大前研一『世界が見える日本が見える』講談社文庫
空港は「国の顔」として非常によくその国の性格や特徴を表わすものだ。たとえばフランスのシャルル・ドゴール空港は、いかにもフランス人的な、超近代的な感覚の演出がなされている。そこには、「フランスに惚れてもらいたい」という意欲がありありと感じられる。
成田の総合システムを考えた人には哲学もなければ国際的な常識もない。そんなシステムをつくりあげた官公庁に対して文句もいわない問題意識欠如の国民の性癖についてもわれわれはよく認識しておく必要がある。
私たちは、人間を通してしか、相手の国を理解し得ないのだ。私たちが相手の国を知り、愛着を感じるためには、きわだった人間の存在が絶対に必要なのである。それでは、日本人に、その人の「人となり」が世界中に広く知られている人物が何人いるかといえば、おそらく、ひとりもいないといったほうがいいくらいだ。
日本人は、まだまだ本当の意味での一流指向が足りないのだ。科学、スポーツ、音楽、哲学、政治、外交、等々、国際的に比較できるあらゆる分野で、世界的な一流人を出していないのだ。
« 浜口直太『「できる社員」になる教科書』実務教育出版 | トップページ | 渡部昇一『続知的生活の方法』講談社現代新書 »
「コンサルタント」カテゴリの記事
- 小林忍『傾く企業の驚くべき共通点 「経営の定石」の失敗学』Discover(2018.09.10)
- トム・ピーターズ『エクセレントな仕事人になれ! 「抜群力」を発揮する自分づくりのためのヒント163』阪急コミュニケーションズ(2018.08.05)
- カレン・フェラン『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする』大和書房(2018.03.15)
- 大前研一監修『超訳・速習・図解 企業参謀ノート [入門編]』プレジデント社(2018.02.25)
- 和仁達也『年間報酬3000万円超えが10年続く コンサルタントの経営数字の教科書』かんき出版(2017.11.12)
« 浜口直太『「できる社員」になる教科書』実務教育出版 | トップページ | 渡部昇一『続知的生活の方法』講談社現代新書 »
コメント