工事契約に関する会計基準
工事進行基準には、工事進捗度の見積もりが困難だったり、収益計算が正確にできなかったりするという難点がある。こうした点を踏まえ、わが国では、長期の請負工事に関する収益について、工事進行基準と工事完成基準のいずれかを選択して適用することが認められてきた。
しかし、「工事契約に関する会計基準」では、工事契約に関して、工事の進行途上においても、その進捗部分について成果の確実性が認められる場合には、工事進行基準にもとづいて工事収益および工事原価を計上することを求めている。成果の確実性が認められる場合とは、「工事収益総額」「工事原価総額」「決算日」における工事進捗度について、信頼性を持って見積もることができる場合を指す。この要件を満たさない場合にかぎり、工事完成基準の適用が認められるとされている。
つまり、原則として、工事進行基準の適用が求められているといえる。
伊藤邦雄『ゼミナール現代会計入門』
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