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2009年5月 8日 (金)

フリー・キャッシュ・フローの定義いろいろ

■フリー・キャッシュ・フローの定義

1.営業CFから、投資CFのうち現事業維持のための投資を差し引いたもの。投資CFのうち、どの部分が現事業維持のためのものか不明であるため、営業CFから投資CF全体を差し引いたものをFCFと呼ぶことがあります。(都井)

FCFの概念には定説がない。議論の中心は、生産能力維持のための設備投資と戦略的な投資に区分すべきか否かである。つまり、厳密に考えれば、生産能力維持のための投資は企業を存続するために避けられない投資であるのに対して、戦略的な投資はFCFの使途として位置づけるべきだということになる。ただ、生産能力維持のための投資額はCF計算書からは知り得ない。そこで、厳密性には欠けるものの、その代理変数として投資CFを用いることがある(櫻井)。なお、投資には、「戦略的」投資と「財務的」投資があり、その両方が投資CFに現れます(小宮)。

2.営業CF+投資CF。自由に使えるお金の額。会社の中長期的な力を見ることができる。(山田真)

+となっているのは、つまり、CF計算書では現金の流入がプラス、流出がマイナスで表記されるので、設備投資などの投資CFは通常負の値をとるため。(山田昌)

3.営業活動CF-不可避のキャッシュ・アウト・フロー。「企業が設備投資計画を練るにあたってはFCFの範囲内で行え」という金言がありますが、正確には、「設備投資を行うにあたっては、その翌年以降、FCFがプラスを維持できるものでなければならない」とする必要があるのです。これはまた、設備投資を行う初年度において、FCFを議論しても意味がない、ということに繋がります。(高田)

不可避な出費項目が何を意味するのか、それは企業ごとに異なる。経営上の力点の置き方によっても異なってくるし、分析者が株主利益を主とする投資目的から見るのか、それとも経営者の立場から見るのかによっても影響を受ける。それぞれ国ごとの企業風土の違いも、考慮に入れる必要があるだろう。(菊池)(吉木)

4.税引後営業利益+減価償却費等非貨幣支出費用-設備投資等±正味運転資本増減。(トーマツ)

5.FCFのとらえ方は一致していない。例示は以下。(菊池)

  • 営業CF-投資CF(全体)
  • 営業CF-設備投資(全体)
  • 営業CF-配当金支払い
  • 営業CF-必要な有価証券投資-生産維持に必要な設備投資
  • 営業CF-必要な有価証券投資-生産維持に必要な設備投資-安定配当分の支払い

6.便宜的に営業CF-減価償却費(現状を維持するために必要な設備投資額を減価償却費とみなす)。(金児)

自由資金比率

フリー・キャッシュ・フロー/ 当期純利益

自由資金比率は、会社に自由に使えるお金がどれだけ残っているかを示す指標です。自由資金比率は、税金を払って会社に残った当期純利益が、どれだけFCFとして会社に残っているかを出したものです。FCFの比率が多いほど資金繰りが楽になります。黒字企業の平均数値は40%、優良企業でも70%ですが、私は70%かそれ以上を目指すべきだと考えます。

■企業価値算定の際のFCF

FCF=EBITDA-資本的支出±運転資本増減

企業価値の算定にあたっては、一般的に「税引後営業CF」が使用される。税引後営業CFとは、「EBITDA(支払利息・税金・減価償却控除前利益)」から、設備投資資金を差し引き、さらに運転資本の増減を加味したもの。

■FCF分析の2つの視点

  1. 1つは、そのFCFがどうような数値であるかである。当期のFCFを増加させるには、営業CFを増加させるか、それを生み出すのに必要となる投資CFを低下させればよい。しかし、後者を選択した場合、投資を抑制しすぎると、将来のCF獲得能力が低下する恐れがある。各期のFCFがどういった意味を持つ数値であるのかを吟味する必要がある。
  2. いま1つは、FCFの使い方である。配当や自社株買いなどで株主へ還元するのか、あるいは借入債務の返済にあてるのか、それとも将来の買収資金として内部留保するのかなど、さまざまな使い方が考えられる。こうしたFCFの使い方から、企業のCF経営への取り組み姿勢を分析することができる。

都井清史『新しい会計基準』、山田真哉『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』、高田直芳『キャシュフローのしくみ』、トーマツ『キャッシュ・フロー計算書作成実務と経営管理』、菊池誠一『連結経営におけるキャシュフロー計算書』、金児昭編『キャッシュフロー経営がわかる本』、吉木伸彦『わかりやすいキャッシュ・フロー計算書』、櫻井通晴『管理会計』、山田昌弘『会計とは何か』、楢山直樹『経営をよくする会計』、小宮一慶『「1秒!」で財務諸表を読む方法』、久野康成『あなたの会社を永続させる方法』、伊藤邦雄『ゼミナール現代会計入門』

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