長山靖生『偽史冒険世界 カルト本の百年』ちくま文庫
「地震兵器」というのもSFファンなら誰でも知っているテスラの空想の産物だった。
あるがままの日本を否定し、「本当の日本」を求め続けてきたのが、近代の日本というものだった。
あきれたことに、近代日本は妄想の固まりだったのだ。
この本『成吉思汗ハ源義経也』は、日本がアジア大陸をかき乱していく近未来を予測し、というより、こうした来たるべき戦乱への賛美を掲げた、極めて政治的な書物だったのだ。
歴史は、思想なくしては書けない。史観がなければ、客観的な記録に留まってしまう。(塩野七生『わが友マキアヴェッリ』)
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