金子光晴『日本人の悲劇』
日本人は、どこへいっても、その国のことばをおぼえることが不得手です。日本人の劣等感からくる自尊心が、いつも先くぐりをして、心をあいての心に近づけようとしません。一言で言えば、ひどく臆病なのです。
平民の下にはまだ、新平民というものがいます。穢多非人と言われ、最下級の人間とされていました。
孔夫子は、・・・・・現代人が考えているよりも人間が、元来たまらない糞壺のようなものだと見抜いたからのことかもしれません。
戦場では、日常のことばというものがないのです。馬を鹿と言えば、その通り復唱するだけでいいのです。そして、戦場にあるものは、命令と、怒号と歌だけです。
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