大日方純夫他『君たちは戦争で死ねるか 小林よしのり『戦争論』批判』大月書店
当時の韓国は政党政治ではなく、一進会が希望したとしてもそれが国家(韓国政府)の意思を反映しているわけではありません。最大政党が希望したというといかにも多数派の意見であるかのように聞こえますが、決してそういうものではないのです。そもそも一進会は、日本側の支援を受けた親日団体であり、その運動も大衆の強い批判をあびていた組織です。このような「日韓併合促進派」が存在したことは確かであるけれども、基本的に韓国併合というのは、第一次から第三次にわたる日看協約を前提としてしだいに韓国の主権を奪っていき、最終的に軍事的圧力によって併合条約に調印させた、という過程がすでに歴史学的に明らかになっています。
相手からお願いされたのだというのは当時の論理で、併合条約も韓国のほうからお願いして日本が併合してあげるという論理で書かれています。
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