田辺昇一『経営コンサルタント入門』ダイヤモンド社
経営コンサルタントの成功率は一万人に一人だといわれる。
蔵・・・素直に先人の築きあげた原理・原則を学び理解する初期段階
修・・・学んだ原理・原則を実地に応用してみる段階
息・・・自分のものとなってしまう段階
遊・・・楽しむ心境になる
これからは〝選別される高度のプロ中のプロ〟として活躍しなければならない。
その過半の責任は、ホンモノのコンサルタントを育てようとせず、安易にコンサルタントの使い捨てをしていく企業の側にこそあるのだ。
「初めにココロありき」が大切である。〝志〟が問題だ。〝心〟-精神だけは、最初からしっかりしておかねばならない。
セールスマンはパーソナリティを売る商売。
話すことにも、ときにはユーモアが必要である。世間話にも、常識、教養の豊かさが必要である。
いやなことを言っても嫌われないためには、言うべき場所をわきまえることだ。部下のいる前で弱点を指摘されれば、経営者はメンツを失う。
TPOを考える気転、気働きが必要である。
センスがよいことだ。センスは、コンサルタントの人間的魅力の重要な一側面。
考え方、態度、行動が合理的でなければならない。
コンサルタントの仕事は、つまるところ、他人の幸せを願い、幸せを演出し、創造する仕事である。
個人のもつセンス、スケール、スキルの3Sが重視される職業である。
コンサルタントで最も大事な売りものは〝知識〟ではなく〝判断〟なのである。
経営コンサルタントの仕事は、学問の発見した知識や法則を応用して、その患者の固有の問題を発見し、その問題を解決するために、そのお客固有の具体的プログラムを組み、それを推進するために固有の方法を考えだすことだ。そしてさらに、どこから着手したらよいか、具体的な段取りを示すことである。その患者固有の解決法という〝判断〟を売るのである。
効果の確かな方法を、相手のレベルに応じて、大事なことから順に優先順位を決めて、のみこませることが大事である。
ショウマンシップはビジネスマンに不可欠の要素。ショウマンシップとは、人間を売り込むため、見せ場をつくる、売場を演出すること。
工場へ行けば工員と同じ作業着を着る。つまり、保護色である。
中小企業の経営者の場合、自分の業務についての経験は豊富だが、世間が狭く、世間の情報に疎い。
社名入りの便箋一つにも工夫をこらした。
経営は、試行錯誤の経験科学である。コンサルタントが提供する〝判断〟は、実証的な裏付けをもち、すでに実験ずみの原則による知恵でなければならない。
下三日にして上を知り、上三年にして下を知る。
コンサルタントは、いつでも自信をもって堂々と、しかもさわやかに振舞うことが大事なのである。
素質的に、世の中の森羅万象、何にでも興味と関心をもつ、〝多角趣味人間〟〝触覚人間〟であることが望ましい。
ショウマンには〝雑学〟が必要なのである。
事業繁栄の四C原則
- Condition(経済環境)
- Capital(資本)
- Capacity(経営能力)
- Character(経営者の性格)
インタビューの成功不成功は、半ば以上事前準備にかかっている。
受付嬢の応対ぶりを観察すれば、その会社のしつけ、社員教育の程度を知る一つの尺度になる。
倒産した会社を調べると、倒産原因の70%が、社長の性格にある。
全面的に相手の話を受け入れ、興味を示す姿勢が肝心である
会社というものは、経営者の能力以上に大きくはならない。
金持のボンボンの最大の弱点をあげれば、他人に対する思いやりがないことだ。
経営は理論でなく、行動。
コンサルタントの仕事量、仕事範囲は、彼のもつ情報量に相応する。
必要とするデータとは、経営方針がまちがっていないかどうか、経営の動きの傾向をつかむ材料となるものである。
一連の数字をみたとき、「オヤ、この数字はあやしいナ」と洞察することができるのは、数字のもつ意味、その原理・原則を知っているからだ。
企業のなかで発生する問題は、同じことの繰り返しがほとんどである。問題はほとんど起こるべくして起こるのであり、その起こり方、起こる原因には、共通のものがある。
コンサルタントはケース・スタディの生き字引きでなければならない。
コンサルタントの売りものは〝知識〟ではなく、その患者固有の解決法という〝判断〟を売るのである。
経営は理論ではなく〝行動〟。
ビジネス上の文章では
- 結論を先に書くこと
- 結論を一言に集約すること
- 要点は、必ず個条書きにすること
- 全体として、相手に対して敬意を失わないことと、双方の権威・自尊心を尊重すること
集中的に、合理的に、徹底的に。
指導ではなく、経営協力。
生産性は、Ability(能力)でなく、Attitude(態度)である。
個人は群集心理に巻きこまれやすい。
強烈な個性が経営の邪魔をする。
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