一倉定『一倉定の社長学 市場戦略・市場戦争』日本経営合理化協会出版局
〝対前年比売上高伸び率〟なる物差を使って我社の業績を判断しようとしている社長が多い。
限界企業の危険は社内にあるのではなくて社外にあるのだ。
「一人当り」という物差は生産性の物差。
様々な販促手段も、市場戦略の中に組込まれてこそ、その効力を十分に発揮できるのである。
販売戦というのはセールスマンとセールスマンとの競争であると思いこんでいるところにある。
日本人という人種は、同じ日本人の理論に対しては、重箱の隅を楊子でほじくるようなことをやって、取るに足らない欠点を探しだし、これで全体を否定しようとする始末に負えない狭量人種だからだ。
数量法則を無視した販売戦などあり得ない。
数量に関することはランチェスターの法則で割りきってしまい、質的な要因だけを考えればよい。
ランチェスターの法則は、局地戦のみに限定される法則であって、〝総合戦〟の法則ではない。
恐ろしいのは敵側にあるよりは、我社の側にあるほうが圧倒的に多い。
敵の強いところを攻めるな。
占有率も、「いくら伸びたか」ではなくて、「競合他社より伸びたか」でなければならない。
強者の戦略
- 総合力を如何に発揮するか
- サービスの優位性を確立する
- キャンペーンの強化
- 作戦地域の拡大
- 価格政策
- No.2を叩く
- 敵を我が陣営に引入れる
- 部分的な休戦又はタイアップを行なう
- 我社の占有率が圧倒的な場合には、弱小業者の生きる道を残しておく
弱者の戦略・・・・・強者の戦略の逆をいく
- 大手の苦手の商品
- サービス
- キャンペーン、大手の手の届かない地域、持っていない商品に集中し、スキ間戦略に徹する
- 作戦地域の限定
弱者のもう一つの誤りは、戦線の拡大である。
占有率のランク
- 独占的占有率・・・70%以上
- 主導的占有率・・・40%以上
- 不安定な一流・・・25%
- 過渡的占有率・・・10%以上
- 限界的占有率・・・10%以下
ベトナムやアフガニスタンのゲリラ戦を、われわは学ばなくてはならないのだ。
意図した場合が〝差別化〟である。
面攻略法
- 三点攻略法
- 層別攻略法
- 同心円攻略法
- 間接攻略法
経済圏は行政区分と一致しない
市場戦略で大切なことの一つは、行動はすべからく密なるを要するということである。
〝未来事業〟という考え方こそ事業経営に不可欠なもの。
大幅値引きや長期にわたる安値販売は、見掛けは価格攻勢であっても実際は資金繰に火のついた苦しまぎれのアガキの場合が殆どであって、敵を攻めているのではなくて自らの苦悶なのである。
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