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2009年5月 5日 (火)

マッキンゼーの7S-企業組織分析(内部環境分析)

■マッキンゼーが「7つのS」モデルを開発した主な目的は、経営スタイルに新たな展望を与え、かつ、ソフトの問題についてもマネジメントは可能とし、またマネジメントすべきだと示唆するためだった。またこのモデルでは、ポーターから借用した車輪の比喩を使って、企業は、その各部分を包括し分割しえない集合体であることを協調している。

米国の一流企業の経営手法について、調査プロジェクトを実施した上で、マッキンゼーは2つの基本的な結論を出した。まず、経営者の有効性は、企業の戦略と組織構造で決まるということ。2つ目は、これら3つの構成要素は相互に依存しているものの、3つを支配する直線的な関係はないということだ(月並みな説かもしれないが、結論は何度も繰り返し検証することで価値を増す)。

実際には、企業の経営者・組織構造・戦略は、7つの特徴的な要因からなる複雑なネットワークを通して結びついている。企業をいくつかの独立したユニットの集合として経営しようとしても、すぐに車輪のスポークと軸になぞられた概念[分割不可能な一体であるという概念]を思い知らされる。軸がなければ車輪はスポークの集合にすぎず、逆もまた真である。各部分だけでは車輪の機能を再現することはできない。

それと同様に、共通の目標と戦略のない企業は、思ったように機能しないものだ。各部署が独自の機能を果たしているのは事実だが、部署をまとめる力がなくてはスポークの集まりにすぎない。というわけで、マッキンゼーはまさにこの点を説明するために、マッキンゼー版の車輪のコンセプトを作った。

マッキンゼーの車輪は、特に2つの点で非常に貴重である。企業が共通の目標を達成するために、組織のすべての部分が一丸とならなくてはならないことを改めて強調するだけでなく、企業の健全さを診断する上で、チェックすべき特定の分野・活動を明らかにする。

■成功している企業、もしくは「超優良(エクセレント)」企業は、サービス、品質、そして革新といった重要な価値観に「支配」されていると言われている。それによって競争上の優位性を維持するのである。それは、ピーターズとウォータマンが『エクセレント・カンパニー』で取り上げた重要なテーマである。この本は、戦略に関する文献ではない。しかし、非常に安定した戦略的パースペクティブを持続するために、組織がどのようにして競争優位を活用しているかについて書かれたものである。

彼らは、エクセレント・カンパニーに見られる基本的な特徴として次の8つがあるとしている。

  1. 試してみる、やってみるという行動を重視する姿勢、実験精神が旺盛である。
  2. お客さんの声に耳をかたむけ、お客さんにとって価値のあるものは何かを、お客さんから学んでいる。
  3. 社員が自主性をもち創意工夫をこらしていると同時に、目標に向かって突き進むあつい情熱を持つリーダーがいる。
  4. 社員を生産性向上のための労働者として見るのではなく、さまざまなアイデアを作りだす人材として尊重する。
  5. 創業者の夢、企業理念、経営哲学などにしたがって行動する。
  6. 無理な多角化をせず、本業から離れないようにし、熟知した業種にこだわりをもっている。
  7. 管理階層を低くし、本社の管理部門を小さくするという単純な組織づくりをしている。
  8. 厳格な中央集権的な管理体制と、自主性・創造性を発揮できるように権限を委譲するという分権的な管理体制の両方を備えている。

少し前の文献(“Structure Is Not Organization”)で、この2人の著者は同僚と一緒に、マッキンゼーの7Sのフレームワークを紹介した。

■ひとに対する配慮なくして良い機構などというものは考えられないし、逆もまた真なのである。私がわかったことは、組織づくりを知的に考えようとすれば、互いに切り離せない関係にある少なくとも七つの変数を同時に包含して扱っていかざるを得ないことである。

組織が成功するには、以下のようなあらゆる側面が調和して適合(相互依存)しなければならない。7Sモデルを用いて企業の内部環境を分析する際には、「ハードのS」と「ソフトのS」の双方について検討するということを忘れてはならない。

ハードのS

Strategy(戦略)・・・売上高の拡大、利益増加、コスト削減、新製品開発、新規市場参入など、より優れた企業となるために必要な事業活動やその計画立案を指す

Structure(組織構造)・・・各ポストの権限、指揮命令系統、トップから現場までのコミュニケーションの流れといった企業全体の組織構造を指す

System(社内システム)・・・社内の情報システム(おそらく、システムと聞いたときに最初に頭に浮かぶのはこれだろう)のみならず、予算管理制度、経営計画システム、業務変革システム、業務評価制度といった、企業のあらゆる活動を管理する社内システム全般のことを指す

ソフトのS

Style(経営スタイル)・・・経営陣のリーダーシップ様式や、全社的な経営方針または社風(たとえば、完全実力主義など)

Skill(組織のコア・コンピタンス)・・・組織のコア・コンピタンス、つまり、組織として最も優れている点を指す

Staff(人材)・・・企業の人材を指しており、社員がどのような形で教育され、管理され、意欲づけられているかといった点が重要なポイントとなる

Shared Value(共通の価値観)・・・企業が存在し、事業活動を行うにあたっての基盤となるものであり、具体的には、ビジョン、企業理念、スローガン(例:売上高・利益・総資産で業界トップの企業になる)などを指す

■組織の概念がただ構造(形態)というよりはより包括的な概念へと拡大されるようになった。ピーターズは「構造イコール組織ではない」として、組織というものは、7つのSの要素からなるとした。これが7Sモデルである。7Sモデルにしたがうと組織はむしろ組織体と称した方がよいかもしれない。組織体はこの7つの要素が相互作用しあって環境適応行動を行う。

この7Sモデルの示唆することは、伝統的な戦略と組織構造という2分法的な概念ではなく、両者をもっと包括的なもので相互作用的なものとしてとらえようとすることである。

■要は、超優良企業を目指すなら、共通の価値観を中心に、同じ方向に向かってそれぞれの要素の取組みレベルを上げることが大事ということです。

■7Sの活用法

チャートの真ん中に共通の価値観・使命やビジョンがあり、その周りに戦略、人材、組織、運営の仕組み、組織スキル、企業風土・文化の6つを配している。そして、優良企業を目指すには、この7つのSがしっかりとできていないといけない。

これを活用して、1つの企業を見る時に、関係する情報をこの7つの箱の中に入れて整理したり、調べたりすることによって、その会社全体がどういうことを目指しているかが分るのである。

■7つのSと人体とのアナロジー

Shared Value・・・志   Strategy・・・頭脳    Skill・・・筋肉   Structure・・・骨格

System・・・神経   Staff・・・血液   Style・・・性格

■8つめのS

企業変革を断行するためには、7つのSのバランスと整合性が重要になる。企業のビジョンとなる共通の価値観を基本コンセプトに、戦略を実現するために一貫性を持って他の6つのSを設計する。この7Sがバラバラでは、少なくとも組織は機能しない。経営組織論の第一人者である横山氏は、組織内のコミュニケーションの密度は距離の2乗に反比例するとして、8つめのS(Space)の重要性を指摘している。

■直感と洞察力により「眺める」(小畠)

企業全体を診断する際によく使われるフレームワークにマッキンゼー社の7つのSというMECEの切り口があります。7つの切り口から企業を診断することになります。

その際、7つの部分からの診断や分析を尽くしたとしても、企業の本来の姿である全体観をもつまでには至らないことが多いようです。その理由は、直観力や洞察力をはたらかせて自分なりの全体観を摑もうとするセンスが欠けていることにあるのです。

ます自分の視野に入るもの全体の様子を「眺める」ことが必要なのではないでしょうか。

■マッキンゼーの7Sはフレームワークの部分だけに着目されることが多いが、実は後のリソース・ベースド・ビューにおける人や組織を重視する経営戦略論に繋がる視点を内包していたという点でも評価すべきであろう(波頭)。

■なんだかようわからん、そこで、マッキン7Sファンの方にここも!!!

http://maxime-accounting.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/7.html

http://maxime-accounting.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-21e1.html

マーク・コゼンティーノ『戦略コンサルティング・ファームの面接試験』、ミンツバーグ『戦略サファリ』、山下久徳他『50の経営理論が3時間でマスターできる本』、斎藤顕一『問題解決の実学』

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