労働分配率
■労働分配率
人件費管理には、労働分配率の検討がぜひとも必要である。
人件費/付加価値
目安として50~60%程度なら妥当な水準、40%台なら良好(=生み出している粗利に対して、人件費負担が低く収まっている)、60%以上なら危険信号(=生み出している粗利に対して、人件費負担が高い)。
労働分配率は低いほうがよいが、人件費の低さとは直結しない。生産性(1人当たりが生み出す付加価値)が高ければ、世間相場より高い人件費を払っても、結果として利益は大きくなる。労働分配率の管理=生産性の管理なのである。
人件費は売上から分配されるのではありません。売上から変動費を引いた、粗利から分配されるのです。
■労働分配率と生産性
生産性=成果(粗利、利益など)/投入(人手、時間、資金など)
労働分配率と生産性は表現のしかたが違うだけです。分子と分母を逆にしただけで同じことを言っています。労働分配率は、会社が生み出した粗利のうち、どれだけを人件費として分配しているかを示します。一方、生産性は、会社が投入した人件費によって、どれだけの成果(たとえば粗利)を生み出したか、を示します。よって、生産性の高い企業は、必然的に労働分配率は低くなるのです。
日野上輝夫『社長!決算書のココを読みなさい!!』、和仁達也『脱☆ドンブリ経営』
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