平泉澄『物語日本史(上)』講談社学術文庫
文字が朝鮮に伝わり、朝鮮から我が国へ入って来たのは、応神天皇の御代であったと伝えられています。
六国史
我が国の歴史を書いた書物の、一番古いのは古事記であり、・・・
古事記は、物語としては、まことにおもしろいが、年表を書いて、年月順に整理しようとすると、それはできない仕組になっているのです。
日本書紀の年立てには、大きな無理があり、そしてそれが古事記にも影響を与えているところから・・・
天皇紀・国紀などを作られた時、この事業に参加して働いた人々には、朝鮮から帰化した学者が多かったに違いありません。
キリストの生れたのは、紀元元年ではないのです。
神話を、そのままの姿で、今日の知識から批判すれば、どれもどれも荒唐無稽、つまりデタラメで、信用もできず、価値もないように思われるでしょうが、実はその中に、古代の宗教、哲学、歴史、道徳、風俗、習慣が、その影をうつしているのであって、その民族の世界観と人生観、その知性と徳性とを、これによってうかがうことができる、貴重な資料なのです。
日本書紀には、本文のあとに、「一書に曰く」として、・・・
日本神話の今一つの特色は、悲惨とか、冷酷とか、凶悪とか、いうような暗い話が少なくて、だいたいほがらかな、愉快な物語が多いことです。
その約というのは、約束の意味でしょう。つまり神と人との間の約束、それを説いたものが聖書です。
仁徳天皇の御陵は、エジプトのギゼのピラミッドよりも大きく、シナの秦の始皇の陵よりも大きく、・・・
律というのは、「しては、いけない」と規制するもの、刑法といえばよいでしょう。令は、「すべし」というもの、官職規定が、これに当るでしょう。
朝鮮の古い歴史を調べようとすれば、今日は三国史記を見なければなりません。
日本書紀には、百済記とか・・・が、引いてあります。すなわち朝鮮の古書が、朝鮮では失われて、かえって日本書紀の中に、一部分残ったのです。
防人というのは、国境警備の兵です。
菩薩というのは、仏に近い人というような意味です。
明治天皇が東京を都と定められました時も、京都の都をおやめになるのではなく、東京と京都と、二つ相並んで帝都であるとお定めになったのでした。明治の人が、京都のことを西京と呼びましたのは、・・・
一番古いと思われる竹取物語
英国はたとえ印度を失っても、シェークスピアを失ってはならぬ
我が国の歴史、朝廷で正式に編修せられたものを、正史といいます。
« 福田和也『日本の近代(上)』新潮新書 | トップページ | 木村俊介『「調べる」論』NHK出版新書 »
「歴史」カテゴリの記事
- 文藝春秋編『世界史の新常識』文春新書(2024.02.01)
- 磯田道史『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』NHK出版新書(2023.06.18)
- ジュディス・S・ニューマン『アウシュヴィッツの地獄に生きて』朝日文庫(2023.01.29)
- 関眞興『30の戦いからよむ世界史 上』日経ビジネス人文庫(2022.08.02)
- 竹村公太郎『日本史の謎は「地形」で解ける』PHP文庫(2022.07.12)
コメント