朝日新聞学芸部編『一冊の本』雪華社
むかしの学生は、一つの「使命感」をもって経済学に赴いた。
経済学は富の科学ではなくて、人間の科学であり、なかんずく「生命」の科学であるというのが、ラスキン独自の思想である。
文学を勉強しようというなら、こういう世界的なものを読破しなければいけない。
キリスト教の神学はただ一つの神という抽象的な観念を中心とする。
フランスの思想界には、二十世紀の初めに、ベルグソンとデュルケームという二人の偉大な思想家が革命的な著作をのこして、・・・・・
孔子や孟子は理想の頂点をめざして、人の上限の哲学を教え、荘子は、選択の自由もなく生み落されて人の世の底辺にうごめく人たちの、しかもそこでもゆるがない下限の生き方を説いたと知った。
もし世界が抹殺され、ただ一人の人間が残ったと仮定したとき、彼の哲学的認識の対象となるものは何か。
進歩と発展は違うね。
酒で会議をしても、あとは水で決めよ。
この世には、戦争がなければ得られないようなものがあり、一部の人たちはそういうものを欲している。
人間は、父親が殺されたのはすぐ忘れても、財産をなくしたことは、なかなか忘れないからである。
学者は、やっぱり、いつでも自ら学問に殉じて事故を捨てる覚悟をもっていた方がいい。そうでなくては学問の方が討死する。
日本には学会があっても学界はない。
パルチザンとはロシア語でゲリラという意味だ、と確かヘミングウェイは書いていた。
私にとつては、抵抗を感じられない書物からは、ほとんど何物をも把握することがないのである(ヴァレリー)。
平易にすることは、常に人類の叡智を進めることにはならない。
ゲーテは、英国のバイロン卿や、ウォルター・スコットに無条件に頭を下げている。
ナチスが、ゲーテを退けて、シルラーをドイツの最大の詩人ともち上げた理由が、・・・
ピリオッド・フィクションというのは、日本で時代小説というほどの意味だそうだ。
映画の鑑賞は、その映画を観たときの〝状況〟によって大きく左右されるという。
« 先崎彰容『ナショナリズムの復権』ちくま新書 | トップページ | 文藝春秋編『エッセイで楽しむ 日本の歴史 上』文春文庫 »
「読書論」カテゴリの記事
- 物江潤『デマ・陰謀論・カルト スマホ教という宗教』新潮新書(2023.09.06)
- 加地伸行『マスコミ偽善者列伝 建て前を言いつのる人々』飛鳥新社(2023.02.01)
- 久恒啓一編『平成時代の366名言集~歴史に残したい人生が豊かになる一日一言~』日本地域社会研究所(2022.12.02)
- ポール・ジョンソン『インテレクチュアルズ』共同通信社(2022.12.02)
- 猪瀬直樹『言葉の力「作家の視点」で国をつくる』中公新書ラクレ(2022.11.29)
« 先崎彰容『ナショナリズムの復権』ちくま新書 | トップページ | 文藝春秋編『エッセイで楽しむ 日本の歴史 上』文春文庫 »
コメント