斎藤美奈子『本の本 書評集1994-2007』筑摩書房
与謝野晶子は鉄幹の家の「ばあや」の意地悪な眼におびえる家出人
平安時代には仮名文字が発明
『平家物語』にはブスがいない。
全部フィクションの『源氏』とちがい『平家』は一応史実。
大切なのは役に立ちそうな本であること、読む本ではなく使う本。
朝鮮半島の百済の生まれといわれる憶良。
ポストモダニズムは、ジェンダーや民族の問題を公にし、西欧白人男性中心主義に異議を唱える役割を果たした。
マタイ効果。
身のまわりの日常生活に着目し、あるいはその日常の間尺でものを考えようとする性癖が知性に宿っていったのは、ごく粗っぽく言っておおむね「左翼」の言語空間においてだった。
彼は実際の「左翼」をほとんど知らない。すなわち彼らのいう「サヨク」とは、実体ではない。それは彼ら自身の影、彼らの内面にある<否定したい自分><認めたくない自分>の投影にほかならないのではないか。
男は収入、女は容貌。結婚とはカネとカオの交換。
ヒトラーは菜食主義者で酒もタバコも口にせず、ヒムラーもルドルフ・ヘスも相当な健康オタクだったらしい。
サウジアラビアは、女性の人権がまったく認められていない国。
少女人形は民族の価値観や人間関係が色濃く反映している。
タレをからめて網の上でジュージュー焼くあの「焼肉」は、在日コリアン文化が編み出した偉大な発明品である。
書評は「予習」より「復習」のために読んだほうがおもしろい。
「ヘンゼルとグレーテル」も「白雪姫」も「山椒大夫」も、子どもを捨てる親の側からひっくり返して眺めると、まったくちがったお話が見えてくる。
いままでの経験からいうと、石原委員が貶した作品はだいたいにおいてアタリが多い。
『白鯨』は、鯨をめぐる稀有な博物学の書であり、旧約聖書と密接な関連性をもつ宗教的な書であり、アメリカ史の暗部にふれる政治的なテキスト。
「賃資」「党宣言」「経哲草稿」「ドイデ」
資本論・・・第一巻の第八章から読みはじめなさい。
「マゾヒズム」という語の語源にもなったマゾッホ。
生産関係あるいは階級支配だけで来たマルクス主義経済学
結婚前は目をしっかり開けておけ、結婚後は半目を閉じておけ(ベンジャミン・フランクリン)
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