養老孟司他『バカにならない読書術』朝日新書
二宮金次郎の伝記では、薪を背負いながら、「本を読んだ」、つまり寸暇を惜しんで勉強したことを偉いと言っている。そうではありません。大事なのは「薪を背負いながら」の方なんです。家が貧しく、幼いころから手伝いをさせられた。どうすれば薪を効率的に運べるか、少しでも肩が痛くならない背負い方はないか、近道はないか、幼いなりに考えたでしょう。そうしながら本を読んだ。だからこそ、本をよりよく理解できた。「知育」「徳育」「体育」が子どものころから循環していたわけです。もし、ずっと家の中にいて本ばかり読んでいたら、「尊徳」にはなれなかったと思います。
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