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2011年7月10日 (日)

野口吉昭『プロの「観察力」』マガジンハウス

相手軸とは、相手の立場に立つこと。

顕在化している要求(ニーズ)を、自分たちの持っている技術や強み(シーズ)を活かすことで、潜在化している欲求(ウォンツ)にまで高めなければ、顧客を満足させるアウトプットは提供できない。

成功者は他人と同じ物事を見ながらも、他人とは違う見方や考え方をしてきたから、卓越した成果を上げているのです。

超一流(プレステージ)ホテルでは、「お客様から水がほしいと言われたら負け」「道を聞かれたら負け」と言われています。

最初に全体像をつかみ取るから、細部もイメージできる。

寿司屋は玉子の味で店のレベルがわかる。

ここで大切なのは、経験という過去の学習ノートを、ビリーフ(思い込み)やスキーマ(偏見・固定観念)にしてしまってはいけないことです。常に、頭を白紙の状態に置いておかなければならないのです。

展覧会を終わった後、疲れを感じるようでなければ見(観)たとはいえない(中島誠之助)。

難しい問いかけを与え、「30秒で答えを3つ出して!」(P&G社)

長嶋茂雄の伝え方は感覚的。

上司の説明が大ざっぱでぶっきらぼうでも、その裏側には、膨大な経験が蓄積されているのです。こんな時は、「ダメという結論は正しい」と受け容れて、理由はこちらで考えてみましょう。それが成長につながります。

運命よ、そこをどけ、俺が通る(マイケル・ジョーダン)。

日頃から準備をしておくから、チャンスを引き付けられるのです。

ショッピングで店に入ったら、値札を見る前に価格を予想する。この時、第一印象で「高そうだ」と思った品物は、商品をじっくり見て、高価な理由を明らかにする。

30秒以内に3つの理由。

上層部と現場が、同じ言葉・口グセを同じ意味で使っていることは、軸がぶれていない証拠です。考え方は言葉・口グセに表れますからね。

組織を見る時は「言葉」「口グセ」を観る。これは、コンサルタントとしての長年のキャリアで、私の中にできあがった本質の見きわめ方です。

コンセプトは、「本質」という意味のほうが合います。

本当にわかりやすい本は、専門書も書ける著者の入門書。

うまく仮説を考える際は、キーワードが大切です。

実際に商品を使うのがユーザー、その商品を店頭で購入するのがショッパーです。これまで注目されていなかったショッパーが、実は販売のカギを握っている。

人は性能や価格だけを見て、商品を選ぶのではありません。その商品が秘めたストーリーに引き付けられます。

エスノグラフィーは「質を追求する観察手法」です。

一人のホームレスから、このような言葉を聞かされます。「売ることかい? 物乞いに比べりゃ、何だっていいよ」。ホームレスだって本当は、物乞いをしたくないのです。他に稼ぐ方法がないから、生きるために仕方なく、物乞いをしているだけなのです。

子どもは、親のちょっとした心理状態、言動を実に観ているものなのです。

今の時代、古さは逆に新しい。

世界全体のことを考えるからこそ、身近なことに目を向ける。大きなことばかり考えていたら、いつまで経っても世界はよくならない。

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