久保憂希也『数字力の教科書』大和書房
数字力とは、数字を使って意思決定への筋道を立てる力のことです。
アイデアがなぜ「いける」と思えるのか、自分にとって目に見える形で確認することです。さらにそのうえで客観性のある材料によって、意思決定権者や利害関係者を説得するプロセスが必要になってきます。
会議の議論は、「定量的分析」から「定性的意見」が正しい順序。
問題とは「目標と現実との間にあるギャップ」のこと。
1時間の会議で、判断に使う時間など5分以下だろう。あとの55分は、基本的に説明に費やされる。それならば、その説明は紙ですればいい(三木谷)。口頭で話すより、文章にした方が、論旨の弱い部分や、曖昧な部分がはっきりする。この方式を続けるにつれ、みんな論旨をまとめるのが上手になった。
数字力のある人は、まず、大きな数字をブレイクダウンする、つまり「分けて考える」ことをします。
「会社の数字」を見るときは「利益」をスタート時点に置いて考える。
「分ける」と「くらべる」を習慣化する。
「分ける」方法には、2つあります。1つは、イシューツリーのように、利益をスタートとして売上と費用に分け、それぞれを固定的なものと変動的なものに分けるやり方。もう1つは、売上や利益を1人(1店舗)あたりに分けるやり方です。
「平均」を鵜呑みにせず、「山の形」を見極める。
アンカリングとは、最初に提示された情報に意識が行ってしまうこと。
人間はプラスとマイナスを同じように数値通りに認識することができず、マイナス部分を過剰に評価する傾向があります。そう考えると、何か商品を売るためには、相手に「得」を感じてもらうだけでなく、いかに「損」を感じさせないかもよく考えなくてはいけない。
「1:5の法則」とは、新規顧客に販売するコストは既存顧客に販売するコストの5倍かかるというものです。
「5:25の法則」のほうは、顧客離れを5%改善すれば、利益が25%改善されるということを示す法則です。
交渉の極意「6:4の法則」・・・こちらから提示する条件をすべてのませようとするのではなく、4割は譲歩して着地点を見つけなさいということです。
客観的で合理的な意思決定のプロセス
- 前提を確認する
- 他の選択肢を検討する
- 判断材料を定量的に表す
サンクコストは、「ゼロベースで考える」という意思決定の基本に沿った考え方です。
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