宮下誠『カラヤンがクラシックを殺した』光文社新書
カラヤンを分水嶺として、指揮者のステータスはカリスマからアイドルに変化したのではないかと思う。
「帝王」カラヤンの「本業」にとって音楽は手段に過ぎない。
クラシックという「装置」を、いわば一般化、大衆化、普遍化したカラヤンの音楽によって私たちは決定的に間違ってしまったのではないか?
カラヤンの罪は思いが、しかしそれを産み出し、是認し、受け容れた近代社会もまた同様の罪に問われなければならない。
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