仲谷秀一『新総支配人論』嵯峨野書院
経営者としての総支配人は、さらに次のことも実践しなくてはならない。ホテル内の多種多様に職種の異なる従業員たちが、それぞれの職場に満足してモチベーションを高めながら職務に精励すること、地域社会と融和を図り広範囲にわたって連携すること、ホテル業界団体に積極的に参加し活発に活動すること、客室がつねに快適な状態であるかみずからの目で確認すること、従業員たちが重要問題の解決に自主的に対処しようとする活力を与えること、絶えず先進的な知識を修得しようとする教育意欲を向上させること。
総支配人の役割
- 顧客を魅了する「エンターティナー(接遇者)」であること
- 部下には、よき「リーダー、教育者(トレーナ)」であること
- オーナーがもっとも信頼する「経営の代行者」であること
- 地域社会に貢献する「外交官」であること
総支配人に求められるのは、徹底した現場主義なのである。
リッツ・カールトンのモットーには、「私どものお客様は紳士・淑女であり、そのお客様をもてなす私たちも紳士・淑女でなければなりません」と、書かれている。この短い文章には、お客と従業員の対等な関係による心遣い、気配りのあり方、すなわちホスピタリティの精神を垣間見ることができる。また、「サービスされる側のお客も紳士・淑女であるべきだ」というホテルの毅然としたスタンスが感じられて興味深い。
総支配人に求められる7つのスキル
- 情熱をもって語れるか
- ソフトとハードをデザインできるか
- 数字をつくることができるか
- マスメディアに強いか
- 異文化コミュニケーション力があるか
- ITを活用できるか
- 人脈をつくれるか
« 海保博之『ミスに強くなる!』中災防新書 | トップページ | 小泉十三『「頭がいい人」といわれる技術』サンマーク出版 »
「マネジメント」カテゴリの記事
- 冨山和彦/経営共創基盤『IGPI流ローカル企業復活のリアル・ノウハウ』PHPビジネス文庫(2022.06.21)
- 呉兢『貞観政要 』ちくま学芸文庫(2022.06.07)
- 田坂広志『なぜ、我々はマネジメントの道を歩むのか 新版 人間の出会いが生み出す「最高のアート」』PHP新書(2022.03.27)
- 紺乃一郎『小さな資本で起業して10年経った経営者が考えてみた3つのこと』ダイヤモンド社(2022.03.14)
« 海保博之『ミスに強くなる!』中災防新書 | トップページ | 小泉十三『「頭がいい人」といわれる技術』サンマーク出版 »
コメント