小谷野敦『日本人のための世界史入門』新潮新書
イデオロギーというのは、証明されていない議論という意味で、つまり冷静に事実を見つめることが出来ずに現れるものである。
歴史哲学というのはヘーゲルがまとめたもので、歴史法則主義として批判もされる。
ヘーゲルやスペンサーなどは、進歩史観である。
ヘーゲルをある意味で引き継いだアドルノとホルクハイマー・・・・・
大日本帝国憲法が作られた時に、日本を「帝国」とし、天皇を「エンペラー」としたのは、ドイツに倣ったからである。
西暦というのはキリスト教暦のことで、キリストが生まれた年を基準にしているが、実際には四年くらいずれている。
『一九〇〇年』という映画があるが、これは誤訳で、『一九〇〇年代』が正しく、つまり「二十世紀」という意味である。
太宰治の「走れメロス」は、古代ギリシアの伝説をシラーが詩にしたものを小説化したもの。
西洋がキリスト教を、日本が武士道徳を押しのけて近代化を達成した、そういう力が、朝鮮・中国には欠けていたと、言わざるを得ない。
日本で八月十五日を終戦の日と言っているのは、どうしようもない間違いである。終戦は千九五一年のサンフランシスコ講和条約の時で、八月十五日はポツダム宣言受諾を発表した日であり、せいぜいが敗戦の日である。
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