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2012年3月 5日 (月)

堀内智彦『社長、その給与は払い過ぎ!』あさ出版

この不景気な時期に強烈な本が出たものである。その名も、

社長、その給与は払い過ぎ

堀内先生! この書名はちょっとやばいんじゃないですかね~

それもビジネスマンなら誰でも読んでいる日経新聞にデカデカと出ている。これは、会社のマネジメント層や人事は喰らいつきますよ。と同時に、全国のサラリーマンを敵に回すんじゃないですか? 先生! いいんですかい。

でもだよ。中小をとりまく経済はたいへん厳しい。種々のコスト削減法があり、あれこれ議論されるが、現実的に、コストに占める割合がデカイというか、手っ取り早いというか、狙い撃ちされるのは、〝人件費〟しかないでしょ。だが、本書はちと違う。本書の標的は「人件費」ではなく、「給与」なのである。そもそも社会保険料は給与に連動していじりようがないし、福利厚生費は中小ではないのも同然だ。だとすると、給与しかないでしょ、ということだ。

本書を一通り通読した。本の匂いがすごくいい。私は本の匂いを嗅ぐのが好きなのである(別に変態ではない)。本書を読む前は、〝とうとうホリコン先生もコスト・チェーンソーにおなりになさったかい(ホラー映画にちなんで)〟と思っていたが全然違った。本書は〝ギロチン〟の書ではない。むしろ逆だ。というのも、本書の中で一番好きなキーワードが「敗者復活」だからである。

本書の想定読者は当然ながら、社長だけでなく、従業員も必須だ。本書は、中小企業自体・社長が生き残るための当然の方策を述べていると同時に、従業員側としても不当な解雇に対する対策、自らの給与を維持・向上して行くための対策、自社の就業規則等がどうなっているかを知る点でも必読だ。なかなか自社の就業規則等を改定することは難しい面もあるけれど、新たに会社を設立する社長にとっては、大いに有益になることは間違いない。

ところで、著者の堀内先生は本ブログに多数のコメントしてくれる、とてもフレンドリーな先生なのだ。堀内先生は、本稿の最後にアマゾンのリンクを張っているが、埋蔵金→原価計算→原価管理と立て続けに良書を連発している、私の中で今一番ホットな先生なのである。著者自身、コンサルであり、会社を経営しており、社労士の資格も持っている。他人を評論するだけで飯を食っている先生ではない。ビジネスはもちろんのこと、税法や会社法、労働基準法等にも精通している。ここから、本書がいかに説得力のあるものであるかがわかるだろう。

さて、前置きが長ったらしくて、もうしわけない。いよいよ各章の論点を紹介しておこう。今回は、私が社長に提言するような形で述べていきたい。

序章 社長、その給与は払い過ぎ

社長! 実はあなたは時給は社員のそれより低いんですよ!

新卒採用で「高額な初任給」を設定していいんですかい?

社労士が作った給与体系や本に書いている給与体系で本当にいいんですかい?

第1章 だから払い過ぎが生まれる! 意外と多い給与の勘違い

基本給を簡単に上げていいんですかい? 決算賞与という手も考えてみたら?

賞与に最低賃金法は適用されないことを知っていました?

残業代の割増分、ちょっと払い過ぎじゃありませんか?

手当、手当って、ほんとに必要?

えっ、管理職にも残業代がつくの?

第2章 その社員に払う給与、本来この額で十分です

人件費は給与の何倍か知ってます?

労働生産性、人件費投資効率を計算してます? 給与の総額が適正か、今一度考えてみましょうよ。

間接部門の社員にも仕事の「値段」をつけてみましょう。

業務付加価値分析で個人損益を求めてみましょう。

第3章 社長、払い過ぎのギャップをどう埋めますか?

〝縦〟と〝横〟のスキルアップで生産性を上げる可能性がないか探ってみましょう。

賃下げは〝個別カット〟か〝一律カット〟か、どちらにする?

さて、どの順番から〝一律カット〟する?

「退職勧奨」や「解雇」は慎重に!

第4章 モチベーションを下げずに、給与を下げる

〝一律カット〟は本当に平等ですか? それに簡単に出来ませんよ。

給与を下げる順番は、これです!

「フレックスタイム制」もいいかもしれません。

〝専門職管理職〟に登用して残業代をなしにしますか。

人が辞めたときはチャンスですよ。

パート、アルバイトとの契約も、侮ってはいけません。

定期昇給について、今一度考えてみましょう!

出向・転籍はこの方法で。慎重に。

第5章 最後の手段! トラブルが起きないように、辞めてもらう

希望退職の方法、退職勧奨の面談方法を教えます。

退職届は、こうやって書かせてください。

懲戒解雇でも、「不当解雇」とされるリスクがあるんですよ。

終章  社長も社員も満足できる、新賃金制度とは

業績に連動した賃金制度を新たに導入することが、最短のルートです。業績に連動した給与とは、次のようなものです。

給与=生活保障給+投資給+付加価値給

私は会計や税法には普通の人よりちと詳しいが、給与に関する法律については食わず嫌いというか門外漢なのである。社労士等が書いたガチガチの給与に関する本ははっきり言ってどうにも読む気にならない。おもしろくないからだ。そこに、マネジメントという思想がないからだ。本書はマネジメントの観点を加えて給与あるいは法律論を論じているので、非常に面白いのだ。ど素人の私が読んでもとてもわかりやすい文章だ。給与に関する法律知識もだいぶん増えた。

なお、著者は、以下のリンクにあるように給与に関わらず、あらゆるコストの削減策に関する良書を出版している。ぜひとも一読されたい。それにしても、ハズレのない著者だ。〝もうこの国にいる限り、ホリコン先生から逃れられない〟と最後に言っておこう。

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コメント

こりんちゃんさん!
お疲れ様です。ご多忙のなか、こんなにも早くお読みいただいてありがとうございます。
前にも申し上げましたが、書店に並ぶ拙書をみるときよりも、コリンちゃんさんの評価が気になります(◎´∀`)ノ
「今度ばかりは厳しい書評」を覚悟していましたが、かなり気を使っていただいて、お手柔らな感じでちょっとホッとしています(汗)。

確かにタイトルはサラリーマンに喧嘩売ってる感じですが、これも戦略故お許しください。

本書は、従業員2名以上に給料を払っているオーナー社長、これからヒトを雇うつもりの起業家の方、そして従業員が2名以上の会社に勤めているスタッフの方、大企業でも総務・人事部門の人件費を研究されている方、そして人事コンサルタント、経営コンサルタントの方、会計士、税理士、診断士、社労士など専門家の方などすべてのビジネスマンに読んでいただいても、恥じることのない著作だと自負しています。

しかし日経新聞の半五段広告の効果は凄いですね!同日ではアマゾン総合79位まで行きましたw(゚o゚)w
今回はメディアの力を借りてしまいました。

この素晴らしい書評はまたブログなどで引用させていただきます。
本当にいつもありがとうございます。

追伸 新宿二丁目に事務所を開設したのはいまから15年ほど前です(御苑は家賃が安いので)。事務所に出入りしているのであって現地にはあまりお金を落としていません(ごめんなさい)。
このキモイ声をお褒め頂き感謝です。
カラオケ歴は、今年32年になります。十八番は沢山ありますよん
(*^-^)。

先生、こんにちは。コメント感謝です。

今回の新著、本領発揮ですね。今、学生時代以降ひもとく
ことのなかった労働法の本を、先生の本を参考に勉強中
です。今さらながら学生時代に学んだ労働法について何
一つ覚えていません。生きた学問じゃないな~ということ
ですな。学生時代に先生の講義を聞けば、どんなに興味を
もったであろうか。先生、「労働法実務」とか「労働マネジメント」
ってな講座で、どっかの大学からアプローチ来てませんかね~。単価が低いから、ダメっすか。

講演会も開かれるようでぜひとも著者の生の声を聞きたいの
ですが、立地的にトホホです(´;ω;`)ウウ・・・ 10分だけでも
You Tubeに動画をアップして欲しいな。モジモジ(。_。*)))

それと新宿二丁目。。。もしかすると、先生があっち系じゃな
いかと心配で Σ(゚д゚lll)アブナッ !

ともあれ、私も一国一城の主をいずれ狙ってるんで本書も
辞書化・永久保存版決定です。重宝させていただきます。

コリンちゃんさん!
お疲れ様です。

私は社労士歴20年以上ですが二流です。社労士で食えないからコンサルになったのです(^-^;

だから、労働省と厚生省が名前だけ一緒になって実情は相変わらず縦割りの役所の下請けのような、超~つまらない労働関係の講義なんて大役はとても自信ないです
┐(´д`)┌ヤレヤレ。

ただし中小企業における現場の実情は良く理解しているつもりですので読み物としては面白いかもです。

そんな私ですが、大学の講座でもオファーがあれば、もちろんお受けいたします
(今のところ全く声がかかりませんが:;)。

そうですね。講演会の録画とアップは検討してみます。ただ目と気が弱く、顔と頭と性格が悪いのであまり人前に出るのは苦手ですが。。

それから、ご心配なく、チョーワル&エロオヤジとして、むしろ歌舞伎町では多少有名もです^^。

今後ともよろしくお願いします!

先生、こんにちは。
先生のブログに書評を載せていただき、感謝・感激です。

先生からコメントをいただくと、あれも聞きたい、これも聞きたい、ぬぁーーーーーとなってきそうです。

ネット等で書評が多く出るといいですね。なかなか一人だけで
読んでると、気付かない点も多くありますから。「コリン君、君の
読みはまだまだ甘いよ。堀内先生の本はこうやって読むんだよ」って喝を入れて欲しいなっ (^-^;

ともあれ、またネット等で書評を探して、勉強します。
それでは ♪(o ̄∇ ̄)/

ホリコンです。なんとか生きています。
コリンちゃんさん相変わらずご活躍のようでうれしく思います(◎´∀`)ノ
本も出したいのですが中々声がかからず、雌伏の3年が経過しました。電子書籍は何冊か出したのですが、今回キャバクラでモテるオトコはなぜ仕事ができるのか?アマゾンPODででました。PODなのでめちゃ高いのですが、いまは983円なのでもしよろしかったらお手にとっていただけるとうれしいです( ^ω^ )
よろしくお願いします。

ホリコン先生がキャバクラに手を出したと聞いてすっ飛んで来ました(*‘∀‘)。ご報告、感謝いたします!

先生、ご無沙汰っす!!。こっちもなんとか生き延びてるっす!

アマゾンでときたま堀内智彦って検索すると、先生ずっと新刊出してねぇよ、先生やる気あるんですか!って思ってたら、企業ドクター・ホリコンという名で売り出しているのですね。いやまぁ、あっしが先生のブログやツイッターを確認しとけばよかったんですがね、あっしの怠惰、不徳の致すところであります、はい。運動場100周走ってきまーす('◇')ゞ

というわけで本題。当該書籍はKindle版とペーパーバック版があります。内容的には同じでしょうか?。Kindle版購入でよろしいですか先生?。あっしの資金繰りの酷さ、ご理解くださいまし(T_T)

ありがとうございます。

古い伝言板に細いチョークでこっそりメッセージを残した感じでした(*´ェ`*)

KindleもPODも内容は一緒です。電子書籍でぜひともご高覧くださいませ。

今度は厳しい書評を期待しています!
よろしくお願いします(o・ω・)ノ))

先生、ありがとうございます!。
Kindle版でさっそくスタートしまーっす!
序論だけサンプルで読んだのですが、手強いっす。
1,2週間ばかりお待ちを。
休みの日、日曜日にでも覗きに来ていただければと(*‘∀‘)
それでは、行きまーす('◇')ゞ


コリンちゃんさん!ご無沙汰してます(^-^;

ようやく次回単行本出版が決まりました!

タイトルは「2時間でわかるKPIマネジメント(仮題)」あさ出版から9月頃でます。KPIの本質論から具体的なテーマ設定までを網羅した残り少ないエネルギーを振り絞って入稿しました。

決してさぼっているのではく、本を出すのがますます厳しい時代ですが、今度こそベストセラー狙っていますので、出版の際は厳しい書評をお願いしますo(*^▽^*)o

先生、こんにちは(*^-^)

キャバクラの本、面白かったですよ!。実際にキャバクラに行って試せないのが貧乏人の性でして…(u_u。)

KPIっていうと、BSCに関係してくるのかな?。BSCにはどうも懐疑的でして。それを超える実践理論をホリコン先生が構築したのかな?

9月発売ですね。覚えましたよ╭( ·ㅂ·)و̑ グッ.

遅い、遅すぎる


コリンちゃんさん!

返信ありがとうございます。

私の知る限り、ビジネス知識と読書量においてはコリンちゃんさんがダントツなのですが、さすがにKPIに関しては類書がないせいかあまりなじみがないようですね。

もちろんBSCとも関連していますが、今回は一番書きたかった内容です。

給与払いすぎも初版6,000部で、既に実売5,000部行ったので、二刷りをするとこですが、もう一冊は売れるやつを!
というの版元の条件でして、テーマを探していました。

本当は毎年一冊のペースで出したいのですが、作家としては末端の悲しい性でして、本当に申し訳ありません(ρ_;)

先生!ありがとうございます!

とにかく楽しみにしてますよ!!

それまでに類書を探してKPIの勉強をっと
先生の著書と見比べるために(・∀・)ニヤニヤヒッヒッヒ

うっふっふヽ(´▽`)/

KPIの類書は高い、分かりにくい、最後まで読めないの三拍子だとおもいます。

是非比較対象をお願いします!!

いつもありがとうございます(*^.^*)

先生、いつも出版の裏事情の話を聞かせていただいて感謝です(*^^)

KPIの類書を図書館でいくつか借りてみようと思うのですが、たぶんお堅い用語の羅列で結局なにをすればいいの?臭がプンプンと(*`ε´*)ノ

わかりやすい、すぐに使えるが先生の持ち味と思っていますから、ここは期待です

私の予想どおり。

外資系コンサル出身のKPIの本を読んだけど、
まず、面白くない
それに、こんなこと、よほど余裕のある、暇な企業にしかできない(# ゚Д゚) ムッカー

というわけで、ホリコン先生の本にかける

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