ポール・レンバーグ『会社を変える不合理のマネジメント』ダイヤモンド社
言いたいのは、あなたは、何をやらなければならないかを既に知っていたということだ。
経営の仕事の半分は、企業が今から五~一〇年後にどこに向かうべきかを解き明かす作業だ。そして、残りの半分はその実行だ。
人はエースを持ち続け、それを使うベストのタイミングを待とうとする。出し惜しみしてはならない。出し惜しみさせてはならない。
物事が上手くいっている時、人は疑問を持たない。物事が上手くいっている時、私たちは常識として受け入れられている知恵に何の疑問も持たない。私たちは、物事が上手くいかなくなって初めて、ギアを入れ替え、不合理な場所に解決を求める。
ランダム・ウォークと呼ばれる投資理論があるが、それは過去の株価の動きは将来の株価予想には使えないというものだ。
どんなに優れた戦闘計画であれ、敵と遭遇した時点からすぐに修正が必要になる(モルトケ)。
活動しながら戦略を立てる。
マーリンメソッド。ブレーン・トラスト。
ハードワークすべき時にずる休みするのが、本来の〝回復〟の特性なのだ。
ある業界で常識的なものが他の業界では画期的に見えることもある。自分とは無関係の業界を調べ、彼らのやり方を自分のビジネスに活かす方法を見つけることだ。
次のリストは昔の軍事資料から抜粋したものだが、これでほとんどのコア戦略をカバーしている。
- 敵を正面から攻撃する。
- 背後から攻撃する。
- 側面から攻撃する、または、取り囲む。
- 戦力を一箇所に集中させる、または、戦力を薄めに広げる。
- 敏捷性を持たせ、小さな犬のように敵を繰り返し攻撃する。
- 間違った方向に誘導し、いるはずのないところに現れる。
- 優れた軍事能力、優れた武器、優れたスピードを活用する。
- 自分の存在を知らせる、または驚かす、または、ありふれた風景の中に潜む。
- 戦場で戦う、または、彼らの母国を荒らす。
- 彼らの補給路を絶つ。
- 近隣や同盟軍を攻撃する。
- 彼らを政治的に攻撃する、あるいは、重要拠点を孤立させる。
もしあなたが私たちの解決策を欲しいのならば、トップとのミーティングをセットしてほしい。これが私たちが手助け出来る唯一の方法だ。
自分の業界で常識的なアプローチが上手くいかない時には、他の業界にアイデアを探しなさい。具体的には、何かあなたのビジネスと似た構造を持ち、あなたと同様の問題を抱えるビジネスを探しなさい。
コンサルタントは、あなたと競合状況にある会社情報を集め、その数値をあなたの会社の予算と比較する。しかし、他者のマーケティング教育やスタッフ教育がどんなに上手くなされているかなどは全く考慮しない。
私たちを豊かにするのは、何を手に入れるかではない。何を諦めるかである。
実行は戦略よりもはるかに重要である。
経費は収入に見合うまで増加する。
急場しのぎ、短期的視点、正しくない方法を容認する企業文化が、彼らを破綻へと導いた。
最高レベルの実行には、基準値と段階的な達成目標値が必要であり、いつの時点でも自分がどの時点にいるかを分かるようにしなければならない。
単に測定するだけで、物事は少なくとも変化する。
公の場で人を罰してはならない。
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