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2010年5月24日 (月)

塩野七生『人びとのかたち』新潮社

男に心から愛された経験をもつ女は、一生孤独に苦しむことはない。

マレーネ・ディートリッヒには、女から見ても色気がある。私(ディートリッヒ)にはそれが、どうなってもかまわない、極端に言えば、路傍で野垂れ死したってかまわない、という彼女の生き方にあるのではないかと思う。

女の話を聴くときのゲーリー・クーパーは、特別にそれに注意を集中してさえいなかった。ただ、話つづける女から視線は離さず、そしてときどき、次の三句のいずれかで口をはさんだ。『まさか』『ほんとかい』『そういう話、はじめて聴くよ』。こんな調子で女に胸のうちを吐露させているうちに、女たちは自然に彼とベッドを共にするようになる、というわけだ(ビリー・ワイルダー)。自信のある女、気の強い女、自分が仕事ができると思っている女に対して、話を聴いてくれるということくらい有効な武器もないからだ。なにしろこの種の女たちは、自分の話すことはそれ自体で価値ある、と思いこんでいるからである。

品格ある立居振舞とか、おだやかなユーモアの精神とか、ことに対処するに絶妙なバランス感覚をもってするとかは、試験などでは計りようがない素質である。試験では計れないということは、努力にも意志にも無関係だということだ。

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