レイ・コンシダイン他『だから、顧客が逃げていく』ダイヤモンド社
いちばん重要なのは、企業にとって「一生の顧客」がどれほど大切か、たった一人の顧客を失うことがどれほど大きな代償をもたらすかを、社員たちが学ぶということなのだ。
顧客不在のポリシーがマネジメントの上層部によって編み出されることも多い。
顧客の要望に応えるため、規則をほんの少し拡大解釈することさえ拒む偏狭さ。
顧客にとっては、相手が経営者だろうと事務員だろうと店員だろうと、全員が「自分の担当」でなくては困る。何しろ大事なお金を払うのだ。
何の不安もなく、ミスを自己申告できるようになれば、マネジメントの側も、①近い将来起こりうる問題を事前に察知し、②大問題に発展する恐れのある恒常的なトラブルのパターンを見分け、③収益を損なう恐れのある「顧客を逃す瞬間」の芽を掴み取ることができる。
実をいうと、長居した客ほどものを買う可能性は高まるものなのだ。
新規に顧客を開拓するのは、すでにいる客を維持するより五倍もコストがかかる。
命に別状ないのなら、〝ノー〟という前に一〇数えよ。
ビジネスでもスポーツでもいえるのは、頂点に近づけば近づくほど、上を目指すのはむずかしくなることだ(収穫逓減の法則)。
細部への行き届いた心配り、そしてそれと同じくらい大事なのは、最後まで気を緩めないことである。
改善とは、ともかくやってみる。うまくいかなかったら、やめればいい。少なくとも、うまくいかないことだけはわかったのだから。万一うまくいったらしめたものだ。小さな一歩だが、昨日よりはよくなった。毎日、少しずつ進歩していこう。
大切な顧客にするのと同じように、従業員を扱うこと。
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