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2009年5月 4日 (月)

経験曲線(エクスペリエンス・カーブ)

■経験曲線とは

経験曲線は、1936年に行われた研究に遡る。ある製品の累積生産高が倍増すると、生産コストはある一定の割合で減少するとされた(通常10~30%)。簡単に言ってしまえば、企業は一定の割合で経験から学ぶということである。

このような現象が生じるのは、①習熟による労働者の能率向上、②作業の標準化と作業方法の改善、③製造工程の改善・改良、④生産設備の能率向上、⑤活用資源ミックスの変化、⑥製品の標準化、⑦製品設計の合理化などの理由によるものである。

すべての条件が同一だとして、新しい市場において先駆者となった企業は、素早く生産量を増やせば、競合他社に対してコスト面で優位に立てることを意味する。ただし、すべての条件が同一であることは稀である、というのが戦略の本質である。

■経験曲線の効果

  • 先にシェアを取って累積生産量で競合を凌駕してしまえば、コストは競合よりも下がるため、一時的には赤字を出しても、最終的には利益が出るというシナリオを描くことができる
  • しかも、いったん累積生産量で競合を凌駕してしまえば、差は開く一方なので、一時しのぎの戦略ではなく、「持続的な競合優位性」を担保する本質的な戦略の構築が可能である

■経験曲線の限界

  • 生鮮食品を大規模なスーパーチェーンが仕入れるときに規模の効果が効くかといえば、むしろ逆で、同じ商品を大量に確保しなければならないため割高になることもある。同じ商品をどの店でも売ることで広告費を下げたり、標準化できることがスーパーという業態の存在意義だから、自分で仕入れる以上避け得ないことである
  • 経験効果は工業化社会の進歩のバロメーター
  • 多くの高級レストランやブティックは、店の規模や数が大きくても、コストダウンできるというわけでもなく、いろいろなタイプの店がはやり、すたりしながら乱立し、なかなか大規模化が進まないことが多い
  • 経験曲線についても、とことん大きくなってしまい、かつ市場が成熟してくると、実際の企業間の格差があまりにも小さくなってしまうということもある。多くの構造不況業種は、どの企業も似たようなコスト水準に下がってしまった結果、誰もまともに儲からない構造になったということである

ミンツバーグ『戦略サファリ』、相葉宏二『日本企業変革の手法』、菅野寛『経営者になる経営者を育てる』、伊丹敬之『ゼミナール経営学入門』

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