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2011年8月 6日 (土)

伊丹敬之『エセ理詰め経営の嘘』日経プレミアシリーズ

役員たちは、報酬に対してではなく、経営結果に対して責任を持つべきで、その結果責任をむしろ厳しく問うべきである。

M&AのMとAとは決定的に違うことを理解しておく必要がある。なぜなら、その理解を間違えて企業統合を単純な買収だと捉えると、統合のメリットが事後的に実現できない可能性がかなりあるからである。MとAの決定的な違いは、資源や人間集団を合体するかしないかである。異なる企業間で資源や人間集団の合体がなされる場合、それは合併であり、一方、異なる企業間で法律的には株式の支配関係や株式の一体化はできても、資源や人間集団の合体が実質的にない状態が生まれる場合、それはたんなる買収である。買収した結果として、法律的・会計的に全体としての規模が拡大しただけである。資源の合体とは、工場や設備の相互利用や、販売網、情報インフラの共通化などが実現することである。また、人間集団の合体とは、異なる企業に属していた人々が、その枠を越えて交流し合い、そこに情報の流れや新たな協働が生じる状態をイメージするとわかりやすい。

経営統合が成功するのは、統合した事業体が経済合理性と組織合理性の二つを兼備している場合に限る。この二つの合理性の総体が、企業としての合理性である。経済合理性とは、二つの企業の資源を合体させることから、三つの経済的効果が大きく期待できるか、ということである。それは、合体後の規模の拡大がもたらす規模の経済、合体後の資源の相乗効果がもたらす範囲の経済(さまざまな事業範囲を持つことによる経済性)、合体後に資源の重複をなくすことによるムダの排除、この三点である。組織合理性とは、新しく生まれる事業体が組織文化を融合できるか、経営組織体制をきちんと作れるか、という問題である。

ソニーについて、経営システムという点では、横文字とカタカナが乱発される意味のわかりにくい組織改革がしばしば行われるようになった。社内の人々の混乱は容易に想像できる。そうした論理的な堅牢さのない経営組織の案を実行してしまえば、失敗する確率は高いはずである。

机の上で論理が通っていると思う計画でも、現実に実行するとさまざまに前提条件とは違う現象が起きて、そのままでは失敗することが多い。机の上ですら論理が通っていない計画は、間違いなく現場では失敗する(キャノン賀来氏)。

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