倒産について
■倒産を回避する7つのポイント
1.自己資本比率(自己資本/総資本)↑・・・⑨/③。50%超を目指そう。
2.ギアリング比率[(短期借入金+長期借入金)/自己資本]↓・・・⑤⑦⑧/⑨。低いほど安全。
3.固定長期適合率[(固定資産合計/(自己資本+固定負債合計)]↓・・・②/⑥⑨。最善は自己資本の範囲内です。
4.収益フロー=[当期税引後利益(並びに前期・前々期税引後利益)]↑・・当期税引後利益。原則的に借入金は業務純益(減価償却費を加える)で返済する。
5.債務償還年数[(短期借入金+長期借入金)/(当期減価償却実施額+営業利益)]↓・・・⑤⑦⑧/⑩⑬。有利子負債(割引手形を除く)をキャッシュフローから返済するのに何年かかるか。短いのがベター。借入金総額は製造業・月商の6ヵ月、卸売業・月商の3ヵ月が目安。
6.インタレスト・カバレッジ・レシオ[(営業利益+受取利息・配当金)/支払利息・割引料)]↑・・・⑬⑭/⑮。金利とキャッシュフローのバランス。倍数が大きいほど健全。
7.キャシュフロー額(営業利益+減価償却額=償却前営業利益額)↑・・・⑬⑩。企業活動は営業利益で見る。
貸借対照表 | |
①流動資産合計 | ④流動負債合計 |
⑤短期借入金 | |
⑥固定負債合計 | |
⑦長期借入金 | |
⑧社債・転換社債 | |
⑨資本の部合計 | |
③資産合計 | ③負債資本合計 |
損益計算書 | |
⑩当期減価償却額 | ⑪当期売上高 |
⑬営業利益 | ⑫(前期売上高) |
⑮支払利息・割引料 | ⑭受取利息・配当金 |
⑯経常利益 | |
⑰(前期経常利益) | |
⑱当期利益 |
■会社が倒産する典型的なパターン
- 先代の社長が銀行用に粉飾した決算書を作っていたため、引き継いだ時の実体がつかめなかった
- 売上げに波があった
- 応援してくれていた面倒見の良い信用組合が破綻した
- 銀行以外に商工ローンから多額の借り入れがあった
- 不動産等の会社資産がないので、社長、弟、実家等の家や土地を担保にしていた
- 倒産街道まっしぐらの、いわゆる融通手形を使っていた
- 税金や社会保険の滞納があった
- 社長は友人のみならず、社員や外注スタッフからも借金していた
- 社員や役員の入れ代わりが激しく、安定しなかった
- 外注への支払いにもこと欠いていた
■潰れそうな会社に最低限必要なもの
- 経営の志が高く、経営理念・ビジョンがある
- 経営方針が明確であり、成文化されている
- 経営計画が文書・表により作成されている
- 具体的なアクションプランがある
- PDCAのサイクルが社内で機能している
- 収益を生むビジネスプランがある
- 全社のベクトルが合っていて社員が一致団結している
- 社員のモチベーションが高い
- 社員教育が行き届いている
- 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)運動が徹底している
要は、基本ができている会社であることです。
日野上輝夫『会社を潰す経営者・立て直す経営者』、日野上輝夫『社長!金を借りずに時間を借りなさい』、洲山『銀行にカネは返すな!』
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