本多勝一『殺される側の論理』朝日文庫
「社会の幸福、文明の進歩のために」・・・・・。これは侵略者が虐殺をするとき、・・・・・常に使ってきた論理であります。
ワシントン以来、きわめて少数の例外を除くと、合州国大統領は終始ヒトラーの連続であった。
朝鮮戦争は、合州国にとって初めて「勝てなかった」インディアン戦争である。
差別という問題については、とくに朝鮮人の目によって日本を見てゆくのが最もよいと思います。
黒人はこうした人種的階層としての差別の核であると同時に、階級としても被抑圧者であるという二重の責め苦にあえいでいる。
私たちの学ぶ世界史やアメリカ史は白人側の歴史であって、黒人側のものではない。
「ない」ことの証明は、「ある」ことの証明よりも困難なもの。
スターリンや毛沢東の息子は、まさに使命感によって戦死しています。
ヘレンフォークとは、ご存じのように、ナチの創った用語です。
日本がアメリカの「いい子」であるうちは彼らも親切で善人だが、少しでも「生意気」になると、今は小国となったイギリスが日本を憎みだしたのと似た現象を示すようになるだろう。
差別される身になったことがないから、現実が見えないでしょうね。
日本人が教えられたアメリカは、歴史も制度も、すべて白人世界のことだけですよ。
他人の痛みは我慢できる。
日本に米軍が天皇制を残したのは、『菊と刀』の力によるとのことですが、ことの真偽はともかく・・・・・
『君が代』斉唱のとき担任クラスの生徒に「回れ右」をしてクビになった中学の先生のほうが真の冒険家の名に値する。
日本における三大差別問題としての在日朝鮮人・被差別部落民・アイヌ。
朝鮮へ行けば、できれば朝鮮語できいてみることが最小限の礼儀である。
戦争によってトクをした奴と、犠牲になった側。これこそが対立するのでなければならない。
戦後の総理となった男に、もと戦犯がいることは象徴的です。こうした「戦争で儲ける側」は、いつもかんたんに手をにぎります。
中国や北ベトナムに、あれほど全人民を武装させたのは何でしょうか。それこそ正に、日本や合州国だったのです。
殺す側は常に単色であるが、殺される方は、まことに色どりさまざま、それぞれに殺される。
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