豊田裕貴『現場で使える統計学』阪急コミュニケーションズ
自分の分野について、まったくその分野に携わっていない人に、その内容と魅力をかみ砕いて伝えられないと、自分の専門分野とは言えない。
- 統計学の主な目的は、要約(まとめ)と推定(一部のデータでものを言う)の二つ
- 要約では、必ず何かしらの情報が捨てられる。何が捨てられるのかを理解した上で、要約するのかどうか、要約するならどんな手法を使うかを決めなければならない
- 要約手法では、しばしば「当たり前の分析結果」が得られてしまう。それは、分析対象をよく知っていればいるほど起こる。ビジネスの現場でできる人ほど、統計学を使った際にがっかりする一因はここにある。逆に、要約で捨てられていく情報や傾向から外れている値(外れ値など)に着目するという見方で要約手法を考えると、新たな知見を得るために使える統計学になる
- シンプルな手法であっても組み合わせることで、得られる知見を広げることができる。その際には、何を知りたいのかを考えてから、手法やその組み合わせ、必要なデータを考えていくことが必要になる
- 一部のデータでものを言う以上、結論は断言できない。だからこそ、前後に幅を持たせたり(標準誤差)、判断ミスとする可能性を加味してものを言ったり(有意確率)する必要がある
- 仮説は、原因系と結果系を含めることで、ビジネス現場で使いやすい仮説になる。そして仮説の基本パターンはその基本はA→B⇒C→D。この仮説へのアプローチは、原因系と結果系が、質的データか、量的データかの組み合わせて4通りになる。この組み合わせと統計手法を対応づけると、現場で使うシーンや目的をイメージしやすくなる
- 仮説へのアプローチは、必ずしも仮説検定である必要はない。集計やグラフ、基本的な統計指標の比較で済めば、それでもかまわない。もしそれでは十分ではなく、仮説が正しいかどうかの判断ミスをする可能性まで知りたいときに、仮説検定の知識が生きてくる
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