ラム・チャラン『「必ず伸びる会社の10の習慣」』日本経済新聞社
ビジネスではアイデアを行動に移すことが最大の難問である場合が少なくない。
「敵はわれわれ自身」であり、成長への特効薬はなく、答えは自社のなかにあることに気づくようなる。
経営者の多くは、画期的な技術や革新的なビジネス・モデルや大型合併といったホームランを考えがちで、一塁打や二塁打は念頭にない。コツコツと一塁打や二塁打を積み重ねていけば、売上が大幅に伸びるのだが。
生産性を向上するとは、何らかの点でより良い方法を見出し、その結果、競争力を高め、新たな機会を創出すると同時に、成長の原資となる資金を生み出すことである。
組織のあらゆる部門が、小ヒットを生み出して売上拡大に寄与する主な方法のひとつは、ほかの重要な部門と効果的に連携することである。
一塁打、二塁打を打つには、全員の参加と関与が不可欠である。あらゆる階層のマネジャーが、自分や部下のあらゆる活動を検証し、どこを変えれば、利益ある売上拡大を実現できるかを問わなければならない。こうした変化によって勢いが生まれる。
M&Aのほとんどが、企業の長期的な健全性や売上の伸びをもたらさないことは、歴史を見ればわかる。
M&Aは、市場の現実を見れば、実現するはずもない相乗効果という短絡的な発想に基づいていることが少なくない。
コスト削減を伴わない価格引下げにより市場シェアの拡大も、悲惨な結果につながる。
良い成長の要件とは、高い収益性、内部成長、差別化、持続性である。
良い成長は、収益性が高いことに加え、資本効率が高くなければならない。
新製品の開発を成功させるのは、そもそも部門横断的な仕事だからだ。
レクサスやデルの例があきらかにしているのは、競合する製品の価格がほぼ同じでも、迅速なデリバリーや、心地よさ、購入後のケアの良さなどから、顧客は製品の格差を見分けられるということだ。
「顧客を訪問した」は今や、流行り言葉になっている。しかし、有能なリーダーであれば、顧客にとっての機会と脅威をしっかり把握した上で顧客を訪問する。
士官学校ではどこでも「戦闘計画は、戦争で最初の犠牲者になる」という警句が教えられる。戦闘がはじまれば、ほぼ確実に誰も予想できなかった展開になる、ということだ。
現実のアイデアの多くは、情報を交換することから生まれている。
イノベーションは社会的なプロセスであり、誰でも参加できるものであることにわたしは気づかされてきた。このプロセスが会社の日常業務にしっかりと組み込まれていれば、天才がどこからともなく次々にあらわれてくるものなのだ。
勤めていた会社を辞めた理由のひとつは、そこでは思う存分活躍できず、やりたいことができなかったことにあるはずだ。以前に勤めていた会社がイノベーションの社会的プロセスをうまく動かしていれば、起業家の一部は会社にとどまって、おそらくは会社の成長に大きく寄与しただろう。
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