網野善彦『歴史の中で語られてこなかったこと おんな・子供・老人からの「日本史」』洋泉社
八幡はヤハタとも読みますが、朝鮮半島との関係で出てくる外来集団を指しています。
古代吉備の国は製鉄の技術を持った渡来人の子孫が作った国。
農業、農村を中心にしようとする国家意思が、近世にははっきりと働いています。
歴史学者も民俗学者も、結果的に上から押さえつける方の立場、つまり権力者の意志に即した立場からしか社会を見てなかった。これが決定的ですよ。
柳田さん自身かなりの程度「農業イデオロギー」の世界に取りこまれていた。
古文書学はやはり、学問の王道ですね。
柳田国男や折口信夫も、巫女=女帝論にまでつながるような天皇制のあり方を南島研究からヒントを得て考察してきた。
だいたい財布を実質的に握っているのは昔から女性です。
ギリシャ・ローマ神話では女性の神が非常に強い。
これまでの歴史学は成年男子の歴史だった。
日本に伝統的に存在する「二重構造」です。大御所と将軍、院と天皇、大殿と摂関、得宗と執権の関係ですね。
納戸は、夫婦のセックスをする部屋であると同時に、蔵でもあり・・・
私は、司馬さんのお仕事の中で、明治維新についての評価が高すぎるし、少し甘いのではないかと思っている。
日本の天皇は老人の天皇や幼童の天皇が多い。
子供の世界には、大人と異質のものがある。
私は依然として十四、五世紀に日本社会の歴史の大きな変化が始まったと思っています。
日本国を歪んだ方向にもっていったのが明治政府。
近代日本の朝鮮侵略の原型はやはり、秀吉の朝鮮侵略。
すべてを天皇の名の下にやろうとしたのは秀吉。
「倭」イコール日本人ではないのです。
倭人伝の当時はまだ「日本人」はいません。
明治政府が百姓・水呑をすべて農民にしてしまった。
私はすべての歴史家が通史を書くべきだと思います。
柳田国男のやらないところを押さえようというのが渋沢さんや折口さん。
歴史学には古代・中世・近世・近代・現代の時代区分は厳然としてある。
明治政府の琉球併合まで沖縄、琉球は日本ではなかった。
百姓はもともとヒャクセイと読んで、農民とは一致しない。
取引、手形、切手、為替、仕切。みな中世からの言葉ですね。
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