古賀茂明『利権の復活 「国民のため」という詐術』PHP新書
自民党安倍政権において、マスコミを利用しながら世論を動かす手練手管は際立っている。
いかに国民を騙すか。理屈で騙されている。
一つの基金や機構をつくれば、天下りや予算配分といった利権が誕生する。
マイナンバーはいったい何に使えるのか。身分証明書の代わりである。
煩瑣なデータ処理や技術的な問題は、官僚がもっとも得意とする領域である。
答弁は基本的に官僚が考える。
「法律は附則に注目せよ」と言われる。附則には立法者の意図が隠され、その存在は、ときに法律の主旨そのものを変えてしまうことさえある。要注意である。
彼らの最終的な目的は、核のゴミを再処理してプルトニウムに変え、原爆や核爆弾をつくる技術を開発することにある。
日本では原発など重要施設の「直下」に活断層があるかどうかが焦点となるが、米国では直下かどうかにかかわりなく、施設の近傍にあることも許されない。
ISDS条項は、ある国の企業が投資先の国で不平等な扱いを受けた場合、企業はその国を訴えることができるという約束事を指す。
農協が現在果たしている機能をひと言でいえば、競争を抑えることにあると私は見ている。
官僚は租税特別措置には熱心だが法人税減税は嫌い。
立憲主義、憲法によって国家権力をコントロールするという考え方だ。国民が国家権力の暴走を止め、真に主権者たる国民のために働くようにする仕組みだと考えればいい。
中国の軍拡を抑える最大の抑止力は、じつは国際世論だ。
「国防軍を保持する」という文言を憲法に盛り込んだとたん、日本は「法的に軍隊をもたなければならない」ことになる。
何が「公益」か、何が「公の秩序」かは、政府が政省令などで定めることになるだろう。つまり二十一条を改正したとたん、必ずそれを具体化するための規則がぞろぞろできることになるのだ。
日米安保条約において、米国は日本の防衛義務は負っているが、日本は米国の防衛義務を負っていない。
自民党のシンクタンクは基本的に官僚。
男性の性欲の捌け口の道具として女性を利用するのは、仮に法律的に許されるものがあったとしても、倫理的には決して許されることではない。
橋下氏の弱点は、何よりも国際感覚が著しく欠如していることである。
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