養老孟司他『バカにならない読書術』朝日新書
二宮金次郎の伝記では、薪を背負いながら、「本を読んだ」、つまり寸暇を惜しんで勉強したことを偉いと言っている。そうではありません。大事なのは「薪を背負いながら」の方なんです。家が貧しく、幼いころから手伝いをさせられた。どうすれば薪を効率的に運べるか、少しでも肩が痛くならない背負い方はないか、近道はないか、幼いなりに考えたでしょう。そうしながら本を読んだ。だからこそ、本をよりよく理解できた。「知育」「徳育」「体育」が子どものころから循環していたわけです。もし、ずっと家の中にいて本ばかり読んでいたら、「尊徳」にはなれなかったと思います。
« 帝国データバンク『百年続く企業の条件』朝日新書 | トップページ | 和田秀樹『頭のいい人の「質問力」と「返事力」』新講社 »
「読書論」カテゴリの記事
- 亀井卓也『5Gビジネス』日経文庫(2022.06.21)
- 帝国データバンク情報部『コロナ倒産の真相』日経プレミアムシリーズ(2022.06.21)
- 川合章子『あらすじでわかる中国古典「超」入門』講談社+α新書(2022.06.09)
- 伊藤亜紗編『「利他」とは何か』集英社新書(2022.05.16)
- 神里達博『リスクの正体ー不安の時代を生き抜くために』岩波新書(2021.11.30)
« 帝国データバンク『百年続く企業の条件』朝日新書 | トップページ | 和田秀樹『頭のいい人の「質問力」と「返事力」』新講社 »
コメント