ランチェスター戦略
■もともとは、戦争における戦闘機の損害量の研究からある法則が発見され、それを企業の販売戦略として日本で応用したのが田岡信夫氏である。
弱者の戦略(第1法則)
- 局地戦で戦う
- 接近戦で戦う
- 一騎打ちで戦う・・・シェア比が3倍までなら逆転が容易。
- 一点集中で戦う・・・経営の80%以上を占める営業や商品開発の世界では、弱みに目を向けない、自社の強みや得意分野を一点集中して徹底的に伸ばす。√1.732なので四捨五入すると2、裏を返せば、2位を2倍引き離した1位なら優位に立てる。
- 陽動作戦をとる
強者の戦略(第2法則)
- 確率戦にもちこむ
- 総合戦で戦う
- 遠隔戦で戦う
- 短期決戦を狙う
- 誘導作戦をとる
ランチェスター戦略の3つのポイント
- ナンバーワン主義
- 弱いものいじめの原則
- 一点集中主義
■劣勢企業=弱者の社長がとるべき経営戦略(第1法則)
- 一騎打ち戦がしやすい商品を選ぶ
- 接近戦や一騎打ち戦がしやすい営業方法を決める
- そのためには接近戦や一騎打ち戦がしやすい特別な営業エリアを選ぶ
■「弱者の経営戦略」の概念のまとめ
- 弱者は先発会社と差別化し、同じやり方をしない
- 弱者は小規模1位主義、部分1位主義を狙え
- 弱者は強い競争相手がいる業界には決して参入しない
- 弱者は戦わずして勝ち、勝ちやすきに勝つことを狙う
- 弱者は対象を細分化する
- 弱者は目標を得意なもの一つに絞る
- 弱者は軽装備で資金の固定化を防ぐ
- 弱者は目標に対して持てる力のすべてを集中する
- 弱者は競争相手に知られないよう、静かに行動する
■優勢企業=強者の社長がとるべき経営戦略(第2法則)
- 間隔戦や広域戦がしやすい商品を選ぶ
- 間隔戦や広域戦がしやすい営業方法を決める
- そのためには利用者の数が多い大都市を重視する
■強者の条件とは、①1位であること、②市場占有率26%以上を確保していること、③2位との間に収益力で10対6以上の差をつけていること(竹田)。
この3つの条件を満たす強者は1000社中5社しかりません。残りの995社は弱者です。そうすると、中小企業は弱者としての戦略を練らなければならないということです。
■ランチェスター戦略では40%以上のマーケットシェアを独占的にとることをNo.1の条件とするのだが、通常圧勝とか完勝とよばれる勝ち方は次の三つの条件を満たしていることだ。
- 二位の倍以上の占有率か売上高をとること
- 二位と三位の合計以上の占有率か売上高をとること
- 四〇%以上のシェア又は売上を占めてしまうこと
田岡信夫『社長の営業戦略』、野口吉昭『セルフコンサルティング』、岩佐孝彦『社長は「会社のお金」をこう残せ!』、小山昇『社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!』、岩佐孝彦『小さな会社の社長のお金を残すために絶対必要な本』、竹田陽一『小さな会社儲けのルール』
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