吉本隆明『追悼私記』ちくま文庫
乃木希典の明治帝への後追い自刃に異常なほどの関心を寄せた鷗外。
永久革命という概念はトロツキイ・・・
新約書(新約聖書)は不信の言葉において優れている・・・
スターリンは、平気でロシアの民衆に農民戦争を仕掛けて、同胞を何百万も殺してしまった善人ぶった悪党で嫌な奴だが、・・・
漱石の作品はどこかしらに<問題>小説の面があって、・・・
ポオの『モルグ街の殺人事件』や『ぬすまれた手紙』は、真理をどうつかむか、相手のやりかたをどう見ぬくのかを示唆する教科書のようにみえて、・・・
ダウン症児はダウン症児そのものであって、思い<イデー人>でもなんでもない。それを生んだ親が五体健全な子とおなじように育て、やがて五体健全な子のあいだでごく自然に生きいきとふつうの生活ができるような方途をつけてやるのも、親としてあたりまえのことだ。
ロシアのウクライナ共和国の大虐殺や、強制収容所から、ポル・ポトの民衆虐殺までのいわゆる「ナチスよりひどい」歴史の意味するものだ。
サルトルはわたしたちに宿題をいくつか残していったとかんがえる。そのひとつは、マルクス主義ではなくマルクスの世界像は、いまも可能で正当かを徹底的に検討しつくすことである。さらにもうひとつあげれば、歴史という概念は人間の存在、その存在の仕方の全領域を覆うにたりるものかどうかを根底的に問いつくす課題。
レーニンは普通の生活者がたまたま不可避的に革命家となった存在だが、トロツキーははじめから<革命家>というよりほかない存在だった。・・・・・トロツキーの文体と思想にはそう緊張する必要がないのに緊張しているところがある。
ナチズムは国家主義、民族主義、排外主義的な政治権力が資本主義を制圧した国家資本主義にあたる。
三島が<日本的なもの>、<優雅なもの>、<美的なもの>とかんがえていたものは、<古代朝鮮的なもの>にしかすぎない。
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