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2009年5月10日 (日)

TOC(Theory of Constraints:制約条件理論)とスループット会計

JITに適した原価計算の方法として、バックフラッシュ・コスティングやスループット会計が提唱されています。バックフラッシュ・コスティングは、製品に関連する原価の記録を製品の完成時または販売時までは一切行わないとする原価計算システムです。

TOCは、あらゆるシステムは少なくとも1つの制約をもっており、そうした制約のなかからボトルネックとなっているものを発見し、これを改善することによって利益の最大化を達成しようという考え方をいいます。

TOCの基本的な考え方

TOCは、主に生産管理の手法であるが、その基本的な考え方は生産以外のビジネスにも応用することが可能である。

TOCの基本的な流れは、①ボトルネック(制約条件)の発見、②ボトルネックの最大活用、③スループットの極大化、④キャッシュフローの極大化である。

TOCの最大の目標は、スループット増加によるCFの増加だ。スループットは、売上を通じて企業がどれだけのCFを生み出したかを表す。

TOCでは個別最適の集積が必ずしも全体最適にはならないと考える。

企業は「現在から将来にわたって儲け続けること」が必要だということを、TOCは強調する。優先順位は、①スループットの増大、②総投資(棚卸資産、設備)の削減、③固定費の削減。

スループットの極大化

TOCでは、スループットの極大化が目的だ。そのためには、①売上の増加、②資材費の削減、③経費の削減の3つの方法がある。

スループットの定義

TOCにおける会計の核がスループット会計である。

売上高-資材費-経費のうち変動費

スループット会計では、製品群全体のスループットを算出するのみで個々の製品のスループットや利益の算出は行わない。これは、全体最適としてのスループット、利益(キャッシュフロー)の極大化を考えることがスループット会計の原則だからだ。

スループット会計と直接原価計算

「スループット」とは、売上高から直接材料費を引いた金額をいい、一般に付加価値とよばれるものに相当します。また、それは直接原価計算における限界利益にも近似した概念といえます。実際、製造間接費や固定費の配賦を否定している点や売上数量に直結した形で企業の成果を評価しようとしている点などに、直接原価計算との共通点が認められます。ただし、限界利益は売上高から直接材料費だけでなく、直接労務費や変動製造間接費を控除した額ですから、スループットのほうがより広義の概念ということができます。

スループット会計とJIT

JITが追求する理想的な状態は、在庫がまったく存在しない、すなわち生産量と販売量が完全に一致する状況です。仮に、これが実現したとすれば、総製造原価=売上原価となり、仕掛品や製品勘定が不要となります。また、原材料の在庫もなくなるため、材料の投入・算出を記録する勘定も不要となります。

スループット会計は、もともと正確な原価の把握を指向しているわけではありません。むしろ、原価計算を単純化することによって、原価改善の効果を全従業員が理解し、さらなる改善の実現に向けて彼らを動機づけることにこそ、その眼目があるのです。

小宮一慶『TOC・スループット経営』、櫻井通晴『管理会計』、伊藤嘉博『コストマネジメント入門』

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