを張るためです
- 手間をかけないと心が通じないんです
- 私は女性に対しては、年齢には関係なく「お嬢さん」と呼びます
■銀行
- 新規取引の銀行が、なぜ最初は長期ではなく短期で貸すのか、おわかりになるのでしょうか。お客様は、困らないと高い金利で借りてくれない。土地に根抵当や抵当権をつけたり、社長や奥さんの個人保証を取れるのも、お客様が窮地に陥っていればこそです。だからまず短期で貸して財務評価を下げ、銀行にとって少しでも有利な条件で融資しようとする
- 銀行は定期的に借入している会社にお金を貸すのです
- 銀行がお金を貸すのは、過去の実績に対して。銀行は初めてのことに対して非常に慎重です
- 借入は短期より長期のほうがいい
- 抵当権は返済が修了すると解除されます。しかし、根抵当権は解除されません。お金を借りるときは根抵当権ではなく、抵当権で借りるのが正しい
■税金
- すでに土地や資産を所有しているなら、社長の個人会社に売却して、個人会社が会社に賃貸で貸すのが一番です
- あるべき数字や資料がない、会社の中も煩雑としていて隙があるという状態では、税務官のいいようにやられます
■マネジメント
- クレームを隠しているうちに、だんだん大きく膨らんでいき、収拾がつかなくなります
- 噂の「5つの法則」。①元をたどれば、同一人物、②事実と離れているもの(おもしろいもの)は、パッと広がり、パッと消える、③事実は、深く進行する、④故意・悪意は、狭く、長く続く、⑤流れてほしいものほど広まらない
- どんなに知識を詰め込んでも、「気づき」が伴わなければ効果はないです
- 「変わるもの」と「変わらないもの」の見分け方は、単純に「それが10年後も役に立つかどうか」。10年後に役に立たなければ、どんなに旬であって、流行していても「変わるもの」として無視します
- 普通の企業が持つ「co.jp」のほかに、プロバイダーなどの通信業者である証の「ne.jp」。「co.jp」は、登記簿を提出しないと取得できません(藤井『週末起業』)
- 経営戦略とは、「どの博打を選ぶか」
- 社員を無能にしているのは、他ならぬ社長自身
- 「やらないこと」を決めるのが戦略です
- 会社の業績が悪くなるのは、むしろ内的要因が大きいのです
- どんな小さなことでも、仕事をやらせたらチェックをしなければいけない
- パクリは立派な戦略です
■掃除
- 「狭い範囲」を徹底してやらせた。徹底するとは、第三者から「異常だ」と思われること
- 環境整備によって小さな気づきがたくさん生まれる。その気づきは業務に役立つ
- 整理は戦略、整頓は戦術
- 環境整備は重要な経営戦略ですから、ボランティアにしては絶対にダメなのです
- 整頓とは、必要なものを必要なときにすぐに使える状態に保つこと。その実現のためには、ものに置き場を決めて、順番をつけること
- どうしたら家の中がきれいになりますか?。とりあえず水周りだけきれいにしなさい。具体的には台所・トイレ・風呂場です
- ものは向きを揃えて置いておくこと
小山昇『社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!』、小山昇『強い会社をつくりなさい!』、小山昇他『儲かる会社の社長の条件』、小山昇『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』
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