齋藤嘉則『戦略パワー・プロフェッショナル』ファーストプレス
シェアとは、数字上のポジショニング競争である。
ミッキーマウス・アプローチ・・・・・時代の変化に合わせ、ユーザーが気づかないように製品やサービスのリニューアルを行うこと。
白地を見たら黒地にチャンスはないか、黒地を見たら白地にチャンスはないか、という発想をとりあえずしてみることだ。
前提条件が変わることによって、問題の真実を見失うこともある。
受け手がだれかによって象の主要な特徴や機能、そしてそれらが受け手の人々に提供する価値がまったく異なるということだ。
優れたコンセプトとは、受け手がそれを聞いたときに、製品・サービスそのものを含む解決策の特徴や属性、そして自分が受ける価値が具体的なイメージとして、クリアに湧き上がるかどうかがポイントとなる。
優れたコンセプトの条件
- 製品・サービスの受け手がだれか、具体的に見える
- 受け手にとっての実用的・感情的価値をガイドする
- ビジネス活動上の思考や行動の具体的指針となる
- 作り手から受け手まで、すべてのビジネス展開に一貫性と整合性を生み出す
なぜ、こうなるの? と原因を考える。すると、どうなるの? と影響を考える。
「なるほどそうか!」「明快で確信できる!」「よし、やってみようか!」と実践にポジティブな影響力を持つのが真のロジックだ。「理屈はそうかもしれないが・・・・・」「正しいことは理解できるが・・・・・」という反応が出るのは机上の理屈だからであって、人を動かすロジックになっていないのである。
ビジネスモデル成功の条件
- 最終顧客に対して、以前よりも有利なコスト、あるいは新たな価値を提供する。新たな価値とは、実用的価値と感情的価値である。
- ビジネスモデルの関係者全員にWIN-WINの関係が、価値とコストの両面で必ず成立する。特に、既存のビジネスが存在する場合は、それよりも利害関係者がベターな状況になっている。
- 1と2を実現するために、情報、モノ・サービス、カネの流れが、以前より格段に合理化され、進化している。
競争戦略を考えることは、競争相手のビジネスモデルである事業のロジックを理解することから始まる。
ロジックツリーを作成するときの技術上のポイントは3つある。
- 広がりをMECEで押さえる
- 具体的に深掘りする
- それぞれの関係性を考える
優れたポジショニングは、次の4つの条件を満たす。
- 他者との明らかな相違点を示す
- 相対的優位性が受け手に認識される
- 将来にわたって優位性を持続できる
- 全体ポートフォリオの限界を超えない
SMAP、ドリフ、七人の侍、どのグループを見ても、その中には同じキャラクターの人物はいない。
No.1企業は、すべての市場での占有率を高めるために、必ずフルライン戦略をとる。
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